中学理科中学2年生生物

呼吸と排出|肺胞とは・細胞呼吸とは・腎臓と肝臓のはたらき【中2理科】

肺胞とは、肺の中にある小さな袋で、まわりを毛細血管が取り巻いています。中2理科の呼吸と排出を図解でやさしく。肺による呼吸と細胞による呼吸のちがい、横隔膜とろっ骨が動く呼吸運動のしくみ、アンモニアを肝臓が尿素に変え腎臓がこし取る排出の流れまで、記述対策つきで整理できます。

先に答え

「呼吸」には 22 つあり、肺による呼吸は気体の出し入れ細胞による呼吸は酸素で養分を分解してエネルギーを取り出すことです。肺は肺胞という小さな袋の集まりで、表面積が大きくなり気体交換の効率が上がります。肺には筋肉がなく自分ではふくらめないので、横隔膜が下がりろっ骨が上がることで息を吸います。有害なアンモニアは肝臓で尿素に変えられ、腎臓でこし取られて尿になります。

このページのゴール

肺による呼吸と細胞による呼吸を区別し、肺胞・横隔膜のはたらきと、肝臓・腎臓が不要な物質を処理する流れを説明できるようになる。

「呼吸って、息を吸ったりはいたりすることでしょ?」——半分は正解ですが、中2理科ではもう1つの呼吸が出てきます。 それが、細胞が酸素を使ってエネルギーを取り出す細胞による呼吸です。 この2つをはじめに分けてしまえば、肺胞・横隔膜・腎臓・尿素と続く用語も、1本の流れとしてつながります。 酸素や不要物を運ぶ役は血液なので、血液の循環(肺循環・体循環)を先に見ておくとスムーズです。

結論——「呼吸」ということばは2つの意味で使われる

まずここを分けます。 テストで問われる「呼吸」は、次の2つのどちらかです。

やり方

  1. 肺による呼吸(外呼吸)…空気を吸ったりはいたりして、酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すこと。気体の出し入れ。
  2. 細胞による呼吸(細胞呼吸・内呼吸)…細胞が酸素を使って養分を分解し、エネルギーを取り出すこと。このとき二酸化炭素と水ができる。
  3. 順番でいうと、①肺で酸素を取り入れる → ②血液が全身へ運ぶ → ③細胞がその酸素でエネルギーを取り出す
くらべる点肺による呼吸細胞による呼吸
どこで肺(肺胞)全身の細胞
していること気体の出し入れ養分を分解してエネルギーを取り出す
使うもの酸素養分(ブドウ糖など)
できるもの二酸化炭素
ひとことで出入り口エネルギー工場

養分は消化と吸収で小腸から取り込まれたもの、細胞は細胞のつくりで学んだ体の最小の単位です。 食べたものと吸った空気が、細胞の中でようやく出あう——それが細胞による呼吸です。

セナちゃんのアイコン
セナ

じゃあ「息をしている=エネルギーをつくっている」ってことじゃないの? なんでわざわざ2つに分けるの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

いい質問! 肺がやっているのは、空気を出し入れすることだけなんだ。 肺の中でエネルギーがつくられているわけじゃない。 酸素はそこから血液に乗って全身に配られて、手や足や脳の細胞ひとつひとつが、養分といっしょに使ってエネルギーを取り出している。 だから「エネルギーを取り出しているのはどこ?」と聞かれたら、答えは肺ではなく細胞。ここが記述でよく問われるポイントだよ。

理解チェック1

肺のつくり——気管から気管支、そして肺胞へ

吸いこんだ空気は、気管 → 気管支 → 肺胞の順に進みます。 肺胞とは、気管支が細かく枝分かれした先にある、ぶどうの房のような小さな袋です。

肺のつくりの実写図。のどから続く気管が左右の気管支に分かれ、細かく枝分かれした先に肺胞がぶどうの房のように集まっている。右の拡大図では、肺胞のまわりを赤と青の毛細血管が網の目のように取り巻いている

大人の肺には、この肺胞が数億個あるといわれます。 なぜ、わざわざこんな細かい袋に分かれているのでしょうか。

?なぜ、肺は肺胞という小さな袋の集まりになっているの?

