中学理科中学3年生化学
酸・アルカリと中和とは|H⁺とOH⁻でわかる【中3理科】
中3理科でつまずきやすい「酸・アルカリと中和」を図解。酸はH⁺、アルカリはOH⁻を出すという正体、pH(7が中性・小さいほど酸性・大きいほどアルカリ性)の向き、中和でH⁺+OH⁻→水・酸+アルカリ→塩と水になるしくみまで、図と例題でやさしくわかります。
◎このページのゴール
酸・アルカリの正体(酸=水素イオンH⁺・アルカリ=水酸化物イオンOH⁻)とpHの意味、中和のしくみ(H⁺+OH⁻→水、酸+アルカリ→塩と水)を説明できるようになる。
「酸はすっぱい、アルカリはぬるぬる」——なんとなく覚えているけれど、正体を聞かれると答えにくい。じつは酸とアルカリのちがいは、水に溶けたときに出す“イオン”で決まります。ここをイオンでつかめば、pHも中和も丸暗記なしでスッと整理できます。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
酸・アルカリと中和(まず結論)
→やり方
- 酸=水に溶けて 水素イオン H⁺ を出すもの(塩酸・硫酸・酢など)。
- アルカリ=水に溶けて 水酸化物イオン OH⁻ を出すもの(水酸化ナトリウム・水酸化カルシウムなど)。
- 酸とアルカリを混ぜると 中和 が起こり、H⁺ + OH⁻ → 水(H₂O)、全体では 酸 + アルカリ → 塩(えん)+ 水。
つまり、酸とアルカリの正体は「H⁺を出すか」「OH⁻を出すか」のちがい。そして中和は、そのH⁺とOH⁻が出会って水になる反応です。
どうしてH⁺・OH⁻が正体なの?
酸も水酸化物も、水に溶けるとイオンに分かれます。このとき、
- 酸は決まって H⁺(水素イオン) を出す
- アルカリは決まって OH⁻(水酸化物イオン) を出す
この共通点こそが、「酸らしさ・アルカリらしさ」の正体です。
たとえば塩酸(塩化水素 HCl が水に溶けたもの)は、水の中で のように分かれ、H⁺を出します。水酸化ナトリウム NaOH は と分かれ、OH⁻を出します。酸・アルカリの正体はイオンなので、まだあいまいならイオンとは(中3理科)に一度戻ると、ここがスッと入ります。
✓コツ
見分けの手がかり:酸は青色リトマス紙を赤にし、BTB液は黄色、すっぱい味(食べてはいけません)。アルカリは赤色リトマス紙を青にし、BTB液は青、さわるとぬるぬる。中性のBTB液は緑です。
酸が出すのがH⁺で、アルカリが出すのがOH⁻…どっちがどっちか、いつも混ざっちゃう。
セットで覚えると迷わないよ。酸→H⁺(“さん”の中にH=水素のイメージ)、アルカリ→OH⁻。そしてこの2つが出会うと水(H₂O)になる——これが次に出てくる「中和」なんだ。H⁺とOH⁻はいわばペア、と覚えておこう。
✓理解チェック①
pH(ピーエイチ)で強さを表す
酸性・アルカリ性の強さは、pH という数で表します。向きを間違えやすいので、数直線でつかみましょう。
ポイントは3つだけ。
- pH = 7 … 中性(ちょうど真ん中。純粋な水など)
- pH が 7 より小さい … 酸性(小さいほど強い酸性。H⁺が多い)
- pH が 7 より大きい … アルカリ性(大きいほど強いアルカリ性。OH⁻が多い)
数が小さいほうが酸性、というのが直感と逆で迷いやすいところ。「7が真ん中、小さい=酸」とセットで覚えましょう。身近な例では、レモン汁 約2、酢 約3、水 7、せっけん水 約10 くらいです。
✓理解チェック②
中和:H⁺とOH⁻が結びついて水になる
酸とアルカリを混ぜると、酸のH⁺とアルカリのOH⁻が結びついて水になります。これが中和です。
このとき、残った酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついたものを 塩(えん) といいます。だから中和を全体でまとめると、
たとえば、塩酸 HCl と水酸化ナトリウム NaOH の中和は、。できる塩は塩化ナトリウム NaCl(食塩)です。「塩(えん)」は調味料の「塩(しお)」だけを指す言葉ではなく、中和でできる物質全体の名前である点に注意しましょう。
中和したら、いつも「酸でもアルカリでもない中性」になるの?
