中学理科中学1年生物理

力のはたらきと2力のつり合いの条件|力の矢印の書き方・重さと質量【中1理科】

力のはたらきとは、①物体の形を変える②運動のようすを変える③物体を支える、の3つです。中1理科の「力」を図解でやさしく。力の矢印の書き方(作用点・向き・大きさ)、2力がつり合う3条件、重さと質量のちがい(月では重さだけ約6分の1)、机の上の本が動かない理由の記述対策まで、テストに出る形でまとめました。

先に答え

力のはたらきは1形を変える 2動きを変える 3支える33 つ、力の三要素は作用点・向き・大きさ33 つで、矢印 11 本(根もとが作用点、長さが大きさ)で表します。22 力のつり合いの条件は1大きさが等しい 2向きが反対 3一直線上にある33 つセットです。質量は場所で変わらず、重さ(重力の大きさ)は月では約 66 分の 11 になります。

このページのゴール

力の3つのはたらきと三要素を説明でき、力を矢印で作図し、2力のつり合いの3条件と重さ・質量のちがいを答えられるようになる。

ボールをける、ばねをのばす、机が本を支える——どれも「力」のはたらきです。 中1の力の単元は、①力の3つのはたらき、②力の矢印のかき方、③2力のつり合いの条件、④重さと質量のちがい、の4点セット。 このページで、テストに出る形をまとめて身につけましょう。

力の3つのはたらき——変形・運動・支える

やり方

  1. 物体の形を変える(粘土をおしてへこませる、ばねをのばす)
  2. 物体の動き(速さや向き)を変える(止まっているボールをける、飛んできたボールを打ち返す)
  3. 物体を支える(机が本を支える、荷物を持ち上げたまま止まっている)
力の3つのはたらきを並べた写真。左は手でおされてボールがへこむようす、中央は止まっていたボールが転がり出したようす、右は机が本を支えているようす
左:形を変える——手でおすと、ボールがへこむ中央:運動のようすを変える——止まっていたボールが転がり出す右:物体を支える——机が本を上向きにおし返し、落とさずに支えている

このどれか1つでも起きていれば、「力がはたらいている」といえます。 「支える」は動きも形も変わらないので見落としがちですが、りっぱな力のはたらきです。

②は「動き出す」だけではありません。 速くなる・おそくなる・向きが変わるも、すべて「運動のようすが変わった」に入ります。 ブレーキで止まるのも、カーブを曲がるのも、力がはたらいている証拠です。

いろいろな力

力には名前がついています。 テストによく出るものを、まとめて押さえましょう。

力の名前どんな力?
重力地球が物体を、地球の中心に向かって引く力手をはなすとりんごが落ちる
弾性力(弾性の力)変形した物体が、もとにもどろうとする力のびたばねが手を引き返す
摩擦力ふれ合う面で、物体の動きをさまたげる力床の上の箱がすべり続けずに止まる
垂直抗力面が物体を、面に垂直におし返す力机が本をおし返して支える
磁力(磁石の力)磁石どうし・磁石と鉄が引き合う/しりぞけ合う力磁石にクリップがつく
電気の力静電気を帯びたものどうしが引き合う/しりぞけ合う力下じきに髪の毛が引きよせられる

重力・磁力・電気の力の3つは、物体にふれていなくてもはたらきます。 手をはなしたりんごは地球にふれていないのに引かれますよね。 それ以外(弾性力・摩擦力・垂直抗力)は、ふれ合っているところではたらく力です。

力の矢印の書き方——三要素(作用点・向き・大きさ)

力は目に見えません。 そこで理科では、力を矢印1本で表します。 矢印にこめる情報は3つ——これを力の三要素といいます。

力の単位はN(ニュートン)

