乗法公式(展開を一瞬で)

乗法公式とは、(x+a)(x+b)や(x+a)²のようによく出る形の展開を一発で計算できる4つの公式のこと。中3数学のこの単元では、なぜその形になるかを面積図で見せながら、まんなかの項2axの入れ忘れなどよくある間違いも押さえ、展開を速く正確にできるようにします。

先に答え

乗法公式は 44 つで、(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab、(x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2、(x−a)2=x2−2ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2、(x+a)(x−a)=x2−a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2 です。(x+3)2(x+3)^2 なら x2+6x+9x^2+6x+9。(x+3)2(x+3)^2 を x2+9x^2+9 とする(真ん中の 2ax2ax を落とす)のが最多の誤りで、公式は 33 項になることを必ず確認します。

◎このページのゴール

4つの乗法公式を理解して使い、展開を速く正確にできるようになる。

毎回4つかけるのは大変。よく出る形には乗法公式という近道があります。丸暗記ではなく、面積図で「なぜその形になるか」を見れば、忘れても自分で作り直せます。

乗法公式は4つ

→やり方

  1. (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
  2. (x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2
  3. (x−a)2=x2−2ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2
  4. (x+a)(x−a)=x2−a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2

✓理解チェック1

乗法公式の1つ目、(x+a)(x+b)(x+a)(x+b) を展開した形は?
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答え:x2+(a+b)x+abx^2+(a+b)x+ab

まんなかの項の係数は「たした a+ba+b」、最後の項は「かけた abab」。たとえば (x+2)(x+3)=x2+5x+6(x+2)(x+3)=x^2+5x+6(2+3=52+3=5、2×3=62\times3=6)です。

(x+a)² を図で見る

(x+a)2(x+a)^2 は「1辺が (x+a)(x+a) の正方形の面積」。下のように4つに分かれ、axax が2つ出てくるので 2ax2ax になります。

xaxax²axaxa²x² + ax + ax + a²= x² + 2ax + a²

例:(x+3)2=x2+2×3×x+32=x2+6x+9(x+3)^2=x^2+2\times3\times x+3^2=x^2+6x+9

✕よくある間違い

(x+3)2=x2+9(x+3)^2=x^2+9 はまちがい。まんなかの 2ax2ax(この例では 6x6x)を必ず入れること。図のオレンジのタイル2枚を忘れないイメージです。

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セナ

(x−3)² のときはどうなるの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

まんなかが −2ax-2ax になるだけ。(x−3)2=x2−6x+9(x-3)^2=x^2-6x+9。最後の a2a^2 は (−3)2=9(-3)^2=9 でプラスのままだよ。

✓理解チェック2

(x+5)2(x+5)^2 を展開すると?
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答え:x2+10x+25x^2+10x+25

(x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2。2×5=102\times5=10、52=255^2=25 で x2+10x+25x^2+10x+25 です。

✓理解チェック3

(x−4)2(x-4)^2 を展開すると?
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答え:x2−8x+16x^2-8x+16

(x−a)2=x2−2ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2。まんなかは −2×4×x=−8x-2\times4\times x=-8x、最後は (−4)2=16(-4)^2=16 でプラスのまま。だから x2−8x+16x^2-8x+16 です。

和と差の積 = 平方の差

(x+a)(x−a)(x+a)(x-a) は、まんなかの項が消えて x2−a2x^2-a^2 になります。

(x+a)(x−a)=x2−ax+ax−a2=x2−a2(x+a)(x-a)=x^2-ax+ax-a^2=x^2-a^2

−ax-ax と +ax+ax が打ち消し合うのがポイント。例:(x+4)(x−4)=x2−16(x+4)(x-4)=x^2-16。

✓理解チェック4

(x+7)(x−7)(x+7)(x-7) を展開すると?
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答え:x2−49x^2-49

和と差の積は平方の差:x2−a2x^2-a^2。72=497^2=49 なので x2−49x^2-49。まんなかの項は消えます。

✓理解チェック5

(x+a)(x−a)(x+a)(x-a) を展開すると x2−ax+ax−a2x^2-ax+ax-a^2 になります。まんなかの −ax-ax と +ax+ax はどうなりますか?
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答え:打ち消し合って消える

−ax-ax と +ax+ax は符号が反対で大きさが同じなので、たすと0になり消えます。だから (x+a)(x−a)=x2−a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2 とまんなかの項がない形になります。

どの公式を使う?