大きな1つの袋のままより、小さな袋にたくさん分かれているほうが、空気にふれる表面積がずっと大きくなるからです。 ふれる面が広ければ、それだけ酸素と二酸化炭素をやりとりできる場所が増えます。

模範解答:「空気にふれる表面積が大きくなり、気体の交換を効率よく行うことができるから。」

この「小さく分けて表面積をかせぐ」工夫は、じつは前の単元でも出てきました。 小腸の内側にびっしり並ぶ柔毛とまったく同じ考え方です(くわしくは消化と吸収|柔毛のはたらき)。 体は、取り込みたい場所ほどデコボコにしている——そう覚えると、2つの単元がつながります。

算数とつながる:小さく分けると表面積が増える

同じ体積のねん土を、1個の大きな立方体のままにするか、小さな立方体にたくさん切り分けるかを考えてみましょう。 体積は変わらないのに、切り分けるほど表面積は増えていきます。 立体の表面積と体積を別々の量として見る練習は、角柱・円柱の体積(小6算数)が入口です。 肺胞も柔毛も、この「体積そのまま・表面積アップ」を体が使っている例です。

肺胞では何が起きている?

肺胞のまわりは、毛細血管が網の目のように取り巻いています。 うすいかべ1枚をはさんで、気体が交換されます。

肺胞での気体の交換を拡大した実写図。肺胞のうすいかべごしに、青い矢印の酸素が肺胞から毛細血管の赤血球へ移り、灰色の矢印の二酸化炭素が血液から肺胞へ移っている。血液は青い静脈血から赤い動脈血へ変わる

肺で酸素を受け取った血液は、肺静脈を通って心臓へもどり、全身の細胞へ酸素を届けます。 「肺動脈に静脈血が流れる」のがふしぎに感じたら、この図の青が赤に変わる場所を思い出してください。

理解チェック2

呼吸運動のしくみ——横隔膜とろっ骨が動かしている

ここは動きの向きを取りちがえやすいところです。 表で一気に整理しましょう。

横隔膜ろっ骨胸の中の空間
息を吸うとき下がる上がる広がるふくらむ
息をはくとき上がる下がるせまくなるちぢむ

横隔膜は、胸とおなかを仕切っている筋肉の膜です。 これが下がり、同時にろっ骨が上がることで、胸の中の空間が広がります。 空間が広がると中の気圧が下がるので、外の空気がおされて流れこむ——これが「吸う」の正体です。

?なぜ、肺は自分の力ではふくらめないの?

肺そのものには筋肉がないからです。 だから肺は、まわり(横隔膜とろっ骨)が動いて胸の中の空間を変えることで、受け身にふくらんだり縮んだりしています。

模範解答:「肺には筋肉がなく、横隔膜とろっ骨の動きで胸の中の空間の大きさが変わることによって、空気が出入りするから。」

ペットボトルとゴム膜のモデル実験

この動きは、身近な材料で再現できます。 ペットボトル=胸の空間(ろっ骨)、ゴム風船=肺、底にはったゴム膜=横隔膜です。

呼吸運動のモデル実験の写真。左は息を吸うときで、ペットボトルの底のゴム膜を下に引くと中の2つのゴム風船がふくらむ。右は息をはくときで、ゴム膜を上におし上げるとゴム風船がしぼむ

ゴム膜を下に引くと風船はふくらみ、上におし上げるとしぼみます。 風船に息を吹きこんでいないのにふくらむ——これが「肺は自分でふくらんでいない」という何よりの証拠です。

排出のしくみ——アンモニアから尿素、そして尿へ

細胞が養分を使うと、いらないものも出てきます。 とくにタンパク質が分解されるときにできるのが、有害なアンモニアです。 これを体の外へ出すまでの流れが「排出」です。

