正負の数のかけ算・わり算(累乗も)

正負の数のかけ算・わり算とは、符号(+・−)を先に決めてから絶対値を計算する方法のこと。同符号どうしは+・異符号どうしは−という基本ルールと、なぜマイナス×マイナスがプラスになるのかを数の並びの図で解説し、累乗のかっこの有無で答えが変わる注意点まで理解できるようになります。

先に答え

正負の数のかけ算・わり算は次の2ステップで計算します。

  1. 符号を決める(同符号なら+、異符号なら−)
  2. 絶対値をかける(わる)

たとえば (−3)×(−4)=+12(-3)\times(-4)=+12、(+3)×(−4)=−12(+3)\times(-4)=-12 で、−が複数あるときは−の個数が偶数なら+、奇数なら−です。累乗は (−2)2=4(-2)^2=4 ですが、かっこのない −22=−4-2^2=-4 とは別ものなので、かっこの有無を必ず確かめましょう。

◎このページのゴール

正負の数のかけ算・わり算の符号を判断し、累乗もふくめて正しく計算できるようになる。

たし算ひき算が「符号で迷う」のに比べて、かけ算わり算の符号はたった1つのルールでスッキリ決まります。「同じ符号なら+、ちがう符号なら−」。これだけです。

かけ算の符号は「同符号+・異符号−」

→やり方

  1. 符号を決める:同じ符号どうし → +、ちがう符号どうし → −
  2. 絶対値をかける
(+3)×(+4)=+12(−3)×(−4)=+12(+3)\times(+4)=+12 \qquad (-3)\times(-4)=+12 (+3)×(−4)=−12(−3)×(+4)=−12(+3)\times(-4)=-12 \qquad (-3)\times(+4)=-12

符号だけ取り出すと、ルールはこの2つだけ。図で覚えましょう。

同じ符号 → ++ × + = +− × − = +ちがう符号 → −+ × − = −− × + = −

✓理解チェック1

(−4)×(−7)(-4)\times(-7) を計算すると?
答えと解説を見る

答え:+28+28

同符号どうしのかけ算なので符号は+。絶対値は 4×7=284\times7=28。答えは +28+28 です。

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セナ

マイナス×マイナスがプラスになるの、ふしぎ…

ルールだから、で覚えるしかないの?

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ホクト先生

ちゃんと理由があるよ。数の並びを続けてみると、そうなるしかないことが分かるんだ。

なぜ マイナス×マイナス がプラスなの?

(−3)(-3) に、かける数を 3, 2, 1, 03,\ 2,\ 1,\ 0 と1ずつ小さくしながら答えを並べてみます。

(−3) × 3 = −9(−3) × 2 = −6(−3) × 1 = −3(−3) × 0 = 0(−3) × (−1) = +3(−3) × (−2) = +6+3+3+3+3+3

答えの並びを見てください。−9, −6, −3, 0-9,\ -6,\ -3,\ 0 と、毎回ちょうど3ずつ増えています。

かける数を1小さくするたびに、答えは 33 増える。これが「−3-3 をかける」という計算の意味そのものです。

?どうして?

では、00 より先へ同じ調子で続けたらどうなるでしょう。

かける数を 00 から −1-1 にすると、答えは 00 から 33 増えて +3+3。

さらに −2-2 にすると、33 増えて +6+6。

(−3)×(−1)=+3,(−3)×(−2)=+6(-3)\times(-1)=+3,\qquad (-3)\times(-2)=+6

もし (−3)×(−1)(-3)\times(-1) を −3-3 のようなマイナスにしてしまうと、ここだけ並びが崩れてしまいます。

計算のきまりを途中で変えるわけにはいかないので、マイナス×マイナスはプラスにしかなれないのです。

つまり「そう決めた」のではなく、それまでの計算と食いちがわないようにすると、自然にそうなるということです。

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セナ

なるほど。とびとびに決めたルールじゃなくて、並びを崩さないためにそうなるんだね。

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ホクト先生

そのとおり。もう1つ、忘れにくい覚え方もあるよ。

「反対の反対は、もとに戻る」。−- をかけることは「向きを反対にする」こと。それを2回すれば元の向き(++)に戻る。

数の並びで納得して、この言葉で思い出す——この2つがそろえば、もう符号で迷わないよ。

✓理解チェック2

(−3)×(−1)=+3(-3)\times(-1)=+3 になる理由として正しいものは?
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答え:かける数を1小さくするごとに答えが3ずつ増える、という並びを崩さないため

