中学理科中学3年生物理
作用と反作用とは|つり合いとのちがいをやさしく【中3理科】
中3理科の「作用・反作用の法則」を図解します。物体Aが物体Bに力を加えると、必ずBからAへ大きさが等しく向きが反対の力がはたらくこと、2力のつり合いとの決定的なちがい(力がはたらく物体が1つか2つか)、スケートやロケットなど身近な例まで、図と例題でやさしくわかります。
作用・反作用の法則とは、物体Aが物体Bに力を加えると、必ずBからAへ大きさが等しく向きが反対の力がはたらくという法則です。 力のつり合いとのちがいは、力がはたらく物体が つか つかです——つり合いは つの物体にはたらく 力、作用・反作用は つの物体に つずつ。だから作用・反作用の 力はつり合いません。
◎このページのゴール
作用・反作用の法則を理解し、2力のつり合いとのちがい(力がはたらく物体が1つか2つか)を説明できるようになる。
「壁をおしただけなのに、なぜ自分のほうが動くの?」——その答えが作用・反作用の法則です。2力のつり合いとよく似ていて混同しやすいのですが、見分け方はたった1問。「その2力は、同じ1つの物体にはたらいている?」——これだけで区別できます。
どこでつまずいた?
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作用・反作用の法則とは(まず結論)
→やり方
- 物体Aが物体Bに力を加えると、必ず同時にBからAへ力がはたらく。
- この2力は、大きさが等しく、向きが反対、同一直線上にある。
- 2力は別々の物体(AとB)に1つずつはたらいている。

図のように、人が壁をおす力(作用)は壁にはたらき、壁が人をおし返す力(反作用)は人にはたらきます。どちらが作用でどちらが反作用かに決まりはなく、ペアの関係を表しているだけです。
つり合いとのちがい——見分け方は1問だけ
作用・反作用も2力のつり合いも、「大きさが等しく、向きが反対」という点は同じです。だからこそ混同します。決定的なちがいは力がはたらく物体の数です。

同じ「机の上の本」でも、どの2力に注目するかで名前が変わります。
| 2力のつり合い | 作用・反作用 | |
|---|---|---|
| 力がはたらく物体 | 1つ(同じ物体) | 2つ(別々の物体) |
| 例 | 本にはたらく重力 と 机が本をおす力 | 本が机をおす力 と 机が本をおす力 |
| 打ち消し合うか | 合力が0になり動かない | 打ち消し合わない(相手がちがう) |
✓コツ
判断の手順はこれだけです。「その2力は、同じ1つの物体にはたらいている?」
- はい → 2力のつり合い
- いいえ(相手がちがう) → 作用・反作用
2力のつり合いの3条件があいまいなら、先にそちらを確認しておくと、この見分けがぐっと楽になります。
「机が本をおす力」って、つり合いの説明にも作用・反作用の説明にも出てきてる……。同じ力なのに、どっちなの?
鋭い! その力自体はまったく同じ1つの力だよ。ちがうのは「どの力とペアにして見るか」なんだ。「机が本をおす力」を本にはたらく重力とペアにすれば、どちらも本にはたらくのでつり合い。同じ力を本が机をおす力とペアにすれば、相手が本と机で別々だから作用・反作用。力そのものではなく、組み合わせ方で名前が決まるんだよ。
✓理解チェック1
どうして作用と反作用は打ち消し合わないの?
?どうして?
作用と反作用は、別々の物体にはたらいているからです。力が打ち消し合って物体が動かなくなるのは、同じ1つの物体に大きさが等しく向きが反対の力がはたらいたとき(=つり合い)だけ。作用・反作用の2力は相手がちがうので、それぞれの物体にちゃんと効果を及ぼします。
模範解答:「作用と反作用は別々の物体にはたらいているため、1つの物体の上で打ち消し合うことがないから。」
だからこそ、壁をおすと自分が動き出せるのです。もし作用と反作用が打ち消し合ってしまうなら、どんなに壁をおしても何も起こらないはずですが、実際には反作用が自分の体にはたらくので、体は壁と反対の向きに動きます。
✓理解チェック2
身のまわりの作用・反作用
作用・反作用は、特別な実験をしなくても、身のまわりのあらゆる場面で起きています。
iメモ
- 歩く:足で地面を後ろへける(作用)と、地面が足を前へおし返す(反作用)。この反作用で前に進める。
- 泳ぐ:手で水を後ろへおす(作用)と、水が体を前へおし返す(反作用)。
- ロケット:燃焼ガスを下へふき出す(作用)と、ガスが機体を上へおし返す(反作用)。空気がない宇宙でも進めるのはこのため。
- ボートをこぐ:オールで水を後ろへおす(作用)と、水がボートを前へおし返す(反作用)。
どの例でも、進みたい向きと反対の向きに何かをおしていることに注目してください。前に進みたければ後ろをおす——これが作用・反作用を利用した移動の共通パターンです。
✓理解チェック3
よくある間違い
✕よくある間違い
作用と反作用は大きさが等しく向きが反対だから、打ち消し合って物体は動かないと考える
作用と反作用は別々の物体にはたらくので、打ち消し合わない。打ち消し合うのは同じ物体にはたらく2力(つり合い)だけ
