中学理科中学1年生生物
顕微鏡の使い方|倍率の計算・プレパラート・ルーペ【中1理科】
中1理科「顕微鏡の使い方」を図でやさしく。接眼レンズを先につける理由や低倍率から始める理由などの記述対策、倍率=接眼×対物の計算、上下左右が逆に見えるときのプレパラートの動かし方、気泡を入れないカバーガラスのかけ方、ルーペと双眼実体顕微鏡の使い分けまで、テストに出る形で整理します。
顕微鏡は接眼レンズ → 対物レンズの順に組み立て(ほこりを鏡筒に入れないため)、いちばん低い倍率から観察します。ピントは横から見ながら近づけ、のぞきながら遠ざけます(対物レンズをプレパラートにぶつけないため)。倍率=接眼レンズ × 対物レンズなので 倍と 倍なら 倍。像は上下左右が逆に見えるので、プレパラートは動かしたい向きと反対に動かします。
◎このページのゴール
顕微鏡を正しい順番で操作でき、倍率の計算・プレパラートの動かし方・操作の理由を自分の言葉で説明できるようになる。
「レンズはどっちを先につけるの?」「見たいものが右下にあるとき、どっちに動かすの?」——顕微鏡は、覚えることよりも理由をおさえると一気に楽になります。 このページでは、使う順番・倍率の計算・プレパラートの動かし方・ルーペや双眼実体顕微鏡との使い分けを、図とテスト形式でまとめて整理します。
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顕微鏡を使う順番(この5ステップで固定)
→やり方
- 直射日光の当たらない明るい水平なところに置く
- 接眼レンズ → 対物レンズの順にとりつける
- いちばん低い倍率にして、反射鏡としぼりで明るさを調節する
- 横から見ながら、対物レンズとプレパラートをできるだけ近づける
- 接眼レンズをのぞきながら、遠ざける向きに調節ねじを回してピントを合わせる
順番は「置く → つける → 明るく → 近づける → 遠ざける」。 最後の2つがセットになっているのがポイントです。 近づけるときは横から、遠ざけるときはのぞきながら、と口に出して覚えてしまいましょう。
✓理解チェック1
「なぜ?」の記述対策(テストで問われるのはここ)
顕微鏡の記述問題は、ほぼ次の4つに集中します。 どれも**「何を防ぐための操作か」**を答える形です。
?なぜ、接眼レンズを先にとりつけるの?
対物レンズを先につけると、鏡筒の上があいたままになり、中にほこりが落ちてしまうから。 レンズをはずすときは逆に、対物レンズから先にはずします。
模範解答:「鏡筒の中にほこりが入るのを防ぐため。」
?なぜ、直射日光の当たらない明るいところに置くの?
反射鏡に直射日光が当たると、その光がそのまま目に入ってしまうから。 「明るいほうがよく見える」からといって、日なたに持ち出してはいけません。
模範解答:「反射鏡で日光が直接目に入り、目を痛めるおそれがあるため。」
?なぜ、いちばん低い倍率から始めるの?
倍率が低いほど視野が広いので、見たいものが視野に入りやすいから。 まず低倍率で探して視野の中央に置き、それから高倍率に変えるのが手順です。
模範解答:「低倍率のほうが視野が広く、観察したいものを見つけやすいため。」
?なぜ、横から見ながら近づけ、のぞきながら遠ざけるの?
のぞきながら近づけると、レンズとプレパラートがぶつかったことに気づけないから。 横から見て距離を確かめてから、離れていく向きにだけ動かせば、ぶつける心配がありません。
模範解答:「対物レンズとプレパラートがぶつかって、割れるのを防ぐため。」
理由が4つもあるの? 全部おぼえるの大変…。
ぜんぶ「何かを守るため」って形なんだ。 ほこりから鏡筒を守る、日光から目を守る、見失わないように視野を広く取る、ぶつけないようにレンズとガラスを守る。 「守る相手」で並べると、4つとも自然に思い出せるよ。
顕微鏡の倍率の計算
倍率は、2つのレンズのかけ算で決まります。
足し算ではなくかけ算です。ここを間違える人がとても多いところ。
| 接眼レンズ | 対物レンズ | 顕微鏡の倍率 |
|---|---|---|
| 10倍 | 4倍 | 40倍 |
| 10倍 | 10倍 | 100倍 |
| 10倍 | 40倍 | 400倍 |
| 15倍 | 40倍 | 600倍 |
「400倍」とは、実物の400倍の長さに見えるということ。 たとえば0.1mmの細胞は、視野の中では mm、つまり4cmの大きさに見えます。 逆に、視野で20mmに見えたものの実際の長さは mm です。
✓算数の「倍の見方」がそのまま使える
倍率は、算数で習った倍の見方そのものです。 「もとにする大きさ(実物)×倍率=見える大きさ」なので、割合の3用法と同じ形。 あやしいときは小5 割合(倍の見方)に戻ると、式の組み立てが一気に楽になります。
なお倍率は長さの倍率です。 400倍で見ると、面積は 倍——16万倍にもなります。
倍率を高くすると、どうなる?