力の大きさは N(ニュートン) という単位で表します。 質量 100g の物体にはたらく重力が、約 1N です(地球上での目安)。

指で箱をおしている写真。指がふれている場所に赤い印があり、手前には目もりのついたものさしが置かれている
①作用点——指がふれている赤い点。力がはたらく点で、矢印の根もとになる②向き——指がおしている向き。そのまま矢印の向きになる③大きさ——手前のものさしのように、長さではかって表す(1目もり1Nなら、3Nは3目もり分)

作図の手順は3ステップです。

やり方

  1. 力がはたらく点(作用点)に、点●をかく
  2. 作用点から、力の向きに直線を引く
  3. 力の大きさに比例した長さにして、先端に矢じりをつける(1目もり1Nなら、3Nは3目もり)

重力をかくときだけ、作用点の位置に注意。 重力は物体全体にはたらくので、作用点は物体の中心に1つとり、そこから真下向きにかきます。

算数の「単位量あたり」がそのまま使える

1目もりが何Nか」を先に決めてから、全体の長さを決める——これは小5算数の単位量あたりの大きさとまったく同じ考え方です。

1目もり= 22 N と決めたなら、66 N の力は 6÷2=36 \div 2 = 33目もり分。 逆に4目もり分の矢印は、2×4=82 \times 4 = 88N を表します。

「質量100gで約1N」も同じで、600÷100=6600 \div 100 = 6 から600gの物体の重さは6N。 目もりの読みでつまずいたら、単位量あたりの大きさ(小5算数)に一度戻ると、すっと入ります。

なお、力の大きさとばねののびの関係(力が2倍ならのびも2倍)は、次のページフックの法則(ばねののび)でくわしく扱います。 その正体は算数の比例(y=決まった数×x)なので、先に思い出しておくとスムーズです。

理解チェック1

2力のつり合い——条件は3つセット

1つの物体に2つの力がはたらいているのに、物体の運動のようすが変わらないとき、「2力はつり合っている」といいます。 つり合う条件は、次の3つです。

やり方

1つの物体にはたらく2力について、

  1. 2力の大きさが等しい
  2. 2力の向きが反対
  3. 2力が一直線上(同一直線上)にある

3つすべてそろって、はじめてつり合います。 1つでも欠けると、物体は動いたり回転したりします。

同じ本を2本のゴムひもで左右に引いた3枚の写真。上は本が動かず、中は片側の引く力が強くて本がずれ、下は引く高さがそろわず本がかたむいている
上:つり合う——大きさが等しく、向きが反対で、一直線上にある。本は動かない中:大きさがちがう——強いほうのゴムに引かれて、本が右へ動き出す下:一直線上にない——大きさと向きがよくても、線がずれると本は回ってしまう

つり合っているとき、物体はどうなる?

「つり合っている=止まっている」とは限りません。

  • 静止している物体は、静止したまま。
  • 動いている物体は、一定の速さでまっすぐ動き続ける。

つまり2力がつり合っているときは、物体の運動のようすが変わらない、というのが正確な言い方です。

iいちばん大事な前提:「1つの物体」にはたらく2力

つり合いは、1つの物体にはたらく2つの力の話です。

まぎらわしいのが、「机が本をおし返す力」と「本が机をおす力」のように、2つの物体の間でやりとりされる力(作用・反作用)。 こちらは大きさが等しく向きが反対でも、はたらいている相手がちがうので、つり合いではありません。

「その2力は、同じ1つの物体にはたらいている?」——これを毎回たしかめれば、混同しません。 作用・反作用については中3の作用と反作用(つり合いとのちがい)で、角度をもった2力を1つにまとめる方法は力の合成と分解(平行四辺形の法則)で学びます。

つり合いの代表例が、机の上の本です。 定期テストでは、この本が動かない理由を書かせる記述問題がくり返し出ます。

?なぜ、机の上に置いた本は動かないの?

