中学理科中学2年生物理
磁界とは|磁力線・右ねじの法則・コイルの極の決め方【中2理科】
磁界とは、磁力がはたらく空間のことです。中2理科の磁界を図でやさしく。棒磁石のまわりの磁力線のかき方、方位磁針の向き、まっすぐな導線にできる同心円状の磁界と右ねじの法則、コイルのN極・S極を決める右手の使い方まで、「向きの決め方」だけを集中して整理します。
磁界とは磁力がはたらく空間で、向きは方位磁針のN極が指す向きです。磁力線はN極から出てS極に入り、混んでいるところほど磁界が強くなります。まっすぐな導線のまわりには同心円状の磁界ができ、向きは右ねじの法則(電流の向きにねじを進めると回す向きが磁界)で決まります。コイルでは右手の 本指を電流の向きにそえると、親指の向きがN極です。
◎このページのゴール
磁界の向きの決め方を身につけ、棒磁石のまわりの磁力線・導線のまわりの同心円状の磁界(右ねじの法則)・コイルのN極とS極を、図にかいて説明できるようになる。
「磁石でもないただの導線が、なぜ方位磁針を動かすの?」——その答えが磁界です。
中2理科で「向きがこんがらがる」と苦手になりやすいところですが、覚えることは実は3つだけ。
磁力線の向き・右ねじの法則・右手で握る——この3つを図でつかめば、このあと習うモーターも発電も同じルールで読めるようになります。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
磁界とは——磁力がはたらく空間
磁石のまわりには、磁力がはたらく空間があります。これを磁界(磁場)といいます。磁界には向きがあり、その場所に置いた方位磁針のN極が指す向きが磁界の向きです。
iメモ
磁界の向き=方位磁針のN極が指す向き。磁界のようすを線で表したものが磁力線で、磁石のN極から出てS極に入る向きにかきます。
おどろくことに、磁石がなくても電流を流すだけで磁界ができます。導線の近くに方位磁針を置くと、電流を流したとたんに針が振れる——これが「電流と磁界」の出発点です。
✓理解チェック1
磁力線のかき方——3つのきまり
目に見えない磁界を、線にして目に見えるようにしたものが磁力線です。
かき方には、テストで採点される3つのきまりがあります。
→やり方
- N極から出て、S極に入る向きに矢印をつける
- 線どうしは決して交わらない(途中で切れることもない)
- 線が混んでいるところほど磁界が強い(極の近くがいちばん混む)
方位磁針をあちこちに置いて、N極が指した向きをつないでいくと、この磁力線が浮かび上がります。
✓理解チェック2
導線のまわりの磁界(右ねじの法則)
まっすぐな導線に電流を流すと、導線を中心に同心円状の磁界ができます。その向きを決めるのが右ねじの法則です。
右ねじの法則:右ねじ(ふつうのねじ)を電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きになります。電流の向きを逆にすれば、磁界の向きも逆になります。導線に近いほど磁界は強く、電流を大きくしても強くなります。
✓理解チェック3
✓理解チェック4
コイルは「棒磁石」になる
導線を何回も巻いたコイルに電流を流すと、1本1本の磁界が重なって強め合い、全体が1本の棒磁石のようにふるまいます。
コイルの磁界を強くするには、①電流を大きくする ②巻き数をふやす ③鉄心を入れる。鉄心入りのコイルが電磁石です。N極・S極の向きは、右手の4本指を電流の向きにそわせて握ると、親指の向きがN極になります(電流を逆にすれば極も逆)。
右ねじとか右手とか…ルールが多くてどれを使えばいいか分からなくなる!
整理するとシンプルだよ。まっすぐな導線は「右ねじ」(進める向き=電流、回す向き=磁界)。コイルは「右手で握る」(4本指=電流、親指=N極)。どちらも“右手系”で、電流の向きを決めれば磁界(や極)の向きが決まる、という同じ考え方。迷ったら「電流の向きはどっち?」から始めよう。
✓理解チェック5
右ねじと右手——使い分けの早見表
このページで出てきた「向きの決め方」を、1つの表にまとめます。
どちらも右手を使うので、迷ったら「今見ているのは、まっすぐな導線か、巻いたコイルか」から判断します。
| 形 | 使うルール | 当てはめ方 |
|---|---|---|
| まっすぐな導線 | 右ねじの法則 | ねじを進める向き=電流/回す向き=磁界 |
| コイル | 右手で握る | 4本指=電流/親指の向き=N極 |
どちらも出発点は同じで、電流の向きが決まれば磁界(極)の向きが決まります。
電流の向きを逆にすれば、磁界の向きも極も逆になる——ここまでが磁界の話です。
✓理解チェック6
✓この先に出てくる話
磁界の向きが決められるようになると、次の2つが解けるようになります。
- 磁界の中の導線に電流を流すと力を受けて動く……磁界の中の電流が受ける力(モーターのしくみ)
- コイルの中の磁界を変化させると電流が流れる……電磁誘導とは(誘導電流・直流と交流)
どちらも「まず磁界の向きを決める」ところから始まります。
よくある間違い
✕よくある間違い
磁力線をS極から出るようにかく。 線どうしを交差させてかく。
磁力線はN極から出てS極に入る。 線は決して交わらない。
もう1つは、右ねじ(まっすぐな導線)と右手で握る(コイル)の取りちがえです。
導線は「進める=電流/回す=磁界」、コイルは「4本指=電流/親指=N極」。
どちらも“電流の向きから磁界(極)を決める”同じ仲間ですが、当てはめる図がちがう点に注意です。
やってみよう(練習問題)
やってみよう①(基本:磁界)
次の問いに答えましょう。
- 磁界の向きは、何で決められている?