✓コツ

  • 同じものの2乗 ( )2( \ )^2 → 公式2・3(x2±2ax+a2x^2\pm2ax+a^2)
  • (x+a)(x−a)(x+a)(x-a) の形(符号だけ違う) → 公式4(x2−a2x^2-a^2)
  • それ以外の (x+a)(x+b)(x+a)(x+b) → 公式1(x2+(a+b)x+abx^2+(a+b)x+ab)

迷ったら、公式を忘れても**4つ全部かける(前レッスンの展開)**で必ず出せます。公式は“速くするための近道”です。

✓理解チェック6

(x+9)(x+2)(x+9)(x+2) を展開するには、乗法公式のどれを使いますか?
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答え:公式1(x2+(a+b)x+abx^2+(a+b)x+ab)

同じものの2乗でも、符号だけ違う (x+a)(x−a)(x+a)(x-a) の形でもないので、公式1((x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab)を使います。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:2乗の公式)

(x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2 を使いましょう。まんなかの 2ax2ax を落とさないように。

  1. (x+2)2(x+2)^2
  2. (x−6)2(x-6)^2
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  1. x2+4x+4x^2+4x+4(2×2=42\times2=4、22=42^2=4。確かめ:因数分解で (x+2)2(x+2)^2 にもどる ◎)
  2. x2−12x+36x^2-12x+36(2×6=122\times6=12 でまんなかは −12x-12x、(−6)2=36(-6)^2=36。確かめ:(x−6)2(x-6)^2 にもどる ◎)

やってみよう②(標準:和と差の積・公式1)

(x+a)(x−a)=x2−a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2、(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab を使い分けましょう。

  1. (x+8)(x−8)(x+8)(x-8)
  2. (x+3)(x+7)(x+3)(x+7)
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  1. x2−64x^2-64(和と差の積=平方の差。82=648^2=64。確かめ:(x+8)(x−8)(x+8)(x-8) にもどる ◎)
  2. x2+10x+21x^2+10x+21(a+b=3+7=10a+b=3+7=10、ab=3×7=21ab=3\times7=21。確かめ:(x+3)(x+7)(x+3)(x+7) にもどる ◎)

やってみよう③(応用:xに係数がついた形)

xx の前に係数(2x2x など)があっても、公式の xx を「2x2x」とみなせば同じです。

  1. (2x+3)2(2x+3)^2
  2. (3x+2)(3x−2)(3x+2)(3x-2)
答えと解説を見る
  1. (2x)2+2×3×2x+32=4x2+12x+9(2x)^2+2\times3\times2x+3^2=4x^2+12x+9(確かめ:(2x+3)2(2x+3)^2 にもどる ◎。2x×2x=4x22x\times2x=4x^2、まんなか 12x12x、32=93^2=9)
  2. (3x)2−22=9x2−4(3x)^2-2^2=9x^2-4(和と差の積。確かめ:(3x+2)(3x−2)(3x+2)(3x-2) にもどる ◎。まんなかの 6x6x と −6x-6x が打ち消し合う)

家おうちの方へ

公式は「丸暗記→忘れる」になりがち。面積図で (x+a)2(x+a)^2 に axax が2枚出ることを見せておくと、2ax2ax の入れ忘れが激減します。忘れても展開(4つかける)に戻れば必ず解ける、という安心感を持たせると、テストで強くなります。

展開ができたら、いよいよ逆向きの操作、因数分解です。図のタイルを“元の長方形に組み直す”イメージで進みます。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
  • (x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2/(x−a)2=x2−2ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2
  • (x+a)(x−a)=x2−a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2(和と差の積=**平方の差**)
  • 公式は面積図で“なぜ”を見れば忘れない。

よくある質問

乗法公式とは何ですか?

よく出る形の展開を一発で計算するための4つの公式です。(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab、(x+a)²=x²+2ax+a²、(x−a)²=x²−2ax+a²、(x+a)(x−a)=x²−a² の4つ。毎回4つの項をかけてばらさなくても、速く正確に展開できます。

なぜ (x+a)² は x²+a² ではなく、2ax が入るの?

(x+a)² は「1辺が (x+a) の正方形の面積」だからです。図で分けると x²、ax、ax、a² の4つの部分に分かれ、ax のタイルが2枚出てくるので、まんなかの項は 2ax になります。x²+9 のように書くのは、このタイル2枚を忘れたまちがいです。

(x+a)(x−a) の展開は、どうして x²−a² になるの?

展開すると x²−ax+ax−a² となり、−ax と +ax が打ち消し合って消えるからです。残るのは x²−a²(平方の差)だけ。たとえば (x+4)(x−4)=x²−16 です。和と差の積は、まんなかの項が出ないのがポイントです。

どの乗法公式を使えばいいか、見分け方はありますか?

同じものの2乗 ( )² の形なら公式2・3(x²±2ax+a²)、符号だけ違う (x+a)(x−a) の形なら公式4(x²−a²)、それ以外の (x+a)(x+b) は公式1です。迷ったり公式を忘れたりしても、4つ全部かける展開のやり方に戻れば必ず答えは出せます。公式は速くするための近道です。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 多項式の展開(面積図)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 印刷して、手を動かす
    読んでわかっても、手が動くとは限りません。無料のプリントを刷って、量をこなしてください。
  3. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
#乗法公式#展開#面積図#中3数学