中学理科中学3年生化学

酸・アルカリと中和とは|H⁺とOH⁻でわかる【中3理科】

中3理科でつまずきやすい「酸・アルカリと中和」を図解。酸はH⁺、アルカリはOH⁻を出すという正体、pH(7が中性・小さいほど酸性・大きいほどアルカリ性)の向き、中和でH⁺+OH⁻→水・酸+アルカリ→塩と水になるしくみまで、図と例題でやさしくわかります。

先に答え

酸は水にとけて水素イオン H+\mathrm{H^+} を出す物質アルカリは水酸化物イオン OH\mathrm{OH^-} を出す物質です。pH は 77 が中性で、小さいほど酸性・大きいほどアルカリ性。中和は H++OHH2O\mathrm{H^+} + \mathrm{OH^-} \rightarrow \mathrm{H_2O} で水ができる反応で、全体では酸+アルカリ→塩+水となります。中和したからといって、必ず中性になるとはかぎりません。

このページのゴール

酸・アルカリの正体(酸=水素イオンH⁺・アルカリ=水酸化物イオンOH⁻)とpHの意味、中和のしくみ(H⁺+OH⁻→水、酸+アルカリ→塩と水)を説明できるようになる。

「酸はすっぱい、アルカリはぬるぬる」——なんとなく覚えているけれど、正体を聞かれると答えにくい。じつは酸とアルカリのちがいは、水に溶けたときに出す“イオン”で決まります。ここをイオンでつかめば、pHも中和も丸暗記なしでスッと整理できます。

酸・アルカリと中和(まず結論)

やり方

  1. =水に溶けて 水素イオン H⁺ を出すもの(塩酸・硫酸・酢など)。
  2. アルカリ=水に溶けて 水酸化物イオン OH⁻ を出すもの(水酸化ナトリウム・水酸化カルシウムなど)。
  3. 酸とアルカリを混ぜると 中和 が起こり、H⁺ + OH⁻ → 水(H₂O)、全体では 酸 + アルカリ → 塩(えん)+ 水

つまり、酸とアルカリの正体は「H⁺を出すか」「OH⁻を出すか」のちがい。そして中和は、そのH⁺とOH⁻が出会って水になる反応です。

どうしてH⁺・OH⁻が正体なの?

酸も水酸化物も、水に溶けるとイオンに分かれます。このとき、

  • は決まって H⁺(水素イオン) を出す
  • アルカリは決まって OH⁻(水酸化物イオン) を出す

この共通点こそが、「酸らしさ・アルカリらしさ」の正体です。

実物の2つのビーカーで、酸は水素イオンH⁺を出し、アルカリは水酸化物イオンOH⁻を出すことを比べた実写図解

たとえば塩酸(塩化水素 HCl が水に溶けたもの)は、水の中で HClH++Cl\mathrm{HCl} \rightarrow \mathrm{H^+} + \mathrm{Cl^-} のように分かれ、H⁺を出します。水酸化ナトリウム NaOH は NaOHNa++OH\mathrm{NaOH} \rightarrow \mathrm{Na^+} + \mathrm{OH^-} と分かれ、OH⁻を出します。酸・アルカリの正体はイオンなので、まだあいまいならイオンとは(中3理科)に一度戻ると、ここがスッと入ります。

コツ

見分けの手がかりは、指示薬の色です。

テストではこの表がそのまま問われます。

指示薬酸性中性アルカリ性
BTB液黄色
青色リトマス紙に変わる変わらない変わらない
赤色リトマス紙変わらない変わらないに変わる
フェノールフタレイン液無色無色赤(うすい赤)
マグネシウムリボン水素が発生変化なし変化なし

覚え方のコツは、フェノールフタレイン液はアルカリ性でだけ赤くなると1点だけ押さえること。

BTB液は「黄・緑・青」の3色で、信号のように酸性→中性→アルカリ性の順に並びます。

このほか、酸はすっぱい味(もちろん食べてはいけません)、アルカリはさわるとぬるぬるする、という性質もあります。

pH試験紙やムラサキキャベツ液など、ほかの指示薬の色や、複数の指示薬の結果を組み合わせて液性を判断する練習は指示薬の色まとめに整理してあります。

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セナ

酸が出すのがH⁺で、アルカリが出すのがOH⁻…どっちがどっちか、いつも混ざっちゃう。

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ホクト先生

セットで覚えると迷わないよ。酸→H⁺(“さん”の中にH=水素のイメージ)、アルカリ→OH⁻。そしてこの2つが出会うと水(H₂O)になる——これが次に出てくる「中和」なんだ。H⁺とOH⁻はいわばペア、と覚えておこう。

