中学理科中学3年生物理
仕事と仕事率の求め方(仕事=力×距離)|公式をやさしく【中3理科】
中3理科でつまずきやすい「仕事と仕事率」を図解。仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)、持ち上げると水平移動のちがい、仕事率(W)=仕事÷時間、道具を使っても仕事は変わらない「仕事の原理」まで、面積図と動滑車の図でやさしくわかります。
◎このページのゴール
仕事=力×距離、仕事率=仕事÷時間の意味を理解し、計算ができ、道具を使っても仕事の量は変わらない「仕事の原理」を説明できるようになる。
「重い荷物をじっと支えてるだけなのに、なんで理科では“仕事は 0”なの?」——理科の仕事は、日常の「仕事」とは少しちがいます。でも公式はとてもシンプル。仕事=力×距離の意味を図でつかめば、仕事率や「仕事の原理」まで一気に見えてきます。
どこでつまずいた?
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仕事と仕事率の求め方
→やり方
- 仕事(J)= 力(N)× 力の向きに動かした距離(m)。単位は J(ジュール)。
- 仕事率(W)= 仕事(J)÷ かかった時間(秒)。単位は W(ワット)。
- 仕事率は「1秒あたりの仕事の量」=仕事の速さ。算数の単位量あたりと同じ「1あたり」の考え方です。
たとえば、 N の力で物体を力の向きに m 動かしたときの仕事は、
仕事は 60 J。これを 秒で行えば、仕事率は で 12 W です。
どうして「力 × 距離」なの?(単位 J)
仕事とは「物体に力を加えて、その力の向きに動かしたときの“効果の大きさ”」のこと。同じ力でも、長く動かすほど効果(仕事)は大きくなります。だから「力」と「距離」のかけ算になります。
縦を「力(N)」、横を「動いた距離(m)」とすると、仕事はその長方形の面積として見えます。 N × m = J。**1 J は「1 N の力で 1 m 動かしたときの仕事」**で、単位 J は「N × m」をまとめた名前です。割る向き・かける向きに迷ったら、**仕事率の単位 W(= J ÷ 秒)**も思い出すと、「1秒あたりの仕事」だとわかります。
✓コツ
仕事の単位 J(ジュール) = N × m。仕事率の単位 W(ワット) = J ÷ 秒。単位を見れば「何をかける・何で割る」かがわかります。なお 1 W は「1秒あたり 1 J の仕事をする能力」です。
力の向きと、動いた向き
理科の仕事になるのは、力の向きに物体が動いたときだけです。たとえば荷物を持ち上げるときは、上向きの力で物体を上に動かすので仕事をしています。一方、荷物を持って水平に運ぶだけのときは、支える力は上向きなのに動いた向きは横(力と垂直)。この上向きの力は仕事をしていません(0 J)。
距離は「力の向きに動かした距離」だけを使います。持ち上げる仕事は、。水平移動で支えるだけの上向きの力は、動いた向き(横)と垂直なので仕事になりません。
重い荷物をずっと支えてたら、すごく疲れるよ? なのに仕事が 0 なんておかしくない?
気持ちはすごくわかる! でも理科の「仕事」は“疲れた感じ”じゃなくて、力の向きに物体がどれだけ動いたかで決めるルールなんだ。動いた距離が 0 なら、どんなに力を出しても仕事は J。日常の「仕事」とは意味がちがう、と割り切るのがコツだよ。
✓理解チェック①
✓理解チェック②
道具を使っても得しない?(仕事の原理)
動滑車やてこ、斜面などの道具を使うと、小さな力で持ち上げられます。でも、そのぶん引く距離は長くなります。結局、仕事の量(力×距離)は道具を使わないときと変わりません。これを 仕事の原理 といいます。
たとえば N の物体を m 持ち上げる仕事は J。動滑車を使うと力は半分の N で済みますが、ひもを引く距離は 倍の m。仕事は J で同じです。道具は「力を小さくする(=楽にする)」けれど、「仕事の総量を減らす」ことはできません。
iメモ
ここでは道具自体の摩擦や重さは考えない理想的な場合です(中学の範囲)。実際には道具の摩擦などで、加える仕事のほうが少しだけ大きくなります。
✓理解チェック③
よくある間違い
✕よくある間違い
物体を水平に運ぶとき、支える力(上向き)× 運んだ距離(横)で仕事を計算する( J など)
使うのは「力の向きに動かした距離」だけ。支える力(上向き)と動いた向き(横)が垂直なので、この力の仕事は 0 J
仕事は「力 × 力の向きに動いた距離」。向きがそろっていない分は使いません。また、仕事(J)と仕事率(W)の取りちがえにも注意。**仕事=力×距離(J)/仕事率=仕事÷時間(W)**と、単位で区別しましょう。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:仕事を求める)
仕事 = 力 × 力の向きに動かした距離 で求めましょう。
- N の力で、力の向きに m 動かした。仕事は?
