三平方の定理の応用(特別な三角形・対角線・座標)

中3「三平方の定理」の応用を図でやさしく解説。45°の直角二等辺三角形(1:1:√2)と30°60°の直角三角形(1:2:√3)の辺の比の使い方から、正方形や長方形の対角線の長さ、座標上の2点間の距離の求め方まで、入試頻出の解き方がまとめて身につきます。

先に答え

よく出る特別な直角三角形は 22 つで、直角二等辺三角形(45∘45^{\circ})の辺の比は 1:1:21:1:\sqrt2、30∘30^{\circ}・60∘60^{\circ} の直角三角形の辺の比は 1:2:31:2:\sqrt3 です。正方形の対角線 = 一辺 ×2\times\sqrt2 なので一辺 55 cmなら 525\sqrt2 cm、長方形は たて 2^2 +よこ 2^2 の平方根。座標平面の 22 点間の距離も、xx と yy の差を 22 辺とみて同じ式で求まります。

◎このページのゴール

特別な直角三角形の比・対角線・2点間の距離を、三平方の定理を使って求められるようになる。

三平方の定理は図形問題の主役。とくに2種類の特別な直角三角形の辺の比を覚えると、計算がぐっと速くなります。対角線や座標の距離にも応用できます。

覚えると速い:特別な直角三角形

11√245°:1:1:√2√31230°60°:1:2:√3
  • 45°の直角二等辺三角形 → 1:1:21:1:\sqrt2。一辺 aa なら斜辺 a2a\sqrt2。
  • 30°・60°の直角三角形 → 1:2:31:2:\sqrt3(短い辺:斜辺:長い辺)。

✓理解チェック1

45°の直角二等辺三角形の3辺の比は?
答えと解説を見る

答え:1:1:21:1:\sqrt2

45°の直角二等辺三角形は、等しい2辺と斜辺の比が 1:1:21:1:\sqrt2。一辺 aa なら斜辺は a2a\sqrt2 です。1:2:31:2:\sqrt3 は30°・60°の三角形の比です。

✓理解チェック2

30°・60°の直角三角形で、いちばん短い辺が 33 のとき、斜辺は?
答えと解説を見る

答え:66

比は 1:2:31:2:\sqrt3(短い辺:斜辺:長い辺)。斜辺は短い辺の2倍なので 3×2=63\times2=6 です。333\sqrt3 は長いほうの辺の長さです。

✓理解チェック3

30°・60°の直角三角形で、いちばん短い辺が 44 のとき、斜辺ではないほうの長い辺(60°の向かい)は?
答えと解説を見る

答え:434\sqrt3

比は 1:2:31:2:\sqrt3(短い辺:斜辺:長い辺)。長いほうの辺は短い辺の 3\sqrt3 倍なので 434\sqrt3 です。88 は斜辺(短い辺の2倍)で、混同しやすいので注意。

対角線の長さ

  • 正方形(一辺 aa)の対角線は、45°の三角形ができるので a2a\sqrt2。
  • 長方形(縦 bb・横 aa)の対角線は a2+b2\sqrt{a^2+b^2}。

例:一辺5の正方形の対角線 → 525\sqrt2。縦3・横4の長方形の対角線 → 32+42=5\sqrt{3^2+4^2}=5。

セナちゃんのアイコン
セナ

正方形の対角線って、いつも√2倍なんだ!

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

そう、一辺×√2。45°の三角形(1:1:√2)が見えるからね。比を覚えておくと、いちいち計算しなくても答えが出るよ。

✓理解チェック4

一辺が 6 の正方形の対角線の長さは?
答えと解説を見る

答え:626\sqrt2

正方形の対角線は一辺×√2。6×2=626\times\sqrt2=6\sqrt2 です(1:1:√2 の比)。

✓理解チェック5

縦 66・横 88 の長方形の対角線の長さは?
答えと解説を見る

答え:1010

対角線を引くと、縦と横を2辺とする直角三角形ができるので 62+82=36+64=100=10\sqrt{6^2+8^2}=\sqrt{36+64}=\sqrt{100}=10。縦と横をたして 1414 とするのが定番のミスです(3:4:5 を2倍した 6:8:10 の組)。

座標上の2点間の距離

2点の横の差と縦の差を2辺とする直角三角形を作れば、その斜辺が距離です。

距離=(横の差)2+(縦の差)2\text{距離}=\sqrt{(\text{横の差})^2+(\text{縦の差})^2} PQ横の差 3縦の差4距離5

例:P(1,2)P(1,2) と Q(4,6)Q(4,6) の距離は、横の差 4−1=34-1=3、縦の差 6−2=46-2=4 なので、

32+42=25=5\sqrt{3^2+4^2}=\sqrt{25}=5

✓理解チェック6

座標上の2点の距離を求めるとき、最初にすることは?
答えと解説を見る

答え:2点の横の差と縦の差を求め、それを2辺とする直角三角形を作る

横の差と縦の差を直角をはさむ2辺にすると、求めたい距離がその斜辺になります。あとは三平方の定理で (横の差)2+(縦の差)2\sqrt{(\text{横の差})^2+(\text{縦の差})^2}。差をそのままたすのではなく、2乗してからたすのがポイントです。

まとめ

✓コツ

特別な比(1:1:√2/1:2:√3)を覚えておくと、対角線や図形問題が速く解けます。座標の距離は「横の差・縦の差で直角三角形を作る」と覚えればOK。すべて a2+b2=c2a^2+b^2=c^2 の応用です。