本には、地球が下向きに引く重力がはたらいています。 それでも落ちないのは、机が本を上向きに**おし返す力(垂直抗力)**が同時にはたらいているから。

この2力は一直線上にあり、大きさが等しく向きが反対——3条件がそろってつり合っているので、本の運動のようすは変わりません。

模範解答:「本にはたらく下向きの重力と、机が本をおし返す上向きの垂直抗力がつり合っているから。」

「重力」「垂直抗力」「つり合っている」の3語が入っていれば得点できます。 「重さがあるから」「机がじょうぶだから」は不正解です。

理解チェック2

重さと質量のちがい——月では重さだけ1/6

「重さ」と「質量」は、日常では同じように使いますが、理科では別のものです。 このちがいは定期テストの超頻出ポイント。 表で整理しましょう。

重さ質量
何を表す?物体にはたらく重力の大きさ物体そのものの量
単位N(ニュートン)g・kg
はかる道具ばねばかり上皿てんびん
場所で変わる?変わる(月では約1/6)変わらない
同じおもりを地球の理科室と月面の基地でばねばかりにつるして比べた写真。地球ではばねが大きくのび、月ではのびが小さい。どちらにも上皿てんびんが置かれている
左:地球ではかると——ばねが大きくのびる。質量600gの物体で、ばねばかりは6N右:月ではかると——重力が約1/6なので、ばねののびも小さく、ばねばかりは約1Nどちらの上皿てんびんも同じ分銅とつり合う。質量600gは場所が変わっても同じ

計算してみよう(質量600gの物体)

地球上では、質量100gの物体にはたらく重力が約1Nでした。 この「1あたりの量」を使えば、質量から重さが出せます。

  1. 地球での重さ … 600÷100=6600 \div 100 = 66N
  2. 月での重さ … 重力が約 16\dfrac{1}{6} なので 6÷6=16 \div 6 = 1約1N
  3. 月での質量 … 600g のまま(場所では変わらない)

月の重力は地球の約 16\dfrac{1}{6}。 だから月では、重さ(ばねばかりの値)だけが約1/6になり、質量は変わりません。 上皿てんびんは分銅と質量をくらべる道具なので、月でも地球と同じ分銅とつり合います(分銅の重さも同じように1/6になるから)。

セナちゃんのアイコン
セナ

体重計に乗ると「kg」で出てくるよね。 あれって質量なの?重さなの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

いいところに気づいたね。 体重計がはかっているのは、体をおし返す力——つまり重さのほうなんだ。 それを「地球上ならこの質量のはず」と換算して、kgで表示しているんだよ。 だから同じ体重計を月に持っていくと、表示は約1/6になってしまう。 質量そのものをくらべたいときは、上皿てんびんのように分銅とくらべる方法を使うんだ。

理解チェック3

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

「2力は大きさが等しく、向きが反対だから、つり合う」と答える。 月に持っていくと「質量も1/6になる」と答える。

正しい

つり合いは**「一直線上にある」まで入れて3条件**。 月で1/6になるのは重さだけ。質量は変わらない。

作図では、重力の作用点のミスも定番です。 重力の矢印は、物体の下の面からではなく、物体の中心から真下にかきましょう。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:力のはたらきの分類)

次のア〜ウは、力の3つのはたらき(形を変える/動きを変える/支える)のどれにあたりますか。

  • ア:粘土を指でおして、へこませた
  • イ:転がってきたボールをけり返して、向きを変えた
  • ウ:かばんを手に持ったまま、じっと立っている
答えと解説を見る
  • ア:形を変える
  • イ:動き(向き)を変える
  • ウ:支える(手がかばんを支えている)

動きも形も変わらないウを「力ははたらいていない」と答えないように注意。 支えるのも力のはたらきです。

やってみよう②(標準:力の矢印の作図)

質量300gの物体が机の上に置かれています。 1目もりを1Nとして、この物体にはたらく重力を矢印で表すとき、次の問いに答えましょう。

  1. 重力の大きさは約何Nですか。
  2. 作用点はどこにとりますか。
  3. 矢印はどの向きに、何目もり分の長さでかきますか。
答えと解説を見る
  1. 質量100gで約1Nなので、300gは約3N
  2. 物体の中心に1つとる(重力は物体全体にはたらくため)。
  3. 真下向きに、3目もり分の長さでかく。