かける数を 3,2,1,03,2,1,0 と1ずつ小さくすると、答えは −9,−6,−3,0-9,-6,-3,0 と3ずつ増えます。同じ調子で −1-1 まで進めると、00 より3大きい +3+3。並びを崩さないようにすると、マイナス×マイナスはプラスにしかなれないのです。

わり算も同じルール

わり算の符号も、かけ算とまったく同じ。同符号→+、異符号→−です。

(+12)÷(−4)=−3(−12)÷(−4)=+3(+12)\div(-4)=-3 \qquad (-12)\div(-4)=+3

✓理解チェック3

(−6)×(+5)(-6)\times(+5) を計算すると?
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答え:−30-30

異符号なので符号は−。絶対値は 6×5=306\times5=30。答えは −30-30 です。

✓理解チェック4

(−18)÷(+6)(-18)\div(+6) を計算すると?
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答え:−3-3

わり算もかけ算と同じルール。異符号なので符号は−、絶対値は 18÷6=318\div6=3。答えは −3-3 です。確かめ:(−3)×(+6)=−18(-3)\times(+6)=-18 ◎

−がいくつもあるとき:個数で決まる

かけ算がいくつも続くときは、負の数(−)の個数で符号が決まります。

✓コツ

−の個数が 偶数 → +、奇数 → −。
例)(−2)×(−3)×(−1)(-2)\times(-3)\times(-1) は−が3個(奇数)→ 符号は−。絶対値は 2×3×1=62\times3\times1=6 なので −6-6。

✓理解チェック5

(−2)×(−3)×(−1)(-2)\times(-3)\times(-1) を計算すると?
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答え:−6-6

−が3個=奇数なので符号は−。絶対値は 2×3×1=62\times3\times1=6。答えは −6-6 です。

累乗:かっこの有無に注意

同じ数を何回かかけることを累乗といい、右上の小さい数(指数)で表します。(−2)3=(−2)×(−2)×(−2)=−8(-2)^3=(-2)\times(-2)\times(-2)=-8。

ここで最大のワナが、かっこの有無です。

✕よくある間違い

かっこあり

(−2)2=(−2)×(−2)=+4(-2)^2=(-2)\times(-2)=+4

かっこなし

−22=−(2×2)=−4-2^2=-(2\times2)=-4

−22-2^2 は「22 を2乗してから−をつける」という意味。22 だけが2乗され、−はかかりません。かっこがあるかないかで答えが変わるので要注意です。

✓理解チェック6

(−3)2(-3)^2 を計算すると?
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答え:99

(−3)2=(−3)×(−3)(-3)^2=(-3)\times(-3)。同符号で+、絶対値は 3×3=93\times3=9。答えは 99 です。(もし −32-3^2 なら −9-9)

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:かけ算・わり算の符号)

同符号→+、異符号→−。符号を決めてから絶対値を計算します。

  1. (−7)×(+3)(-7)\times(+3)
  2. (−24)÷(−6)(-24)\div(-6)
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  1. 異符号で−、7×3=217\times3=21 → −21-21(確かめ:−21÷3=−7-21\div3=-7 ◎)
  2. 同符号で+、24÷6=424\div6=4 → +4+4(確かめ:(−6)×4=−24(-6)\times4=-24 ◎)

やってみよう②(標準:−の個数と累乗)

