中学理科中学3年生地学

透明半球の実験|太陽の動きの記録と時刻の求め方【中3理科】

中3理科の「透明半球」の実験を図解します。ペンの先の影を円の中心に合わせて印をつける理由、記録した点の間隔が等しくなる理由、テープの長さから日の出・日の入りの時刻を比例で求める計算、南中時刻の読み取り方まで、図と例題でやさしく解説します。

先に答え

透明半球ではペンの先の影を円の中心に合わせて印をつけます。こうすると印が観測者から見た太陽の方向を表すからです。記録した点の間隔が等しいのは、地球が一定の速さで自転しているからで、テープの長さと時間が比例するので日の出・日の入りの時刻は比例計算で求められます。11 時間で 2.42.4 cm動くなら、3.63.6 cm分は 9090 分にあたります。

このページのゴール

透明半球の記録方法とその理由を説明でき、記録した点の間隔から日の出・日の入りの時刻を比例で計算できるようになる。

南中高度を計算で求められるようになったら、次は実際に太陽の動きを記録してみる番です。使うのは透明半球。この実験は「操作の理由」と「テープの長さからの時刻計算」が定期テストで必ず問われます。

透明半球の記録のしかた(まず結論)

やり方

  1. 記録用紙に円をかき、方位(東西南北)を合わせて透明半球をかぶせる。
  2. フェルトペンの先の影が、円の中心にくる位置を探し、そこに印をつける。
  3. 1時間ごとなど一定の時間おきにくり返し、印をなめらかな線で結ぶ。
透明半球に印をつける位置を示した教材図。東西南北を合わせた記録用紙に半球をかぶせ、フェルトペンの先・円の中心にできたペン先の影・太陽光が一直線に並ぶようすを矢印で示している。半球の上には東から西へ弧をえがき南で最も高くなる記録点が並ぶ
ペン先・円の中心(観測者の位置)・太陽が一直線に並ぶところが、印をつける位置。
こうして残した記録点は東から西へ弧をえがき、南で最も高くなる。

印を結んだ線が、その日の太陽の通り道になります。東からのぼり、南で最も高くなり(南中)、西へしずむ——この動きが記録として残ります。

どうして影を「中心」に合わせるの?

?どうして?

透明半球の中心は、観測者の位置を表しています。ペン先の影が中心にくるということは、ペン先・中心(観測者)・太陽が一直線に並んでいるということ。だからその位置に印をつければ、印は観測者から見た太陽の方向を正しく表します。

影が中心からずれた場所に印をつけると、太陽の方向とはちがう向きを記録してしまい、高度も方位も正しく読み取れなくなります。

模範解答:「透明半球の中心は観測者の位置を表しており、ペン先の影が中心にくるとき、その印は観測者から見た太陽の方向を示すことになるから。」

理解チェック1

点の間隔が等しくなるのはなぜ?

記録を1時間ごとにとると、点と点の間隔がどこも等しくなります。

?どうして?

地球が一定の速さで自転しているからです。太陽が動いて見えるのは、地球の自転による**見かけの動き(日周運動)**です。自転の速さが一定なので、同じ時間だけ動けば、同じだけ移動して見える——だから間隔が等しくなります。

模範解答:「地球が一定の速さで自転しているため、一定時間ごとの太陽の見かけの動きも一定になるから。」

この性質こそが、次の計算の土台です。間隔が等しい=テープの長さと時間が比例するので、長さから時刻を求められます。もし間隔がバラバラなら、比例計算は使えません。

セナちゃんのアイコン
セナ

太陽が動いてるんじゃなくて、地球が回ってるんだよね。それなのに「太陽の動きを記録する」って言っていいの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

いい着眼点だね。実際に動いているのは地球のほうで、太陽の動きは見かけの動きなんだ。でも、地上の観測者から見れば太陽が動いていくように見える——その見え方をそのまま記録するのがこの実験。だから「見かけの動き」という言い方をするよ。記述問題では「地球の自転による太陽の見かけの動き」と書けると満点だね。

理解チェック2

日の出・日の入りの時刻を求める

間隔が等しいので、テープの長さと時間は比例します。ここからは算数のの計算です。

記録テープから日の出の時刻を求める図。左の地平線から9時の記録点までが2.75センチ、9時の点から次の記録点までの1時間分が2.2センチであることを矢印で示し、日の出が7時45分と求まる流れを示している
赤い点=一定時間ごとの記録、黒い端点=地平線。青の1時間ぶん(2.2 cm)と、緑の「地平線から9時の点まで」(2.75 cm)をくらべると、日の出が9時より1時間15分前だとわかる。

上の図で、1時間ぶんが 2.2 cm9時の点から日の出側の地平線までが 2.75 cm だったとします。

2.75÷2.2=1.25(時間)2.75 \div 2.2 = 1.25 \text{(時間)}

1.251.25 時間は 1時間15分。日の出はこのぶんだけ9時より前なので、

91時間15=7459\text{時} - 1\text{時間}15\text{分} = 7\text{時}45\text{分}

日の出は7時45分です。日の入りも同じ考え方で、最後の記録点から地平線までの長さを使い、最後の記録時刻に足します

コツ

計算の手順は3ステップです。

  1. 1時間あたりの長さを求める(記録点の間隔)。
  2. 地平線までの長さが何時間分かを、わり算で求める。
  3. 日の出は引く/日の入りは足す

つまずきやすいのは3つ目の向きです。日の出は最初の記録より、日の入りは最後の記録よりあと——図を見ながら確認しましょう。また、1.251.25 時間を「1時間25分」としてしまうミスも多いので、0.250.25 時間=15分の変換にも注意です。

