中学理科中学1年生生物
光合成と呼吸のちがい|植物の気体の出入りを図解【中1理科】
中1理科でつまずく「光合成と呼吸」を図でやさしく。光合成(二酸化炭素+水→デンプン+酸素)と呼吸(酸素→二酸化炭素)のちがい、植物も呼吸していること、昼と夜で気体の出入りが変わる理由、BTB溶液・ヨウ素液の実験まで、まとめて整理できます。
◎このページのゴール
光合成と呼吸のちがいを式と図で理解し、植物も呼吸していること、昼と夜で気体の出入りが変わる理由を説明できるようになる。
「植物は二酸化炭素を吸って酸素を出す」——そう覚えていませんか? じつはそれは昼だけの、見かけの話。植物は動物と同じように、一日中こきゅう(呼吸)もしています。光合成と呼吸を「2つの別のはたらき」として図で分けると、中1理科でいちばんこんがらがる「昼と夜の気体の出入り」がスッキリ整理できます。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
光合成——光で養分をつくる
植物は、光のエネルギーを使って自分で養分(デンプン)をつくります。これが光合成です。葉の細胞の中にある、緑色の粒葉緑体で行われます。
→やり方
- 根から吸った水と、葉の気孔から取り入れた二酸化炭素を材料にする。
- 光のエネルギーを使って、葉緑体で反応させる。
- **デンプン(養分)**ができ、酸素が出される。
式で書くと、こうなります。
ポイントは2つ。①光が当たるときだけ行うこと、②葉緑体(緑色の部分)でしか行わないこと。だから、暗いところに置いた植物や、緑色でない部分(ふ入りの白い部分)では光合成は起きません。
✓理解チェック①
呼吸——養分を使ってエネルギーを取り出す
つくった養分は、そのままでは使えません。酸素を使って養分を分解し、生きるためのエネルギーを取り出すはたらきが呼吸です。このとき二酸化炭素が出ます。
?どうして?
呼吸:酸素 + 養分 → エネルギー + 二酸化炭素 + 水。動物だけでなく植物も、昼も夜も一日中呼吸しています。
呼吸は、わたしたち動物と同じはたらきです。植物も生きている細胞である以上、つねにエネルギーが必要なので、休まず呼吸を続けています。ここが最大の勘ちがいポイント——植物=二酸化炭素を吸うだけ、ではありません。
光合成と呼吸は、気体の出入りがちょうど逆向きです。光合成は二酸化炭素を吸って酸素を出し、呼吸は酸素を吸って二酸化炭素を出す。この「逆向き」をおさえると、次の「昼と夜」がスッと入ります。
✓理解チェック②
昼と夜で、気体の出入りが変わる理由
植物は光合成も呼吸も両方しています。だから「見かけの気体の出入り」は、どちらが盛んかで決まります。
- 昼(光があるとき):光合成がとても盛んで、呼吸より勢いが強い。だから差し引きでは二酸化炭素を吸い、酸素を出すように見えます(裏で呼吸もしています)。
- 夜(光がないとき):光合成は止まり、呼吸だけが残る。だから二酸化炭素を出すだけになります。
「植物=酸素を出す」というイメージは、昼の見かけだけを切り取ったもの。本当は、呼吸はいつも動いていて、昼はそれを上回る光合成が重なっている——この二重構造が、つまずきの正体です。
じゃあ、夜の森の中って、酸素がうすくなったりするの…? 植物が二酸化炭素を出してるなら。
鋭い! 夜は植物も呼吸だけになるから、たしかに二酸化炭素は出ている。でも昼のあいだに光合成でたっぷり酸素をつくって、二酸化炭素を吸っているから、一日の合計で見れば植物は酸素を増やしているんだ。「夜は呼吸だけ」と「一日の合計では酸素を出す」は、どっちも正しいんだよ。
✓理解チェック③
実験の見方(BTB溶液・ヨウ素液)
教科書の実験も、「光合成」と「呼吸」のどちらが起きているかで読み解けます。
✓コツ
- BTB溶液:二酸化炭素がふえると黄色、へると青色(中間は緑)。光を当てたオオカナダモの試験管が青くなれば、光合成で二酸化炭素が減ったしるし。暗くした試験管が黄色なら、呼吸で二酸化炭素がふえたしるし。
- ヨウ素液:デンプンがあると青むらさき色になる。光を当てた葉の緑色の部分だけが青むらさきに染まれば、そこで**光合成(デンプンづくり)**が起きた証拠。ふ入りの白い部分や、光を当てなかった部分は染まりません。
実験で「光を当てる/当てない」「葉緑体がある/ない」を比べるのは、光合成の2つの条件(光・葉緑体)を確かめるためです。ちがいを1つだけにして比べる、この方法を対照実験といいます。
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
植物は「二酸化炭素を吸って酸素を出すだけ」。呼吸はしない
植物も一日中呼吸している。昼は光合成が呼吸を上回るので、見かけ上だけ二酸化炭素を吸って酸素を出す
もう1つ多いのが、光合成と呼吸の式を逆にするまちがい。「光合成=二酸化炭素を吸う/呼吸=酸素を吸う」と、入り口の気体で覚えると取りちがえません。また、光合成は葉緑体のある緑の部分で光があるときだけ、という2つの条件もセットで押さえましょう。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:式と気体)
次の問いに答えましょう。
- 光合成の材料になる2つの物質は?
