中学理科中学1年生物質・化学
溶解度と再結晶|溶解度曲線の読み方と計算をやさしく【中1理科】
中1理科の「溶解度と再結晶」を図とグラフでやさしく。溶解度とは何か、溶解度曲線の読み方、飽和水溶液、温度を下げると結晶が出てくる再結晶のしくみ、出てくる結晶の質量の計算まで。算数の割合・比例とつなげて、もののとけ方から無理なく理解できます。
◎このページのゴール
溶解度と溶解度曲線の意味を理解し、温度を下げたときに出てくる結晶(再結晶)の質量を、溶解度の差から計算できるようになる。
「あたたかい水にはたくさん砂糖がとけるのに、冷ますとつぶがもどってくるのはなぜ?」——そのカギが溶解度です。中1理科の溶解度・再結晶は、グラフと計算でつまずきやすい単元ですが、正体は「温度ごとに、とける限界の量がちがう」というだけ。もののとけ方から、算数の割合・比例の力でそのまま伸ばせます。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
溶解度とは——水100gにとける限界の量
水にものをとかしていくと、ある量でとけ残るようになります。水100gにとける物質の最大量(g)を溶解度といいます。溶解度まできっちりとけた状態が飽和水溶液です。
iメモ
溶解度=水 g にとける限界の質量(g)。多くの物質は、温度が高いほど溶解度が大きくなります(あたたかい水のほうがたくさんとける)。
たとえば、ある温度で硝酸カリウムの溶解度が なら、「水 g に最大 g までとける」という意味。 g をこえた分はとけ残ります。溶解度は水100gが基準なので、水の量がちがうときは比で考えます(水 g なら 倍とける)。
✓理解チェック①
溶解度曲線の読み方
温度ごとの溶解度を表したグラフを溶解度曲線といいます。物質によって、温度での変わり方が大きくちがいます。
赤い硝酸カリウムは、温度が上がると溶解度が急に大きくなる(右上がりが急)。青い**塩化ナトリウム(食塩)**は、温度が変わってもほとんど変わりません(ほぼ横ばい)。この「カーブの急・ゆるやか」のちがいが、このあとの再結晶の量を決めます。
✓理解チェック②
再結晶——冷やすと結晶が出てくる
高い温度でたくさんとかした水溶液を冷やすと、溶解度が小さくなり、とけきれなくなった分が結晶になって出てきます。これが再結晶です。
たとえば ℃の水 g に硝酸カリウムが g とけているとします。 ℃まで冷やすと溶解度は g。すると、とけていられるのは g までなので、残りの g が結晶になって出てきます。
塩化ナトリウムのように溶解度がほとんど変わらない物質は、冷やしてもあまり結晶が出ません。こういうものは水を蒸発させて取り出します。
同じように冷やしても、出てくる量がぜんぜんちがうのはなんで?
それは溶解度曲線のかたむきのちがいなんだ。硝酸カリウムは温度で溶解度が大きく変わるから、冷やすとドカッと結晶が出る。食塩は曲線がほぼ横ばいで、冷やしても溶解度がほとんど減らないから、結晶もあまり出ない。だから食塩は「水を蒸発させて」取り出すんだよ。「どれだけ取り出せるか=溶解度の差」と覚えよう。
✓理解チェック③
出てくる結晶の質量を計算する
再結晶の計算は、溶解度の差と水の量の比で求められます。
?どうして?
出てくる結晶(g) =(高い温度の溶解度 − 低い温度の溶解度)× 水の量(g) ÷ 100
(溶解度は「水100gあたり」なので、水の量に合わせて比でなおします。)
水が g ちょうどなら、溶解度の差がそのまま結晶の質量です。水が g なら半分、 g なら 倍。ここは算数の比の考え方そのもの。たとえば水 g で、溶解度の差が g なら、 g の結晶が出ます。
✓コツ
飽和水溶液の濃度も求められます。溶解度が g なら、水 g に g とけた液なので、質量パーセント濃度は %。濃度の「もとにする量は水溶液全体(水+とけたもの)」を思い出しましょう。
✓理解チェック④
よくある間違い
✕よくある間違い
出てくる結晶を「高い温度の溶解度そのまま」や「とけている全量」と考えてしまう
出てくるのは溶解度の差の分。 とけていて低温の溶解度が なら、出るのは g( g はとけたまま残る)
もう1つは、水の量が100gでないのに、溶解度をそのまま使うまちがい。溶解度は「水100gあたり」なので、水 g・ g のときは比でなおします。「溶解度=水100g基準」をいつも意識しましょう。
やってみよう(練習問題)
下の溶解度(水100gあたり, g)を使って考えましょう。
| 温度(℃) | 20 | 40 | 60 |
|---|---|---|---|
| 硝酸カリウム | 32 | 64 | 109 |
| 塩化ナトリウム | 36 | 36 | 37 |
✏️ やってみよう①(基本:飽和ととけ残り)
- ℃の水 g に硝酸カリウムは最大何 g とける?
