中学理科中学3年生生物
遺伝の規則性(メンデルの法則)|3:1になる理由をやさしく【中3理科】
中3理科でつまずきやすい「遺伝の規則性(メンデルの法則)」を図解。顕性形質と潜性形質、分離の法則、純系どうしの子(F1)がすべて顕性になり、F1どうしの孫(F2)で顕性:潜性=3:1になる理由を、遺伝子AA・Aa・aaの組み合わせ表で見て納得できます。
◎このページのゴール
顕性形質・潜性形質と分離の法則を理解し、F2(孫)で顕性:潜性=3:1になる理由を、遺伝子の組み合わせ(AA・Aa・aa)で説明できるようになる。
「親が丸い種なのに、孫の代でいきなりしわの種が出てくるのはなぜ?」——その答えがメンデルの法則です。中3理科でいちばん「3:1ってどこから出てきたの?」とつまずく単元ですが、じつは遺伝子のペアを組み合わせの表で並べるだけ。図で見れば、3:1はちゃんと算数の比として説明できます。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
顕性形質と潜性形質(まず言葉から)
生物の特徴(形・色など)を形質といいます。形質を子へ伝えるのが遺伝子で、1つの形質を2つ1組の遺伝子が決めます。ここでは「丸い種」を決める遺伝子を A、「しわの種」を決める遺伝子を a と書きます。
iメモ
遺伝子が A と a のように違う組み合わせ(Aa)になったとき、現れるほう(A・丸)を顕性形質、かくれるほう(a・しわ)を潜性形質といいます。
「顕性・潜性」は、以前は「優性・劣性」と呼ばれていました。「優れている/劣っている」という意味ではなく、現れるか・かくれるかの違いを表す言葉です。現在は 顕性形質・潜性形質という言い方を使います。
ポイントは、**A が1つでもあれば見た目は丸(顕性)**になること。しわ(潜性)になるのは aa のときだけです。これが、あとで出てくる「3:1」のしくみのカギになります。
✓理解チェック①
親→子→孫で起きること(結論)
純系(同じ形質が代々続く=AA や aa)の親から始めると、次のように進みます。
→やり方
- 親:丸の純系(AA)× しわの純系(aa)をかけ合わせる。
- 子(F1):全員が Aa になる。見た目はすべて丸(顕性)。
- 孫(F2):F1どうし(Aa × Aa)から、見た目が丸:しわ=3:1で出てくる。
「純系」とは、その形質について同じ遺伝子だけをもつ(AA や aa のように2つそろっている)こと。子(F1)では潜性のしわがすがたを消したのに、孫(F2)でまた出てくる——この「消えてよみがえる」感じが、つまずきの正体です。次でその理由を図にします。
どうして孫(F2)で「3:1」になるの?
カギは分離の法則です。2つ1組の遺伝子は、生殖細胞(卵細胞・精細胞)ができるときに別々に分かれて、1つずつ入ります。
?どうして?
分離の法則:Aa の親がつくる生殖細胞は、A をもつものと a をもつものが半分ずつできる。
だから F1(Aa × Aa)では、父方から「A か a」、母方から「A か a」が組み合わさります。すべての組み合わせを**表(組み合わせ表)**にすると、こうなります。
できる4通りは AA・Aa・Aa・aa。遺伝子の組み合わせの比は AA:Aa:aa=1:2:1。でも見た目は、A が1つでもあれば丸なので、
しわ(潜性)になるのは aa の1通りだけ。だから孫で潜性形質がまた出てきて、その割合が3:1になるのです。これは算数の比そのもので、全体を4とみれば丸が4分の3、しわが4分の1という割合でも表せます。
✓コツ
迷ったらしわ(aa)から数えるのが速い。4マス中 aa は1マスだけ=全体の4分の1がしわ。残り4分の3が丸。だから 3:1 です。
子(F1)では消えてたしわが、なんで孫(F2)で復活するの? 一回消えたのに不思議…!
いい疑問! F1の Aa は、見た目は丸でも a の遺伝子をちゃんと持ったままなんだ。消えたんじゃなくて、A にかくれていただけ。F1どうしをかけると、両方から a が出会うことがある——それが aa。だからしわは「復活」じゃなくて、ずっと潜んでいたものが顔を出したってことだよ。
✓理解チェック②
AA・Aa・aa を「比」で整理する
3:1で混乱したら、「組み合わせの比 1:2:1」と「見た目の比 3:1」を分けて考えるとすっきりします。同じ表を、比の帯図で見てみましょう。
たとえば孫が全部で 800個できたら、しわは なので 個、丸は残りの 個(= )。3:1の比から個数を出すときは、全体を「3+1=4」等分して考えます。ここは算数の比・割合の力がそのまま使えます。
✓理解チェック③
よくある間違い
✕よくある間違い
孫(F2)の比を AA:Aa:aa=1:1:1 や、見た目を 1:1 にしてしまう
組み合わせは 1:2:1(Aa が2マスぶん)。見た目は 丸:しわ=3:1
組み合わせ表で Aa は2マスできること、そして **A が1つでもあれば丸(顕性)**なので「AA・Aa・Aa」の3マスがまとめて丸になることを押さえると、3:1が自然に出ます。「優性=優れている」と読まないことにも注意(顕性は“現れる”の意味)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:見た目を答える)
A=丸(顕性)、a=しわ(潜性)とします。
- 遺伝子の組み合わせが AA の種の見た目は?
