倍数・約数の文章題(公倍数か公約数か)

文章題で「最小公倍数を使う場面」と「最大公約数を使う場面」を見分けるコツを、図でやさしく解説。同時にそろう問題と、同じ大きさに分ける問題を、迷わず正しく解けるようになります。

このページのゴール

文章題で「最小公倍数を使う場面」と「最大公約数を使う場面」を見分け、正しく解けるようになる。

倍数・約数の文章題で、いちばん多いつまずきは「公倍数を使うのか、公約数を使うのか」がわからないこと。じつは、問題の言葉を見るだけで見分けられます。「同時にそろう」なら最小公倍数、「同じ数ずつ分ける」なら最大公約数。この2つの型をおぼえれば、ほとんどの文章題はどちらかに当てはまります。

まず見分ける(2つの型)

文章題は、つぎの2つの型のどちらかです。問題の中の言葉に注目しましょう。

やり方

  1. 同時に次にそろういちばん小さい数」と書いてあったら → 最小公倍数
  2. あまりなく同じ数ずつ分けるできるだけ大きく1辺最大の正方形」と書いてあったら → 最大公約数
  3. 迷ったら「そろえる問題か、分ける問題か」を自分に問い直す。

ざっくり言うと、数をふやして重なる点をさがすのが公倍数、もとの数をわって分けるのが公約数です。次の図で、そのちがいを目で見てみましょう。

同時にそろう = 公倍数(重なる点)6,824ここで重なる同じ正方形で敷き詰め = 公約数1辺6cm の正方形たて18よこ24 を同じ大きさに分ける

「次に同時にそろう」は最小公倍数

例題1:あるバス停では、A行きが6分ごと、B行きが8分ごとに発車します。いま同時に発車しました。次に同時に発車するのは何分後?

次に同時にそろう」なので、これは 最小公倍数 の問題です。

  • 66 の倍数:6,12,18,24,30,6,12,18,\textbf{24},30,\dots
  • 88 の倍数:8,16,24,32,8,16,\textbf{24},32,\dots

両方に出てくる、いちばん小さい数は 24。だから、

6 と 8 の最小公倍数=246 \text{ と } 8 \text{ の最小公倍数} = 24

答えは 24分後 です。(確かめ:24÷6=424\div6=4 でAは4本め、24÷8=324\div8=3 でBは3本め。ちょうど両方が発車する ◎)

理解チェック①

「同じ大きさに分ける」は最大公約数

こんどは、分ける 問題です。

例題2:たて18cm、よこ24cmの長方形の紙を、あまりが出ないように同じ大きさの正方形に切り分けます。いちばん大きい正方形の1辺は何cmですか?

あまりなく同じ大きさいちばん大きい正方形」とあるので、これは 最大公約数 の問題です。1辺の長さは、たて18もよこ24も、ぴったりわり切れる数でないといけません。

  • 1818 の約数:1,2,3,6,9,181,2,3,\textbf{6},9,18
  • 2424 の約数:1,2,3,4,6,8,12,241,2,3,4,\textbf{6},8,12,24

両方に出てくる、いちばん大きい数は 6。だから、

18 と 24 の最大公約数=618 \text{ と } 24 \text{ の最大公約数} = 6

1辺は 6cm です。(確かめ:18÷6=318\div6=3 個、24÷6=424\div6=4 個ならび、3×4=123\times4=12 個の正方形であまりなし ◎)

例題3:りんご12個とみかん18個を、あまりが出ないように、同じ数ずつ袋に分けます。いちばん多くて何袋に分けられますか?

あまりなく同じ数ずついちばん多く」なので、これも 最大公約数 の問題。袋の数は、12も18もぴったりわり切れないといけません。

  • 1212 の約数:1,2,3,4,6,121,2,3,4,\textbf{6},12
  • 1818 の約数:1,2,3,6,9,181,2,3,\textbf{6},9,18

いちばん大きい公約数は 6。だから、

12 と 18 の最大公約数=612 \text{ と } 18 \text{ の最大公約数} = 6

答えは 6袋 です。1袋に、りんご 12÷6=212\div6=2 個、みかん 18÷6=318\div6=3 個ずつ入ります。(確かめ:2×6=122\times6=123×6=183\times6=18 であまりなし ◎)

理解チェック②

いっしょに解こう

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セナ

公倍数と公約数、どっちを使うのかが、毎回わからなくなっちゃう…。

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

合言葉でおぼえよう。「次にそろう」なら 公倍数、「分ける」なら 公約数。バスやランプが「また同時になる」のはそろえる話、紙やあめを「同じ大きさ・同じ数に切る」のは分ける話だよ。

セナちゃんのアイコン
セナ

「いちばん小さい」と「いちばん大きい」も、ごちゃごちゃになりそう。

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

そこも型でOK。そろえる問題は「次に=いちばん小さい公倍数(最小公倍数)」、分ける問題は「できるだけ大きく=いちばん大きい公約数(最大公約数)」。型と合言葉がセットだと、もう迷わないよ。

