基本の作図(垂直二等分線・角の二等分線・垂線)
中1の基本の作図を、図でやさしく解説。定規とコンパスだけで、垂直二等分線・角の二等分線・垂線をかく手順と、なぜそうかけるのか(性質)を、図と例題でしっかりわかります。
◎このページのゴール
定規とコンパスを使って、垂直二等分線・角の二等分線・垂線を正しく作図でき、なぜその手順でかけるのか(等距離の性質)を説明できるようになる。
作図は「定規とコンパスだけ」で図形をかく、パズルのようなおもしろさがあります。コツはたった1つ、コンパスで“等しい長さ”をとること。これさえつかめば、垂直二等分線も角の二等分線も垂線も、同じ考え方でかけます。手順と「なぜそうかけるのか」を図で攻略しましょう。
どこでつまずいた?
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作図の道具と約束
作図で使えるのは、次の2つだけです。
- 定規…まっすぐな線を引く。ただし目もりで長さを測ってはいけない。
- コンパス…円をかく。そして等しい長さを写しとる(ここがいちばん大事)。
✓コツ
作図の合言葉は「等しい長さをとる」。コンパスの開きを変えずに2か所に弧をかくと、その2か所は中心から同じ距離になります。この「等距離」をうまく使うのが、すべての作図の正体です。作図した線は消さずに残しておきましょう(採点で見られます)。
垂直二等分線の作図
垂直二等分線は、線分を垂直に・真ん中で分ける直線です。
→やり方
- 点 を中心に、半径を線分の半分より大きくとって弧をかく。
- 同じ半径のまま、点 を中心に弧をかく(上と下で交わる)。
- 2つの交点 、 を定規で結ぶ。これが垂直二等分線。
なぜそうかけるの?
点 は、 からも からも同じ半径でかいた弧の交点なので、。点 も同じく 。つまり も も「 と から等しい距離にある点」。この2点から等距離の点を結ぶと、垂直二等分線になるのです。逆に、垂直二等分線上の点はすべて と から等距離です。
✓理解チェック①
角の二等分線の作図
角の二等分線は、1つの角を半分に分ける直線です。
→やり方
- 角の頂点 を中心に弧をかき、2つの辺との交点を 、 とする。
- 、 を中心に、同じ半径で弧をかき、交点 をとる。
- と を定規で結ぶ。これが角の二等分線。
なぜそうかけるの?
(同じ弧でとった)で、(同じ半径でとった)。だから三角形 と はぴったり重なり(合同)、。つまり は角を半分に分けます。 は「角の2つの辺から等しい距離にある点」になっているのがポイントです。
垂線の作図
垂線は、ある点を通って直線に直角に交わる線です。直線上の点 を通る垂線をかいてみましょう。
→やり方
- を中心に弧をかき、直線との交点を 、 とする()。
- 、 を中心に、同じ半径( より大きく)で弧をかき、交点 をとる。
- と を定規で結ぶ。これが垂線。
これも仕組みは垂直二等分線と同じ。 は 、 から等距離なので、 は線分 の垂直二等分線。だから直線に垂直になります。「等しい長さをとって、等距離の点を結ぶ」——どの作図も、この一手でできているのです。
✓理解チェック②
いっしょに解こう
作図って、コンパスをどこに刺してどれくらい開けばいいか、いつも迷う…
迷ったら「等しい長さをとりたいのはどこ?」と考えよう。垂直二等分線なら、AとBから等距離の点がほしい。だからAとBに刺して、同じ開きで弧をかく。コンパスの開きは途中で変えないのがコツだよ。
角の二等分線と垂線って、手順が似てない?
そう、ぜんぶ仲間なんだ。「2つの点から等しい距離の点をとって結ぶ」のが共通のしくみ。角の二等分線は『2辺から等距離』、垂直二等分線と垂線は『2点から等距離』。等距離がキーワードだよ。
✕よくある間違い
つまずきやすい2つを先回りします。
❌ 垂直二等分線で、AとBの弧の半径を変える → 交点がAとBから等距離にならない。⭕ 同じ半径でかく。
❌ 半径を線分の半分より小さくする → 弧が交わらない。⭕ 半分より大きくとる。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:手順を答える)
作図の手順や性質を確認しましょう。
- 線分 の垂直二等分線上の点 について、 と の関係は?