−の個数が偶数なら+・奇数なら−。累乗はかっこの有無に注意。

  1. (−2)×(+5)×(−3)(-2)\times(+5)\times(-3)
  2. (−4)2(-4)^2
  3. −42-4^2
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  1. −が2個(偶数)で+、2×5×3=302\times5\times3=30 → +30+30(確かめ:(−2)×5=−10(-2)\times5=-10、(−10)×(−3)=30(-10)\times(-3)=30 ◎)
  2. (−4)×(−4)=+16(-4)\times(-4)=+16(同符号で+)(確かめ:4×4=164\times4=16、符号は+ ◎)
  3. −(4×4)=−16-(4\times4)=-16(−は2乗されない)(確かめ:42=164^2=16 に−をつけて −16-16 ◎)

やってみよう③(応用:同じ変化のくり返しを考える)

「毎回同じだけ変わる」場面は、符号つきのかけ算で一気に求められます。

  1. 1時間に 33℃ずつ気温が下がります。「1時間ごとに −3-3℃」と表すと、55 時間後の変化は何℃でしょう。
  2. ある株が1日に 200200 円ずつ下がる日が 44 日続きました。合計の変化を、(−200)×4(-200)\times4 の形で求めましょう。
答えと解説を見る
  1. (−3)×5(-3)\times5。異符号で−、3×5=153\times5=15 → −15-15℃(5時間で15℃下がる)(確かめ:−3-3 を5回たすと −15-15 ◎)
  2. (−200)×4(-200)\times4。異符号で−、200×4=800200\times4=800 → −800-800 円(合計800円下がった)(確かめ:−200-200 を4回たすと −800-800 ◎)

家おうちの方へ

かけ算わり算の符号は加減よりシンプルなので、つまずきは主に「累乗のかっこ」に集中します。(−2)2(-2)^2 と −22-2^2 を並べて書いて、「かっこの中身が2乗される」「かっこがなければ数字だけが2乗される」と何度か確認すると定着します。テストでも頻出のワナです。

四則すべての計算ができるようになりました。最後は、それらが混じったときの計算の順序です。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • かけ算・わり算の符号は 同符号→+、異符号→−。
  • 符号を決めてから、絶対値を計算する。
  • −の個数が偶数なら+、奇数なら−。
  • (−2)2=4(-2)^2=4 だが −22=−4-2^2=-4。かっこの有無に注意。

よくある質問

正負の数のかけ算・わり算の符号は、どうやって決めますか?

同じ符号どうしなら+、ちがう符号どうしなら−です。先に符号を決めてから、絶対値をかけ算(わり算)します。たとえば (−3)×(−4)=+12、(+3)×(−4)=−12。わり算もまったく同じルールで、(−12)÷(−4)=+3 です。

なぜマイナス×マイナスはプラスになるの?

数の並びを崩さないためです。(−3)にかける数を3、2、1、0と1ずつ小さくしていくと、答えは−9、−6、−3、0と毎回3ずつ増えていきます。同じ調子で0の先へ進めると、かける数が−1のとき答えは0から3増えて+3、−2のとき+6になります。ここだけマイナスにすると並びが崩れてしまうので、マイナス×マイナスはプラスにしかなれません。覚え方としては「−をかけるのは向きを反対にすること、反対の反対はもとに戻る」と考えると忘れにくいです。

−がいくつもあるかけ算の符号は、どう決めますか?

負の数(−)の個数で決まります。−の個数が偶数なら+、奇数なら−です。たとえば (−2)×(−3)×(−1) は−が3個(奇数)なので符号は−。絶対値は 2×3×1=6 なので、答えは −6 です。

(−2)² と −2² は何がちがいますか?

(−2)² は −2を2回かけるので (−2)×(−2)=+4、かっこのない −2² は 2だけを2乗してから−をつけるので −(2×2)=−4 です。かっこがあるかないかで答えが変わる、テストで狙われやすい注意点です。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 正負の数のたし算・ひき算に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 印刷して、手を動かす
    読んでわかっても、手が動くとは限りません。無料のプリントを刷って、量をこなしてください。
  3. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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