- N の物体を、まっすぐ上に m 持ち上げた。仕事は?
答えと解説を見る
- → 100 J
- → 18 J(持ち上げる仕事は「重さ × 高さ」)
✏️ やってみよう②(標準:仕事率/水平移動)
公式と「力の向き」に注意して求めましょう。
- J の仕事を 秒で行った。仕事率は?
- 重さ N の荷物を、持ち上げず水平に m 運んだ。支える上向きの力がした仕事は?
答えと解説を見る
- 仕事率=仕事÷時間 = → 15 W
- 0 J。支える力(上向き)と動いた向き(横)が垂直なので、この力は仕事をしていません。
✏️ やってみよう③(応用:仕事の原理と仕事率)
考えて答えましょう(道具の摩擦・重さは考えない)。
- N の物体を動滑車で m 持ち上げる。①引く力 ②ひもを引く距離 ③仕事を求めなさい。
- 1の作業を 秒で行ったときの仕事率は?
答えと解説を見る
- ①力は半分で 100 N ②距離は2倍で 6 m ③仕事 = J。直接だと J で、仕事の原理より同じ。
- 仕事率 = → 60 W。道具で仕事の量は変わらないので、仕事率は「仕事 ÷ 時間」で計算します。
家おうちの方へ
仕事のつまずきは、多くが「日常の“仕事”との意味のちがい」にあります。重い物を支え続けても、動いていなければ理科の仕事は 0 J——「力の向きに動いた距離だけを使う」というルールを、まず図で押さえると混乱が減ります。仕事率(W)は「1秒あたりの仕事」で、算数の単位量あたりや「速さ」と同じ“1あたり”の考え方だと言いかえてあげると、すっと入ります。仕事の原理は「力が小さくなったぶん、距離が長くなる(だから得しない)」と、動滑車や坂道の具体例で確認するのがコツ。単位 J(=N×m)と W(=J÷秒)を、計算前に必ず声に出させると、かける・割るの向きをまちがえにくくなります。
仕事がわかると、「楽をする道具がなぜ得をしないのか」「速い機械とは何か」が、ぜんぶ同じ1つの考え方で説明できます。理科の計算も、算数の「1あたり」と「面積(かけ算)」の力がそのまま武器になります。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 仕事(J)= 力(N)× 力の向きに動かした距離(m)。単位は J(ジュール)。
- 力の向きと動いた向きが同じときだけ仕事になる(持ち上げる=上向きに動かす)。
- 力の向きと垂直に動いても(水平に支えて運ぶだけなど)、その力は仕事をしていない(0 J)。
- 仕事率(W)= 仕事(J)÷ かかった時間(秒)。1秒あたりの仕事の量で、仕事の「速さ」を表す。
- 道具(動滑車など)を使うと力は小さくできるが距離はその分のびて、仕事の量は変わらない(仕事の原理)。
よくある質問
理科の仕事とは何ですか?
仕事とは、物体に力を加えて、その力の向きに動かしたときの効果の大きさのことです。仕事(J)=力(N)×力の向きに動かした距離(m)で求め、単位はJ(ジュール)です。たとえば20Nの力で力の向きに3m動かすと、仕事は20×3=60Jになります。
仕事と仕事率の公式は何ですか?
仕事の公式は「仕事(J)=力(N)×力の向きに動かした距離(m)」、仕事率の公式は「仕事率(W)=仕事(J)÷かかった時間(秒)」です。仕事率は1秒あたりの仕事の量で、仕事の速さを表します。たとえば60Jの仕事を5秒で行えば、仕事率は60÷5=12Wです。
なぜ重い荷物をじっと支えているだけだと、仕事は0なのですか?
理科の仕事は「力の向きに物体がどれだけ動いたか」で決めるルールだからです。じっと支えているだけでは動いた距離が0なので、力×0=0Jになります。同じ理由で、荷物を水平に運ぶだけのときも、支える上向きの力と動いた向き(横)が垂直なので、その力は仕事をしていません。
動滑車などの道具を使うと、仕事は少なくてすみますか?
いいえ、道具を使っても仕事の量は変わりません。これを仕事の原理といいます。動滑車を使うと引く力は半分になりますが、ひもを引く距離が2倍になるので、力×距離で計算する仕事は同じです。たとえば100Nの物体を2m持ち上げる仕事は200Jで、動滑車でも50N×4m=200Jになります。