三平方の定理とは?(a²+b²=c²)
中3「三平方の定理」の意味を、3辺にかいた正方形の面積の図でやさしく解説。a²+b²=c²がなぜ成り立つのかを、同じ大きさの正方形を2通りに分ける証明の図で確かめながら、斜辺の見分け方や(3,4,5)などよく使う3辺の組もあわせて身につきます。
先に答え 三平方の定理とは、直角三角形で a2+b2=c2(直角をはさむ 2 辺 a, b の 2 乗の和 = 斜辺 c の 2 乗)が成り立つという 3 辺の関係で、ピタゴラスの定理とも呼ばれます。c は必ず斜辺(直角の真向かい・いちばん長い辺)で、a=3, b=4 なら c2=9+16=25 から c=5、よく使う組は(3,4,5)・(5,12,13)・(8,15,17) の 3 つです。32+42 を (3+4)2=49 とまとめて 2 乗するのが定番のミスなので、先にそれぞれを 2 乗してからたします。
◎このページのゴール
三平方の定理の意味を理解し、直角三角形の3辺の関係を使えるようになる。
直角三角形には、3つの辺をむすぶ特別な関係があります。それが a2+b2=c2。3辺それぞれに正方形をかくと、小さい2つの面積の和が、斜辺の正方形の面積に等しくなる——図で見れば一発です。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
三平方の定理
→やり方
直角三角形で、直角をはさむ2辺を a, b、斜辺(直角の向かい)を c とすると、
a2+b2=c2
✓理解チェック1
図でわかる:正方形の面積
3つの辺それぞれを1辺とする正方形をかくと、青 + オレンジ = 紫(面積)になります。これが a2+b2=c2 の正体です。
セナ でも、これって「そうなります」って言われただけだよね。
ほんとうに ぴったり同じになるって、どうやったら分かるの?
ホクト先生 いい質問。ここがこの単元でいちばん大事なところだよ。
同じ大きさの正方形を、2通りに分けてみると目で見て分かるんだ。
同じ正方形を、2通りに分ける
直角三角形を4つ用意して、1辺が a+b の大きな正方形にすきまなく詰めます。
詰め方は2通りあります。
①は、4つの三角形を風車のように回して置いた形です。
まん中に残ったすきまは、4辺がぜんぶ斜辺 c なので、1辺が c の正方形になります。
②は、同じ4つの三角形を2つの長方形にまとめて置いた形です。
残ったすきまは、1辺が a の正方形と、1辺が b の正方形の2つになります。
?どうして?
外の大きな正方形の面積は、①と②でまったく同じ(どちらも1辺が a+b)。
取りのぞいた三角形も、①と②でまったく同じ(合同な直角三角形が4つずつ)。
同じ大きさから同じものを取りのぞいたのだから、残った面積も同じでなければおかしい。
①の残り =c2、②の残り =a2+b2。
よって c2=a2+b2。これで「なぜ」が示せました。
式でも確かめる(中3の展開とつながる)
面積を式で書くと、目で見たことがそのまま計算になります。
三角形1つの面積は 21ab なので、4つで 2ab です。
① ② :(a+b)2=2ab+c2:(a+b)2=2ab+a2+b2
左辺が同じなので、右辺も同じ。両方から 2ab を消すと c2=a2+b2。
乗法公式で習った (a+b)2=a2+2ab+b2 を使っても同じです。
①に代入すると a2+2ab+b2=2ab+c2。両辺から 2ab を消して a2+b2=c2。
セナ なるほど!「そうなります」じゃなくて、同じものから同じものを引いたら残りも同じっていう理由なんだね。
ホクト先生 そのとおり。だから式を忘れても、この2枚の絵を思い出せば自分で作り直せる。
図が頭にあると強いよ。
✓理解チェック2
✓理解チェック3
どの辺が c(斜辺)?
