中学理科中学2年生生物
血液の循環(肺循環・体循環)|動脈と動脈血のちがいを図解【中2理科】
中2理科でつまずく「血液の循環」を図でやさしく。心臓の4つの部屋、動脈・静脈・毛細血管のちがい、肺循環と体循環の経路、そして最大のつまずき「肺動脈には静脈血が流れる」理由まで、色分けした経路図で整理できます。動脈血と動脈の取りちがえを防ぎます。
◎このページのゴール
心臓のつくりと、肺循環・体循環の経路を理解し、「動脈・静脈(血管の向き)」と「動脈血・静脈血(血液の中身)」のちがいを区別して説明できるようになる。
「肺動脈に流れているのは、酸素いっぱいの“動脈血”でしょ?」——これが、血液の循環でいちばん多いつまずきです。じつは肺動脈に流れるのは静脈血。カギは「動脈・静脈は血管の“向き”、動脈血・静脈血は血液の“中身”」と分けて考えること。色分けした経路図で見れば、肺循環も体循環も迷わなくなります。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
心臓のつくり——4つの部屋
心臓は血液を全身に送り出すポンプです。中は4つの部屋に分かれています。上の2つが心房、下の2つが心室です。
→やり方
- 心房(右心房・左心房)…血管からもどってきた血液を受け取る部屋。
- 心室(右心室・左心室)…血液を送り出す部屋。かべの筋肉が厚い。
- 血液は 心房 → 心室 → 動脈 の順に流れ、逆流しないよう弁がついている。
「房(ぼう)で受けて、室(しつ)で送る」と覚えると、流れる向きを取りちがえません。とくに全身へ送り出す左心室は、強い力が必要なのでかべの筋肉がいちばん厚くなっています。
✓理解チェック①
動脈・静脈・毛細血管のちがい
血管には3つの種類があります。**名前の決め手は「心臓から見た向き」**です。
iメモ
- 動脈…心臓から出ていく血液が流れる血管。強い圧力がかかるので、かべが厚くて弾力がある。
- 静脈…心臓へもどる血液が流れる血管。圧力が弱いので、逆流を防ぐ弁がある。
- 毛細血管…動脈と静脈をつなぐ、とても細い血管。ここで全身の細胞と酸素・養分・二酸化炭素・不要物をやりとりする。
ここで大事なのは、「動脈・静脈」は血管の“向き”の名前だということ。流れている血液が酸素を多く含むか(動脈血)、二酸化炭素を多く含むか(静脈血)とは、別の話です。次の経路図で、その「ねじれ」が見えてきます。
✓理解チェック②
肺循環と体循環の経路
血液の流れには、大きく2つのループがあります。肺をめぐる肺循環と、全身をめぐる体循環です。
矢印の色は血液の中身です(赤=酸素が多い動脈血/青=二酸化炭素が多い静脈血)。
- 肺循環:右心室 →(肺動脈)→ 肺 →(肺静脈)→ 左心房。肺で二酸化炭素を出し、酸素を受け取って動脈血になる。
- 体循環:左心室 →(大動脈)→ 全身 →(大静脈)→ 右心房。全身に酸素を渡して、二酸化炭素を受け取り静脈血になる。
血液はこの2つのループを、**心臓 → 肺 → 心臓 → 全身 → 心臓…**とぐるぐる回り続けます。
✓理解チェック③
なぜ「肺動脈に静脈血」が流れるの?
ここが最大のつまずきです。肺動脈には静脈血、肺静脈には動脈血が流れます。一見ぎゃくに見えますが、名前のつけ方を分けて考えると、ちゃんと筋が通ります。
?どうして?
- 動脈・静脈は「血管の向き」で決まる(心臓から出る=動脈/もどる=静脈)。
- 動脈血・静脈血は「血液の中身」で決まる(酸素が多い=動脈血/二酸化炭素が多い=静脈血)。
- この2つは別の基準なので、組み合わせがねじれることがある。
肺動脈は「心臓(右心室)から出る血管」なので動脈。でも中を流れるのは、まだ肺で酸素をもらう前の、二酸化炭素が多い静脈血です。逆に肺静脈は「心臓(左心房)へもどる血管」なので静脈。でも肺で酸素をもらった直後の動脈血が流れます。
なんでわざわざ、ねじれるような名前のつけ方にするの? ややこしいよ…!
