中学理科中学2年生生物

血液の循環(肺循環・体循環)|動脈と動脈血のちがいを図解【中2理科】

中2理科でつまずく「血液の循環」を図でやさしく。心臓の4つの部屋、動脈・静脈・毛細血管のちがい、肺循環と体循環の経路、そして最大のつまずき「肺動脈には静脈血が流れる」理由まで、色分けした経路図で整理できます。動脈血と動脈の取りちがえを防ぎます。

このページのゴール

心臓のつくりと、肺循環・体循環の経路を理解し、「動脈・静脈(血管の向き)」と「動脈血・静脈血(血液の中身)」のちがいを区別して説明できるようになる。

「肺動脈に流れているのは、酸素いっぱいの“動脈血”でしょ?」——これが、血液の循環でいちばん多いつまずきです。じつは肺動脈に流れるのは静脈血。カギは「動脈・静脈は血管の“向き”、動脈血・静脈血は血液の“中身”」と分けて考えること。色分けした経路図で見れば、肺循環も体循環も迷わなくなります。

心臓のつくり——4つの部屋

心臓は血液を全身に送り出すポンプです。中は4つの部屋に分かれています。上の2つが心房、下の2つが心室です。

やり方

  1. 心房(右心房・左心房)…血管からもどってきた血液を受け取る部屋。
  2. 心室(右心室・左心室)…血液を送り出す部屋。かべの筋肉が厚い。
  3. 血液は 心房 → 心室 → 動脈 の順に流れ、逆流しないようがついている。

房(ぼう)で受けて、室(しつ)で送る」と覚えると、流れる向きを取りちがえません。とくに全身へ送り出す左心室は、強い力が必要なのでかべの筋肉がいちばん厚くなっています。

理解チェック①

動脈・静脈・毛細血管のちがい

血管には3つの種類があります。**名前の決め手は「心臓から見た向き」**です。

iメモ

  • 動脈…心臓から出ていく血液が流れる血管。強い圧力がかかるので、かべが厚くて弾力がある
  • 静脈…心臓へもどる血液が流れる血管。圧力が弱いので、逆流を防ぐがある。
  • 毛細血管…動脈と静脈をつなぐ、とても細い血管。ここで全身の細胞と酸素・養分・二酸化炭素・不要物をやりとりする。

ここで大事なのは、「動脈・静脈」は血管の“向き”の名前だということ。流れている血液が酸素を多く含むか(動脈血)、二酸化炭素を多く含むか(静脈血)とは、別の話です。次の経路図で、その「ねじれ」が見えてきます。

理解チェック②

肺循環と体循環の経路

血液の流れには、大きく2つのループがあります。肺をめぐる肺循環と、全身をめぐる体循環です。

心臓房で受け・室で送る全身肺動脈静脈血肺静脈動脈血大動脈動脈血大静脈静脈血

矢印の色は血液の中身です(赤=酸素が多い動脈血/青=二酸化炭素が多い静脈血)。

  • 肺循環:右心室 →(肺動脈)→ 肺 →(肺静脈)→ 左心房。肺で二酸化炭素を出し、酸素を受け取って動脈血になる
  • 体循環:左心室 →(大動脈)→ 全身 →(大静脈)→ 右心房。全身に酸素を渡して、二酸化炭素を受け取り静脈血になる

血液はこの2つのループを、**心臓 → 肺 → 心臓 → 全身 → 心臓…**とぐるぐる回り続けます。

理解チェック③

なぜ「肺動脈に静脈血」が流れるの?

ここが最大のつまずきです。肺動脈には静脈血、肺静脈には動脈血が流れます。一見ぎゃくに見えますが、名前のつけ方を分けて考えると、ちゃんと筋が通ります。

?どうして?

  • 動脈・静脈は「血管の向き」で決まる(心臓から出る=動脈/もどる=静脈)。
  • 動脈血・静脈血は「血液の中身」で決まる(酸素が多い=動脈血/二酸化炭素が多い=静脈血)。
  • この2つは別の基準なので、組み合わせがねじれることがある。

肺動脈は「心臓(右心室)から出る血管」なので動脈。でも中を流れるのは、まだ肺で酸素をもらう前の、二酸化炭素が多い静脈血です。逆に肺静脈は「心臓(左心房)へもどる血管」なので静脈。でも肺で酸素をもらった直後の動脈血が流れます。

セナちゃんのアイコン
セナ

なんでわざわざ、ねじれるような名前のつけ方にするの? ややこしいよ…!

