乗法公式(展開を一瞬で)

乗法公式4つを面積図でわかりやすく。(x+a)(x+b)・(x+a)²・(x−a)²・(x+a)(x−a)を、図とパターンで覚えて、展開を速く正確にできるようになります。

このページのゴール

4つの乗法公式を理解して使い、展開を速く正確にできるようになる。

毎回4つかけるのは大変。よく出る形には乗法公式という近道があります。丸暗記ではなく、面積図で「なぜその形になるか」を見れば、忘れても自分で作り直せます。

乗法公式は4つ

やり方

  1. (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
  2. (x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2
  3. (xa)2=x22ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2
  4. (x+a)(xa)=x2a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2

(x+a)² を図で見る

(x+a)2(x+a)^2 は「1辺が (x+a)(x+a) の正方形の面積」。下のように4つに分かれ、axax2つ出てくるので 2ax2ax になります。

xaxaaxaxx² + ax + ax + a²= x² + 2ax + a²

例:(x+3)2=x2+2×3×x+32=x2+6x+9(x+3)^2=x^2+2\times3\times x+3^2=x^2+6x+9

よくある間違い

(x+3)2=x2+9(x+3)^2=x^2+9まちがい。まんなかの 2ax2ax(この例では 6x6x)を必ず入れること。図のオレンジのタイル2枚を忘れないイメージです。

セナちゃんのアイコン
セナ

(x−3)² のときはどうなるの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

まんなかが 2ax-2ax になるだけ。(x3)2=x26x+9(x-3)^2=x^2-6x+9。最後の a2a^2(3)2=9(-3)^2=9 でプラスのままだよ。

理解チェック①

和と差の積 = 平方の差

(x+a)(xa)(x+a)(x-a) は、まんなかの項が消えて x2a2x^2-a^2 になります。

(x+a)(xa)=x2ax+axa2=x2a2(x+a)(x-a)=x^2-ax+ax-a^2=x^2-a^2

ax-ax+ax+ax打ち消し合うのがポイント。例:(x+4)(x4)=x216(x+4)(x-4)=x^2-16

理解チェック②

どの公式を使う?

コツ

  • 同じものの2乗 ( )2( \ )^2公式2・3x2±2ax+a2x^2\pm2ax+a^2
  • (x+a)(xa)(x+a)(x-a) の形(符号だけ違う) → 公式4x2a2x^2-a^2
  • それ以外の (x+a)(x+b)(x+a)(x+b)公式1x2+(a+b)x+abx^2+(a+b)x+ab

迷ったら、公式を忘れても**4つ全部かける(前レッスンの展開)**で必ず出せます。公式は“速くするための近道”です。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:2乗の公式)

(x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2 を使いましょう。まんなかの 2ax2ax を落とさないように。

  1. (x+2)2(x+2)^2
  2. (x6)2(x-6)^2
答えと解説を見る
  1. x2+4x+4x^2+4x+42×2=42\times2=422=42^2=4。確かめ:因数分解で (x+2)2(x+2)^2 にもどる ◎)
  2. x212x+36x^2-12x+362×6=122\times6=12 でまんなかは 12x-12x(6)2=36(-6)^2=36。確かめ:(x6)2(x-6)^2 にもどる ◎)

✏️ やってみよう②(標準:和と差の積・公式1)

(x+a)(xa)=x2a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab を使い分けましょう。

  1. (x+8)(x8)(x+8)(x-8)
  2. (x+3)(x+7)(x+3)(x+7)
答えと解説を見る
  1. x264x^2-64(和と差の積=平方の差。82=648^2=64。確かめ:(x+8)(x8)(x+8)(x-8) にもどる ◎)
  2. x2+10x+21x^2+10x+21a+b=3+7=10a+b=3+7=10ab=3×7=21ab=3\times7=21。確かめ:(x+3)(x+7)(x+3)(x+7) にもどる ◎)

✏️ やってみよう③(応用:xに係数がついた形)

xx の前に係数(2x2x など)があっても、公式の xx を「2x2x」とみなせば同じです。

  1. (2x+3)2(2x+3)^2
  2. (3x+2)(3x2)(3x+2)(3x-2)
答えと解説を見る
  1. (2x)2+2×3×2x+32=4x2+12x+9(2x)^2+2\times3\times2x+3^2=4x^2+12x+9(確かめ:(2x+3)2(2x+3)^2 にもどる ◎。2x×2x=4x22x\times2x=4x^2、まんなか 12x12x32=93^2=9
  2. (3x)222=9x24(3x)^2-2^2=9x^2-4(和と差の積。確かめ:(3x+2)(3x2)(3x+2)(3x-2) にもどる ◎。まんなかの 6x6x6x-6x が打ち消し合う)

おうちの方へ

公式は「丸暗記→忘れる」になりがち。面積図で (x+a)2(x+a)^2axax が2枚出ることを見せておくと、2ax2ax の入れ忘れが激減します。忘れても展開(4つかける)に戻れば必ず解ける、という安心感を持たせると、テストで強くなります。

展開ができたら、いよいよ逆向きの操作、因数分解です。図のタイルを“元の長方形に組み直す”イメージで進みます。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
  • (x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2(xa)2=x22ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2
  • (x+a)(xa)=x2a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2(和と差の積=**平方の差**)
  • 公式は面積図で“なぜ”を見れば忘れない。

よくある質問

乗法公式とは何ですか?

よく出る形の展開を一発で計算するための4つの公式です。(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab、(x+a)²=x²+2ax+a²、(x−a)²=x²−2ax+a²、(x+a)(x−a)=x²−a² の4つ。毎回4つの項をかけてばらさなくても、速く正確に展開できます。

なぜ (x+a)² は x²+a² ではなく、2ax が入るの?

(x+a)² は「1辺が (x+a) の正方形の面積」だからです。図で分けると x²、ax、ax、a² の4つの部分に分かれ、ax のタイルが2枚出てくるので、まんなかの項は 2ax になります。x²+9 のように書くのは、このタイル2枚を忘れたまちがいです。

(x+a)(x−a) の展開は、どうして x²−a² になるの?

展開すると x²−ax+ax−a² となり、−ax と +ax が打ち消し合って消えるからです。残るのは x²−a²(平方の差)だけ。たとえば (x+4)(x−4)=x²−16 です。和と差の積は、まんなかの項が出ないのがポイントです。

どの乗法公式を使えばいいか、見分け方はありますか?

同じものの2乗 ( )² の形なら公式2・3(x²±2ax+a²)、符号だけ違う (x+a)(x−a) の形なら公式4(x²−a²)、それ以外の (x+a)(x+b) は公式1です。迷ったり公式を忘れたりしても、4つ全部かける展開のやり方に戻れば必ず答えは出せます。公式は速くするための近道です。

#乗法公式#展開#面積図#中3数学