中学理科中学2年生化学

酸化銅の還元|実験の手順・化学反応式・記述対策【中2理科】

中2理科「酸化銅の還元」の実験を図解でやさしく。炭素と混ぜて加熱する手順、石灰水が白くにごる理由、火を消す前にガラス管を抜く・ピンチコックで閉じる理由の記述対策、化学反応式2CuO+C→2Cu+CO2のつくり方、できた銅の確かめ方まで、定期テストに出る形で解説します。

先に答え

酸化銅と炭素を混ぜて加熱したときの化学反応式は 2CuO+C2Cu+CO22\mathrm{CuO} + \mathrm{C} \rightarrow 2\mathrm{Cu} + \mathrm{CO_2} です。右の CO2\mathrm{CO_2} に酸素が 22 個あるので左の CuO\mathrm{CuO}22 個にそろえるのがコツで、酸化銅は酸素をうばわれて赤色の銅に還元され、炭素は酸化されて二酸化炭素になるため石灰水が白くにごります。終わり方は

  1. ガラス管を石灰水から抜く→
  2. 火を消す→
  3. ピンチコックで閉じる

の順です。

このページのゴール

酸化銅と炭素の実験の手順と操作の理由を自分の言葉で説明でき、化学反応式を書けるようになる。

「ガラス管を先に抜くのはなぜ?」「ピンチコックは何のため?」——酸化銅の還元は、中2化学でいちばん「操作の理由」が記述で問われる実験です。 このページでは、装置・手順・理由・化学反応式まで、テストに出る形でまとめて整理します。 酸化・還元そのものの意味は、酸化と還元(同時に起こるしくみ)で先に確認しておくとスムーズです。

実験の流れ——酸化銅と炭素を加熱して銅を取り出す

やり方

  1. 黒色の酸化銅炭素の粉末をよく混ぜて、試験管に入れる
  2. ガスバーナーで加熱し、出てきた気体をガラス管で石灰水に通す
  3. 石灰水が白くにごること(=二酸化炭素)を確認する
  4. 終わりは順番が命:①ガラス管を石灰水から抜く → ②火を消す → ③ピンチコックでゴム管を閉じる
黒色の酸化銅と炭素粉末を入れた試験管をガスバーナーで加熱し、発生した気体を導管で白くにごった石灰水へ通している実験装置の実写写真

写真で見るポイント:試験管の黒い粉末を加熱すると、発生した気体が導管を通り、石灰水が白くにごります。
終わり方:①導管の先を石灰水から抜く → ②火を消す → ③ピンチコックでゴム管を閉じる

理解チェック1

試験管で観察できること(記録のポイント)

テストでは「何が見えたか」を答えさせる問題が出ます。 観察の記録として押さえるのは、次の3つです。

見る場所変化わかること
試験管の中黒色 → 赤色になる酸化銅が銅に変わった
石灰水白くにごる出てきた気体は二酸化炭素
加熱をやめたあと赤い物質が残るこすると光る(後述)

石灰水を白くにごらせるのは二酸化炭素の性質でしたね(復習は気体の発生と性質へ)。

なぜ炭素を混ぜるの?

炭素は銅より酸素と結びつきやすいので、加熱すると酸素が炭素のほうへ移っていくからです。 だから混ぜる相手は炭素(活性炭)でなければならず、酸化銅だけを加熱しても銅にはなりません。

このしくみ(酸化と還元が同時に起こる理由)は、酸化と還元|酸素の受けわたしでくわしく解説しています。 「銅:酸素=4:1」を使った質量の計算問題も同じページです。実験とセットで出題されやすいので、あわせて確認しておきましょう。

「なぜ?」の記述対策——ガラス管とピンチコック

定期テストの記述問題は、ほぼこの2つです。 理由が2種類あることがポイント。混ぜて書くと減点されます。

?なぜ、火を消す前にガラス管を石灰水から抜くの?