よくある間違い

つまずきやすい3つを先回りします。

❌ バスが「次に同時に発車」を、公約数で考える → そろえる問題なのに分けてしまった。⭕ 最小公倍数6688 なら 2424)。

❌ 「次に同時にそろう」で 6×8=486\times8=48 と答える → かけ算した数も公倍数だが、いちばん小さくない。⭕ 最小公倍数 2424

❌ 「同じ数ずつ分ける」のに最小公倍数を使う → 分ける問題なのにそろえてしまった。⭕ 最大公約数12121818 なら 66 袋)。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:最小公倍数の文章題)

「次に同時にそろう」ので、最小公倍数を求めます。

  1. 駅から、電車が10分ごと、バスが15分ごとに出発します。いま同時に出発しました。次に同時に出発するのは何分後?
  2. 大きい歯車は8秒で1周、小さい歯車は12秒で1周します。いま2つの印が上でそろいました。次にそろうのは何秒後?
答えと解説を見る
  1. 10の倍数 10,20,30,10,20,\textbf{30},\dots、15の倍数 15,30,15,\textbf{30},\dots。最小公倍数は 3030分後(確かめ:30÷10=330\div10=3 本め、30÷15=230\div15=2 本めでぴったり ◎)
  2. 8の倍数 8,16,24,8,16,\textbf{24},\dots、12の倍数 12,24,12,\textbf{24},\dots。最小公倍数は 2424秒後(確かめ:24÷8=324\div8=3 周、24÷12=224\div12=2 周で同時に上 ◎)

✏️ やってみよう②(標準:最大公約数の文章題)

「あまりなく同じに・できるだけ大きく」ので、最大公約数を求めます。

  1. たて16cm、よこ20cmの紙を、あまりなく同じ大きさの正方形に分けます。いちばん大きい正方形の1辺は何cm?
  2. えんぴつ24本と消しゴム36個を、あまりなく同じ数ずつ、できるだけ多くの人に配ります。何人に配れる?
答えと解説を見る
  1. 16の約数 1,2,4,8,161,2,4,\textbf{8},16、20の約数 1,2,4,5,10,201,2,4,5,10,20。最大公約数は 41辺4cm(確かめ:16÷4=416\div4=420÷4=520\div4=5 であまりなし ◎)

    ※共通の約数は 1,2,41,2,4 で、いちばん大きいのは4です。

  2. 24の約数 1,2,3,4,6,8,12,241,2,3,4,6,8,\textbf{12},24、36の約数 1,2,3,4,6,9,12,18,361,2,3,4,6,9,\textbf{12},18,36。最大公約数は 1212人(確かめ:えんぴつ 24÷12=224\div12=2 本、消しゴム 36÷12=336\div12=3 個ずつ ◎)

✏️ やってみよう③(応用:どちらか見分けて解く)

まず「そろえる問題か、分ける問題か」を見分けてから解きましょう。

  1. 赤いライトは9秒ごと、青いライトは6秒ごとに点滅します。いま同時に点滅しました。次に同時に点滅するのは何秒後?
  2. クッキー30枚とチョコ45個を、あまりなく同じ数ずつ、できるだけ多くの箱に入れます。何箱できる?
答えと解説を見る
  1. 次に同時にそろう」→ 最小公倍数。9の倍数 9,18,27,9,\textbf{18},27,\dots、6の倍数 6,12,18,6,12,\textbf{18},\dots。最小公倍数は 1818秒後(確かめ:18÷9=218\div9=2 回、18÷6=318\div6=3 回で同時 ◎)
  2. あまりなく同じ数ずつ・できるだけ多く」→ 最大公約数。30の約数 1,2,3,5,6,10,15,301,2,3,5,6,10,\textbf{15},30、45の約数 1,3,5,9,15,451,3,5,9,\textbf{15},45。最大公約数は 1515箱(確かめ:クッキー 30÷15=230\div15=2 枚、チョコ 45÷15=345\div15=3 個ずつ ◎)

おうちの方へ

文章題でのつまずきは、計算力よりも「どちらを使うかの判断」に集中します。お子さんが迷っていたら、「これは“そろえる”問題? それとも“分ける”問題?」と一言たずねてあげてください。判断さえ正しくできれば、あとは倍数・約数を書き出すだけです。「次に・同時に → 最小公倍数」「あまりなく同じに・できるだけ大きく → 最大公約数」という言葉のサインを一緒に確認すると、安定して解けるようになります。

見分けができるようになったら、次はこの考えがそのまま生きる 分数の約分・通分 へ進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 「同時に・次にそろう・いちばん小さい」→ 最小公倍数
  • 「あまりなく同じ数ずつ分ける・できるだけ大きく・1辺最大の正方形」→ 最大公約数
  • 例:66 分ごとと 88 分ごとが次に同時 → 6688 の最小公倍数 242424分後
  • 例:たて 1818・よこ 2424 を同じ正方形で → 最大公約数 661辺6cm
  • 迷ったら「そろえる」か「分ける」かを問い直す。
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