中学理科中学2年生物理

磁界とは|磁力線・右ねじの法則・コイルの極の決め方【中2理科】

磁界とは、磁力がはたらく空間のことです。中2理科の磁界を図でやさしく。棒磁石のまわりの磁力線のかき方、方位磁針の向き、まっすぐな導線にできる同心円状の磁界と右ねじの法則、コイルのN極・S極を決める右手の使い方まで、「向きの決め方」だけを集中して整理します。

先に答え

磁界とは磁力がはたらく空間で、向きは方位磁針のN極が指す向きです。磁力線はN極から出てS極に入り、混んでいるところほど磁界が強くなります。まっすぐな導線のまわりには同心円状の磁界ができ、向きは右ねじの法則(電流の向きにねじを進めると回す向きが磁界)で決まります。コイルでは右手の 44 本指を電流の向きにそえると、親指の向きがN極です。

このページのゴール

磁界の向きの決め方を身につけ、棒磁石のまわりの磁力線・導線のまわりの同心円状の磁界(右ねじの法則)・コイルのN極とS極を、図にかいて説明できるようになる。

「磁石でもないただの導線が、なぜ方位磁針を動かすの?」——その答えが磁界です。

中2理科で「向きがこんがらがる」と苦手になりやすいところですが、覚えることは実は3つだけ。

磁力線の向き・右ねじの法則・右手で握る——この3つを図でつかめば、このあと習うモーターも発電も同じルールで読めるようになります。

磁界とは——磁力がはたらく空間

磁石のまわりには、磁力がはたらく空間があります。これを磁界(磁場)といいます。磁界には向きがあり、その場所に置いた方位磁針のN極が指す向きが磁界の向きです。

iメモ

磁界の向き=方位磁針のN極が指す向き。磁界のようすを線で表したものが磁力線で、磁石のN極から出てS極に入る向きにかきます。

おどろくことに、磁石がなくても電流を流すだけで磁界ができます。導線の近くに方位磁針を置くと、電流を流したとたんに針が振れる——これが「電流と磁界」の出発点です。

理解チェック1

磁力線のかき方——3つのきまり

目に見えない磁界を、線にして目に見えるようにしたものが磁力線です。

かき方には、テストで採点される3つのきまりがあります。

やり方

  1. N極から出て、S極に入る向きに矢印をつける
  2. 線どうしは決して交わらない(途中で切れることもない)
  3. 線が混んでいるところほど磁界が強い(極の近くがいちばん混む)
赤と青に塗り分けられた棒磁石のまわりに、青い光の曲線で磁力線をえがいた実写の図。曲線は磁石の両極を結ぶようにつながって交わらず、極の近くほど線が混んでいる。右下に置いた方位磁針の針が、その場所の磁力線に沿った向きを指している

方位磁針をあちこちに置いて、N極が指した向きをつないでいくと、この磁力線が浮かび上がります。

理解チェック2

導線のまわりの磁界(右ねじの法則)

まっすぐな導線に電流を流すと、導線を中心に同心円状の磁界ができます。その向きを決めるのが右ねじの法則です。

まっすぐ立てた銅の導線に下から上へ電流を流し、導線を中心にできる同心円状の磁界を青い矢印つきの円で示した実写の図。となりで右手の親指を電流の向き(上)に立てて握り、4本指の向きが磁界の向きになることを表している

右ねじの法則:右ねじ(ふつうのねじ)を電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きになります。電流の向きを逆にすれば、磁界の向きも逆になります。導線に近いほど磁界は強く、電流を大きくしても強くなります。

理解チェック3

理解チェック4

コイルは「棒磁石」になる

導線を何回も巻いたコイルに電流を流すと、1本1本の磁界が重なって強め合い、全体が1本の棒磁石のようにふるまいます。

鉄心にエナメル線をびっしり巻いたコイル(電磁石)に赤と青の導線で電流を流し、コイル全体が1本の棒磁石のようにふるまって、両端から出入りする磁力線が青い曲線でえがかれた実写の図。右上の小さな写真は、右手でコイルを握って親指を立てた確かめ方

コイルの磁界を強くするには、①電流を大きくする ②巻き数をふやす ③鉄心を入れる。鉄心入りのコイルが電磁石です。N極・S極の向きは、右手の4本指を電流の向きにそわせて握ると、親指の向きがN極になります(電流を逆にすれば極も逆)。

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セナ

右ねじとか右手とか…ルールが多くてどれを使えばいいか分からなくなる!