大きく見えるかわりに、失うものがあります。 テストでは「高倍率にすると視野はどうなるか」がよく問われます。
| 比べること | 低倍率 | 高倍率 |
|---|---|---|
| 見える大きさ | 小さい | 大きい |
| 視野の広さ | 広い | せまい |
| 明るさ | 明るい | 暗くなる |
| 観察できる範囲 | 広い範囲を見わたせる | せまい範囲だけ |
| 向いている場面 | まず探すとき | 見つけたあとくわしく見るとき |
高倍率にすると入ってくる光の量が減るので、しぼりや反射鏡で明るさを調節し直すのを忘れずに。 「大きくしたら暗くなった」は故障ではなく、当たり前の変化です。
✓理解チェック2
上下左右が逆に見える——プレパラートを動かす向き
ふつうの顕微鏡(光学顕微鏡)で見える像は、上下左右が逆になっています。 つまり、実物を180°回した向きに見えているということ。
像が逆さまということは、プレパラートを動かすと、像は反対向きに動くということ。 右下に見えているものを中央に持ってくるには、像を左上へ動かせばよいので、プレパラートは右下へ動かします。
✓迷ったときの合言葉
「見えている向きと、同じ方向へ動かす」。 左上に見えるなら左上へ、右に見えるなら右へ。 理屈は「像が逆に動くから」ですが、結論は見えた方向と同じとシンプルです。
え、逆に見えるのに、動かすのは同じ向きでいいの? こんがらがる…。
そこがひっかけポイントだね。 見え方は逆、動かす向きは同じ。 紙に「P」と書いてくるっと180°回してみると、右下にあった点がどう動くか、手で確かめられるよ。
✓理解チェック3
プレパラートの作り方(気泡を入れないコツ)
→やり方
- スライドガラスに、観察するもの(試料)と水を1滴のせる
- カバーガラスの端を水にふれさせ、ピンセットで反対側を静かに下ろす
- はみ出た水は、ろ紙で吸い取る
?なぜ、カバーガラスを端から静かにかけるの?
水平のままストンと落とすと、下にあった空気が閉じこめられてしまうから。 端からゆっくり下ろすと、空気が反対側へ押し出されていきます。
模範解答:「カバーガラスの下に空気の泡(気泡)が入らないようにするため。」
気泡は、視野の中で黒く太いふちの丸として見えます。 細胞と見まちがえやすいので、「くっきりした黒いふちの円」が並んでいたら気泡を疑いましょう。 また、カバーガラスをかけるのは、試料を平らにして厚みをそろえるため、そして対物レンズを水でよごさないためでもあります。
ルーペと双眼実体顕微鏡の使い方
顕微鏡だけが観察の道具ではありません。 「何を見たいか」で道具を選び分けます。
ルーペ(虫めがね)
- ルーペは目に近づけて持つ。遠ざけて持つと、見える範囲がせまくなってぼやけます。
- 観察するものが動かせるときは、ルーペを目に近づけたまま、観察するものを前後に動かしてピントを合わせる。
- 観察するものが動かせないとき(木に咲いた花など)は、**自分(顔)**を前後に動かす。
- ルーペで太陽を見てはいけない。光が目に集まり、目を痛めます。
「ルーペを動かす」ではなく「ものか自分を動かす」——ここがテストで問われます。
双眼実体顕微鏡
- 倍率は20〜40倍程度。
- プレパラートを作らなくてよい。厚みのあるものを、そのままステージにのせて観察できる。
- 両目で見るので、立体的に見える。
- 花のつくり、砂つぶ、小さな昆虫、種子など「厚みのある小さいもの」に向いています。
3つの使い分け(表で整理)
| 道具 | 倍率のめやす | プレパラート | 見え方 | 向いている観察 |
|---|---|---|---|---|
| ルーペ | 2〜10倍程度 | いらない | そのままの向き | 野外で葉や花をさっと見る |
| 双眼実体顕微鏡 | 20〜40倍程度 | いらない | 立体的に見える | 砂つぶ・小さな虫・花のつくり |
| 顕微鏡(光学顕微鏡) | 40〜600倍程度 | 必要 | 上下左右が逆 | 細胞・微生物などうすいもの |
顕微鏡は光を下から通して見るので、試料はうすくなければいけません。 だから細胞のような小さくてうすいものは顕微鏡、砂つぶのような厚みのあるものは双眼実体顕微鏡、と決まります。 野外でルーペを使って観察する植物のなかまは、植物の分類で整理できます。 実際に顕微鏡で何が見えるのかは、細胞のつくりで確かめられます。
よくある間違い
✕よくある間違い
倍率を足し算する(10倍+40倍=50倍)。 右下に見えるものを、プレパラートを左上へ動かして探す。
倍率はかけ算(10×40=400倍)。 プレパラートは見えている向きと同じ=右下へ動かす。
もう1つ多いのが、ピント合わせの向きです。 のぞきながら近づけるとレンズとプレパラートがぶつかります。 「近づけるのは横から見ながら、のぞくときは遠ざけるだけ」と、動かす向きまでセットで覚えましょう。
やってみよう(練習問題)
やってみよう①(基本:手順と倍率)
- 顕微鏡の操作ア〜ウを、正しい順に並べましょう。
- ア:接眼レンズをのぞきながら、対物レンズを遠ざけてピントを合わせる
- イ:いちばん低い倍率にして、明るさを調節する
- ウ:横から見ながら、対物レンズとプレパラートを近づける
- 接眼レンズ10倍・対物レンズ10倍のときの顕微鏡の倍率は?
