箱ひげ図と四分位範囲(四分位数の求め方とよみ方)

中2「箱ひげ図」を図でやさしく解説。四分位数(第1・第2・第3四分位数)の求め方、四分位範囲、箱ひげ図のかき方とよみ方、複数データの比較まで、図と例題でわかります。

このページのゴール

四分位数と四分位範囲を求め、箱ひげ図をかき・よみ、複数データの分布を比べられるようになる。

箱ひげ図は、たくさんのデータの「散らばり」を、たった5つの数でコンパクトに表す図です。何クラスもの分布を横に並べて、ひと目で比べられるのが強み。カギは「四分位数」。求め方さえつかめば、かくのも読むのも一気にわかります。

箱ひげ図とは

箱ひげ図は、データを小さい順に並べたときの 5つの数(最小値・Q1Q_1Q2Q_2Q3Q_3・最大値) で、分布を表す図です。「箱」と「ひげ」でできています。

246810121416最小4Q₁ 6Q₂ 9Q₃ 12最大14箱=まん中50%、ひげ=両はし

はデータのまん中50%(Q1Q_1 から Q3Q_3)、その中の線が中央値 Q2Q_2ひげは両はし(最小値・最大値)まで。箱が短いほど、まん中のデータが密集しています。

四分位数の求め方

データを小さい順に並べ、4等分する位置の値が四分位数です。手順はシンプル。

やり方

  1. データを小さい順に並べる。
  2. Q2Q_2(第2四分位数)=全体の中央値
  3. Q2Q_2 で前半・後半に分ける。
  4. Q1Q_1(第1四分位数)=前半の中央値
  5. Q3Q_3(第3四分位数)=後半の中央値

例:データ 4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,144,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14(11個)。

  • Q2Q_2 … まん中(6番目)= 9
  • 前半 4,5,6,7,84,5,6,7,8 の中央値 → Q1=Q_1= 6
  • 後半 10,11,12,13,1410,11,12,13,14 の中央値 → Q3=Q_3= 12
セナちゃんのアイコン
セナ

データが偶数個のときは、まん中がないよね?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

そのときは、中央の2つの値の平均を中央値にするんだ。たとえば8個なら、4番目と5番目の平均が Q2Q_2。前半・後半もそれぞれ偶数個なら、同じように中央2つの平均をとる。「中央値の求め方」をそのまま Q1,Q2,Q3Q_1,Q_2,Q_3 に使えばOKだよ。

理解チェック①

四分位範囲

データのまん中50%が、どれくらい散らばっているかを表すのが 四分位範囲 です。

?どうして?

四分位範囲 = Q3Q1Q_3 - Q_1

(さらに、四分位範囲の半分を「四分位偏差」という。)

ふつうの範囲(最大−最小)は、極端な値(外れ値)に大きく左右されます。四分位範囲はまん中50%だけを見るので、極端な値の影響を受けにくいのが利点です。

上の例では、四分位範囲 =Q3Q1=126=6=Q_3-Q_1=12-6=6。範囲は 144=1014-4=10 ですが、四分位範囲は外れ値に強い散らばりの指標です。

理解チェック②

かき方・よみ方・比較

箱ひげ図は、5つの数(最小・Q1Q_1Q2Q_2Q3Q_3・最大)を数直線の上に表します。

やり方

かき方

  1. 数直線をかく。
  2. Q1Q_1 から Q3Q_3 まで「箱」をかく。
  3. 箱の中の中央値 Q2Q_2 に縦線を入れる。
  4. 最小値・最大値まで「ひげ」をのばす。

複数のデータを縦に並べると、散らばりが比べられます。箱が短い=まん中が密集(散らばり小)箱が長い=散らばり大。中央値の位置で「どちらが高めか」も分かります。ヒストグラムよりコンパクトに、何組ものデータを一度に比較できるのが、箱ひげ図の最大の強みです。

理解チェック③

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:四分位数)

データ 3,4,6,7,9,10,13,15,163,4,6,7,9,10,13,15,16(9個)について。

  1. 中央値 Q2Q_2 は?
  2. Q1Q_1Q3Q_3 は?
答えと解説を見る
  1. 5番目の 9
  2. 前半 3,4,6,73,4,6,7 の中央値 Q1=(4+6)÷2=Q_1=(4+6)\div 2= 5、後半 10,13,15,1610,13,15,16 の中央値 Q3=(13+15)÷2=Q_3=(13+15)\div 2= 14

✏️ やってみよう②(標準:四分位範囲・範囲)