- 呼吸で取り入れる気体と、出す気体は?
答えと解説を見る
- 二酸化炭素と水(光のエネルギーを使ってデンプンと酸素をつくる)。
- 酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す(養分を分解してエネルギーを取り出す)。
✏️ やってみよう②(標準:昼と夜)
ある植物について答えましょう。
- 夜、葉が出している気体は何?
- 昼、葉が「見かけ上」吸っている気体と出している気体は?
答えと解説を見る
- 二酸化炭素(夜は光合成が止まり、呼吸だけになるため)。
- 見かけ上は二酸化炭素を吸い、酸素を出す(光合成が呼吸を上回るため。呼吸も同時にしている)。
✏️ やってみよう③(応用:対照実験)
ふ(白い部分)のある葉に、アルミニウムはくで一部をおおって光を当てました。そのあとヨウ素液で調べます。
- 青むらさき色に染まるのは「緑の部分」「ふ(白)の部分」「おおって光が当たらなかった部分」のうちどれ?
- この実験から、光合成に必要な2つの条件は何だとわかる?
答えと解説を見る
- 緑で、かつ光が当たった部分だけが青むらさきに染まる(デンプンができた)。ふの部分(葉緑体がない)も、おおった部分(光がない)も染まりません。
- 光と葉緑体(緑の部分)。条件を1つだけ変えて比べる「対照実験」で確かめられます。
家おうちの方へ
光合成のつまずきは、ほとんどが「植物も呼吸している」という事実が抜けることから始まります。「植物=酸素を出す」は昼の見かけだけで、本当は呼吸を一日中しながら、昼はそれを上回る光合成が重なっている——この二重構造を、向かい合わせの図(気体の出入りが逆向き)で見せると納得しやすいです。式は「光合成=二酸化炭素を吸う/呼吸=酸素を吸う」と、入り口の気体で覚えると逆転しません。実験(BTB・ヨウ素液)は、色の変化が「二酸化炭素やデンプンがふえた・へった」のサインだと結びつけ、「光と葉緑体」という2条件を対照実験で確かめている、と整理してあげてください。
光でつくる光合成と、使ってエネルギーにする呼吸。2つを別々の図に分けて「気体の向き」をそろえれば、昼と夜の入れかわりも、教科書の実験も、同じ1つの見方で読み解けます。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 光合成=光のエネルギーで 二酸化炭素+水 → デンプン(養分)+酸素 をつくる。葉の葉緑体で、光が当たるときだけ行う。
- 呼吸=酸素を使って養分を分解しエネルギーを取り出し、二酸化炭素を出す。動物も植物も、一日中行う。
- 植物は光合成も呼吸も両方している。「二酸化炭素を吸って酸素を出すだけ」ではない。
- 昼は光合成のほうが盛んなので、見かけ上は二酸化炭素を吸い酸素を出す。
- 夜は光合成をしないので、呼吸だけ=二酸化炭素を出す。
よくある質問
光合成とは何ですか?
光合成とは、植物が光のエネルギーを使って、二酸化炭素と水からデンプン(養分)と酸素をつくるはたらきです。葉の細胞にある緑色の粒(葉緑体)で、光が当たるときだけ行われます。
光合成と呼吸のちがいは何ですか?
光合成は光を使って二酸化炭素を取り入れ酸素を出すのに対し、呼吸は酸素を取り入れて二酸化炭素を出します。気体の出入りがちょうど逆向きです。また光合成は光が当たるときだけですが、呼吸は動物も植物も一日中行っています。
植物も呼吸しているのに、なぜ昼は酸素を出しているように見えるのですか?
昼は光合成が呼吸よりずっと盛んなので、差し引きでは二酸化炭素を吸って酸素を出しているように見えるからです。裏では呼吸も同時に行っています。夜は光合成が止まり呼吸だけになるので、二酸化炭素を出します。
植物は二酸化炭素を吸って酸素を出すだけではないのですか?
いいえ、それは昼の見かけだけです。植物も動物と同じように一日中呼吸をしていて、酸素を取り入れて二酸化炭素を出しています。昼はそれを上回る光合成が重なるため、見かけ上は二酸化炭素を吸って酸素を出しているように見えるだけです。