答えと解説を見る
- イ → ウ → ア。 明るさを整えてから、近づけて、のぞきながら遠ざける、の順です。
- より 100倍。
やってみよう②(標準:像の向きと倍率の変化)
400倍で観察したところ、見たい細胞が視野の左上にありました。
- この細胞を視野の中央に持ってくるには、プレパラートをどちらへ動かしますか。
- このあと倍率をさらに高くすると、視野の広さと明るさはどうなりますか。
答えと解説を見る
- 左上へ動かす。 像は上下左右が逆なので、プレパラートを左上へ動かすと像は右下へ動き、細胞が中央に来ます。 「見えている向きと同じ方向」でOKです。
- 視野はせまくなり、暗くなります。 しぼりや反射鏡で明るさを調節し直しましょう。
やってみよう③(応用:記述と計算の総合)
顕微鏡でタマネギの表皮を観察しました。
- 接眼レンズ15倍・対物レンズ40倍のときの倍率を求めましょう。
- 1の倍率で観察したとき、細胞1個が視野の中で30mmに見えました。実際の長さは何mmですか。
- カバーガラスを端から静かにかけるのはなぜですか。理由を書きましょう。
答えと解説を見る
- より 600倍。
- より 0.05mm。 見える長さ ÷ 倍率=実際の長さ、です(もとにする大きさを求める、割合と同じ形)。
- カバーガラスの下に空気の泡(気泡)が入らないようにするため。 「気泡」という言葉が入っていれば得点になります。
家おうちの方へ
顕微鏡の単元は、定期テストで①操作の順番、②操作の理由(記述)、③倍率の計算、④プレパラートを動かす向き、の4点に出題がほぼ集中します。 とくに②は「ほこりを防ぐ」「目を痛めない」「視野が広い」「ぶつけて割らない」の4つを、どの操作の理由かとセットで覚える必要があります。 ④は大人でも混乱しやすいところなので、紙に文字を書いて180°回してみせると、言葉より早く納得できます。 ③は算数の倍の見方そのものなので、式が組めないときは小5 割合(倍の見方)に戻るのが近道です。
順番・理由・倍率・動かす向き——この4つがそろえば、顕微鏡は得点源になります。 次は細胞のつくりへ進んで、顕微鏡でのぞいた先に何が見えるのかを確かめましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 組み立ては接眼レンズ→対物レンズの順。ほこりを鏡筒に入れないため。
- 観察はいちばん低い倍率から。視野が広く、見たいものを見つけやすい。
- ピントは横から見ながら近づけ、のぞきながら遠ざける。ぶつけて割らないため。
- 顕微鏡の倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率(10×40=400倍)。高倍率ほどせまく・暗くなる。
- 像は上下左右が逆。プレパラートは見えている向きと同じ方向へ動かす。
よくある質問
顕微鏡の使い方の順番を教えてください。
①直射日光の当たらない明るい水平なところに置く、②接眼レンズ→対物レンズの順にとりつける、③いちばん低い倍率にして反射鏡としぼりで明るさを調節する、④横から見ながら対物レンズとプレパラートをできるだけ近づける、⑤接眼レンズをのぞきながら遠ざける向きに調節ねじを回してピントを合わせる、の順です。近づけるときは横から、遠ざけるときはのぞきながら、が鉄則です。
顕微鏡の倍率はどうやって計算しますか?
顕微鏡の倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率です。たとえば接眼レンズが10倍、対物レンズが40倍なら10×40で400倍になります。足し算ではなくかけ算です。倍率を高くすると大きく見えるかわりに、視野はせまくなり、入ってくる光が減って暗くなるので、しぼりや反射鏡で明るさを調節し直します。
顕微鏡で右下に見えるものを中央に動かすには、プレパラートをどちらへ動かしますか?
右下へ動かします。ふつうの顕微鏡は上下左右が逆に見えるため、プレパラートを動かすと像は反対向きに動きます。右下に見えているものを中央に持ってくるには、像を左上へ動かせばよく、そのためにはプレパラートを右下へ動かします。「見えている向きと同じ方向へ動かす」と覚えると迷いません。
カバーガラスを端から静かにかけるのはなぜですか?
カバーガラスの下に空気の泡(気泡)が入らないようにするためです。気泡が入ると黒いふちの丸が視野に映り込み、観察のじゃまになります。スライドガラスに試料と水を1滴のせ、カバーガラスの端を水にふれさせてから、ピンセットで反対側をゆっくり下ろします。はみ出た水はろ紙で吸い取ります。
この単元でつまずいたとき、家庭でできること
- 植物の分類(種子植物・被子植物)に戻るつまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
- 説明役を、外部にまかせる教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。