上の問題①のデータで答えましょう。

  1. 四分位範囲は?
  2. 範囲は?
答えと解説を見る
  1. Q3Q1=145=Q_3-Q_1=14-5= 9
  2. 最大−最小 =163==16-3= 13

✏️ やってみよう③(応用:よみ取り)

ある箱ひげ図が、最小値 5、Q1Q_1 8、Q2Q_2 12、Q3Q_3 15、最大値 20 を表しています。

  1. 四分位範囲は?
  2. データの半分(まん中50%)は、どの範囲に入る?
答えと解説を見る
  1. 158=15-8= 7
  2. Q1Q_1 から Q3Q_3、すなわち 8以上15以下(箱の部分)

i🎓 高校ではこう発展する

四分位数・四分位範囲で「散らばり」をとらえる見方は、高校「データの分析」(数学Ⅰ)で 分散・標準偏差 へと発展します。四分位範囲がまん中50%の散らばりを表すのに対し、標準偏差は全データの散らばりを1つの数で表す指標です。さらに、2種類のデータの関係の強さを見る 相関係数・散布図 も学びます。箱ひげ図で身につけた「数でばらつきを要約して比べる」感覚が、そのまま高校統計の土台になります。

おうちの方へ

箱ひげ図のねらいは「散らばりを5数で要約し、複数データを一度に比較する」ことです。まず四分位数を確実に——「Q₂=全体の中央値、Q₁=前半の中央値、Q₃=後半の中央値」。偶数個のときは中央2つの平均、という中央値のルールがそのまま使えます(前半・後半に Q₂ 自身を含めない流儀が一般的)。四分位範囲(Q₃−Q₁)は外れ値に強い散らばりの指標で、範囲(最大−最小)との違いを押さえると価値が伝わります。読み取りでは「箱の長さ=散らばり」「箱の中の線=中央値の位置」。ヒストグラムと行き来すると理解が深まります。

四分位数・四分位範囲・箱ひげ図で、データの散らばりを要約し比較できるようになりました。次は中3、調べきれないほど大きな集団を「標本」で推測する「標本調査」に進みます。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • データを小さい順に並べ、4等分する位置の値が四分位数
  • 第2四分位数 Q2Q_2中央値Q1Q_1 は前半の中央値、Q3Q_3 は後半の中央値。
  • 四分位範囲 = Q3Q1Q_3 - Q_1(まん中50%の散らばり)。
  • 箱ひげ図は、最小値・Q1Q_1Q2Q_2Q3Q_3・最大値の5つで分布を表す。
  • 複数のデータの散らばりを、コンパクトに比べられる。

よくある質問

箱ひげ図とは何ですか?

箱ひげ図とは、データを小さい順に並べたときの5つの数(最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値)で、データの散らばりを表す図です。箱はまん中50%のデータの範囲を、ひげは最小値・最大値までの広がりを表します。複数のデータの分布をひと目で比べられるのが強みです。

四分位数はどうやって求めますか?

データを小さい順に並べ、まず全体の中央値を第2四分位数(Q2)とします。次にQ2で前半と後半に分け、前半の中央値が第1四分位数(Q1)、後半の中央値が第3四分位数(Q3)です。データが偶数個のときは、中央の2つの値の平均を中央値とします。

四分位範囲とは何ですか?範囲とのちがいは?

四分位範囲とは、Q3−Q1で求める、データのまん中50%の散らばりを表す値です。範囲(最大値−最小値)は極端な値(外れ値)に大きく左右されますが、四分位範囲はまん中50%だけを見るので、外れ値の影響を受けにくいのが利点です。

箱ひげ図の箱が短いと、何が読み取れますか?

箱の長さは四分位範囲(まん中50%の散らばり)を表すので、箱が短いほど、まん中のデータが密集している(散らばりが小さい)ことが読み取れます。2つのクラスの箱ひげ図を並べたとき、箱が短いほうが、まん中50%の散らばりが小さいクラスです。箱の中の縦線は中央値の位置を表します。

なぜ箱ひげ図を使うと便利なの?

たくさんのデータの散らばりを、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値のたった5つの数に要約して表せるからです。何クラスものデータを並べて、散らばりや中央値の位置をひと目で比べられます。ヒストグラムを何枚も並べるよりコンパクトに比較できるのが、箱ひげ図の最大の強みです。

箱ひげ図は、どんな場面で使われていますか?

クラスやチームごとのテストの点や記録のタイムを並べて比べる場面、製品の測定値や地域・月ごとの気温を比較する場面などで使われています。スポーツでは選手の成績のばらつきを見て、安定性(箱の短さ)を評価することもできます。この見方は高校の統計(分散・標準偏差)へとつながります。

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