理解チェック3

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

日の出の時刻を、最初の記録時刻に足してしまう/1.251.25 時間を「1時間25分」と直してしまう

正しい

日の出は引く(記録より前)、日の入りは足す(記録よりあと)。1.251.25 時間 = 1時間15分

もう1つ多いのが、記録の理由を「太陽が動いているから」と書いてしまうことです。実際に動いているのは地球で、太陽の動きは地球の自転による見かけの動き。記述では「自転」ということばを必ず入れましょう。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:操作の理由)

透明半球の実験について答えましょう。

  1. 印をつけるとき、ペン先の影をどこに合わせますか。
  2. なぜその位置に合わせるのですか。理由を書きなさい。
答えと解説を見る
  1. 円の中心(観測者の位置を表す点)。
  2. 透明半球の中心は観測者の位置を表しており、ペン先の影が中心にくるとき、その印が観測者から見た太陽の方向を示すことになるから。

やってみよう②(標準:日の出の時刻)

1時間ごとに記録したところ、点の間隔はどこも 2.42.4 cm でした。最初の記録は10時で、その点から日の出側の地平線までの長さは 66 cm でした。

  1. 66 cm は何時間分ですか。
  2. 日の出の時刻を求めなさい。
答えと解説を見る
  1. 6÷2.4=2.56 \div 2.4 = 2.52.5時間(2時間30分)
  2. 102時間30=10\text{時} - 2\text{時間}30\text{分} = 7時30分(日の出は最初の記録より前なので引く)。

やってみよう③(応用:南中時刻と記述)

1時間ごとの間隔が 33 cm の記録で、9時の点から南中の点までの長さが 9.69.6 cm でした。

  1. 南中時刻を求めなさい。
  2. 記録した点の間隔がどこも等しくなる理由を書きなさい。
答えと解説を見る
  1. 9.6÷3=3.29.6 \div 3 = 3.2 時間 = 3時間12分(0.20.2 時間 = 12分)。9+3時間12=9\text{時} + 3\text{時間}12\text{分} = 12時12分
  2. 地球が一定の速さで自転しているため、一定時間ごとの太陽の見かけの動きも一定になるから。

おうちの方へ

この実験のテストポイントは、計算より先に操作の理由です。「ペン先の影を中心に合わせる理由」と「点の間隔が等しくなる理由」は記述問題の定番なので、中心=観測者の位置間隔が等しい=自転の速さが一定という2つのキーワードで答えられるか確認してあげてください。計算のほうは、①1時間あたりの長さを出す②わり算で何時間分か出す③日の出は引く・日の入りは足す、の3ステップに分解すると混乱しません。0.250.25 時間=15分のような小数と分の変換でつまずく場合は、算数のや単位換算に戻るのが近道です。南中高度そのものの意味は南中高度と季節の変化にまとめてあります。

透明半球の実験は、「なぜその操作をするのか」が答えられれば半分は取れます。中心は観測者、間隔が等しいのは自転が一定だから。そして長さと時間は比例するから、テープから時刻が読める——この3点で、記録も計算もつながります。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • ペンの先の影を、円の中心に合わせて印をつける。そうすると、印が観測者から見た太陽の方向を表す。
  • 記録した点の間隔が等しいのは、地球が一定の速さで自転しているから。
  • 点の間隔が等しいので、テープの長さと時間は比例する。だから比例計算で時刻が求まる。
  • 日の出・日の入りの時刻は、記録の両はしを地平線までのばして、そこまでの長さから計算する。
  • 南中=太陽が真南に来たとき。透明半球では弧のいちばん高い点にあたる。

よくある質問

透明半球の実験で、ペンの先の影を円の中心に合わせるのはなぜですか?

影が中心にくる位置に印をつけると、その印と中心を結んだ方向が、観測者から見た太陽の方向と一致するからです。透明半球の中心は観測者の位置を表しています。影が中心からずれた場所に印をつけてしまうと、太陽の方向を正しく記録できません。

記録した点の間隔が等しくなるのはなぜですか?

地球が一定の速さで自転しているからです。太陽が動いて見えるのは地球の自転による見かけの動き(日周運動)で、自転の速さが一定なので、一定時間ごとに記録した点の間隔も等しくなります。この性質があるため、テープの長さと時間が比例し、比例計算で時刻を求められます。

透明半球の記録から、日の出の時刻はどうやって求めますか?

記録した点を結んだ線を、日の出側の地平線まで延長します。次に、一定時間あたりの長さ(たとえば1時間で2.4cmなど)を求め、最初の記録点から地平線までの長さが何時間分にあたるかを比例で計算します。その時間を最初の記録時刻から引けば、日の出の時刻が求まります。日の入りは最後の記録点から地平線までで同様に計算し、最後の記録時刻に足します。

透明半球で南中の位置はどこですか?

記録した弧の中で、もっとも高くなっている点が南中の位置です。このとき太陽は真南にあり、高度がその日でもっとも高くなります。南中時刻も、日の出・日の入りと同じように、テープの長さから比例計算で求めることができます。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 南中高度と季節の変化(中3理科)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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