中学理科中学2年生物理

電流と磁界|右ねじの法則・コイル・電磁誘導をやさしく【中2理科】

中2理科の「電流と磁界」を図でやさしく。磁界とは何か、まっすぐな導線のまわりにできる磁界の向き(右ねじの法則)、コイルが磁石になるしくみ、電流が磁界から受ける力(モーター)、電磁誘導と誘導電流(発電)まで、向きの決め方を図で整理できます。

このページのゴール

電流のまわりにできる磁界の向き(右ねじの法則)を理解し、コイルが磁石になること、電流が磁界から力を受けること(モーター)、磁界の変化で電流が生じること(電磁誘導)を区別して説明できるようになる。

「磁石でもないただの導線が、なぜ方位磁針を動かすの?」——その答えが電流と磁界です。中2理科で「向きがこんがらがる」と苦手になりやすい単元ですが、ポイントは右ねじ・右手の決め方を図でつかむこと。電流のまわりの磁界も、コイルも、モーターも、発電(電磁誘導)も、同じ「向きのルール」でつながっています。

磁界とは——磁力がはたらく空間

磁石のまわりには、磁力がはたらく空間があります。これを磁界(磁場)といいます。磁界には向きがあり、その場所に置いた方位磁針のN極が指す向きが磁界の向きです。

iメモ

磁界の向き=方位磁針のN極が指す向き。磁界のようすを線で表したものが磁力線で、磁石のN極から出てS極に入る向きにかきます。

おどろくことに、磁石がなくても電流を流すだけで磁界ができます。導線の近くに方位磁針を置くと、電流を流したとたんに針が振れる——これが「電流と磁界」の出発点です。

理解チェック①

導線のまわりの磁界(右ねじの法則)

まっすぐな導線に電流を流すと、導線を中心に同心円状の磁界ができます。その向きを決めるのが右ねじの法則です。

電流磁界は同心円右ねじを電流の向きへ進める→回す向き=磁界

右ねじの法則:右ねじ(ふつうのねじ)を電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きになります。電流の向きを逆にすれば、磁界の向きも逆になります。導線に近いほど磁界は強く、電流を大きくしても強くなります。

理解チェック②

コイルは「棒磁石」になる

導線を何回も巻いたコイルに電流を流すと、1本1本の磁界が重なって強め合い、全体が1本の棒磁石のようにふるまいます。

NS右手で電流の向きに4本指→親指がN極

コイルの磁界を強くするには、①電流を大きくする ②巻き数をふやす ③鉄心を入れる。鉄心入りのコイルが電磁石です。N極・S極の向きは、右手の4本指を電流の向きにそわせて握ると、親指の向きがN極になります(電流を逆にすれば極も逆)。

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セナ

右ねじとか右手とか…ルールが多くてどれを使えばいいか分からなくなる!

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ホクト先生

整理するとシンプルだよ。まっすぐな導線は「右ねじ」(進める向き=電流、回す向き=磁界)。コイルは「右手で握る」(4本指=電流、親指=N極)。どちらも“右手系”で、電流の向きを決めれば磁界(や極)の向きが決まる、という同じ考え方。迷ったら「電流の向きはどっち?」から始めよう。

理解チェック③

モーターと電磁誘導(向きが逆の関係)

電流と磁界には、向きが「逆」の関係にある2つの大事な現象があります。

?どうして?

  • モーター…磁界の中の導線に電流を流すと、力を受けて動く。電流・磁界・力は、たがいに垂直。電流か磁界の向きを逆にすると、力の向きも逆。
  • 電磁誘導…コイルの中の磁界を変化させると、電流が流れる(誘導電流)。磁石を出し入れすると電流が生じる。これが発電のしくみ。

ちがいは「何を入れて何が出るか」。モーターは「電流を入れて → 動き(力)が出る」、電磁誘導は「動き(磁界の変化)を入れて → 電流が出る」。ちょうど逆向きの関係です。電磁誘導では、磁石を速く動かす・磁力を強くする・巻き数をふやすほど、誘導電流が大きくなります。

