図形の移動(平行移動・回転移動・対称移動)
中1の図形の移動を、図でやさしく解説。平行移動・回転移動・対称移動の3つのちがいと、それぞれの性質(対応する点・線分・角の関係)を、図と例題でしっかりわかります。
◎このページのゴール
平行移動・回転移動・対称移動の3つを区別でき、それぞれの移動でどんな性質(対応する点・線分の関係)が成り立つかを説明できるようになる。
図形を「動かす」方法は、たった3種類。平行移動(ずらす)・回転移動(回す)・対称移動(折り返す)です。どの移動でも、図形の形と大きさは変わりません。3つのちがいと、それぞれの「対応する点の関係」を図でつかみましょう。ここは次の「作図」の土台にもなります。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
移動は3種類(形と大きさは変わらない)
まず全体像です。図形を動かしても、もとの図形とぴったり重ねられる(合同)のがポイント。動かし方で3つに分かれます。
→やり方
- 平行移動…同じ向きに、同じ長さだけずらす。
- 回転移動…ある点(回転の中心)のまわりに、決まった角度だけ回す。
- 対称移動…ある直線(対称の軸)を折り目にして折り返す(裏返す)。
動かした後の図形(像)で、もとの点 に対応する点を (エーダッシュ)と書きます。どの移動でも、対応する辺の長さ・角の大きさはもとと同じです。
平行移動(ずらす)
平行移動は、図形を同じ向きに同じ長さだけずらす移動です。
性質: 対応する点を結んだ線分(、、)は、すべて平行で、長さが等しい。ずらした向きと距離が、図形のどの点でも同じだからです。
回転移動(回す)
回転移動は、ある点 (回転の中心)のまわりに、図形を決まった角度だけ回す移動です。
性質: 回転の中心 から、対応する点までの距離は等しい(、…)。また、 などの回転角はどの点でも同じです。
iメモ
の回転移動を、とくに点対称な移動といいます。中心の反対側に同じ距離だけ移った位置に来ます。図形がもとの位置と「点対称」の関係になります。
✓理解チェック①
対称移動(折り返す)
対称移動は、ある直線 (対称の軸)を折り目にして、図形を裏返す移動です。
性質: 対応する点を結ぶ線分( など)は、軸 に垂直で、軸がその線分の真ん中を通ります(=軸は の垂直二等分線)。これは次のレッスンの「作図」に直接つながる大事な性質です。
✓理解チェック②
いっしょに解こう
回転移動と対称移動って、見た目が似ていてこんがらがる…
見分けるコツは「裏返っているか」だよ。対称移動は折り返すから、図形が裏返る(鏡に映したような向き)。回転移動は回すだけだから、裏返らずに向きが変わる。三角形に印をつけて、表のままか裏返ったかを見ると分かるよ。
なるほど! じゃあ「中心」と「軸」はどう使い分けるの?
回転移動は点(中心O)のまわりに回す。対称移動は直線(軸ℓ)で折り返す。平行移動は中心も軸もなく、ただ同じだけずらす。「点を中心に回す/線で折る/そのままずらす」と覚えよう。
✕よくある間違い
つまずきやすい2つを先回りします。
❌ 対称移動でも図形は裏返らない → 折り返すので ⭕ 裏返る(鏡像になる)。回転移動は裏返らない。
❌ 回転移動では と の長さがちがう → 同じ中心から回すだけなので ⭕ (距離は変わらない)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:移動の種類を答える)
次の移動はどれ(平行移動・回転移動・対称移動)でしょう。
- 図形を、右に5cmだけそのままずらした。
- 図形を、1本の直線で折り返して裏返した。
答えと解説を見る
- 平行移動(向きも大きさも変えずにずらしただけ)
- 対称移動(直線=軸で折り返し、裏返っている)
✏️ やってみよう②(標準:性質を使う)
性質を思い出して答えましょう。
- 平行移動で、 cm のとき、 の長さは?
- 点 を中心とする回転移動で cm のとき、 の長さは?
答えと解説を見る
- 4 cm(対応する点を結ぶ線分はすべて等しい)
- 5 cm(中心からの距離は変わらない、)
✏️ やってみよう③(応用:組み合わせて考える)
少し考える問題です。
- ある図形を、対称移動を2回(同じ軸で)続けると、もとの図形とどうなる?
- 点対称な移動は、何度の回転移動と同じ?
答えと解説を見る
- もとの図形にもどる(折り返してまた折り返すと、裏返しが2回で表にもどる)
- 180°の回転移動(点対称=中心のまわりに180°回す)
家おうちの方へ
3つの移動の区別は「点を中心に回す(回転)/直線で折り返す(対称)/そのままずらす(平行)」と整理すると定着します。とくに回転移動と対称移動の見分けは「裏返るかどうか」がカギ。図形の頂点に印をつけて確かめさせると確実です。対称移動の「対応点を結ぶ線分を軸が垂直に2等分する」性質は、次の作図(垂直二等分線・垂線)に直結する重要ポイントなので、図でしっかりイメージさせてください。
図形の移動の3種類と性質がわかりました。次は、その性質を使って定規とコンパスでかく基本の作図へ進みましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 図形の移動は平行移動・回転移動・対称移動の3種類。形と大きさは変わらない。
- 平行移動…同じ向きに同じ長さだけずらす。対応する点を結ぶ線分は平行で等しい。
- 回転移動…中心のまわりに回す。中心から対応する点までの距離は等しい。
- 対称移動…軸で折り返す。対応する点を結ぶ線分は、軸に垂直に2等分される。
- 点対称な移動は、 の回転移動と同じ。
よくある質問
図形の移動には、どんな種類がありますか?
平行移動(同じ向きに同じ長さだけずらす)・回転移動(点を中心に回す)・対称移動(直線で折り返す)の3種類です。どの移動でも図形の形と大きさは変わらず、もとの図形とぴったり重ねられます。「点を中心に回す・線で折る・そのままずらす」と整理すると覚えやすいです。
なぜ平行移動では、対応する点を結ぶ線分がすべて平行で長さが等しくなるの?
平行移動は、図形のどの点も「同じ向きに、同じ長さだけ」ずらす移動だからです。ずらす向きと距離が全部の点で共通なので、AとA'、BとB'、CとC'を結んだ線分は、どれも同じ向き・同じ長さ、つまりすべて平行で等しくなります。
回転移動と対称移動は、どうやって見分けるの?
「図形が裏返っているかどうか」で見分けます。対称移動は直線(軸)で折り返すので、鏡に映したように図形が裏返ります。回転移動は点(中心)のまわりに回すだけなので、向きは変わっても裏返りません。三角形の頂点に印をつけて、表のままか裏返ったかを確かめるのがコツです。
点対称な移動とは何ですか?
回転の中心のまわりに180°回す回転移動のことです。対応する点は、中心をはさんで反対側の、中心から同じ距離の位置に移ります。移動したあとの図形は、もとの図形と点対称の関係になります。