中学理科中学3年生物理
水圧と浮力|浮力の求め方(ばねばかりの差)をやさしく【中3理科】
中3理科の「水圧と浮力」を図でやさしく。水圧が深いほど大きくなる理由、浮力が上下の水圧差で生まれるしくみ、浮力=空気中の重さ−水中での重さ(ばねばかりの差)の計算、浮く・沈むの条件、完全に沈むと深さを変えても浮力が変わらない理由まで、圧力とつなげて整理できます。
◎このページのゴール
水圧が深さで大きくなることと、浮力が上下の水圧差で生まれることを理解し、浮力=空気中の重さ−水中での重さで計算し、浮く・沈むを判断できるようになる。
「水に入れると軽く感じるのに、深く沈めるともっと軽くなるの?」——浮力は中3理科でつまずきやすい単元ですが、正体は圧力の応用です。深いほど強くなる水圧の「上と下の差」が、上向きの力=浮力を生みます。図でしくみをつかみ、計算は「ばねばかりの目盛りの差」だけ。これで浮く・沈むまで説明できます。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
水圧——深いほど大きくなる
水の中の物体は、まわりの水の重さによる圧力を受けます。これが水圧です。圧力(力÷面積)と同じ考え方で、上にある水が重いほど大きくなります。
iメモ
水圧は、深いほど大きくなり、あらゆる向き(上下・横)からはたらきます。深さで決まり、容器の形には関係しません。
深いところほど、上にのっている水の量(重さ)が増えるので水圧は大きくなります。耳が痛くなる・水中メガネが顔に押しつけられるのは、この水圧のためです。
✓理解チェック①
浮力は「上下の水圧の差」で生まれる
水中の物体には、上の面と下の面の両方に水圧がかかります。下の面のほうが深いので水圧が大きく、その差が上向きの力=浮力になります。
上の面には下向きの水圧、下の面には上向きの水圧。下のほうが深くて水圧が大きいので、差し引きすると上向きの力が残ります。これが浮力の正体です。水に入れた物体が軽く感じるのは、この上向きの浮力が重力の一部を打ち消すからです。
✓理解チェック②
浮力の大きさを求める(ばねばかりの差)
浮力の大きさは、ばねばかりを使えばかんたんに求められます。
?どうして?
浮力 = 空気中での重さ − 水中での重さ(ばねばかりの目盛りの差)。力の単位は N(ニュートン)。
たとえば、空気中で N の物体が、水中では N を示したなら、浮力は N。水中で軽くなったぶんが、そのまま浮力です。
✓理解チェック③
深く沈めても浮力は変わる?
ここが最大のつまずき。「深いほど水圧は大きいから、深く沈めるほど浮力も大きくなりそう」——でも、物体が完全に水中にあれば、深さを変えても浮力は変わりません。
✓コツ
浮力は押しのけた水の重さに等しく、それは水中にある物体の体積で決まります。完全に沈んでいれば、深くしても押しのける水の体積は同じなので、浮力は変わりません。(上面・下面どちらの水圧も同じだけ増え、差は変わらないため。)
ただし、物体がまだ一部しか沈んでいないときは、深く入れるほど水中の体積がふえて浮力も大きくなります。「完全に沈むまでは増える/沈みきったら一定」と整理しましょう。
深いほど水圧が大きいのに、浮力は変わらないの…? なんだか矛盾してる気がする!