✓コツ
斜辺 c = 直角の真向かいの辺 = いちばん長い辺。 a2+b2=c2 の右辺(c2)は必ず斜辺。直角をはさむ2辺が a,b(左辺)です。ここを取り違えると答えがズレます。
✓理解チェック4
使い方(斜辺を求める)
直角をはさむ2辺が 3,4 なら、
c2=32+42=9+16=25⇒c=5
このように、2辺がわかれば残りの辺が求まります。
✓理解チェック5
✕よくある間違い
32+42 を (3+4)2=49 としてしまうミスに注意。先に2乗してからたす(9+16=25)。(a+b)2 ではありません。
✓理解チェック6
✓理解チェック7
やってみよう(練習問題)
やってみよう①(基本:よく使う3辺の組で斜辺を求める)
直角をはさむ2辺が a, b です。斜辺 c を求めましょう。
- a=3, b=4
- a=5, b=12
答えと解説を見る
- c2=32+42=9+16=25 → c=25=5(確かめ:32+42=9+16=25=52 ◎。これは 3:4:5 の組)
- c2=52+122=25+144=169 → c=169=13(確かめ:52+122=25+144=169=132 ◎。これは 5:12:13 の組)
やってみよう②(標準:√が残る場合・簡単化)
斜辺 c を求めましょう。答えに√が残るときは ab の形まで簡単にします。
- a=8, b=15
- a=1, b=1
答えと解説を見る
- c2=82+152=64+225=289 → c=289=17(確かめ:82+152=64+225=289=172 ◎。これは 8:15:17 の組)
- c2=12+12=1+1=2 → c=2(確かめ:12+12=2=(2)2 ◎。これ以上は簡単にできません)
やってみよう③(応用:直角三角形になるか判定する)
3辺の長さがわかっている三角形が、直角三角形かどうかを調べましょう。いちばん長い辺を c とおき、a2+b2=c2 が成り立つかを確かめます。
- 3辺が 7, 24, 25 の三角形は直角三角形か。
- 3辺が 6, 8, 11 の三角形は直角三角形か。
答えと解説を見る
- いちばん長い辺は 25。72+242=49+576=625、252=625。両方とも 625 で一致するので 直角三角形(25 の向かいが直角)。
- いちばん長い辺は 11。62+82=36+64=100、112=121。100=121 なので 直角三角形ではない(もし 11 が 10 なら 102=100 で直角になります)。
i🎓 高校ではこう発展する
直角三角形の3辺の関係(三平方の定理)は、高校で 三角比(sin・cos・tan) へ発展します。直角三角形の辺の比に名前をつけたのが三角比で、sin2θ+cos2θ=1 は三平方の定理そのもの。さらに直角でない三角形でも使える 余弦定理 c2=a2+b2−2abcosC は、三平方の定理(cosC=0 のとき)を一般化した式です。いまの「辺の2乗の関係」が、高校数学Ⅰ「図形と計量」の土台になります。
家おうちの方へ
三平方の定理は「3辺の正方形の面積」で見せると、丸暗記でなく納得で入ります。つまずきの定番は2つ:①斜辺(c)の取り違え、②32+42 を (3+4)2 としてしまうミス。「先に2乗してからたす」「斜辺は直角の向かい・最長」を確認させてください。
意味がわかったら、次は2辺から残りの辺(斜辺でない辺もふくむ)を求める練習です。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 直角三角形で、直角をはさむ2辺 a,b、斜辺 c のとき a2+b2=c2。
- 図でいえば「2つの小さい正方形の面積の和 = 斜辺の正方形の面積」。
- 斜辺は直角の向かい・いちばん長い辺(c)。
- よく使う組:(3,4,5)(5,12,13)(8,15,17)。
よくある質問
三平方の定理とは何ですか?
三平方の定理とは、直角三角形で「直角をはさむ2辺の2乗の和が、斜辺の2乗に等しい」という3辺の関係のことです。直角をはさむ2辺を a、b、斜辺を c とすると、aの2乗+bの2乗=cの2乗(a²+b²=c²)と表せます。ピタゴラスの定理とも呼ばれます。
斜辺はどの辺ですか?どうやって見分けますか?
斜辺は、直角の真向かいにある、いちばん長い辺です。式 a²+b²=c² では c が必ず斜辺で、直角をはさむ2辺が a と b です。ここを取り違えると答えがずれるので、最初に直角の位置を確認しましょう。
三平方の定理でよくある間違いは何ですか?
3²+4² を (3+4)²=49 と計算してしまうミスです。正しくは、先にそれぞれを2乗してからたすので 9+16=25 となり、斜辺は √25=5 です。「先に2乗、あとでたす」と覚えましょう。
覚えておくと便利な3辺の組はありますか?
(3, 4, 5)、(5, 12, 13)、(8, 15, 17) の3つの組がよく使われます。たとえば 3²+4²=9+16=25=5² のように、どれも a²+b²=c² がぴったり成り立つ整数の組です。覚えておくと、計算しなくても残りの辺がわかることが多くなります。
なぜ a²+b²=c² が成り立つのですか?
直角三角形の3つの辺それぞれを1辺とする正方形をかくと、直角をはさむ2辺の正方形2つの面積の和が、斜辺の正方形の面積とぴったり等しくなるからです。a²・b²・c²は、この3つの正方形の面積を表しています。式を忘れても、「小さい2つの正方形の和=斜辺の正方形」という図を思い出せば、a²+b²=c²を作り直せます。
三平方の定理は、日常のどんな場面で使われていますか?
直角があれば、まっすぐ測りにくい長さを計算で求められるので、身近な場面で広く使われています。たとえば、壁に立てかけたはしごが届く高さ、テレビの何インチ(画面の対角線の長さ)、地図のたて・よこの差から求める直線距離などです。2辺がわかれば残りの1辺が計算できることが、便利さのもとになっています。
この単元でつまずいたとき、家庭でできること
- 1
平方根(√・2乗)に戻る つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
- 2
説明役を、外部にまかせる 教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
#三平方の定理#ピタゴラス#直角三角形#中3数学