排出の流れを示した人体の実写図。上から順に、肝臓でアンモニアが害の少ない尿素につくりかえられ、左右の腎臓で血液からこし取られて尿になり、輸尿管を通ってぼうこうにためられ、体外へ出される

この流れは、次の表で役割分担を確認すると忘れません。

器官していることひとことで
肝臓有害なアンモニアを、害の少ない尿素に変えるつくりかえる
腎臓血液から尿素などの不要な物質をこし取って尿にするこし取る
輸尿管・ぼうこう尿を運び、ためて、体外へ出す出口
汗せん(皮ふ)として水分や塩分を出すもう1つの排出

汗も排出のひとつです。 体温を下げるはたらきだけでなく、水分や塩分を体の外へ出す役目もはたしています。

?なぜ、腎臓を通ったあとの血液はきれいになるの?

腎臓が、血液の中の尿素などの不要な物質をこし取って尿にしているからです。 だから腎臓を出たあとの血液は、入る前とくらべて尿素が少なくなっています

模範解答:「尿素などの不要な物質がこし取られるため、腎臓を通る前とくらべて、通ったあとの血液は尿素などが少なくなっている。」

理解チェック3

肝臓は「はたらきもの」——ほかにもこんな仕事がある

肝臓は、アンモニアを尿素に変えるだけの器官ではありません。 体の中でもっとも多くの仕事をこなす器官のひとつです。

肝臓のはたらき内容
尿素をつくる有害なアンモニアを、害の少ない尿素に変える
胆汁をつくる脂肪を細かくして消化を助ける液をつくる(胆のうにためられる)
養分をたくわえる吸収されたブドウ糖グリコーゲンに変えてたくわえ、必要なときにもどす
解毒するアルコールなど、体に有害な物質を無害な物質に変える

胆汁そのもののはたらき(消化酵素はふくまないが脂肪を細かくする)は、消化と吸収でくわしく扱っています。

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

「肺でエネルギーがつくられる」と考える。 息を吸うとき「横隔膜が上がる」と書いてしまう。

正しい

エネルギーを取り出すのは全身の細胞。 息を吸うときは横隔膜が下がり、ろっ骨が上がる

もう1つ多いのが、肝臓と腎臓の入れかえです。 「アンモニアを尿素にするのは腎臓」と書くと不正解になります。 つくりかえるのが肝臓、こし取るのが腎臓。 「でつくって、でこす」と、順番ごと声に出して覚えるのが確実です。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:用語の確認)

次の問いに答えましょう。

  1. 気管支の先にある、ぶどうの房のような小さな袋を何という?
  2. 細胞が酸素を使って養分を分解し、エネルギーを取り出すはたらきを何という?
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  1. 肺胞。まわりを毛細血管が取り巻いていて、ここで気体の交換をします。
  2. 細胞による呼吸(細胞呼吸)。このとき二酸化炭素と水ができます。 肺による呼吸は「気体の出し入れ」で、エネルギーを取り出しているのは細胞のほうです。

やってみよう②(標準:呼吸運動の記述)

息を吸うときの体の動きについて答えましょう。

  1. 横隔膜とろっ骨は、それぞれどう動きますか。
  2. 肺は自分の力でふくらんでいるわけではありません。その理由を書きましょう。
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  1. 横隔膜は下がり、ろっ骨は上がる。すると胸の中の空間が広がり、空気が流れこみます。
  2. 肺には筋肉がなく、横隔膜とろっ骨の動きで胸の中の空間の大きさが変わることによって、空気が出入りするから。 ペットボトルのゴム膜を引くと風船がふくらむモデル実験が、そのまま答えの根拠になります。

やってみよう③(応用:排出の流れと記述)

タンパク質が分解されてできる物質について答えましょう。

  1. タンパク質が分解されるとできる、有害な物質は何ですか。
  2. その物質は、どこで何に変えられますか。
  3. 腎臓を通ったあとの血液は、通る前とくらべてどうなっていますか。理由もあわせて書きましょう。
答えと解説を見る
  1. アンモニア
  2. 肝臓で、害の少ない尿素に変えられます。
  3. 尿素などの不要な物質が少なくなっている。腎臓で、血液から尿素などがこし取られて尿になるから。