いい引っかかり方! たしかに深いほど水圧は大きい。でも浮力は「下面と上面の水圧の差」。深くすると上面の水圧も下面の水圧も同じだけ大きくなるから、差は変わらないんだ。だから完全に沈んでいれば、浮力は深さによらず一定。変わるのは「沈んでいる体積」がふえるときだけだよ。
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
「深いほど水圧が大きい」から、完全に沈んだ物体も深いほど浮力が大きくなると考える
完全に沈んでいれば浮力は深さによらず一定。浮力が変わるのは、沈んでいる体積が変わるときだけ
もう1つは、浮力を「水中での重さ」と混同すること。浮力は“軽くなった差”(空気中 − 水中)です。たとえば水中で N の物体の浮力が N とはかぎりません(空気中 N なら浮力は N)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:浮力)
ばねばかりの目盛りから浮力を求めましょう。
- 空気中 N、水中 N の物体の浮力。
- 空気中 N、水中 N の物体の浮力。
答えと解説を見る
- → 1 N。
- → 3 N。浮力=空気中の重さ−水中の重さです。
✏️ やってみよう②(標準:浮く・沈む)
物体にはたらく重力(空気中の重さ)と浮力をくらべます。
- 重力 N、浮力 N の物体は、浮く? 沈む?
- 重力 N、浮力 N の物体は、浮く? 沈む?
答えと解説を見る
- 浮力 N > 重力 N なので、上向きが勝って浮く。
- 浮力 N < 重力 N なので、下向きが勝って沈む。
✏️ やってみよう③(応用:深さと浮力)
空気中で N の物体を水に入れたところ、完全に水中に沈み、ばねばかりは N を示しました。
- このときの浮力は何 N?
- この物体をさらに深く沈めると、ばねばかりの値はどうなる?
答えと解説を見る
- → 1 N。
- 完全に沈んでいるので、深くしても押しのける水の体積は変わらず、浮力も N のまま。よってばねばかりは 3 N のまま変わりません。
家おうちの方へ
水圧と浮力のつまずきは、大きく2つです。1つは「浮力=水中での重さ」と混同すること。浮力は“軽くなった差”(空気中 − 水中)で、ばねばかりの目盛りの差で求めます。もう1つが「深く沈めるほど浮力が大きくなる」という思い込みで、これは強敵です。たしかに水圧は深いほど大きいのですが、浮力は上面と下面の水圧の“差”で、深くすると両方が同じだけ増えるため差は変わりません。完全に沈んでいれば浮力は一定、変わるのは沈んでいる体積がふえるときだけ、と図で確認してあげてください。土台は圧力(力÷面積)。圧力の理解があやしいときは、そちらに戻るのが近道です。
深いほど大きくなる水圧。その上下の“差”が浮力。完全に沈めば浮力は一定。——このしくみと「空気中 − 水中」の引き算さえ押さえれば、浮く・沈むの判断まで、まとめて説明できます。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 水圧=水の重さによる圧力。深いほど大きく、あらゆる向きにはたらく。
- 浮力=水中の物体が受ける上向きの力。下面と上面の水圧の差で生まれる。
- 浮力 = 空気中での重さ − 水中での重さ(ばねばかりの目盛りの差)。
- 物体が完全に水中にあれば、深さを変えても浮力は変わらない(押しのける水の体積が同じ)。
- 浮力 > 重力なら浮き、浮力 < 重力なら沈む。
よくある質問
浮力とは何ですか?
浮力とは、水中の物体が受ける上向きの力のことです。物体の下面と上面にかかる水圧の差によって生まれます。水に入れた物体が軽く感じるのは、この上向きの浮力が重力の一部を打ち消すからです。
浮力の大きさを求める公式は何ですか?
浮力=空気中での重さ−水中での重さ、つまりばねばかりの目盛りの差で求めます。力の単位はN(ニュートン)です。たとえば空気中で4N、水中で3Nを示した物体なら、浮力は4−3=1Nです。水中で軽くなったぶんが、そのまま浮力になります。
なぜ浮力は上向きにはたらくのですか?
水圧は深いほど大きくなるため、物体の下面(深い側)にかかる上向きの水圧のほうが、上面(浅い側)にかかる下向きの水圧より大きいからです。この差し引きで上向きの力が残り、それが浮力になります。
深く沈めるほど、浮力は大きくなりますか?
いいえ、物体が完全に水中にあれば、深さを変えても浮力は変わりません。深くすると上面と下面の水圧はどちらも同じだけ大きくなり、差が変わらないためです。浮力が変わるのは、物体がまだ一部しか沈んでいなくて、水中にある体積がふえるときだけです。