理解チェック④

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

モーターと電磁誘導を混同し、「磁石を動かすと導線が動く」のように向きを取りちがえる

正しい

モーター=電流を入れて力(動き)が出る/電磁誘導=磁界の変化を入れて電流が出る。逆向きの関係

もう1つは、右ねじ(まっすぐな導線)と右手で握る(コイル)の取りちがえ。導線は「進める=電流/回す=磁界」、コイルは「4本指=電流/親指=N極」。どちらも“電流の向きから磁界(極)を決める”同じ仲間ですが、当てはめる図がちがう点に注意です。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:磁界)

次の問いに答えましょう。

  1. 磁界の向きは、何で決められている?
  2. まっすぐな導線に電流を流すと、まわりにできる磁界の形は?
答えと解説を見る
  1. 方位磁針のN極が指す向き
  2. 導線を中心とした同心円。向きは右ねじの法則で決まります。

✏️ やってみよう②(標準:コイル)

電磁石(鉄心入りコイル)について答えましょう。

  1. 磁界を強くする方法を2つ挙げましょう。
  2. 流す電流の向きを逆にすると、N極とS極はどうなる?
答えと解説を見る
  1. 電流を大きくする」「巻き数をふやす」(ほかに「鉄心を入れる/太くする」も可)。
  2. N極とS極が入れかわる(極が逆になる)。

✏️ やってみよう③(応用:モーターと発電)

次の現象は、モーター・電磁誘導のどちら?

  1. コイルに電流を流したら、磁界の中で回り始めた。
  2. コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりしたら、電流が流れた。
答えと解説を見る
  1. モーター(電流を入れて、力=動きが出ている)。
  2. 電磁誘導(磁界の変化を入れて、電流が出ている)。発電機のしくみです。

おうちの方へ

この単元のつまずきは「向きの決め方が多くて混乱する」ことに尽きます。整理のコツは2つだけ。まっすぐな導線は「右ねじ」(進める向き=電流/回す向き=磁界)、コイルは「右手で握る」(4本指=電流/親指=N極)。どちらも“電流の向きが決まれば磁界が決まる”同じ仲間だと伝えてあげてください。もう1つ、モーターと電磁誘導は逆の関係——モーターは「電流→力(動き)」、電磁誘導(発電)は「磁界の変化→電流」。「何を入れて何が出るか」で区別すると整理できます。電流の大きさの基本はオームの法則。3次元の向きはイメージしづらいので、実際に方位磁針やコイルで確かめると定着が早いです。

電流を流せば、まわりに磁界ができる。右ねじと右手で向きを決め、「電流→力」がモーター、「磁界の変化→電流」が発電。——この関係さえつかめば、電気のしくみはぐっと身近になります。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 磁界=磁力がはたらく空間。向きは方位磁針のN極が指す向き
  • まっすぐな導線に電流を流すと、まわりに同心円状の磁界ができる。
  • 向きは右ねじの法則:電流の向きにねじを進めると、回す向きが磁界。
  • コイルに電流を流すと、全体が1本の棒磁石のようになる。
  • 電流が磁界からを受けるのがモーター。磁界の変化で電流が生じるのが電磁誘導(発電)。

よくある質問

磁界とは何ですか?

磁界とは、磁力がはたらく空間のことです。磁界には向きがあり、その場所に置いた方位磁針のN極が指す向きが磁界の向きです。磁石のまわりだけでなく、電流を流した導線のまわりにも磁界ができます。

右ねじの法則とは何ですか?

右ねじの法則とは、まっすぐな導線に電流を流したとき、まわりにできる磁界の向きを決めるきまりです。右ねじを電流の向きに進めるとき、ねじを回す向きが磁界の向きになります。電流の向きを逆にすると、磁界の向きも逆になります。

なぜコイルに電流を流すと磁石のようになるのですか?

導線を何回も巻いたコイルに電流を流すと、1本1本の導線のまわりにできる磁界が重なって強め合うからです。その結果、コイル全体が1本の棒磁石のようにふるまい、片側がN極、反対側がS極になります。電流を大きくする・巻き数をふやす・鉄心を入れると、磁界はさらに強くなります。

モーターと電磁誘導のちがいは何ですか?

モーターは、磁界の中の導線に電流を流すと力を受けて動く現象で、電流を入れて動き(力)が出るしくみです。電磁誘導は、コイルの中の磁界を変化させると電流が流れる現象で、動き(磁界の変化)を入れて電流が出るしくみです。ちょうど逆向きの関係で、電磁誘導は発電のしくみに使われています。

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