公式を使う因数分解

x²+(a+b)x+abの因数分解とは、かけて定数項・たして真ん中の数になる2つの数を見つけて(x+a)(x+b)の形に分ける計算のこと。中3数学のこの単元では、面積図を使った探し方から、完全平方や平方の差など入試頻出の分解パターンまでやさしく解説します。

先に答え

因数分解の公式は 33 種類で、x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)(かけて定数項・たして xx の係数になる 22 数を探す)、x2±2ax+a2=(x±a)2x^2\pm2ax+a^2=(x\pm a)^2(完全平方)、x2−a2=(x+a)(x−a)x^2-a^2=(x+a)(x-a)(平方の差)です。x2+5x+6x^2+5x+6 なら、かけて 66・たして 55 の 22 と 33 を見つけて (x+2)(x+3)(x+2)(x+3)。まず共通因数がないかを先に確認します。

◎このページのゴール

乗法公式を逆向きに使い、x²+(a+b)x+ab などの因数分解ができるようになる。

x2+5x+6x^2+5x+6 を (x+2)(x+3)(x+2)(x+3) に分解する——これが入試で最頻出の因数分解。コツは「かけて定数項、たして真ん中の数」になる2つの数を探すこと。面積図で見れば、何を探しているのかが一目でわかります。

基本:かけて定数・たして真ん中

x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

x2+5x+6x^2+5x+6 なら、かけて 66・たして 55 になる2数を探します。→ 22 と 33。

x2+5x+6=(x+2)(x+3)x^2+5x+6=(x+2)(x+3)

→やり方

  1. 先に共通因数があればくくる
  2. かけて定数項・たして xx の係数になる2数を探す
  3. (x+□)(x+□)(x+\square)(x+\square) に入れる(展開して確認)

✓理解チェック1

x2+8x+12x^2+8x+12 を因数分解するとき、探すのは「かけて 1212・たして 88」になる2数です。その2数は?
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答え:22 と 66

かけて12になる組(1と12、2と6、3と4)のうち、たして8になるのは2と6だけ。だから (x+2)(x+6)(x+2)(x+6) です。3と4はたすと7でNG。

✓理解チェック2

3x2+15x+183x^2+15x+18 を因数分解するとき、いちばん最初にすることは?
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答え:共通因数の 33 をくくり出す

順番は「まず共通因数→次に公式」。3(x2+5x+6)=3(x+2)(x+3)3(x^2+5x+6)=3(x+2)(x+3) となります。これは方程式ではなく式なので、33 でわって消すことはできません(くくり出して残します)。

図で見る:長方形の辺を探す

因数分解は、x2+5x+6x^2+5x+6 のタイルを1つの長方形に組み直し、その「たて」と「よこ」を求めること。たて (x+2)(x+2)・よこ (x+3)(x+3) が答えです。

x3x2x²3x2x6x²+3x+2x+6 = x²+5x+6→ たて(x+2)・よこ(x+3)

まんなかの 5x5x は 3x+2x3x+2x、定数の 66 は 2×32\times3。だから「かけて6・たして5」の2数を探していたのです。

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セナ

展開の図とそっくり! 因数分解は、その図から辺(x+2 と x+3)を逆に求めるんだね。

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ホクト先生

まさに。展開と因数分解は同じ図の“行き”と“帰り”。図が頭にあると、符号で迷っても立て直せるよ。

✓理解チェック3

x2+7x+12x^2+7x+12 を因数分解すると?
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答え:(x+3)(x+4)(x+3)(x+4)

かけて12・たして7 → 3と4。(x+3)(x+4)(x+3)(x+4) です。2と6はかけて12だがたすと8でNG。

符号の組み合わせ

定数項が+か−かで、2数の符号が決まります。

✓コツ

  • 定数が**+、真ん中が+** → 2数とも**+**(例 x2+5x+6=(x+2)(x+3)x^2+5x+6=(x+2)(x+3))
  • 定数が**+、真ん中が−** → 2数とも**−**(例 x2−5x+6=(x−2)(x−3)x^2-5x+6=(x-2)(x-3))
  • 定数が**−** → 2数は異符号(例 x2+x−6=(x+3)(x−2)x^2+x-6=(x+3)(x-2))

✓理解チェック4

x2−7x+10x^2-7x+10 を因数分解すると?
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答え:(x−2)(x−5)(x-2)(x-5)

定数が+で真ん中が−なので、2数とも−。かけて10・たして −7-7 になるのは −2-2 と −5-5 です。展開して x2−7x+10x^2-7x+10 に戻るか確かめましょう。

✓理解チェック5

x2+3x−10x^2+3x-10 のように定数項が−のとき、探す2つの数の符号は?
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答え:異符号(+と−が1つずつ)

かけて−になるのは、+×−のときだけ。だから定数項が−なら2数は異符号です。x2+3x−10x^2+3x-10 なら、かけて −10-10・たして 33 の 55 と −2-2。

完全平方・平方の差

特別な形は一瞬で分解できます。

  • x2+2ax+a2=(x+a)2x^2+2ax+a^2=(x+a)^2(例 x2+6x+9=(x+3)2x^2+6x+9=(x+3)^2)
  • x2−2ax+a2=(x−a)2x^2-2ax+a^2=(x-a)^2(例 x2−10x+25=(x−5)2x^2-10x+25=(x-5)^2)
  • x2−a2=(x+a)(x−a)x^2-a^2=(x+a)(x-a)(例 x2−16=(x+4)(x−4)x^2-16=(x+4)(x-4))

