中学理科中学2年生化学
質量保存の法則と質量の比|計算をやさしく【中2理科】
中2理科でつまずきやすい「質量保存の法則」を図解。化学変化の前後で全体の質量が変わらない理由、気体が出入りすると増減して見えるわけ、銅:酸素=4:1のような「反応する質量の比」から未反応量・生成量を求める計算まで、算数の比とつなげてわかります。
◎このページのゴール
質量保存の法則(密閉系で反応前後の質量は等しい)を理解し、反応する物質の一定の質量比(例 銅:酸素=4:1)から、未反応量や生成量を求められるようになる。
「金属を燃やしたら重くなった。物質は消えたり生まれたりしないのに、どうして?」——そのモヤモヤを晴らすのが質量保存の法則です。じつは反応する物質の質量にはいつも決まった比があり、その比は算数で習った「比」とまったく同じ。図と比でつかめば、計算もこわくありません。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
質量保存の法則とは
→やり方
- 化学変化が起きても、関係する物質全体の質量は変わらない。
- これを質量保存の法則という(フランスのラボアジエが発見)。
- 質量が変わって見えるときは、気体が出入りしているだけ。密閉して測れば変わらない。
たとえば、うすい塩酸と石灰石を反応させると二酸化炭素(気体)が発生します。フタを開けたまま測ると軽くなりますが、ふたをした密閉容器の中で反応させれば、反応前と反応後の質量はぴったり同じです。
どうして質量は変わらないの?
化学変化は、物質をつくっている原子の組み合わせが変わるだけで、原子そのものが消えたり新しく生まれたりはしません。だから、反応の前と後で原子の種類と数はまったく同じ。原子の数が同じなら、全体の質量も同じになります。
気体が発生する反応でも、その気体を容器の外へ逃がさなければ、気体も容器の中に残っています。だから天びんはつり合ったまま。反応前の質量 = 反応後の質量です。
✓コツ
質量保存は、化学変化だけでなく状態変化(水→氷・水蒸気)や溶ける現象でも成り立ちます。水 100 g に食塩 20 g を溶かせば、食塩水は必ず 120 g。「溶けて見えなくなった分、軽くなる」は誤りです。
スチールウール(鉄)を燃やしたら、燃える前より重くなったよ。物質は増えないんじゃないの?
いいところに気づいたね! それは「鉄だけ」を見ているからなんだ。鉄は燃えるとき、空気中の酸素と結びついて酸化鉄になる。増えた分は、くっついた酸素の質量だよ。鉄と酸素を両方ふくめた全体で見れば、質量はちゃんと保存されているんだ。
✓理解チェック①
燃やすと重くなる・減るのはなぜ?
質量が「変わって見える」のは、気体が出入りしているからです。フタのない(開放系)状態で測ると、出入りした気体の分だけ見かけの質量がずれます。
iメモ
- 重くなって見える:金属を燃やす(酸化)。空気中の酸素が結びついて入ってくるので、その分だけ重くなる。例:鉄・銅・マグネシウムを加熱。
- 軽くなって見える:気体が外へ出ていく。例:石灰石+塩酸(二酸化炭素が発生)、炭酸水素ナトリウムを加熱(二酸化炭素と水が出る)。
どちらの場合も、出入りした気体まで全部数えれば質量は変わっていません。見かけの増減にだまされず、「何の気体が、どっちへ動いたか」を考えるのがコツです。
✓理解チェック②
反応する質量の比は「いつも一定」
ここがこの単元の山場です。ある物質どうしが反応するとき、反応する質量の比はいつも決まっています。たとえば銅 : 酸素 = 4 : 1。銅 4 g には酸素がちょうど 1 g 結びつき、酸化銅が g できます。
この「4 : 1」は、まさに算数で習った比です。比が一定なので、片方の量が決まればもう片方も計算で求められます。たとえば銅 12 gなら、 より各マスが 3 倍。酸素は g、酸化銅は g です。
✓コツ
おもな反応する質量の比(覚えておくと速い) 銅 : 酸素 = 4 : 1(酸化銅)/マグネシウム : 酸素 = 3 : 2(酸化マグネシウム)。 マグネシウム 3 g には酸素 2 g が結びつき、酸化マグネシウムが g できます。
銅が 12 g のときの酸素、どうやって出すの? 公式があるの?
公式というより比の計算だよ。銅 : 酸素 = 4 : 1 だから、求める酸素を g とすると 。比の式を解いて g。算数の比がそのまま使えるんだ。だから比が苦手なら、いったん算数に戻るのがいちばんの近道だよ。
✓理解チェック③
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
銅を燃やしたら重くなった → 「質量保存の法則が成り立っていない」と考える
増えた分は結びついた酸素。銅と酸素を両方ふくめた全体で見れば質量は保存されている
もう一つ多いのが、比の計算でたし算とまちがえること。銅 : 酸素 = 4 : 1 のとき、銅 8 g に必要な酸素を「 g」などとしないこと。比は**何倍か(かけ算・わり算)**で考えます。 倍だから酸素は g。迷ったら比の考え方に戻りましょう。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:質量保存)
質量保存の法則を使って答えましょう。
- 密閉容器の中で、炭酸水素ナトリウムを加熱したら二酸化炭素と水が発生した。反応前の容器全体が g のとき、反応後の容器全体は何 g?