✓理解チェック7

P(0,0)P(0,0) と Q(6,8)Q(6,8) の距離は?
答えと解説を見る

答え:1010

横の差6、縦の差8。62+82=100=10\sqrt{6^2+8^2}=\sqrt{100}=10 です。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:対角線を求める)

正方形・長方形の対角線を求めましょう。

  1. 一辺が 44 の正方形の対角線は?
  2. 縦 55・横 1212 の長方形の対角線は?
答えと解説を見る
  1. 正方形の対角線は一辺×√2 → 424\sqrt2(確かめ:42+42=16+16=324^2+4^2=16+16=32、(42)2=16×2=32(4\sqrt2)^2=16\times2=32 で一致 ◎。1:1:√2 の比)
  2. 52+122=25+144=169=13\sqrt{5^2+12^2}=\sqrt{25+144}=\sqrt{169}=13(確かめ:52+122=25+144=169=1325^2+12^2=25+144=169=13^2 ◎。5:12:13 の組)

やってみよう②(標準:特別な比・座標の距離)

特別な直角三角形の比と、座標の2点間の距離を使いましょう。

  1. 45°の直角二等辺三角形で、斜辺が 2\sqrt2 のとき、他の辺は?
  2. A(2,1)A(2,1) と B(5,5)B(5,5) の距離は?
答えと解説を見る
  1. 比 1:1:21:1:\sqrt2 で斜辺が 2\sqrt2 → 他の辺は 11(確かめ:12+12=2=(2)21^2+1^2=2=(\sqrt2)^2 ◎)
  2. 横の差 5−2=35-2=3、縦の差 5−1=45-1=4 → 32+42=9+16=25=5\sqrt{3^2+4^2}=\sqrt{9+16}=\sqrt{25}=5(確かめ:32+42=9+16=25=523^2+4^2=9+16=25=5^2 ◎。3:4:5 の組)

やってみよう③(応用:直方体の対角線)

空間でも、直角三角形を2回作れば三平方の定理が使えます。

  1. たて 33、横 44、高さ 1212 の直方体がある。向かい合う頂点を結ぶ対角線の長さを求めなさい。(ヒント:まず底面の対角線を求め、それと高さで直角三角形を作る)
答えと解説を見る
  1. まず底面(たて 33・横 44 の長方形)の対角線を求める:32+42=9+16=25=5\sqrt{3^2+4^2}=\sqrt{9+16}=\sqrt{25}=5。次に、この底面の対角線 55 と高さ 1212 を2辺とする直角三角形の斜辺が、直方体の対角線:52+122=25+144=169=13\sqrt{5^2+12^2}=\sqrt{25+144}=\sqrt{169}=13。対角線は 1313(確かめ:1回目は 3:4:5、2回目は 5:12:13 の組。まとめると 32+42+122=9+16+144=169=1323^2+4^2+12^2=9+16+144=169=13^2 ◎)

家おうちの方へ

特別な直角三角形の比(1:1:√2/1:2:√3)は、覚えておくと入試で大きな時短になります。図とセットで「45°なら√2、30°60°なら√3」と結びつけて記憶させてください。座標の距離は「2点から直角三角形を作る」と図で見せると、公式の丸暗記になりません。

これで中3「三平方の定理」は完全攻略です! 図形・関数・空間の問題で一生使う、強力な道具です。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 直角二等辺三角形(45°)の辺の比は 1:1:√2。
  • 30°・60°の直角三角形の辺の比は 1:2:√3。
  • 正方形の対角線 = 一辺 ×√2。長方形の対角線 = 縦2+横2\sqrt{\text{縦}^2+\text{横}^2}。
  • 座標の2点間の距離 = (横の差)2+(縦の差)2\sqrt{(\text{横の差})^2+(\text{縦の差})^2}。

よくある質問

特別な直角三角形の辺の比は何ですか?

45°の直角二等辺三角形は 1:1:√2、30°・60°の直角三角形は 1:2:√3(短い辺:斜辺:長い辺)です。この2つの比を覚えると、一辺aの正方形の対角線が a×√2 と一瞬で出るなど、対角線や図形問題がいちいち計算せずに速く解けます。

なぜ正方形の対角線は、いつも一辺の√2倍になるの?

対角線を引くと、正方形の中に45°の直角二等辺三角形ができるからです。この三角形の辺の比は必ず 1:1:√2 なので、斜辺にあたる対角線は一辺×√2 になります。たとえば一辺5の正方形なら対角線は 5√2 です。

座標の上の2点間の距離は、どう求めますか?

2点の横の差と縦の差を2辺とする直角三角形を作ると、その斜辺が距離になります。距離=√((横の差)²+(縦の差)²)です。たとえば P(1, 2) と Q(4, 6) なら、横の差3・縦の差4で、√(3²+4²)=√25=5 と求められます。

長方形の対角線は、どう計算しますか?

縦b・横aの長方形の対角線は √(a²+b²) です。対角線を引くと、縦と横を2辺とする直角三角形ができるので、三平方の定理がそのまま使えます。たとえば縦3・横4の長方形なら、対角線は √(3²+4²)=5 になります。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 三平方の定理で辺を求めるに戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
#三平方の定理#特別な直角三角形#座標#中3数学