- 角の二等分線をかくとき、頂点 から最初にかくのは何?
答えと解説を見る
- (垂直二等分線上の点は、両端から等しい距離)
- を中心とする弧(2辺との交点 、 をとるため)
✏️ やってみよう②(標準:性質を使う)
作図の性質を考えます。
- 垂直二等分線は、線分とどんな角度で交わる?
- 「線分 から等しい距離にある点」をすべて集めると、どんな線になる?
答えと解説を見る
- **直角(90°)**で交わる(“垂直”二等分線だから)
- 線分 の垂直二等分線(2点から等距離の点の集まり=垂直二等分線)
✏️ やってみよう③(応用:作図を使う場面)
作図を使う場面を考えましょう。
- 2つの town A、B から「同じ距離」の地点を結ぶ線をかくには、何の作図を使う?
- 三角形の3つの辺の垂直二等分線を引くと、それらは1点で交わる。その点は三角形の3つの頂点からどんな距離にある?
答えと解説を見る
- 垂直二等分線(A、Bから等距離の点の集まり)
- 3つの頂点から等しい距離にある(だからその点を中心に、3頂点を通る円=外接円がかける)
家おうちの方へ
作図の本質は「コンパスで等しい長さ(半径)をとる」ことです。分度器や目もりを使わずに直角や二等分ができる不思議さを、まず体験させてください。つまずきの多くは「A と B で弧の半径を変えてしまう」「半径が小さすぎて弧が交わらない」の2つ。コンパスの開きを途中で変えないこと、半分より大きめにとることを声かけすると安定します。なぜかけるのか(等距離の点の集まり)を図で理解できると、丸暗記にならず応用がききます。
定規とコンパスで3つの基本作図ができるようになりました。仕上げは、円とおうぎ形の計算(弧の長さ・面積)です。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 作図は定規(線を引く)とコンパス(等しい長さ・円)だけ。長さは測らない。
- 垂直二等分線…2点から等しい距離の点を2つとって結ぶ。2点から等距離の点の集まり。
- 角の二等分線…角の2辺から等しい距離の点をとる。2辺から等距離の点の集まり。
- 垂線…直線上(外)の点から、左右等しい距離の点をとって結ぶ。
- コンパスでとった等しい長さが、すべての作図のカギ。
よくある質問
垂直二等分線は、どうやって作図しますか?
①点Aを中心に、半径を線分の半分より大きくとって弧をかく、②同じ半径のまま点Bを中心に弧をかく、③上下2つの交点を定規で結ぶ、の3ステップです。結んだ直線が、線分ABを垂直に・真ん中で分ける垂直二等分線になります。コンパスの開きを途中で変えないのがコツです。
なぜ2つの弧の交点を結ぶと、垂直二等分線になるの?
交点は、AからもBからも「同じ半径」でかいた弧の上にあるので、Aからの距離とBからの距離が等しい点だからです。2点から等しい距離にある点を集めると、その線分の垂直二等分線になります。角の二等分線や垂線も、この「等距離の点をとって結ぶ」という同じしくみでかけています。
作図では、定規の目もりで長さを測ってもいいの?
いいえ、測ってはいけません。作図で使えるのは、まっすぐな線を引くための定規と、円をかいて等しい長さを写しとるためのコンパスの2つだけです。また、作図の途中でかいた弧や線は採点で見られるので、消さずに残しておきましょう。
垂直二等分線の作図で、弧が交わらないときはどうすればいいの?
コンパスの半径が小さすぎるのが原因なので、線分の半分より大きく開き直してかきます。もうひとつ多い失敗は、点Aと点Bで弧の半径を変えてしまうこと。半径がちがうと交点が2点から等距離にならないので、必ず同じ半径のままかきます。