先に火を消すと、試験管の中の気体が冷えて体積が小さくなり、石灰水が逆流してしまうから。 逆流した石灰水が熱い試験管にふれると、試験管が急に冷えて割れるおそれがあります。

模範解答:「試験管内の気体が冷えて収縮し、石灰水が逆流して試験管が割れるのを防ぐため。」

?なぜ、火を消したあとピンチコックでゴム管を閉じるの?

できたばかりの銅はまだ熱い。 そこへ外から空気が入ると、銅が空気中の酸素とふたたび結びついて酸化銅にもどってしまうから。

模範解答:「空気が試験管に入り、できた銅が再び酸化されるのを防ぐため。」

理解チェック2

化学反応式の作り方——2CuO + C → 2Cu + CO₂

ことばの式から、順番に組み立てます(係数合わせの基本は化学反応式のつくり方)。

やり方

  1. ことばの式:酸化銅 + 炭素 → 銅 + 二酸化炭素
  2. 化学式に置きかえる:CuO+CCu+CO2\mathrm{CuO} + \mathrm{C} \rightarrow \mathrm{Cu} + \mathrm{CO_2}
  3. 原子の数を左右でそろえる:右に O が2個 → 左の CuO\mathrm{CuO} を2個に → Cu もそろえて…

2CuO+C2Cu+CO22\mathrm{CuO} + \mathrm{C} \rightarrow 2\mathrm{Cu} + \mathrm{CO_2}

CuOCuOCCuCuOCO酸化銅 2個 + 炭素 1個銅 2個 + 二酸化炭素 1個Cu2個・O2個・C1個——原子の数は前後で同じ

酸素をうばわれた酸化銅が還元、酸素をもらった炭素が酸化。 1つの式の中で、酸化と還元が同時に起きています。

理解チェック3

できた銅の確認方法

加熱後の試験管には、赤色(赤茶色)の物質が残ります。 これが銅である証拠は、次の2つで確かめます。

  • 薬さじの裏などで強くこすると、金属特有の**かがやき(金属光沢)**が出る
  • 電気をよく通す

「黒色 → 赤色」の色の変化と、「こすると光る」はセットでテストに出ます。

水素でも還元できる——CuO + H₂ → Cu + H₂O

酸素をうばう相手は、炭素だけではありません。 水素も銅より酸素と結びつきやすいので、酸化銅を還元できます。

CuO+H2Cu+H2O\mathrm{CuO} + \mathrm{H_2} \rightarrow \mathrm{Cu} + \mathrm{H_2O}

このとき、できるのは二酸化炭素ではなく。 試験管の口もとに**水滴(くもり)**がつくのが観察のポイントです。 「炭素でも水素でも、銅より酸素と結びつきやすい物質なら酸素をうばえる」と整理しておきましょう。

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

「先に火を消してから、ガラス管を抜く」。 ピンチコックの理由を「石灰水の逆流を防ぐため」と書く。

正しい

ガラス管を抜く→火を消す→閉じるの順。 ガラス管=逆流(試験管割れ)防止、ピンチコック=銅の再酸化防止

もう1つは、化学反応式の係数忘れ。 「CuO + C → Cu + CO₂」のままでは、左右の原子の数が合いません(左O1個・右O2個)。 必ず 2CuO2\mathrm{CuO} にそろえましょう。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:手順の並べかえ)

実験を終えるときの操作ア〜ウを、正しい順に並べましょう。

  • ア:ピンチコックでゴム管を閉じる
  • イ:ガスバーナーの火を消す
  • ウ:ガラス管を石灰水から抜く
答えと解説を見る

ウ → イ → ア。 先に抜かないと石灰水が逆流(ウが先)、閉じないと銅が再酸化(アが最後の仕上げ)。 「抜く→消す→閉じる」とリズムで覚えましょう。

やってみよう②(標準:理由の記述)

次の操作の理由を、それぞれ簡潔に書きましょう。

  1. 火を消す前に、ガラス管を石灰水から抜く。
  2. 火を消したあと、ピンチコックでゴム管を閉じる。
答えと解説を見る
  1. 試験管内の気体が冷えて収縮し、石灰水が逆流して試験管が割れるのを防ぐため。
  2. 空気が試験管に入り、できた銅が再び酸化されるのを防ぐため。 (1は「逆流」、2は「再酸化」。キーワードが入っていれば満点がねらえます)