いいところに気づいたね。中和は「H⁺とOH⁻が水になる反応」そのものを指す言葉で、ちょうど中性になるとはかぎらないんだ。酸が多く残れば酸性のまま、アルカリが多く残ればアルカリ性のまま。H⁺とOH⁻がぴったり同じ数そろってはじめて中性になるよ。
✓理解チェック③
よくある間違い
✕よくある間違い
pHは「大きいほど酸性が強い」と思ってしまう/中和すると必ず中性になると思ってしまう
pHは 小さいほど酸性・大きいほどアルカリ性(7が中性)。中和は H⁺+OH⁻→水 の反応で、ぴったり同数のときだけ中性
迷ったら、酸=H⁺/アルカリ=OH⁻、pHは7が真ん中で小さいほど酸性、中和は酸+アルカリ→塩+水の3点に戻りましょう。「塩(えん)」=食塩だけ、という思い込みにも注意(中和でできる物質全体の名前)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:正体とpH)
酸・アルカリの正体とpHを答えましょう。
- 酸が水に溶けたときに出すイオンは何か。アルカリが出すイオンは何か。
- pH=7、pH=3、pH=12 は、それぞれ何性か。
答えと解説を見る
- 酸が出すのは 水素イオン H⁺、アルカリが出すのは 水酸化物イオン OH⁻。
- pH7=中性、pH3=酸性(7より小さい)、pH12=アルカリ性(7より大きい)。
✏️ やってみよう②(標準:中和の式)
中和について答えましょう。
- 中和でH⁺とOH⁻が結びつくと、何ができるか。式で書きなさい。
- 「酸+アルカリ」が中和すると、水のほかに何ができるか。その物質の名前は?
答えと解説を見る
- H⁺ + OH⁻ → H₂O(水)。
- 水のほかに 塩(えん) ができる。塩は、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついた物質。まとめると「酸+アルカリ→塩+水」。
✏️ やってみよう③(応用:塩酸と水酸化ナトリウム)
塩酸 HCl と水酸化ナトリウム NaOH を混ぜたときについて答えましょう。
- このときできる塩(えん)の名前と化学式を答えなさい。
- 全体の反応を、化学式の式で書きなさい。
答えと解説を見る
- できる塩は 塩化ナトリウム NaCl(食塩)。酸の陰イオン Cl⁻ とアルカリの陽イオン Na⁺ が結びついたもの。
- 。H⁺とOH⁻が水になり、Na⁺とCl⁻が塩になります。
家おうちの方へ
この単元のつまずきは、多くが「酸=H⁺/アルカリ=OH⁻」というイオンとの結びつきがあいまいなことから来ます。まずイオンとは(中3理科)に戻り、「水に溶けると+と−のイオンに分かれる」という土台を固めると、酸・アルカリ・中和が一本の線でつながります。声かけのコツは3つ。①pHは「7が真ん中・小さいほど酸性」と向きをセットで確認する、②中和は「H⁺+OH⁻→水」がいちばん大事な式だと押さえる、③「塩(えん)」は食塩だけでなく中和でできる物質全体の名前だと伝える。BTB液やリトマス紙の色は、実験や動画と結びつけると記憶に残ります。
酸・アルカリの正体がH⁺・OH⁻だとわかれば、pHも中和も「H⁺とOH⁻のせめぎ合い」という1つの見方で説明できます。中3理科の化学は、イオンを土台にすると一気に見通しがよくなります。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 酸は水に溶けて 水素イオン H⁺ を出す。すっぱい・青色リトマスを赤くする。
- アルカリは水に溶けて 水酸化物イオン OH⁻ を出す。赤色リトマスを青くする。
- pH は酸性・アルカリ性の強さの目安。7が中性、小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性。
- 中和は酸とアルカリを混ぜる反応。H⁺ + OH⁻ → H₂O(水) が起こる。
- まとめると 酸 + アルカリ → 塩(えん)+ 水。塩は酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついたもの。
よくある質問
酸とアルカリのちがいは何ですか?
酸は水に溶けて水素イオン H+(水素イオン)を出すもの、アルカリは水に溶けて水酸化物イオン OH−(水酸化物イオン)を出すものです。酸はすっぱく、青色リトマス紙を赤に変え、BTB液は黄色になります。アルカリはさわるとぬるぬるし、赤色リトマス紙を青に変え、BTB液は青になります。正体はどちらもイオンで、出すイオンのちがいで決まります。
中和とは何ですか?
中和とは、酸とアルカリを混ぜたときに、酸の水素イオン H+とアルカリの水酸化物イオン OH−が結びついて水(H2O)ができる反応です。イオンの式で書くと「H+ + OH− → H2O(水)」。このとき残った酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついたものを塩(えん)といい、全体では「酸 + アルカリ → 塩(えん)+ 水」とまとめられます。
pHが小さいほど酸性が強いのはなぜですか?
pHは酸性・アルカリ性の強さを表す目安で、7が中性、7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強くなります。pHが小さいほど水溶液の中の水素イオン H+が多く、酸性が強いことを表しています。数が小さいほど酸性というのは直感と逆で迷いやすいので、「7が真ん中、小さいほど酸性」とセットで覚えましょう。
中和すると必ず中性になりますか?
いいえ、中和したからといって必ず中性になるとはかぎりません。中和は「水素イオン H+と水酸化物イオン OH−が結びついて水になる反応」そのものを指す言葉です。酸が多く残れば酸性のまま、アルカリが多く残ればアルカリ性のままで、H+とOH−がぴったり同じ数そろってはじめて中性になります。