- ℃の水 g に硝酸カリウムを g 入れたら、何 g とけ残る?
答えと解説を見る
- ℃の溶解度は → 64 g。
- → 16 g とけ残る(とけるのは g まで)。
✏️ やってみよう②(標準:冷やして出る結晶)
℃の水 g に硝酸カリウムをとけるだけとかし、 ℃まで冷やしました。
- ℃でとけている硝酸カリウムは何 g?
- ℃まで冷やすと、出てくる結晶は何 g?
答えと解説を見る
- ℃の溶解度 = 109 g(飽和までとかしたので)。
- ℃の溶解度は g。 → 77 gが結晶になって出てきます。
✏️ やってみよう③(応用:水の量がちがう・食塩との比較)
- ℃の水 g に硝酸カリウムをとけるだけとかし、 ℃まで冷やした。出てくる結晶は何 g?
- 同じことを塩化ナトリウムでやると、結晶はほとんど出ない。その理由を答えなさい。
答えと解説を見る
- 溶解度の差 = (水100gあたり)。水は g なので、 → 154 g。
- 塩化ナトリウムは温度を変えても溶解度がほとんど変わらない( ℃で 、 ℃で )から。差がほぼ なので、冷やしても結晶が出ません。取り出すには水を蒸発させます。
家おうちの方へ
溶解度のつまずきは、大きく2つです。1つは「溶解度は水100gが基準」を忘れ、水の量がちがうのにそのまま使ってしまうこと。比でなおす(水 g なら 倍)と整理してあげてください。もう1つは「出てくる結晶=とけている全量」と思ってしまうことで、実際は溶解度の差の分だけ(低温の溶解度の分はとけたまま残る)です。溶解度曲線の「かたむきが急な物質ほど、冷やすとたくさん結晶が出る」という見方を、グラフで一緒に確かめると納得しやすくなります。計算は算数の比・割合がそのまま使えるので、つまずいたらそちらに戻るのが近道です。
とける限界(溶解度)は温度で変わる。冷やすと、はみ出した分(溶解度の差)が結晶になる。——このグラフ1枚の見方さえつかめば、再結晶のしくみも、出てくる量の計算も、迷わず進められます。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 溶解度=水100gにとける物質の最大量(g)。ふつう温度が高いほど大きい。
- 限界までとけた状態が飽和水溶液。
- 溶解度曲線は、温度ごとの溶解度を表したグラフ。
- 再結晶=温度を下げる(または水を蒸発させる)と、とけきれない分が結晶になって出てくること。
- 出てくる結晶の質量 =(高い温度の溶解度 − 低い温度の溶解度)× 水の量 ÷ 100。
よくある質問
溶解度とは何ですか?
溶解度とは、水100gにとける物質の最大量(g)のことです。多くの物質は温度が高いほど溶解度が大きくなります。限界までとけた状態を飽和水溶液といいます。
なぜ冷やすと結晶が出てくるのですか(再結晶)?
温度を下げると溶解度が小さくなり、それまでとけていた分がとけきれなくなって結晶になって出てくるからです。これを再結晶といいます。たとえば60℃の水100gに109gとけていた硝酸カリウムを20℃まで冷やすと溶解度が32gに下がり、差の109−32=77gが結晶になります。
冷やして出てくる結晶の質量はどうやって計算しますか?
出てくる結晶(g)=(高い温度の溶解度−低い温度の溶解度)×水の量(g)÷100で求めます。溶解度は水100gあたりの量なので、水の量に合わせて比でなおします。たとえば溶解度の差が77gで水が200gなら、77×200÷100=154gの結晶が出ます。
食塩(塩化ナトリウム)は冷やしても結晶があまり出ないのはなぜですか?
食塩は温度が変わっても溶解度がほとんど変わらないため、冷やしても溶解度の差がほぼ0で、結晶がほとんど出ないからです。こうした物質は、水を蒸発させて結晶を取り出します。