気持ちわかる! でも「動脈・静脈」は血管の向き、「動脈血・静脈血」は血液の中身って、はじめから別々のものさしで名前をつけてるんだ。体循環ではこの2つがそろう(動脈に動脈血)から混乱しないけど、肺だけは“ガス交換でひっくり返る”からねじれる。だから「肺動脈=静脈血」は、ねじれの代表例として丸ごと覚えちゃうのがいちばん速いよ。
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
「動脈にはいつも動脈血が流れる」と思い、肺動脈に動脈血を流してしまう
動脈・静脈は向き、動脈血・静脈血は中身。肺動脈には静脈血/肺静脈には動脈血が流れる
もう1つは、肺循環と体循環の出口を取りちがえるまちがい。肺へ送るのは右心室/全身へ送るのは左心室です。「右は肺(みじかいループ)、左は全身(長いループ)」とセットで覚え、左心室のかべがいちばん厚い理由(全身まで押し出す)も結びつけましょう。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:用語)
次の問いに答えましょう。
- 心臓で、血液を送り出す部屋を何という?
- 心臓へ「もどる」血液が流れる血管を何という?
答えと解説を見る
- 心室(右心室・左心室)。受け取るのは心房。
- 静脈。逆流を防ぐ弁がついています。心臓から出るのは動脈。
✏️ やってみよう②(標準:経路)
血液の循環について答えましょう。
- 肺循環の経路を「心室・心房・肺」を使って書きましょう。
- 全身に酸素を届けたあと、血液が最初にもどってくる心臓の部屋は?
答えと解説を見る
- 右心室 → 肺 → 左心房(右心室から肺動脈で肺へ、肺静脈で左心房へもどる)。
- 右心房。体循環(左心室→全身→右心房)でもどってきます。
✏️ やってみよう③(応用:動脈血・静脈血)
次の血管を流れる血液が、動脈血・静脈血のどちらか答えましょう。
- 肺動脈
- 肺静脈
- 大動脈
答えと解説を見る
- 静脈血(肺で酸素をもらう前。二酸化炭素が多い)。
- 動脈血(肺で酸素をもらった直後。酸素が多い)。
- 動脈血(左心室から全身へ、酸素を届けに向かう)。
「動脈・静脈=向き」「動脈血・静脈血=中身」を分けて考えるのがコツ。肺だけがねじれます。
家おうちの方へ
血液の循環のつまずきは、ほぼ1点に集まります——「動脈には動脈血が流れる」と思い込み、肺動脈に静脈血が流れることが受け入れられない、という点です。ここは「動脈・静脈は血管の向き(心臓から出る/もどる)」「動脈血・静脈血は血液の中身(酸素が多い/二酸化炭素が多い)」と、2つの別のものさしだと整理してあげると解けます。体循環では両者がそろうので混乱しませんが、肺だけはガス交換でひっくり返る、と図で確認するのが近道です。経路は「右心室は肺へ・左心室は全身へ」、心臓は「房で受け・室で送る」と、短い合言葉にして覚えさせると定着します。
向き(動脈・静脈)と中身(動脈血・静脈血)を分ける。心臓は房で受けて室で送る。右は肺・左は全身。——この3つの合言葉だけで、肺循環も体循環も「肺動脈に静脈血」も、同じ1枚の図で説明できます。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 心臓は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)。心房が血液を受け取り、心室が送り出す。
- 動脈=心臓から出る血管/静脈=心臓へもどる血管。毛細血管で全身と物質をやりとりする。
- 動脈血=酸素が多い血液/静脈血=二酸化炭素が多い血液。
- 肺循環:右心室→肺→左心房。肺で酸素を受け取る。
- 体循環:左心室→全身→右心房。全身へ酸素を届ける。肺動脈には静脈血が流れる点に注意。
よくある質問
動脈と静脈のちがいは何ですか?
動脈は心臓から出ていく血液が流れる血管、静脈は心臓へもどる血液が流れる血管です。名前は血管の「向き」で決まり、流れている血液が酸素を多く含むか(動脈血)どうかとは別の話です。動脈は強い圧力がかかるのでかべが厚く、静脈には逆流を防ぐ弁があります。
なぜ肺動脈には動脈血ではなく静脈血が流れるのですか?
「動脈・静脈」は血管の向き、「動脈血・静脈血」は血液の中身と、別々の基準で名前をつけているからです。肺動脈は心臓(右心室)から出る血管なので動脈ですが、まだ肺で酸素をもらう前なので、中を流れるのは二酸化炭素の多い静脈血です。肺で酸素を受け取ると動脈血になり、肺静脈を通って心臓(左心房)へもどります。
肺循環と体循環の経路はどうなっていますか?
肺循環は「右心室→肺→左心房」で、肺で二酸化炭素を出して酸素を受け取るループです。体循環は「左心室→全身→右心房」で、全身に酸素を届けるループです。「右心室は肺へ、左心室は全身へ」と覚えると、経路を取りちがえません。
心臓の心房と心室は、それぞれどんなはたらきをしますか?
心房は、血管からもどってきた血液を受け取る部屋です。心室は、血液を送り出す部屋で、かべの筋肉が厚くなっています。とくに全身へ送り出す左心室は強い力が必要なので、かべがいちばん厚くなっています。「房で受けて、室で送る」と覚えると、血液の流れる向きを取りちがえません。