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

気持ちわかる! でも「動脈・静脈」は血管の向き、「動脈血・静脈血」は血液の中身って、はじめから別々のものさしで名前をつけてるんだ。体循環ではこの2つがそろう(動脈に動脈血)から混乱しないけど、肺だけは“ガス交換でひっくり返る”からねじれる。だから「肺動脈=静脈血」は、ねじれの代表例として丸ごと覚えちゃうのがいちばん速いよ。

理解チェック④

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

「動脈にはいつも動脈血が流れる」と思い、肺動脈に動脈血を流してしまう

正しい

動脈・静脈は向き、動脈血・静脈血は中身肺動脈には静脈血/肺静脈には動脈血が流れる

もう1つは、肺循環と体循環の出口を取りちがえるまちがい。肺へ送るのは右心室/全身へ送るのは左心室です。「右は肺(みじかいループ)、左は全身(長いループ)」とセットで覚え、左心室のかべがいちばん厚い理由(全身まで押し出す)も結びつけましょう。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:用語)

次の問いに答えましょう。

  1. 心臓で、血液を送り出す部屋を何という?
  2. 心臓へ「もどる」血液が流れる血管を何という?
答えと解説を見る
  1. 心室(右心室・左心室)。受け取るのは心房。
  2. 静脈。逆流を防ぐ弁がついています。心臓から出るのは動脈。

✏️ やってみよう②(標準:経路)

血液の循環について答えましょう。

  1. 肺循環の経路を「心室・心房・肺」を使って書きましょう。
  2. 全身に酸素を届けたあと、血液が最初にもどってくる心臓の部屋は?
答えと解説を見る
  1. 右心室 → 肺 → 左心房(右心室から肺動脈で肺へ、肺静脈で左心房へもどる)。
  2. 右心房。体循環(左心室→全身→右心房)でもどってきます。

✏️ やってみよう③(応用:動脈血・静脈血)

次の血管を流れる血液が、動脈血・静脈血のどちらか答えましょう。

  1. 肺動脈
  2. 肺静脈
  3. 大動脈
答えと解説を見る
  1. 静脈血(肺で酸素をもらう前。二酸化炭素が多い)。
  2. 動脈血(肺で酸素をもらった直後。酸素が多い)。
  3. 動脈血(左心室から全身へ、酸素を届けに向かう)。

「動脈・静脈=向き」「動脈血・静脈血=中身」を分けて考えるのがコツ。肺だけがねじれます。

おうちの方へ

血液の循環のつまずきは、ほぼ1点に集まります——「動脈には動脈血が流れる」と思い込み、肺動脈に静脈血が流れることが受け入れられない、という点です。ここは「動脈・静脈は血管の向き(心臓から出る/もどる)」「動脈血・静脈血は血液の中身(酸素が多い/二酸化炭素が多い)」と、2つの別のものさしだと整理してあげると解けます。体循環では両者がそろうので混乱しませんが、肺だけはガス交換でひっくり返る、と図で確認するのが近道です。経路は「右心室は肺へ・左心室は全身へ」、心臓は「房で受け・室で送る」と、短い合言葉にして覚えさせると定着します。

向き(動脈・静脈)と中身(動脈血・静脈血)を分ける。心臓は房で受けて室で送る。右は肺・左は全身。——この3つの合言葉だけで、肺循環も体循環も「肺動脈に静脈血」も、同じ1枚の図で説明できます。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 心臓は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)。心房が血液を受け取り、心室が送り出す。
  • 動脈=心臓から出る血管/静脈=心臓へもどる血管。毛細血管で全身と物質をやりとりする。
  • 動脈血=酸素が多い血液/静脈血=二酸化炭素が多い血液。
  • 肺循環:右心室→肺→左心房。肺で酸素を受け取る。
  • 体循環:左心室→全身→右心房。全身へ酸素を届ける。肺動脈には静脈血が流れる点に注意。

よくある質問

動脈と静脈のちがいは何ですか?

動脈は心臓から出ていく血液が流れる血管、静脈は心臓へもどる血液が流れる血管です。名前は血管の「向き」で決まり、流れている血液が酸素を多く含むか(動脈血)どうかとは別の話です。動脈は強い圧力がかかるのでかべが厚く、静脈には逆流を防ぐ弁があります。

なぜ肺動脈には動脈血ではなく静脈血が流れるのですか?

「動脈・静脈」は血管の向き、「動脈血・静脈血」は血液の中身と、別々の基準で名前をつけているからです。肺動脈は心臓(右心室)から出る血管なので動脈ですが、まだ肺で酸素をもらう前なので、中を流れるのは二酸化炭素の多い静脈血です。肺で酸素を受け取ると動脈血になり、肺静脈を通って心臓(左心房)へもどります。

肺循環と体循環の経路はどうなっていますか?

肺循環は「右心室→肺→左心房」で、肺で二酸化炭素を出して酸素を受け取るループです。体循環は「左心室→全身→右心房」で、全身に酸素を届けるループです。「右心室は肺へ、左心室は全身へ」と覚えると、経路を取りちがえません。

心臓の心房と心室は、それぞれどんなはたらきをしますか?

心房は、血管からもどってきた血液を受け取る部屋です。心室は、血液を送り出す部屋で、かべの筋肉が厚くなっています。とくに全身へ送り出す左心室は強い力が必要なので、かべがいちばん厚くなっています。「房で受けて、室で送る」と覚えると、血液の流れる向きを取りちがえません。

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