中学理科中学3年生生物
生殖と細胞分裂|体細胞分裂・減数分裂と染色体をやさしく【中3理科】
中3理科の「生殖と細胞分裂」を図でやさしく。無性生殖と有性生殖のちがい、体細胞分裂で染色体の数が変わらない理由、生殖細胞が減数分裂で染色体半分になり受精でもとに戻るしくみまで、図と例題で整理。遺伝の規則性の土台になります。
◎このページのゴール
体細胞分裂で染色体の数が変わらないこと、有性生殖では減数分裂で染色体が半分になり受精でもとに戻ることを理解し、無性生殖とのちがいを説明できるようになる。
「卵と精子が合体したら、染色体は2倍にならないの?」——いい疑問です。その答えのカギが減数分裂。生殖細胞をつくるときに染色体を半分にしておくから、受精でちょうどもとに戻ります。中3理科の生殖・細胞分裂は、染色体の数の増減を図で追えば、体細胞分裂も受精も、すっきりつながります。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
無性生殖と有性生殖
生物が子(なかま)をつくることを生殖といい、2つのタイプがあります。
iメモ
- 無性生殖…受精をせず、親のからだの一部から子ができる。子は親とまったく同じ遺伝子をもつ。例:ミカヅキモの分裂、ジャガイモのいも(栄養生殖)、ヒドラの出芽。
- 有性生殖…受精(卵と精子などの合体)で子ができる。子は両親の遺伝子を半分ずつ受けつぐので、親と少しちがう。
無性生殖は「親のコピー」、有性生殖は「両親のまざり」。有性生殖では子に多様性が生まれ、環境の変化に強くなります。この単元では、有性生殖と細胞分裂のしくみをくわしく見ていきます。
✓理解チェック①
体細胞分裂——染色体の数は変わらない
生物が成長したり、傷がなおったりするのは、細胞が分裂してふえるから。からだをつくる細胞の分裂を体細胞分裂といいます。このとき主役になるのが、核の中に現れる染色体(遺伝子をふくむひも)です。
ポイントは、まず染色体が複製されて2倍になり、それが2つの細胞に分かれること。だから分裂のあとも、それぞれの細胞の染色体の数は、もとと同じです。成長や再生でからだの細胞がふえても、染色体の数はずっと変わりません。
✓理解チェック②
減数分裂と受精——半分になって、もとに戻る
有性生殖では、卵や精子などの生殖細胞をつくるときに、特別な細胞分裂減数分裂が起こります。減数分裂では、染色体の数が半分になります。
親の細胞の染色体が 本なら、減数分裂でできる卵・精子は半分の 本。受精で卵と精子が合体すると、 本にもどります。もし減数分裂で半分にしておかなければ、受精のたびに染色体が2倍にふえてしまう——だから、生殖細胞をつくるときに半分にしておくのです。
どうしてわざわざ半分にするの? そのまま受精じゃダメなの?
そのままだと、子の染色体が親の2倍になって、孫はさらに2倍…とどんどんふえてしまうんだ。だから、生殖細胞をつくるときに減数分裂で半分にしておく。すると受精で合わさってちょうどもとの数。世代が変わっても染色体の数が一定に保たれるんだよ。「半分+半分=もとの数」と覚えよう。体細胞分裂(数は変わらない)とは別ものだから注意してね。
✓理解チェック③
子は両親から半分ずつ受けつぐ
受精でできた受精卵は、体細胞分裂をくり返して成長します(この過程を発生といいます)。受精卵の染色体は、卵から半分・精子から半分を受けついだもの。だから子は、両親の特徴を半分ずつ受けつぎます。
✓コツ
染色体には遺伝子がふくまれます。子が両親から染色体を半分ずつもらう——これが、丸い種・しわの種のような形質が親から子へ伝わる「遺伝」のしくみのもとになっています。
「無性生殖は親のコピー(同じ)/有性生殖は両親のまざり(半分ずつ)」。減数分裂で半分にして受精でもどす、という流れが、子の多様性と遺伝のしくみを生み出しています。
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
受精で染色体が2倍にふえ続けると考えたり、体細胞分裂で染色体が半分になると考える
生殖細胞は減数分裂で半分→受精でもとに戻る。体細胞分裂は数が変わらない
混乱の原因は、2種類の分裂をいっしょにすること。体細胞分裂=からだの成長・数は変わらない/減数分裂=生殖細胞づくり・数は半分。「半分になるのは生殖細胞をつくるときだけ」と覚えれば、取りちがえません。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:生殖のタイプ)
次の生殖は、無性生殖・有性生殖のどちら?
