積の大きさ(1より小さい数をかけると小さくなる)

小数のかけ算で「答え(積)がもとより大きくなる?小さくなる?」を、帯と数直線でわかりやすく。1より大きい数をかけるとふえる、1より小さい数をかけるとへる理由と、交換・分配などの計算のきまりを使った暗算の工夫まで。

このページのゴール

「1より大きい数をかけると積はもとより大きく、1より小さい数をかけると小さくなる」ことを理解し、計算のきまり(交換・結合・分配)を小数でも使って工夫して計算できるようになる。

「かけ算をすると、答えはいつも大きくなる」——そう思っていませんか? じつは小数のかけ算では、答えがもとより小さくなることがあります。6×0.8=4.86\times0.8=4.8 のように。計算する前に「答えはもとより大きい?小さい?」を見ぬければ、けたのまちがいにも気づけます。あわせて、小数でも使える計算をラクにするきまりも身につけましょう。

答えはもとより大きい?小さい?

かけ算の答え()が、もとの数より大きくなるか小さくなるかは、かける数が1より大きいか小さいかで決まります。

やり方

  1. かける数が1より大きい1.21.233 など)→ 答えはもとより大きくなる
  2. かける数が1より小さい0.80.80.50.5 など)→ 答えはもとより小さくなる
  3. かける数が1ちょうど → 答えはもとのまま。

66 にいろいろな数をかけて、答えをくらべてみましょう。

6×1.2=7.2(>6)6\times1.2=7.2\quad(>6)

6×1=66\times1=6

6×0.8=4.8(<6)6\times0.8=4.8\quad(<6)

1.21.2(1より大きい)をかけたら 7.27.2 にふえ、0.80.8(1より小さい)をかけたら 4.84.8 にへりました。

なぜそうなるの?(帯でのびちぢみを見る)

「かける」は、もとの数を何倍にのばすか・どれだけにちぢめるかということ。もとの 66 の帯を、かける数だけのびちぢみさせて考えます。

もとの数6× 1.2(1より大きい)7.2のびる× 0.8(1より小さい)4.8ちぢむ

×1.2\times1.2 は「もとの 66 に、さらに 0.20.2 ぶん(66 の2わり)をたす」イメージ。だから右にのびて 7.27.2×0.8\times0.8 は「660.80.8 ぶん(8わり)だけ」なので、もとより短くちぢんで 4.84.8 になります。×1\times1 より大きいか小さいかが、のびる・ちぢむの分かれ目なのです。

理解チェック①

計算する前に「大きさの見当」をつける

このきまりは、答えのけたまちがいを防ぐのにとても役立ちます。計算する前に「答えはもとより大きい?小さい?」を予想しておくのです。

数直線で見ると、×1\times1 を境にして、答えがどちら側にくるかがひと目でわかります。

4.8×0.86(もと)×17.2×1.2小さい数をかけると左へ大きい数をかけると右へ

たとえば 6×0.86\times0.8 の答えを 4848 と書いてしまったら、「0.80.8(1より小さい)をかけたのに、もとの 66 より大きいのはおかしい」と気づけます。正しくは 4.84.8大きさの見当は、まちがい発見センサーです。

計算のきまりは、小数でも使える

整数で習った計算のきまりは、小数でもそのまま使えます。順番を変えたり、分けたりして、計算をぐっとラクにできます。

コツ

  • 交換のきまり:かける順番を変えても答えは同じ。0.5×8=8×0.50.5\times8=8\times0.5
  • 結合のきまり:3つ以上のかけ算は、どこから計算してもよい。0.2×7×5=0.2×(7×5)0.2\times7\times5=0.2\times(7\times5) でも (0.2×5)×7(0.2\times5)\times7 でもOK
  • 分配のきまり1.5×4=(1+0.5)×4=4+2=61.5\times4=(1+0.5)\times4=4+2=6 のように分けて計算できる

たとえば 0.5×80.5\times8 は、8×0.58\times0.5 と見れば「88 の半分で 44」とすぐわかります。×0.5\times0.5 は「半分にする」ことだからです。

0.5 × 88 × 0.5順番を入れかえる(答えは同じ)8の半分 = 4

相性のよい組み合わせで暗算する

ぴったりした数(111010100100 など)になる組み合わせをおぼえておくと、暗算がぐっとラクになります。

  • 4×2.5=104\times2.5=10442.52.5 は相性ばつぐん(2.52.5 が4つで 1010
  • 0.25×4=10.25\times4=10.250.25 が4つで 11
  • 0.8×100=800.8\times100=80×100\times100 は小数点を右に2つ動かすだけ

これらを利用すると、長いかけ算もスッキリ計算できます。たとえば 2.5×4×32.5\times4\times3 は、

2.5×4×3=(2.5×4)×3=10×3=302.5\times4\times3=(2.5\times4)\times3=10\times3=30

先に相性のよい 2.5×4=102.5\times4=10 を計算すれば、あとは 10×3=3010\times3=30 で暗算できます。

セナちゃんのアイコン
セナ

0.2×7×50.2\times7\times5 って、左からじゅんに計算すると 0.2×7=1.40.2\times7=1.4、それから 1.4×51.4\times5…ちょっとめんどう。

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ホクト先生

順番を変えていいんだよ。0.20.255 は相性がいいよね。0.2×5=10.2\times5=1 を先に計算すると、残りは 1×7=71\times7=7。一気にラクになるでしょ?