「作用点=中心」「向き=真下」「長さ=3目もり」の3点セットがそろって満点です。

やってみよう③(応用:月面での重さと質量)

地球上で、ある物体をばねばかりにつるすと1.2Nを示し、上皿てんびんでは120gの分銅とつり合いました。 この物体を月面(重力は地球の約1/6)に持っていきます。

  1. 月面でばねばかりにつるすと、およそ何Nを示しますか。
  2. 月面で上皿てんびんにのせると、120gの分銅とつり合いますか。理由も答えましょう。
答えと解説を見る
  1. 重さは約1/6になるので、1.2÷6=0.21.2\div 6=0.2約0.2N
  2. つり合う。てんびんは左右の質量をくらべる道具で、物体の重さも分銅の重さも同じように1/6になるから。

「ばねばかり=重さ(変わる)」「上皿てんびん=質量(変わらない)」——この対比が、入試までずっと使える定番問題です。

おうちの方へ

この単元の定期テストの狙われどころは、①2力のつり合いの3条件(「一直線上」の書き忘れ)、②重さと質量の区別(月で1/6になるのはどちらか)、③重力の矢印の作図(作用点は物体の中心・真下向き)、の3点にほぼ集中します。 とくに②は、「ばねばかり=重さ・変わる」「上皿てんびん=質量・変わらない」と道具とセットで覚えると安定します。 声かけは「月に持っていったら、どっちが変わる?」がおすすめ。 このあとのばねののび(フックの法則)は算数の比例そのものなので、小6の比例があやしい場合は先に戻っておくと、理科の計算がぐっと楽になります。

力の矢印・つり合いの3条件・重さと質量の区別——この3つが、中学理科の力学ぜんぶの入り口です。 次は力の大きさとばねののび(フックの法則)で、力を「はかる」方法を身につけましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 力のはたらきは3つ。①形を変える ②動き(速さ・向き)を変える ③支える
  • 力の三要素は作用点・向き・大きさ。矢印1本(根もと=作用点、長さ=大きさ)で表す。
  • 力の単位はN(ニュートン)。質量100gの物体にはたらく重力が約1N
  • 2力のつり合いの条件は①大きさが等しい ②向きが反対 ③一直線上にあるの3つセット。
  • 重さ=重力の大きさ(N・場所で変わる)、質量=物体そのものの量(g/kg・場所で変わらない)。月では重さだけ約1/6

よくある質問

重さと質量はどうちがいますか?

重さは物体にはたらく重力の大きさで、単位はN(ニュートン)、ばねばかりではかります。質量は物体そのものの量で、単位はgやkg、上皿てんびんではかります。重さは月に行くと約6分の1になるなど場所によって変わりますが、質量はどこへ行っても変わりません。

2力がつり合う条件は何ですか?

①2つの力の大きさが等しい、②2つの力の向きが反対、③2つの力が一直線上(同一直線上)にある、の3つです。3つすべてがそろってはじめてつり合い、物体は静止したままになります。大きさと向きだけ確かめて「一直線上」を書き忘れるまちがいが多いので注意しましょう。

力の矢印はどうやってかきますか?

力がはたらく点(作用点)を●でかき、そこから力の向きに直線を引いて、先端に矢じりをつけます。矢印の長さは力の大きさに比例させ、たとえば1目もり1Nなら3Nの力は3目もり分の長さにします。重力をかくときは、作用点を物体の中心にして真下向きにかきます。

月に行くと重さと質量はどうなりますか?

月の重力は地球の約6分の1なので、重さ(ばねばかりの値)は約6分の1になります。いっぽう質量は物体そのものの量なので、月でも変わりません。たとえば地球で質量600g・重さ約6Nの物体は、月では質量600gのまま・重さ約1Nになります。上皿てんびんは分銅と質量をくらべる道具なので、月でも同じ分銅とつり合います。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 密度の求め方(質量÷体積)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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