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ホクト先生

整理するとシンプルだよ。まっすぐな導線は「右ねじ」(進める向き=電流、回す向き=磁界)。コイルは「右手で握る」(4本指=電流、親指=N極)。どちらも“右手系”で、電流の向きを決めれば磁界(や極)の向きが決まる、という同じ考え方。迷ったら「電流の向きはどっち?」から始めよう。

理解チェック5

右ねじと右手——使い分けの早見表

このページで出てきた「向きの決め方」を、1つの表にまとめます。

どちらも右手を使うので、迷ったら「今見ているのは、まっすぐな導線か、巻いたコイルか」から判断します。

使うルール当てはめ方
まっすぐな導線右ねじの法則ねじを進める向き=電流回す向き=磁界
コイル右手で握る4本指=電流親指の向き=N極

どちらも出発点は同じで、電流の向きが決まれば磁界(極)の向きが決まります

電流の向きを逆にすれば、磁界の向きも極も逆になる——ここまでが磁界の話です。

理解チェック6

この先に出てくる話

磁界の向きが決められるようになると、次の2つが解けるようになります。

どちらも「まず磁界の向きを決める」ところから始まります。

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

磁力線をS極から出るようにかく。 線どうしを交差させてかく。

正しい

磁力線はN極から出てS極に入る。 線は決して交わらない

もう1つは、右ねじ(まっすぐな導線)と右手で握る(コイル)の取りちがえです。

導線は「進める=電流/回す=磁界」、コイルは「4本指=電流/親指=N極」。

どちらも“電流の向きから磁界(極)を決める”同じ仲間ですが、当てはめる図がちがう点に注意です。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:磁界)

次の問いに答えましょう。

  1. 磁界の向きは、何で決められている?
  2. まっすぐな導線に電流を流すと、まわりにできる磁界の形は?
答えと解説を見る
  1. 方位磁針のN極が指す向き
  2. 導線を中心とした同心円。向きは右ねじの法則で決まります。

やってみよう②(標準:コイル)

電磁石(鉄心入りコイル)について答えましょう。

  1. 磁界を強くする方法を2つ挙げましょう。
  2. 流す電流の向きを逆にすると、N極とS極はどうなる?
答えと解説を見る
  1. 電流を大きくする」「巻き数をふやす」(ほかに「鉄心を入れる/太くする」も可)。
  2. N極とS極が入れかわる(極が逆になる)。

やってみよう③(応用:磁力線をかく)

棒磁石のまわりの磁力線をかいたところ、次のような答案になりました。

まちがっている点を3つ見つけて、正しく直しましょう。

  1. 矢印がすべてS極から出てN極に向かってかかれている。
  2. 2本の磁力線が、磁石の右上で交差している。
  3. 磁石から遠いところほど、線が混んでかかれている。
答えと解説を見る
  1. 向きが逆。磁力線はN極から出てS極に入るようにかきます。
  2. 磁力線は決して交わりません。交わると、その点で磁界の向きが2つあることになってしまうからです。
  3. 逆です。極に近いところほど線が混み、そこが磁界の強い場所になります。

「N→S・交わらない・混んでいるほど強い」の3つが、磁力線の採点ポイントです。

おうちの方へ

この単元のつまずきは「向きの決め方が多くて混乱する」ことに尽きます。

整理のコツは2つだけです。

まっすぐな導線は「右ねじ」(進める向き=電流/回す向き=磁界)、コイルは「右手で握る」(4本指=電流/親指=N極)。

どちらも“電流の向きが決まれば磁界が決まる”同じ仲間だと伝えてあげてください。

3次元の向きは頭の中だけではイメージしづらいので、実際に方位磁針やコイル、乾電池で確かめると定着が早くなります。

電流の大きさの基本はオームの法則、小学校での電磁石づくりは電流のはたらきと電磁石(小5)に戻れます。

電流を流せば、まわりに磁界ができる。

そして磁力線・右ねじ・右手の3つで、その向きは必ず決められます。

向きが決まれば次のステップへ。磁界の中の電流が受ける力(モーターのしくみ)で、決めた磁界を「力の向き」に使ってみましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 磁界=磁力がはたらく空間。向きは方位磁針のN極が指す向き
  • 磁力線N極から出てS極に入る。線が混んでいるところほど磁界が強い
  • まっすぐな導線に電流を流すと、まわりに同心円状の磁界ができる。
  • 向きは右ねじの法則:電流の向きにねじを進めると、回す向きが磁界。
  • コイル右手で握って親指がN極。電流を逆にすれば極も逆になる。

よくある質問

磁界とは何ですか?

磁界とは、磁力がはたらく空間のことです。磁界には向きがあり、その場所に置いた方位磁針のN極が指す向きが磁界の向きです。磁石のまわりだけでなく、電流を流した導線のまわりにも磁界ができます。

右ねじの法則とは何ですか?

右ねじの法則とは、まっすぐな導線に電流を流したとき、まわりにできる磁界の向きを決めるきまりです。右ねじを電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きになります。電流の向きを逆にすると、磁界の向きも逆になります。

なぜコイルに電流を流すと磁石のようになるのですか?

導線を何回も巻いたコイルに電流を流すと、1本1本の導線のまわりにできる磁界が重なって強め合うからです。その結果、コイル全体が1本の棒磁石のようにふるまい、片側がN極、反対側がS極になります。電流を大きくする・巻き数をふやす・鉄心を入れると、磁界はさらに強くなります。

磁力線はどのようにかけばよいですか?

磁力線は、磁石のN極から出てS極に入る向きに、矢印をつけてかきます。線どうしは決して交わらず、途中で切れることもありません。線が混んでいるところほど磁界が強く、磁石の極の近くがいちばん混みます。方位磁針を置いたとき、N極が指す向きが、その場所の磁力線の向きになります。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. オームの法則(中2理科)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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