- まっすぐな導線に電流を流すと、まわりにできる磁界の形は?
答えと解説を見る
- 方位磁針のN極が指す向き。
- 導線を中心とした同心円。向きは右ねじの法則で決まります。
やってみよう②(標準:コイル)
電磁石(鉄心入りコイル)について答えましょう。
- 磁界を強くする方法を2つ挙げましょう。
- 流す電流の向きを逆にすると、N極とS極はどうなる?
答えと解説を見る
- 「電流を大きくする」「巻き数をふやす」(ほかに「鉄心を入れる/太くする」も可)。
- N極とS極が入れかわる(極が逆になる)。
やってみよう③(応用:磁力線をかく)
棒磁石のまわりの磁力線をかいたところ、次のような答案になりました。
まちがっている点を3つ見つけて、正しく直しましょう。
- 矢印がすべてS極から出てN極に向かってかかれている。
- 2本の磁力線が、磁石の右上で交差している。
- 磁石から遠いところほど、線が混んでかかれている。
答えと解説を見る
- 向きが逆。磁力線はN極から出てS極に入るようにかきます。
- 磁力線は決して交わりません。交わると、その点で磁界の向きが2つあることになってしまうからです。
- 逆です。極に近いところほど線が混み、そこが磁界の強い場所になります。
「N→S・交わらない・混んでいるほど強い」の3つが、磁力線の採点ポイントです。
家おうちの方へ
この単元のつまずきは「向きの決め方が多くて混乱する」ことに尽きます。
整理のコツは2つだけです。
まっすぐな導線は「右ねじ」(進める向き=電流/回す向き=磁界)、コイルは「右手で握る」(4本指=電流/親指=N極)。
どちらも“電流の向きが決まれば磁界が決まる”同じ仲間だと伝えてあげてください。
3次元の向きは頭の中だけではイメージしづらいので、実際に方位磁針やコイル、乾電池で確かめると定着が早くなります。
電流の大きさの基本はオームの法則、小学校での電磁石づくりは電流のはたらきと電磁石(小5)に戻れます。
電流を流せば、まわりに磁界ができる。
そして磁力線・右ねじ・右手の3つで、その向きは必ず決められます。
向きが決まれば次のステップへ。磁界の中の電流が受ける力(モーターのしくみ)で、決めた磁界を「力の向き」に使ってみましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 磁界=磁力がはたらく空間。向きは方位磁針のN極が指す向き。
- 磁力線はN極から出てS極に入る。線が混んでいるところほど磁界が強い。
- まっすぐな導線に電流を流すと、まわりに同心円状の磁界ができる。
- 向きは右ねじの法則:電流の向きにねじを進めると、回す向きが磁界。
- コイルは右手で握って親指がN極。電流を逆にすれば極も逆になる。
よくある質問
磁界とは何ですか?
磁界とは、磁力がはたらく空間のことです。磁界には向きがあり、その場所に置いた方位磁針のN極が指す向きが磁界の向きです。磁石のまわりだけでなく、電流を流した導線のまわりにも磁界ができます。
右ねじの法則とは何ですか?
右ねじの法則とは、まっすぐな導線に電流を流したとき、まわりにできる磁界の向きを決めるきまりです。右ねじを電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きになります。電流の向きを逆にすると、磁界の向きも逆になります。
なぜコイルに電流を流すと磁石のようになるのですか?
導線を何回も巻いたコイルに電流を流すと、1本1本の導線のまわりにできる磁界が重なって強め合うからです。その結果、コイル全体が1本の棒磁石のようにふるまい、片側がN極、反対側がS極になります。電流を大きくする・巻き数をふやす・鉄心を入れると、磁界はさらに強くなります。
磁力線はどのようにかけばよいですか?
磁力線は、磁石のN極から出てS極に入る向きに、矢印をつけてかきます。線どうしは決して交わらず、途中で切れることもありません。線が混んでいるところほど磁界が強く、磁石の極の近くがいちばん混みます。方位磁針を置いたとき、N極が指す向きが、その場所の磁力線の向きになります。
この単元でつまずいたとき、家庭でできること
- オームの法則(中2理科)に戻るつまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
- 説明役を、外部にまかせる教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。