やってみよう③(応用:実験の総合問題)

酸化銅と炭素の粉末を混ぜて加熱しました。

  1. この反応を化学反応式で書きましょう。
  2. 石灰水はどうなりますか。また、そこから何がわかりますか。
  3. もし炭素の粉末を混ぜず、酸化銅だけを加熱したらどうなりますか。理由もあわせて書きましょう。
答えと解説を見る
  1. 2CuO+C2Cu+CO22\mathrm{CuO} + \mathrm{C} \rightarrow 2\mathrm{Cu} + \mathrm{CO_2}
  2. 白くにごる。発生した気体が二酸化炭素だとわかる。
  3. 変化しない(銅にならない)。酸素をうばってくれる相手がいないから。 還元には「酸素を受け取る相手」が必要です。ここが実験で炭素を混ぜる理由そのものなので、記述で問われることがあります。

おうちの方へ

この実験の定期テストでの狙われどころは、①終了操作の順番、②「ガラス管を先に抜く理由」と「ピンチコックで閉じる理由」の書き分け、③化学反応式の係数、の3点にほぼ集中します。 とくに②は、2つの理由(逆流防止/再酸化防止)を逆に書いてしまうお子さんが非常に多いところです。 「抜くのは水(石灰水)のため、閉じるのは空気のため」と、防ぐ相手で覚えるのがおすすめです。 土台があやしいときは、酸化と還元のしくみ化学反応式のつくり方に戻るのが近道です。

手順・理由・反応式の3点セットがそろえば、この実験は得点源になります。 次は質量の比(銅:酸素=4:1)の計算で、実験とセットで出る計算問題を仕上げましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 観察の記録は3つ。黒色→赤色石灰水が白くにごる/こすると金属光沢
  • 化学反応式は 2CuO+C2Cu+CO22\mathrm{CuO} + \mathrm{C} \rightarrow 2\mathrm{Cu} + \mathrm{CO_2}
  • 終わり方の順番は ①ガラス管を石灰水から抜く → ②火を消す → ③ピンチコックで閉じる
  • ガラス管を先に抜く理由=石灰水の逆流を防ぐ。ピンチコック=銅の再酸化を防ぐ。
  • 炭素・水素は銅より酸素と結びつきやすいので、酸化銅から酸素をうばえる。

よくある質問

酸化銅の還元の実験で、火を消す前にガラス管を石灰水から抜くのはなぜですか?

先に火を消すと、試験管の中の気体が冷えて体積が小さくなり、石灰水がガラス管を通って試験管へ逆流してしまうからです。逆流した石灰水が加熱部分に触れると、試験管が急に冷えて割れるおそれがあります。そのため必ず「ガラス管を石灰水から抜く→火を消す」の順番で操作します。

火を消したあと、ピンチコックでゴム管を閉じるのはなぜですか?

試験管の中にできた銅がまだ熱いうちに外から空気が入ると、銅が空気中の酸素とふたたび結びついて、酸化銅にもどってしまうからです。ピンチコックでゴム管を閉じて空気の出入りを断ち、試験管が冷めるまで銅を酸素に触れさせないようにします。石灰水の逆流防止(ガラス管を抜く理由)と混同しないよう注意しましょう。

石灰水が白くにごったことから、何がわかりますか?

発生した気体が二酸化炭素であることがわかります。石灰水を白くにごらせるのは二酸化炭素の性質だからです。二酸化炭素が出てきたということは、酸化銅がもっていた酸素が炭素と結びついたということで、試験管の中では黒色の酸化銅が赤色の銅に変わっています。

試験管に残った赤い物質が銅であることは、どうやって確かめますか?

薬さじの裏などで強くこすって、金属特有のかがやき(金属光沢)が出ることを確かめます。銅は赤色(赤茶色)の金属で、こすると光沢が出るほか、電気をよく通す性質もあります。黒色の酸化銅が赤色に変わり、こすると光れば、還元されて銅ができたといえます。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 酸化と還元(同時に起こるしくみ)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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