✕よくある間違い

x2−16x^2-16 を「分解できない」としてしまうミスが多いです。これは平方の差 x2−42x^2-4^2 なので (x+4)(x−4)(x+4)(x-4)。a2−b2a^2-b^2 の形を見たら平方の差を疑いましょう。

✓理解チェック6

x2−9x^2-9 を因数分解すると?
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答え:(x+3)(x−3)(x+3)(x-3)

x2−9=x2−32x^2-9=x^2-3^2(平方の差)→ (x+3)(x−3)(x+3)(x-3)。和と差の積の逆です。

✓理解チェック7

x2−10x+25x^2-10x+25 を因数分解すると?
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答え:(x−5)2(x-5)^2

25=5225=5^2 で、真ん中が −10x=−2×5×x-10x=-2\times5\times x なので完全平方 x2−2ax+a2=(x−a)2x^2-2ax+a^2=(x-a)^2 の形。a=5a=5 で (x−5)2(x-5)^2 です。定数が+・真ん中が−なので、かっこの中は −5-5 になります。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:かけて定数・たして真ん中)

「かけて定数項・たして xx の係数」になる2数を探しましょう。

  1. x2+8x+15x^2+8x+15
  2. x2−7x+10x^2-7x+10
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  1. かけて15・たして8 → 3と5。(x+3)(x+5)(x+3)(x+5)(確かめ:展開すると x2+8x+15x^2+8x+15 ◎)
  2. かけて10・たして −7-7 → −2-2 と −5-5。(x−2)(x−5)(x-2)(x-5)(確かめ:展開すると x2−7x+10x^2-7x+10 ◎。両方マイナス)

やってみよう②(標準:異符号・平方の差)

定数が −- なら2数は異符号。a2−b2a^2-b^2 の形は平方の差です。

  1. x2+2x−8x^2+2x-8
  2. x2−25x^2-25
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  1. かけて −8-8・たして2 → 44 と −2-2。(x+4)(x−2)(x+4)(x-2)(確かめ:展開すると x2+2x−8x^2+2x-8 ◎)
  2. x2−52x^2-5^2(平方の差)→ (x+5)(x−5)(x+5)(x-5)(確かめ:和と差の積で x2−25x^2-25 ◎)

やってみよう③(応用:まず共通因数→次に公式)

最初に共通因数をくくり、そのあと公式を使います。順番を守るのがコツ。

  1. 2x2+12x+182x^2+12x+18
  2. 3x2−273x^2-27
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  1. 共通因数2をくくる → 2(x2+6x+9)2(x^2+6x+9)。中は完全平方 (x+3)2(x+3)^2 → 2(x+3)22(x+3)^2(確かめ:2(x+3)2=2(x2+6x+9)=2x2+12x+182(x+3)^2=2(x^2+6x+9)=2x^2+12x+18 ◎)
  2. 共通因数3をくくる → 3(x2−9)3(x^2-9)。中は平方の差 x2−32x^2-3^2 → 3(x+3)(x−3)3(x+3)(x-3)(確かめ:3(x+3)(x−3)=3(x2−9)=3x2−273(x+3)(x-3)=3(x^2-9)=3x^2-27 ◎)

家おうちの方へ

因数分解は「かけて定数・たして真ん中」の2数探しがすべて。最初は候補を表に書き出して探させると確実です。③応用の問題のように「まず共通因数→次に公式」の順番を徹底すると、難しい問題も崩せます。面積図を思い出せれば、符号で迷っても立て直せます。

これで中3「展開と因数分解」は完全攻略です! 二次方程式・平方根・関数の計算でずっと使う土台。あやしくなったら、いつでもこの図に戻ってきてください。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)。かけて定数・たして真ん中の2数を探す。
  • x2+2ax+a2=(x+a)2x^2+2ax+a^2=(x+a)^2/x2−2ax+a2=(x−a)2x^2-2ax+a^2=(x-a)^2(完全平方)。
  • x2−a2=(x+a)(x−a)x^2-a^2=(x+a)(x-a)(平方の差)。
  • 先に共通因数をくくってから公式を使う。

よくある質問

x²+5x+6 のような式は、どうやって因数分解しますか?

「かけて定数項・たして真ん中の数」になる2つの数を探して、(x+□)(x+□) の形にします。xの2乗(x²)+5x+6 なら、かけて6・たして5になるのは2と3なので、(x+2)(x+3) です。先に共通因数があればくくり、最後に展開して元に戻るか確認しましょう。

なぜ「かけて定数・たして真ん中」の2数を探すの?

面積図で見ると、x²+5x+6 のタイルを1つの長方形に組み直したとき、たてが (x+2)・よこが (x+3) になるからです。真ん中の5xは3x+2xに分かれ、定数の6は2×3。つまり、かけて6・たして5になる2つの数(2と3)が、そのまま長方形の辺を作っているのです。

定数項がマイナスのときは、符号はどう決めますか?

定数が−なら、2つの数は異符号(+と−)です。たとえば x²+x−6 は、かけて−6・たして1になる3と−2で、(x+3)(x−2) になります。定数が+で真ん中が+なら2数とも+、定数が+で真ん中が−なら2数とも−、と組み合わせが決まっています。

x²−16 は因数分解できますか?

できます。x²−16 は xの2乗−4の2乗という「平方の差」の形なので、(x+4)(x−4) と分解できます。「分解できない」と答えてしまうミスがとても多い形です。x²−a² の形を見たら、(x+a)(x−a) の平方の差を疑いましょう。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 因数分解(共通因数)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 印刷して、手を動かす
    読んでわかっても、手が動くとは限りません。無料のプリントを刷って、量をこなしてください。
  3. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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