理解チェック1

pH(ピーエイチ)で強さを表す

酸性・アルカリ性の強さは、pH という数で表します。向きを間違えやすいので、数直線でつかみましょう。

実物のpH試験紙と試薬の色で、pH 0側は酸性、7は中性、14側はアルカリ性であることを示した実写図解

ポイントは3つだけ。

  • pH = 7中性(ちょうど真ん中。純粋な水など)
  • pH が 7 より小さい酸性(小さいほど強い酸性。H⁺が多い)
  • pH が 7 より大きいアルカリ性(大きいほど強いアルカリ性。OH⁻が多い)

数が小さいほうが酸性、というのが直感と逆で迷いやすいところ。「7が真ん中、小さい=酸」とセットで覚えましょう。身近な例では、レモン汁 約2、酢 約3、水 7、せっけん水 約10 くらいです。

理解チェック2

中和:H⁺とOH⁻が結びついて水になる

酸とアルカリを混ぜると、酸のH⁺とアルカリのOH⁻が結びついてになります。これが中和です。

H++OHH2O\mathrm{H^+} + \mathrm{OH^-} \rightarrow \mathrm{H_2O}

実物のビーカーに水溶液を滴下し、水素イオンH⁺と水酸化物イオンOH⁻が結びついて水H₂Oになる中和を示した実写図解

このとき、残った酸の陰イオンアルカリの陽イオンが結びついたものを 塩(えん) といいます。だから中和を全体でまとめると、

+アルカリ塩(えん)+\text{酸} + \text{アルカリ} \rightarrow \text{塩(えん)} + \text{水}

たとえば、塩酸 HCl と水酸化ナトリウム NaOH の中和は、HCl+NaOHNaCl+H2O\mathrm{HCl} + \mathrm{NaOH} \rightarrow \mathrm{NaCl} + \mathrm{H_2O}。できる塩は塩化ナトリウム NaCl(食塩)です。「塩(えん)」は調味料の「塩(しお)」だけを指す言葉ではなく、中和でできる物質全体の名前である点に注意しましょう。

「どれだけ混ぜたら中性?」を計算する問題は別ページ

このページで扱うのは、中和がどういう反応かというしくみまでです。

「塩酸10cm³を中和するのに水酸化ナトリウム水溶液は何cm³必要か」「加えた体積とイオンの数のグラフはどうなるか」といった量を求める問題は、中和の計算とグラフにまとめてあります。

入試で差がつくのはそちらなので、しくみが飲みこめたら必ず進んでみてください。

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セナ

中和したら、いつも「酸でもアルカリでもない中性」になるの?

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ホクト先生

いいところに気づいたね。中和は「H⁺とOH⁻が水になる反応」そのものを指す言葉で、ちょうど中性になるとはかぎらないんだ。酸が多く残れば酸性のまま、アルカリが多く残ればアルカリ性のまま。H⁺とOH⁻がぴったり同じ数そろってはじめて中性になるよ。

理解チェック3

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

pHは「大きいほど酸性が強い」と思ってしまう/中和すると必ず中性になると思ってしまう

正しい

pHは 小さいほど酸性・大きいほどアルカリ性(7が中性)。中和は H⁺+OH⁻→水 の反応で、ぴったり同数のときだけ中性

迷ったら、酸=H⁺/アルカリ=OH⁻pHは7が真ん中で小さいほど酸性中和は酸+アルカリ→塩+水の3点に戻りましょう。「塩(えん)」=食塩だけ、という思い込みにも注意(中和でできる物質全体の名前)。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:正体とpH)

酸・アルカリの正体とpHを答えましょう。

  1. 酸が水に溶けたときに出すイオンは何か。アルカリが出すイオンは何か。
  2. pH=7、pH=3、pH=12 は、それぞれ何性か。
答えと解説を見る
  1. 酸が出すのは 水素イオン H⁺、アルカリが出すのは 水酸化物イオン OH⁻
  2. pH7=中性、pH3=酸性(7より小さい)、pH12=アルカリ性(7より大きい)。

やってみよう②(標準:中和の式)