- 遺伝子の組み合わせが aa の種の見た目は?
- 遺伝子の組み合わせが Aa の種の見た目は?
答えと解説を見る
- 丸(A が2つ)。
- しわ(a が2つ。しわになるのは aa のときだけ)。
- 丸(A が1つでもあれば顕性形質の丸が現れる)。
✏️ やってみよう②(標準:純系どうし→子(F1))
丸の純系(AA)と、しわの純系(aa)をかけ合わせます。
- 子(F1)の遺伝子の組み合わせは?
- 子(F1)の見た目は、丸としわのどちら?
答えと解説を見る
- AA は A の生殖細胞だけ、aa は a の生殖細胞だけをつくる。組み合わさると全員 Aa。
- Aa は A が1つあるので、すべて丸(顕性)。潜性のしわは、この代では現れません(a はかくれて残っています)。
✏️ やってみよう③(応用:F1どうし→孫(F2)で3:1)
上の子(F1:Aa)どうしをかけ合わせて、孫(F2)をたくさんつくりました。
- 孫(F2)の遺伝子の組み合わせ AA:Aa:aa の比を答えなさい。
- 孫(F2)の見た目(丸:しわ)の比を答えなさい。
- 孫(F2)が全部で 4000 個できたとき、しわの種はおよそ何個?
答えと解説を見る
- 組み合わせ表より AA・Aa・Aa・aa の4通り。AA:Aa:aa=1:2:1。
- A が1つでもあれば丸なので、丸(AA・Aa・Aa):しわ(aa)=3:1。
- しわは全体の 。 → 約1000個(丸は約3000個)。
家おうちの方へ
遺伝のつまずきは、ほとんどが「子で消えた潜性形質が、孫でなぜ復活するのか」と「3:1という比がどこから来るのか」の2点に集まります。前者は「Aa は a を持ったまま、見た目だけ A にかくれている」、後者は「組み合わせ表の4マスのうち aa は1マスだけ=3:1の比」と図で示すと、すっと入ります。お子さんが比でつまずいているようなら、小6の比や小5の割合(全体の4分の3・4分の1)に一度戻ると効果的です。「優性・劣性」は現在「顕性・潜性」と呼び、優劣の意味ではないことも添えてあげてください。
組み合わせ表で4マスを並べ、しわ(aa)が1マスだけと数える——たったこれだけで、「親が丸なのに孫でしわが出る」も「3:1」も、同じ1つの考え方で説明できます。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 親から子へ形質を伝えるのは遺伝子。1つの形質を、2つ1組の遺伝子(例:A と a)が決める。
- 子で形質が現れるほうが顕性形質(優性)、かくれるほうが潜性形質(劣性)。
- 分離の法則:2つ1組の遺伝子は、生殖細胞ができるとき別々に分かれて入る。
- 純系(AA × aa)の子(F1)はすべて Aaで、見た目はすべて顕性形質。
- F1どうし(Aa × Aa)の孫(F2)は AA:Aa:aa=1:2:1。見た目は顕性:潜性=3:1。
よくある質問
メンデルの法則(分離の法則)とは何ですか?
分離の法則とは、2つ1組になっている遺伝子が、生殖細胞(卵細胞・精細胞)ができるときに別々に分かれて、1つずつ入るという法則です。たとえば Aa という組み合わせの親からは、A をもつ生殖細胞と a をもつ生殖細胞が半分ずつできます。この分かれ方が、あとで孫の代に3:1が現れる理由のもとになります。
顕性形質と潜性形質のちがいは何ですか?
遺伝子が A と a のようにちがう組み合わせ(Aa)になったとき、見た目に現れるほうを顕性形質、かくれるほうを潜性形質といいます。以前は優性・劣性と呼ばれていましたが、これは「優れている・劣っている」という意味ではなく、現れるか・かくれるかのちがいを表す言葉です。現在は顕性形質・潜性形質という言い方を使います。
なぜ孫(F2)で顕性:潜性=3:1になるの?
Aa どうしをかけ合わせると、組み合わせ表では AA・Aa・Aa・aa の4通りができるからです。A が1つでもあれば顕性形質(丸)が現れ、潜性形質(しわ)になるのは aa の1通りだけです。そのため見た目は丸3:しわ1になり、顕性:潜性=3:1になります。全体を4等分すると、丸は4分の3(3/4)、しわは4分の1(1/4)と割合でも表せます。
子(F1)で消えた潜性形質が、孫(F2)でまた出てくるのはなぜ?
子(F1)の Aa は、見た目は顕性形質(丸)でも、a の遺伝子をかくし持ったまま残っているからです。消えたのではなく、A にかくれていただけです。F1どうしをかけ合わせると、両方から a が出会って aa になることがあり、そのとき潜性形質(しわ)が姿を現します。だから「復活」ではなく、ずっと潜んでいたものが出てきたと考えます。