- ジャガイモのいもから新しい株ができる。
- メダカが卵と精子の受精で子をつくる。
答えと解説を見る
- 無性生殖(栄養生殖。親と同じ遺伝子)。
- 有性生殖(受精でふえ、両親から半分ずつ受けつぐ)。
✏️ やってみよう②(標準:染色体の数)
ある生物の体細胞の染色体が 本です。
- この生物の卵(生殖細胞)の染色体は何本?
- 受精卵の染色体は何本?
答えと解説を見る
- 減数分裂で半分になるので、 4本。
- 卵4本+精子4本で、 8本(もとの体細胞と同じに戻る)。
✏️ やってみよう③(応用:分裂の見分け)
次のとき、行われるのは体細胞分裂・減数分裂のどちら?
- けがをした皮ふがなおる。
- 精子がつくられる。
答えと解説を見る
- 体細胞分裂(からだの細胞がふえる。染色体の数は変わらない)。
- 減数分裂(生殖細胞をつくる。染色体の数が半分になる)。
家おうちの方へ
この単元のつまずきは「2種類の細胞分裂の混同」です。体細胞分裂=からだの成長・再生で、染色体の数は変わらない/減数分裂=生殖細胞(卵・精子)づくりで、染色体の数が半分になる。とくに「受精で2倍にふえないの?」という疑問には、「だから先に半分にしておく(減数分裂)→受精でちょうどもとに戻る」と、染色体の数を図で追って説明すると一気に納得します。受精卵が育つときは体細胞分裂(数は変わらない)です。染色体には遺伝子があり、子が両親から半分ずつ受けつぐことが、次の単元「遺伝」の土台になります。細胞の核に染色体がある、というつながりも確認してあげてください。
体細胞分裂は数が変わらない、減数分裂は半分になる、受精でもとに戻る。——染色体の数の増減を図で追えば、生殖も成長も遺伝のはじまりも、ひとつながりで説明できるようになります。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 生殖=生物が子をつくること。無性生殖(受精なし・親と同じ)と有性生殖(受精でふえる)がある。
- 体細胞分裂=染色体が複製され、同じ数ずつ2つの細胞に分かれる。染色体の数は変わらない。
- 染色体には、形質を伝える遺伝子がふくまれる。
- 有性生殖では、生殖細胞(卵・精子など)が減数分裂でできて、染色体数が半分になる。
- 受精で2つの生殖細胞の核が合体し、染色体数がもとに戻る。
よくある質問
減数分裂とは何ですか?
減数分裂とは、有性生殖で卵や精子などの生殖細胞をつくるときに起こる特別な細胞分裂で、染色体の数がもとの細胞の半分になります。たとえば親の細胞の染色体が4本なら、減数分裂でできる卵・精子は半分の2本になります。受精で卵と精子が合体すると、2+2=4本ともとの数に戻ります。
体細胞分裂と減数分裂のちがいは何ですか?
体細胞分裂は、からだの成長や傷の再生のときに起こる分裂で、染色体が複製されてから2つに分かれるため、分裂後も染色体の数は変わりません。減数分裂は、生殖細胞(卵・精子)をつくるときの分裂で、染色体の数が半分になります。「体細胞分裂=数は変わらない、減数分裂=半分になる」と区別すると混同しません。
なぜ生殖細胞をつくるとき、染色体の数を半分にするの?
半分にしておかないと、受精のたびに染色体の数が2倍にふえてしまうからです。もし親と同じ数のまま受精すると、子は親の2倍、孫はさらに2倍とどんどんふえてしまいます。減数分裂で先に半分にしておけば、受精で「半分+半分=もとの数」になり、世代が変わっても染色体の数が一定に保たれます。
無性生殖と有性生殖のちがいは何ですか?
無性生殖は受精をせず、親のからだの一部から子ができる生殖で、子は親とまったく同じ遺伝子をもちます(ジャガイモのいもやヒドラの出芽など)。有性生殖は受精(卵と精子などの合体)で子ができる生殖で、子は両親の遺伝子を半分ずつ受けつぐため親と少しちがいます。有性生殖では子に多様性が生まれ、環境の変化に強くなります。