倍数・約数の文章題(公倍数か公約数か)
文章題で「最小公倍数を使う場面」と「最大公約数を使う場面」を見分けるコツを、図でやさしく解説。同時にそろう問題と、同じ大きさに分ける問題を、迷わず正しく解けるようになります。
◎このページのゴール
文章題で「最小公倍数を使う場面」と「最大公約数を使う場面」を見分け、正しく解けるようになる。
倍数・約数の文章題で、いちばん多いつまずきは「公倍数を使うのか、公約数を使うのか」がわからないこと。じつは、問題の言葉を見るだけで見分けられます。「同時にそろう」なら最小公倍数、「同じ数ずつ分ける」なら最大公約数。この2つの型をおぼえれば、ほとんどの文章題はどちらかに当てはまります。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
まず見分ける(2つの型)
文章題は、つぎの2つの型のどちらかです。問題の中の言葉に注目しましょう。
→やり方
- 「同時に・次にそろう・いちばん小さい数」と書いてあったら → 最小公倍数。
- 「あまりなく同じ数ずつ分ける・できるだけ大きく・1辺最大の正方形」と書いてあったら → 最大公約数。
- 迷ったら「そろえる問題か、分ける問題か」を自分に問い直す。
ざっくり言うと、数をふやして重なる点をさがすのが公倍数、もとの数をわって分けるのが公約数です。次の図で、そのちがいを目で見てみましょう。
「次に同時にそろう」は最小公倍数
例題1:あるバス停では、A行きが6分ごと、B行きが8分ごとに発車します。いま同時に発車しました。次に同時に発車するのは何分後?
「次に同時にそろう」なので、これは 最小公倍数 の問題です。
- の倍数:
- の倍数:
両方に出てくる、いちばん小さい数は 24。だから、
答えは 24分後 です。(確かめ: でAは4本め、 でBは3本め。ちょうど両方が発車する ◎)
✓理解チェック①
「同じ大きさに分ける」は最大公約数
こんどは、分ける 問題です。
例題2:たて18cm、よこ24cmの長方形の紙を、あまりが出ないように同じ大きさの正方形に切り分けます。いちばん大きい正方形の1辺は何cmですか?
「あまりなく・同じ大きさ・いちばん大きい正方形」とあるので、これは 最大公約数 の問題です。1辺の長さは、たて18もよこ24も、ぴったりわり切れる数でないといけません。
- の約数:
- の約数:
両方に出てくる、いちばん大きい数は 6。だから、
1辺は 6cm です。(確かめ: 個、 個ならび、 個の正方形であまりなし ◎)
例題3:りんご12個とみかん18個を、あまりが出ないように、同じ数ずつ袋に分けます。いちばん多くて何袋に分けられますか?
「あまりなく・同じ数ずつ・いちばん多く」なので、これも 最大公約数 の問題。袋の数は、12も18もぴったりわり切れないといけません。
- の約数:
- の約数:
いちばん大きい公約数は 6。だから、
答えは 6袋 です。1袋に、りんご 個、みかん 個ずつ入ります。(確かめ:、 であまりなし ◎)
✓理解チェック②
いっしょに解こう
公倍数と公約数、どっちを使うのかが、毎回わからなくなっちゃう…。
合言葉でおぼえよう。「次にそろう」なら 公倍数、「分ける」なら 公約数。バスやランプが「また同時になる」のはそろえる話、紙やあめを「同じ大きさ・同じ数に切る」のは分ける話だよ。
「いちばん小さい」と「いちばん大きい」も、ごちゃごちゃになりそう。
そこも型でOK。そろえる問題は「次に=いちばん小さい公倍数(最小公倍数)」、分ける問題は「できるだけ大きく=いちばん大きい公約数(最大公約数)」。型と合言葉がセットだと、もう迷わないよ。
✕よくある間違い
つまずきやすい3つを先回りします。
❌ バスが「次に同時に発車」を、公約数で考える → そろえる問題なのに分けてしまった。⭕ 最小公倍数( と なら )。
❌ 「次に同時にそろう」で と答える → かけ算した数も公倍数だが、いちばん小さくない。⭕ 最小公倍数 。
❌ 「同じ数ずつ分ける」のに最小公倍数を使う → 分ける問題なのにそろえてしまった。⭕ 最大公約数( と なら 袋)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:最小公倍数の文章題)
「次に同時にそろう」ので、最小公倍数を求めます。
- 駅から、電車が10分ごと、バスが15分ごとに出発します。いま同時に出発しました。次に同時に出発するのは何分後?
- 大きい歯車は8秒で1周、小さい歯車は12秒で1周します。いま2つの印が上でそろいました。次にそろうのは何秒後?
答えと解説を見る
- 10の倍数 、15の倍数 。最小公倍数は 30 → 30分後(確かめ: 本め、 本めでぴったり ◎)
- 8の倍数 、12の倍数 。最小公倍数は 24 → 24秒後(確かめ: 周、 周で同時に上 ◎)
✏️ やってみよう②(標準:最大公約数の文章題)
「あまりなく同じに・できるだけ大きく」ので、最大公約数を求めます。
- たて16cm、よこ20cmの紙を、あまりなく同じ大きさの正方形に分けます。いちばん大きい正方形の1辺は何cm?
- えんぴつ24本と消しゴム36個を、あまりなく同じ数ずつ、できるだけ多くの人に配ります。何人に配れる?
答えと解説を見る
-
16の約数 、20の約数 。最大公約数は 4 → 1辺4cm(確かめ:、 であまりなし ◎)
※共通の約数は で、いちばん大きいのは4です。
-
24の約数 、36の約数 。最大公約数は 12 → 12人(確かめ:えんぴつ 本、消しゴム 個ずつ ◎)
✏️ やってみよう③(応用:どちらか見分けて解く)
まず「そろえる問題か、分ける問題か」を見分けてから解きましょう。
- 赤いライトは9秒ごと、青いライトは6秒ごとに点滅します。いま同時に点滅しました。次に同時に点滅するのは何秒後?
- クッキー30枚とチョコ45個を、あまりなく同じ数ずつ、できるだけ多くの箱に入れます。何箱できる?
答えと解説を見る
- 「次に同時にそろう」→ 最小公倍数。9の倍数 、6の倍数 。最小公倍数は 18 → 18秒後(確かめ: 回、 回で同時 ◎)
- 「あまりなく同じ数ずつ・できるだけ多く」→ 最大公約数。30の約数 、45の約数 。最大公約数は 15 → 15箱(確かめ:クッキー 枚、チョコ 個ずつ ◎)
家おうちの方へ
文章題でのつまずきは、計算力よりも「どちらを使うかの判断」に集中します。お子さんが迷っていたら、「これは“そろえる”問題? それとも“分ける”問題?」と一言たずねてあげてください。判断さえ正しくできれば、あとは倍数・約数を書き出すだけです。「次に・同時に → 最小公倍数」「あまりなく同じに・できるだけ大きく → 最大公約数」という言葉のサインを一緒に確認すると、安定して解けるようになります。
見分けができるようになったら、次はこの考えがそのまま生きる 分数の約分・通分 へ進みましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 「同時に・次にそろう・いちばん小さい」→ 最小公倍数。
- 「あまりなく同じ数ずつ分ける・できるだけ大きく・1辺最大の正方形」→ 最大公約数。
- 例: 分ごとと 分ごとが次に同時 → と の最小公倍数 → 24分後。
- 例:たて ・よこ を同じ正方形で → 最大公約数 → 1辺6cm。
- 迷ったら「そろえる」か「分ける」かを問い直す。