小学理科小学5年生物理
電磁石|コイルに電流を流すと磁石になるしくみ【小5理科】
小5理科の「電磁石」を図解でやさしく解説。コイルに電流を流すと磁石になり、電流を止めると磁力が消えること(永久磁石とのちがい)、電流を大きく・巻き数を多くすると強くなること、電流の向きでN極とS極が入れかわること、鉄しんの役割まで、図と例題とクイズでつまずきを解消します。
◎このページのゴール
「コイルに電流を流すと電磁石になり、電流を止めると磁力が消えること」と「電流の大きさ・巻き数で強さが変わり、電流の向きで極が入れかわること」を理解し、電磁石の性質を説明できるようになる。
「鉄のくぎに導線をぐるぐるまいて、電気を流すだけで磁石になる」——それが電磁石です。ふつうの磁石(永久磁石)とちがって、スイッチで磁石にしたり、もどしたりできるのがすごいところ。図で見れば、しくみも強くするコツもすっとわかります。
どこでつまずいた?
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電流を流すと磁石になる(電磁石)
導線をぐるぐるまいたものをコイルといいます。コイルに電流を流すと、磁石のはたらきをします。これが電磁石です。中に鉄のくぎ(鉄しん)を入れておくと、電流を流したときだけ鉄のクリップを引きつけます。
そして、いちばん大事なところ。電流を流している間だけ磁石になり、電流を止めると、磁力はすぐに消えます。引きつけていたクリップは、スイッチを切るとパラパラ落ちます。
電流を流すと磁石、止めると磁石じゃなくなる。この「スイッチで切りかえられる」ところが、いつでも磁石のままのふつうの磁石(永久磁石)との大きなちがいです。
✓理解チェック①
電磁石を強くする2つの方法
電磁石の強さは、変えることができます。強くする方法は、おもに2つです。
→やり方
- 電流を大きくする…かん電池を2個直列につなぐなどして流れる電流を大きくすると、電磁石は強くなる。
- コイルの巻き数を多くする…導線をまく回数を多くすると、電磁石は強くなる(導線の長さは同じにしてくらべる)。
このほか、コイルの中に鉄しん(鉄のくぎ)を入れると、磁石のはたらきがぐっと強くなります。
引きつけられるクリップの数で、強さをくらべられます。電流が大きいほど、巻き数が多いほど、たくさんのクリップを引きつける=強い電磁石になります。実験でくらべるときは、変えるのは1つだけにして、ほかは同じにそろえるのがコツです。
電流を大きくしても、巻き数を多くしても、どっちでも強くなるの?
そうだよ。どちらも強くする方法。でも実験で「どっちのせいで強くなったか」を確かめたいときは、1つだけ変えて、ほかはそろえるのが大事なんだ。たとえば「巻き数のちがいを調べる」なら、電流(電池の数)は同じにして、巻き数だけを50回と100回でくらべる。そうすれば、強さのちがいが巻き数のせいだとはっきりわかるよ。導線の長さも、あまった分は切らずに束ねて、同じ長さでそろえてね。
✓理解チェック②
電流の向きを変えると、N極とS極が入れかわる
電磁石にも、ふつうの磁石と同じようにN極とS極があります。おもしろいのは、電流の向きを反対にすると、N極とS極が入れかわることです。電池の向き(+と−)を反対につなぎかえると、極が逆になります。
方位磁針を近づけると、電磁石のN極・S極を調べられます(方位磁針のN極は、電磁石のS極に引きよせられます)。電池の向きを反対にすると、方位磁針のふれる向きも反対になる——これが、極が入れかわった証拠です。
✓理解チェック③
鉄しんを入れると、もっと強くなる
コイルだけでも電磁石になりますが、中に鉄しん(鉄のくぎなど)を入れると、磁石のはたらきがぐっと強くなります。鉄しんが、コイルの磁石の力をぎゅっと集めるはたらきをするからです。
同じ電流・同じ巻き数でも、鉄しんを入れたほうがたくさんのクリップを引きつけます。電磁石の実験では、ストローに導線をまいて、その中に鉄くぎを入れたり抜いたりして、強さのちがいをくらべます。
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
電磁石は、一度電流を流せばずっと磁石のまま。極(N・S)はいつも決まっている
電流を止めると磁力は消える(永久磁石とちがう)。電流の向きを変えると、N極とS極は入れかわる
もう一つ。「電磁石を強くするには、ただ電池を新しくすればいい」と思いがちですが、ポイントは電流の大きさと巻き数です。電池を直列で増やして電流を大きくする、巻き数を多くする、鉄しんを入れる——この3つが強くする方法です。実験でくらべるときは、変えるのは1つだけにして、ほかは同じにそろえましょう。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:電磁石の性質)
電磁石について、つぎの文が正しければ◯、まちがっていれば×をつけましょう。
- 「電磁石は、電流を止めても磁石のはたらきが残る」