- 水 g に砂糖 g を全部溶かした。できた砂糖水は何 g?
答えと解説を見る
- 密閉していて気体が外へ出ないので、質量は変わらず 50 g。
- 溶けても質量は保存されるので、 120 g。
✏️ やってみよう②(標準:質量の比)
銅 : 酸素 = (酸化銅)として求めましょう。
- 銅 g を完全に酸化させた。結びつく酸素は何 g? できる酸化銅は何 g?
- 酸化銅が g できた。反応した銅は何 g?
答えと解説を見る
- 酸素 = g。酸化銅 = 10 g(酸素は 2 g)。
- 銅 : 酸素 : 酸化銅 = 。酸化銅 g は 倍なので、銅 = 24 g。
✏️ やってみよう③(応用:未反応量を求める)
マグネシウム : 酸素 = として考えましょう。
- マグネシウム g を加熱したが、酸素が足りず、できた酸化マグネシウムは g だった。まだ反応していないマグネシウムは何 g?
- マグネシウム g を完全に酸化させると、酸化マグネシウムは何 g できる?
答えと解説を見る
- できた酸化マグネシウム g のうち、マグネシウムと酸素は 。反応したマグネシウムは g。よって未反応は 1.2 g。
- マグネシウム : 酸素 : 酸化マグネシウム = 。 倍なので、酸化マグネシウム = 20 g。
家おうちの方へ
この単元のつまずきは、大きく二つです。一つは「燃やすと重くなる/軽くなる」を質量保存と矛盾だと感じてしまうこと。「出入りした気体まで数えれば変わらない」と、密閉容器の天びんのイメージで何度も確認すると腑に落ちます。もう一つは「反応する質量の比」の計算で、たし算・ひき算にしてしまうことです。これは理科の問題というより、算数の比そのもの。比が「何倍か(かけ算・わり算)」で動くことがあいまいなら、一度算数の比に戻すのがいちばんの近道です。「銅 : 酸素 : 酸化銅 = 4 : 1 : 5」「マグネシウム : 酸素 : 酸化マグネシウム = 3 : 2 : 5」と、できる物質まで含めた比でとらえると、未反応量や生成量がすっと求められます。
質量保存の法則がわかると、「重くなった・軽くなった」にふり回されず、全体で見て、比で計算するという一本の道筋で問題が解けます。理科の量の計算は、算数の「比」の力がそのまま武器になります。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 化学変化の前後で、物質全体の質量は変わらない(質量保存の法則)。
- 質量が増減して見えるのは、気体が出入りしているから。密閉すれば変わらない。
- 反応する物質の質量の比はいつも一定(例 銅:酸素 = 4:1、マグネシウム:酸素 = 3:2)。
- この比は算数の「比」そのもの。比を使えば未反応量や生成量を計算できる。
- 銅 4 g とちょうど反応する酸素は 1 g、できる酸化銅は 5 g(4 + 1)。
よくある質問
質量保存の法則とは何ですか?
質量保存の法則とは、化学変化が起きても、関係する物質全体の質量は変わらないという法則です。フランスのラボアジエが発見しました。質量が増えたり減ったりして見えるのは気体が出入りしているからで、密閉容器の中で反応させて測れば、反応前と反応後の質量はぴったり同じになります。
なぜ化学変化の前後で質量は変わらないの?
化学変化では物質をつくっている原子の組み合わせが変わるだけで、原子そのものが消えたり新しく生まれたりしないからです。反応の前と後で原子の種類と数はまったく同じなので、全体の質量も変わりません。気体が発生する反応でも、その気体を容器の外へ逃がさなければ質量は保存されます。
金属を燃やすと重くなるのはなぜ?質量保存に反しないの?
反していません。金属を燃やす(加熱する)と、空気中の酸素が結びついて酸化物になるため、その酸素の分だけ重くなって見えるのです。増えた分は結びついた酸素の質量で、金属と酸素を両方ふくめた全体で見れば質量はちゃんと保存されています。金属だけを見ているから増えたように感じるだけです。
反応する物質の質量の比はどう使うの?
反応する物質の質量の比はいつも一定で、たとえば銅:酸素=4:1です。比が決まっているので、片方の量が分かればもう片方も計算で求められます。たとえば銅12gなら12÷4=3倍なので、酸素は1×3=3g、酸化銅は5×3=15gです。たし算やひき算ではなく、何倍か(かけ算・わり算)で考えるのがコツです。