3は「少なくなっている」だけでなく、何が少なくなったのか(尿素などの不要な物質)を書くと満点がねらえます。

おうちの方へ

この単元でつまずくお子さんは、ほぼ2か所で止まっています。 1つは「呼吸」ということばが2つの意味で使われることに気づいていないこと。 「肺は空気の出し入れ係、エネルギーを取り出すのは全身の細胞」と、役割で分けてあげると一気に整理されます。 もう1つは「肝臓と腎臓の取りちがえ」です。 漢字が似ているうえ、どちらも「体をきれいにする」イメージなので混ざります。 「でつくりかえて、でこし取る」と順番ごと言わせるのが効きます。 呼吸運動は、ペットボトルとゴム膜のモデルを図で見せる(できれば作ってみる)のが最短です。 土台があやしいときは、血液の循環小6の人の体のつくりとはたらきに戻ると、無理なくつながります。

呼吸は2つに分ける、肺胞は表面積をかせぐ工夫、横隔膜は吸うとき下がる、肝臓でつくりかえて腎臓でこし取る。——この4つを押さえれば、呼吸と排出はまとめて説明できるようになります。 次は光合成と呼吸のちがいで、植物も呼吸していることを確かめてみましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 「呼吸」は2つある。肺による呼吸=気体の出し入れ/細胞による呼吸=酸素で養分を分解してエネルギーを取り出すこと。
  • 肺は肺胞という小さな袋の集まり。表面積が大きくなり、気体の交換を効率よくできる。
  • 息を吸うときは横隔膜が下がり、ろっ骨が上がる。肺には筋肉がなく、自分ではふくらめない。
  • 有害なアンモニア肝臓尿素に変えられ、腎臓で血液からこし取られて尿になる。
  • 役割分担は、肝臓=つくりかえる/腎臓=こし取る。腎臓を通ったあとの血液は尿素が少ない

よくある質問

肺胞とは何ですか?

肺胞とは、肺の中にあるとても小さな袋のことで、気管支が細かく枝分かれした先に、ぶどうの房のように集まっています。まわりを毛細血管が取り巻いていて、ここで空気中の酸素が血液に取り込まれ、血液中の二酸化炭素が空気中へ出されます。小さな袋に分かれていることで空気にふれる表面積がとても大きくなり、気体の交換を効率よく行えます。

細胞による呼吸(細胞呼吸)とは何ですか?肺の呼吸とどうちがいますか?

細胞による呼吸とは、細胞が酸素を使って養分を分解し、生きるためのエネルギーを取り出すはたらきです。このとき二酸化炭素と水ができます。いっぽう肺による呼吸は、空気を吸ったりはいたりして酸素を取り入れ二酸化炭素を出すことで、気体を出し入れする入口の役割です。エネルギーを取り出しているのは肺ではなく全身の細胞のほうだ、と区別しましょう。

息を吸うとき、横隔膜とろっ骨はどのように動きますか?

息を吸うときは、横隔膜が下がり、ろっ骨が上がります。すると胸の中の空間が広がって気圧が下がり、外から空気が流れこんで肺がふくらみます。息をはくときはその逆で、横隔膜が上がり、ろっ骨が下がって空間がせまくなります。肺そのものには筋肉がないので、自分の力ではふくらんだり縮んだりできません。

アンモニアは体の中でどうなりますか?肝臓と腎臓のはたらきのちがいは何ですか?

タンパク質が分解されるとできる有害なアンモニアは、まず肝臓で害の少ない尿素につくりかえられます。その尿素は血液で運ばれ、腎臓で血液からこし取られて尿になり、輸尿管を通ってぼうこうにためられ、体外へ出されます。つまり肝臓は有害な物質をつくりかえる係、腎臓は血液から不要な物質をこし取る係、という役割分担です。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 血液の循環(肺循環・体循環)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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