中和について答えましょう。

  1. 中和でH⁺とOH⁻が結びつくと、何ができるか。式で書きなさい。
  2. 「酸+アルカリ」が中和すると、水のほかに何ができるか。その物質の名前は?
答えと解説を見る
  1. H⁺ + OH⁻ → H₂O(水)
  2. 水のほかに 塩(えん) ができる。塩は、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついた物質。まとめると「酸+アルカリ→塩+水」。

やってみよう③(応用:塩酸と水酸化ナトリウム)

塩酸 HCl と水酸化ナトリウム NaOH を混ぜたときについて答えましょう。

  1. このときできる塩(えん)の名前と化学式を答えなさい。
  2. 全体の反応を、化学式の式で書きなさい。
答えと解説を見る
  1. できる塩は 塩化ナトリウム NaCl(食塩)。酸の陰イオン Cl⁻ とアルカリの陽イオン Na⁺ が結びついたもの。
  2. HCl+NaOHNaCl+H2O\mathrm{HCl} + \mathrm{NaOH} \rightarrow \mathrm{NaCl} + \mathrm{H_2O}。H⁺とOH⁻が水になり、Na⁺とCl⁻が塩になります。

おうちの方へ

この単元のつまずきは、多くが「酸=H⁺/アルカリ=OH⁻」というイオンとの結びつきがあいまいなことから来ます。まずイオンとは(中3理科)に戻り、「水に溶けると+と−のイオンに分かれる」という土台を固めると、酸・アルカリ・中和が一本の線でつながります。声かけのコツは3つ。①pHは「7が真ん中・小さいほど酸性」と向きをセットで確認する、②中和は「H⁺+OH⁻→水」がいちばん大事な式だと押さえる、③「塩(えん)」は食塩だけでなく中和でできる物質全体の名前だと伝える。BTB液やリトマス紙の色は、実験や動画と結びつけると記憶に残ります。

酸・アルカリの正体がH⁺・OH⁻だとわかれば、pHも中和も「H⁺とOH⁻のせめぎ合い」という1つの見方で説明できます。

中3理科の化学は、イオンを土台にすると一気に見通しがよくなります。

次は中和の計算とグラフへ。「H⁺とOH⁻が1対1で水になる」というこのページの結論を、そのまま比例の計算に使います。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 酸は水に溶けて 水素イオン H⁺ を出す。すっぱい・青色リトマスを赤くする。
  • アルカリは水に溶けて 水酸化物イオン OH⁻ を出す。赤色リトマスを青くする。
  • pH は酸性・アルカリ性の強さの目安。7が中性小さいほど酸性大きいほどアルカリ性
  • 中和は酸とアルカリを混ぜる反応。H⁺ + OH⁻ → H₂O(水) が起こる。
  • まとめると 酸 + アルカリ → 塩(えん)+ 水。塩は酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついたもの。

よくある質問

酸とアルカリのちがいは何ですか?

酸は水に溶けて水素イオン H+(水素イオン)を出すもの、アルカリは水に溶けて水酸化物イオン OH−(水酸化物イオン)を出すものです。酸はすっぱく、青色リトマス紙を赤に変え、BTB液は黄色になります。アルカリはさわるとぬるぬるし、赤色リトマス紙を青に変え、BTB液は青になります。正体はどちらもイオンで、出すイオンのちがいで決まります。

中和とは何ですか?

中和とは、酸とアルカリを混ぜたときに、酸の水素イオン H+とアルカリの水酸化物イオン OH−が結びついて水(H2O)ができる反応です。イオンの式で書くと「H+ + OH− → H2O(水)」。このとき残った酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついたものを塩(えん)といい、全体では「酸 + アルカリ → 塩(えん)+ 水」とまとめられます。

pHが小さいほど酸性が強いのはなぜですか?

pHは酸性・アルカリ性の強さを表す目安で、7が中性、7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強くなります。pHが小さいほど水溶液の中の水素イオン H+が多く、酸性が強いことを表しています。数が小さいほど酸性というのは直感と逆で迷いやすいので、「7が真ん中、小さいほど酸性」とセットで覚えましょう。

中和すると必ず中性になりますか?

いいえ、中和したからといって必ず中性になるとはかぎりません。中和は「水素イオン H+と水酸化物イオン OH−が結びついて水になる反応」そのものを指す言葉です。酸が多く残れば酸性のまま、アルカリが多く残ればアルカリ性のままで、H+とOH−がぴったり同じ数そろってはじめて中性になります。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. イオンとは(中3理科)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
#酸#アルカリ#中和#pH#中3理科