セナちゃんのアイコン
セナ

ほんとだ! かける順番を入れかえても答えは同じだから、計算しやすい組み合わせから先にやればいいんだね。

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

そのとおり。111010 になる組み合わせを見つけるのがコツ。4×2.54\times2.50.25×40.25\times40.5×20.5\times2 は覚えておくと便利だよ。

理解チェック②

よくある間違い

つまずきやすい2つを先回りします。

6×0.86\times0.8 は、かけ算だから6より大きくなるはず → ⭕ かける数が1より小さい(0.80.8)ので、6より小さい 4.84.8。かけ算でも、1より小さい数をかければへります。

5×1.25\times1.2 は、小数をかけたから5より小さくなる → ⭕ かける数が1より大きい(1.21.2)ので、5より大きい 66。「小数=小さくなる」ではなく、見るのは“1より大きいか小さいか”。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:積の大小を見分ける)

計算しなくても、かける数が1より大きいか小さいかで答えられます。「大きくなる・小さくなる・同じ」で答えましょう。

  1. 7×1.37\times1.3 は、7より?
  2. 9×0.69\times0.6 は、9より?
  3. 20×120\times1 は、20より?
答えと解説を見る
  1. 大きくなる1.31.3 は1より大きい)。確かめ:7×1.3=9.1>77\times1.3=9.1>7
  2. 小さくなる0.60.6 は1より小さい)。確かめ:9×0.6=5.4<99\times0.6=5.4<9
  3. 同じ×1\times1 はもとのまま)。確かめ:20×1=2020\times1=20

✏️ やってみよう②(標準:計算のきまりで工夫する)

順番を変えたり、相性のよい組み合わせを先に計算したりして、ラクに求めましょう。

  1. 0.25×40.25\times4
  2. 1.5×61.5\times6
  3. 0.2×7×50.2\times7\times5
答えと解説を見る
  1. 0.250.25 が4つで 110.25×4=0.25\times4=1(確かめ:25×4=10025\times4=100、けた数 221.00=11.00=1 ◎)
  2. (1+0.5)×6=6+3=9(1+0.5)\times6=6+3=91.5×6=1.5\times6=9(確かめ:15×6=9015\times6=90、けた数 119.0=99.0=9 ◎)
  3. 0.2×5=10.2\times5=1 を先に。1×7=1\times7=7(確かめ:0.2×7=1.40.2\times7=1.41.4×5=71.4\times5=7 ◎)

✏️ やってみよう③(応用:大小+計算の総合)

①大小を見分けてから、②くふうして計算しましょう。

  1. 6×0.96\times0.9 は6より大きい? 小さい? また、答えはいくつ?
  2. くふうして 0.5×7×40.5\times7\times4 を計算しましょう。
答えと解説を見る
  1. かける数 0.90.9 は1より小さいので、答えは6より小さい6×0.9=6\times0.9=5.4(確かめ:6×9=546\times9=54、けた数 115.45.4。たしかに 5.4<65.4<6 ◎)
  2. 0.50.544 の相性がよい。0.5×4=20.5\times4=2 を先に → 2×7=2\times7=14(確かめ:0.5×7=3.50.5\times7=3.53.5×4=143.5\times4=14 ◎)

おうちの方へ

つまずきの多くは「かけ算=必ず大きくなる」という思い込みです。見るべきは“かける数が1より大きいか小さいか”の一点。×0.8\times0.8 なら小さく、×1.2\times1.2 なら大きく、と図でイメージできると、けたのまちがいに自分で気づけるようになります。さらに「答えはだいたいいくつ?」と先に見当をつけさせると、6×0.86\times0.84848 としてしまうような桁ちがいを防げます。計算のきまり(順番を変える・相性のよい組み合わせを先に)は、暗算力と確かめ算の両方を育てます。

小数のかけ算は、これで一通り完成です。次は反対の計算、小数のわり算へ進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • ×(1より大きい数)で、答え(積)はもとより大きくなる(6×1.2=7.26\times1.2=7.2)。
  • ×(1より小さい数)で、答えはもとより小さくなる(6×0.8=4.86\times0.8=4.8)。
  • ×1なら、もとのまま(6×1=66\times1=6)。
  • かける順番は変えてもよい(交換)。0.5×8=8×0.50.5\times8=8\times0.5
  • 相性のよい組み合わせ(4×2.5=104\times2.5=10 など)や分配で、小数でもかんたんに暗算できる。

よくある質問

かけ算の答え(積)は、いつももとの数より大きくなりますか?

いいえ、かける数が1より大きいか小さいかで決まります。1より大きい数をかけると答えはもとより大きくなり(6×1.2=7.2)、1より小さい数をかけると小さくなります(6×0.8=4.8)。ちょうど×1なら、もとのまま変わりません。

なぜ1より小さい数をかけると、答えが小さくなるの?

「かける」は、もとの数を何倍にのばすか・どれだけにちぢめるかを表すからです。×0.8は「もとの6の0.8ぶん(8わり)だけ」という意味なので、もとより短くちぢんで4.8になります。×1より大きいか小さいかが、のびる・ちぢむの分かれ目です。

積の大きさのきまりは、何の役に立つの?

計算する前に「答えはもとより大きい?小さい?」と見当をつけると、けたのまちがいに気づけます。たとえば6×0.8の答えを48と書いたら、「1より小さい数をかけたのにもとより大きいのはおかしい」と気づけて、正しい4.8に直せます。

小数のかけ算をラクにする工夫はありますか?

整数で習った計算のきまり(交換・結合・分配)は、小数でもそのまま使えます。かける順番は変えてよいので、4×2.5=10や0.25×4=1のような相性のよい組み合わせを先に計算すると暗算がラクです。たとえば2.5×4×3は、先に2.5×4=10として、10×3=30と求められます。

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