もう1つ多いのが、「作用のほうが先で、反作用があとから返ってくる」という誤解です。作用と反作用は同時にはたらきます。時間差はなく、片方だけが単独で存在することもありません。力は必ず2つの物体の間でペアになって現れる、と覚えておきましょう。
やってみよう(練習問題)
やってみよう①(基本:ペアを答える)
次の力に対する反作用を答えましょう。
- 人がボールをける力。
- 地球が月を引く力(万有引力)。
答えと解説を見る
- ボールが人の足をおし返す力。
- 月が地球を引く力。
どちらも「AがBに加えた力」に対して「BがAに加える力」が反作用です。
やってみよう②(標準:つり合いか作用反作用か)
机の上に本が静止しています。次の2力の組み合わせは、つり合い・作用反作用のどちらですか。
- 本にはたらく重力 と 机が本をおす力
- 本が机をおす力 と 机が本をおす力
答えと解説を見る
- つり合い(どちらも「本」という1つの物体にはたらいている)。
- 作用・反作用(力がはたらくのは机と本で、別々の物体)。
やってみよう③(応用:記述で答える)
氷の上に立った人が、壁を手でおしたところ、人は壁と反対の向きにすべり出しました。
- 人をすべり出させた力は何ですか。
- 「作用」「反作用」「別々の物体」ということばを使って、人が動き出した理由を説明しなさい。
答えと解説を見る
- 壁が人をおし返す力(反作用)。
- (例)人が壁をおす力(作用)は壁にはたらき、壁が人をおす力(反作用)は人にはたらく。この2力は別々の物体にはたらいているため打ち消し合わず、人にはたらいた反作用の力によって人が動き出したから。
家おうちの方へ
この単元でつまずくのは、ほぼ**「つり合いとの混同」の1点です。どちらも「大きさが等しく向きが反対」なので、その特徴では区別できません。「その2力は、同じ1つの物体にはたらいている?」という1問だけで判断させる習慣をつけると、混乱がなくなります。もう1つ多いのが「作用と反作用は打ち消し合うのでは?」という疑問で、これは力がはたらく相手がちがう**ことを図で示すと納得しやすいです。「壁をおしたら自分が動いた=反作用は自分にはたらいている」という体験と結びつけるのが近道。2力のつり合いがあやふやなら、そちらに一度戻ってあげてください。
大きさが等しく向きが反対なのは、つり合いも作用・反作用も同じ。ちがうのは「はたらく相手が1つか2つか」だけです。この1問を毎回確かめれば、もう迷いません。
次は慣性の法則で、力がはたらかないときに物体がどうふるまうかを見ていきましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 作用・反作用の法則=物体Aが物体Bに力を加えると、必ずBからAへ大きさが等しく向きが反対の力がはたらく。
- この2力は2つの物体の間でやりとりされる(AとBに1つずつ)。
- 2力のつり合いは1つの物体にはたらく2力の話。ここが決定的なちがい。
- 見分け方は「その2力は同じ1つの物体にはたらいている?」の1問だけ。
- 作用と反作用は別々の物体にはたらくので、打ち消し合わない(だから物体は動ける)。
よくある質問
作用・反作用の法則とは何ですか?
作用・反作用の法則とは、物体Aが物体Bに力を加えると、必ず同時にBからAへ、大きさが等しく向きが反対の力がはたらくという法則です。たとえば手で壁をおすと、壁からも手へ同じ大きさの力がはたらいて返ってきます。力は必ず2つの物体の間でやりとりされ、一方だけが力を出すということはありません。
作用・反作用と2力のつり合いのちがいは何ですか?
力がはたらいている物体の数がちがいます。2力のつり合いは1つの物体にはたらく2つの力の関係で、作用・反作用は2つの物体の間でやりとりされる力の関係です。どちらも「大きさが等しく向きが反対」なので混同しやすいですが、「その2力は同じ1つの物体にはたらいているか」を確かめれば見分けられます。同じ物体ならつり合い、別々の物体なら作用・反作用です。
作用と反作用は打ち消し合わないのですか?
打ち消し合いません。作用と反作用は別々の物体にはたらいているからです。力が打ち消し合って動かなくなるのは、同じ1つの物体に大きさが等しく向きが反対の力がはたらいたとき(つり合い)だけです。作用・反作用の2力は相手がちがうので、それぞれの物体にちゃんと効果を及ぼし、物体が動くこともあります。
スケートで壁をおすと体が動くのはなぜですか?
作用・反作用の法則によって、壁から体へ反対向きの力がはたらくからです。自分が壁をおす力(作用)と同時に、壁が自分をおし返す力(反作用)がはたらきます。このおし返す力は自分の体にはたらくので、その力によって体は壁と反対の向きに動き出します。ロケットがガスをふき出して進むのも同じしくみです。
この単元でつまずいたとき、家庭でできること
- 力のはたらきと2力のつり合い(中1理科)に戻るつまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
- 説明役を、外部にまかせる教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。