- 「電磁石にもN極とS極がある」
- 「コイルに鉄しんを入れると、電磁石は強くなる」
答えと解説を見る
- ×…電流を止めると磁力は消える。これが永久磁石とのちがい。
- ◯…電磁石にもN極・S極があり、方位磁針で調べられる。
- ◯…鉄しんを入れると、磁石の力が集まって強くなる。
電磁石は「電流を流したときだけ磁石」「極があり、向きを変えられる」のがポイントです。
✏️ やってみよう②(標準:強さをくらべる実験)
巻き数だけがちがう2つの電磁石を、同じ電池(同じ電流)で調べました。
| コイルA | コイルB | |
|---|---|---|
| 巻き数 | 50回 | 100回 |
| 引きついたクリップ | 3個 | 6個 |
- 強い電磁石はどちらですか。
- この実験から、電磁石の強さは何によって変わるとわかりますか。
- この実験で、2つそろえておくべき条件を1つ書きなさい。
答えと解説を見る
- コイルB(クリップを6個引きつけていて、たくさん引きつけたほうが強い)。
- コイルの巻き数(巻き数が多いほど強い)。
- 電流の大きさ(電池の数)/導線の長さ/鉄しんの有無のどれか1つ。巻き数のちがいだけを調べたいので、ほかの条件はそろえる。
調べたい1つ(ここでは巻き数)だけを変え、ほかをそろえるのが実験のきまりです。
✏️ やってみよう③(応用:電流の向きと極)
ある電磁石に電流を流したら、右のはしがN極になりました。
- 電池の向き(+と−)を反対につなぎかえると、右のはしは何極になりますか。
- このとき、電磁石の右はしに方位磁針を近づけると、方位磁針のN極は電磁石に引きよせられますか、しりぞけられますか。
答えと解説を見る
- S極。電流の向きを反対にすると、N極とS極が入れかわるから。
- 引きよせられる。電磁石の右はしがS極になり、方位磁針のN極はちがう極(S極)と引き合うため。
電流の向き→極の向き、極の向き→方位磁針のふれ方、と順につなげて考えます。
家おうちの方へ
電磁石のつまずきは、ほとんどが「永久磁石とのちがい」です。電流を流したときだけ磁石になり、止めると磁力が消える——ここを、クリップを引きつけてスイッチを切る実演で見せると一発で伝わります。100円ショップの鉄くぎとエナメル線(または導線)、かん電池があれば、おうちでも簡単に作れます。「巻き数を多くすると強い」「電池を2個直列にして電流を大きくすると強い」は、引きつくクリップの数でくらべると数で実感できます。極が入れかわることは、方位磁針を近づけて電池の向きを反対にし、ふれる向きが逆になるのを見せてあげてください。変える条件を1つにしぼってくらべるという実験の作法も、ここで身につく大切な力です。中学では磁界として理由までくわしく学びます。基礎のじしゃくや電気のはたらきに戻ると、より深く理解できます。
電磁石は、「電流を流すと磁石・止めると消える」「電流を大きく・巻き数を多くすると強い」「電流の向きで極が入れかわる」「鉄しんを入れると強い」——この4つが芯です。電気の力で磁石を自由にあやつるこのしくみは、モーターやクレーンなど、わたしたちの暮らしのいたるところで活やくしています。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 導線をまいたコイルに電流を流すと、磁石のはたらきをする(=電磁石)。
- 永久磁石とちがい、電流を止めると磁力は消える。
- 電磁石を強くするには 電流を大きくする/巻き数を多くする。
- 電流の向きを変えると、N極とS極が入れかわる。
- コイルに鉄しんを入れると、もっと強くなる。
よくある質問
電磁石とは何ですか?
導線をぐるぐるまいたコイルに電流を流すと、磁石のはたらきをするものを電磁石といいます。中に鉄しん(鉄のくぎ)を入れると、電流を流したときだけ鉄のクリップを引きつけます。ふつうの磁石(永久磁石)とちがい、電流を止めると磁力はすぐに消えます。
電磁石とふつうの磁石(永久磁石)は、どこがちがうのですか?
電磁石は電流を流している間だけ磁石になり、電流を止めると磁力が消えます。だから、スイッチで磁石にしたり、もどしたりできます。いつでも磁石のままの永久磁石とちがって、この「スイッチで切りかえられる」ところが電磁石の大きな特ちょうです。
電磁石を強くするには、どうすればよいですか?
電流を大きくする(かん電池を2個直列につなぐなど)か、コイルの巻き数を多くすると、電磁石は強くなります。さらにコイルの中に鉄しん(鉄のくぎ)を入れると、磁石のはたらきがぐっと強くなります。引きつけられるクリップの数が多いほど、強い電磁石です。
電池の向きを反対にすると、なぜN極とS極が入れかわるのですか?
電磁石の極の向きは、電流の向きで決まるからです。電池の+と−を反対につなぎかえると電流の向きが変わり、それに合わせてN極とS極が入れかわります。方位磁針を近づけると、ふれる向きが反対になることで、極が入れかわった証拠がわかります。