なぜ小数点はそこ?(10倍・100倍でもどす)

小数のかけ算で、なぜ小数点以下のけた数を合計した位置に小数点をうつのかを、「10倍して整数にして計算し、あとでわってもどす」考え方と面積図でわかりやすく解説します。

このページのゴール

小数のかけ算で小数点の位置がけた数の合計になる理由を、「10倍して整数にして計算し、あとで÷でもどす」考え方と面積図で理解する。

2.3×1.4=3.222.3\times1.4=3.22。やり方では「小数点以下のけた数をたした分だけ小数点をうつ」と習いました。でも、どうしてそこに小数点をうつの? 答えは、2.32.31.41.410倍して整数にしてから計算して、あとでもとにもどしているから。理由がわかると、もう小数点の場所で迷いません。

考え方A:10倍して整数にして、あとでもどす

小数のままだとかけ算しづらいので、まず整数になおして計算します。2.32.3 を10倍すると 23231.41.4 を10倍すると 1414。これで整数のかけ算 23×1423\times14 ができます。

やり方

  1. 2.3を10倍、1.4を10倍して、整数 23231414 にする。
  2. 整数のかけ算をする。23×14=32223\times14=322
  3. 10倍を2回したので、答えは100倍になっている。最後に**÷100**でもとにもどす → 322÷100=3.22322\div100=3.22

ポイントは、10倍を2回したから、答えは 10×10=10010\times10=100 倍にふくらんでいること。だから最後に ÷100\div100 してもどします。100100 でわると小数点が左に2つ動くので、答えは小数第二位まで、つまり小数点以下が2けたになります。

2.3×1.4×10×1023×14322÷100 でもどす3.2210倍を2回 = 100倍ふくらんだ → 最後に ÷100100でわる = 小数点が左に2つ → 小数点以下2けた

式でたしかめる

分数で書くと、もっとはっきりします。2.3=23102.3=\dfrac{23}{10}1.4=14101.4=\dfrac{14}{10} なので、

2.3×1.4=2310×1410=322100=3.222.3\times1.4=\dfrac{23}{10}\times\dfrac{14}{10}=\dfrac{322}{100}=3.22

分母が 10×10=10010\times10=100 になるから、÷100\div100、つまり小数第二位まで。「両方のけた数をたす」のは、10倍した回数をたしているのと同じなのです。

考え方B:面積の図で見る

たて 2.32.3・よこ 1.41.4 の長方形の面積を考えます。11 マスを 0.1×0.1=0.010.1\times0.1=0.01 にすると、たては 0.10.12323 こ分、よこは 0.10.11414 こ分。だから小さなマスは全部で 23×14=32223\times14=322 個あります。

よこ 1.4(0.1が14こ)たて 2.3(0.1が23こ)0.01のマス × 322こ = 3.221マス0.1×0.1=0.01

11 マスは 0.010.01。それが 322322 個だから、面積は 0.01×322=3.220.01\times322=3.22cm2\text{cm}^2 でいえば 3.22cm23.22\,\text{cm}^2 です。考え方Aとぴったり同じ答えになりました。図で見ると「小さいマスが 0.010.01 だから、答えも小数第二位になる」のがよくわかります。

×10で右に1つ、÷10で左に1つ

ここまでの土台が「×10\times10÷10\div10 で小数点が動く」しくみです。

コツ

  • ×10\times10 すると、小数点は右に1つ動く(2.3232.3\to23)。
  • ÷10\div10 すると、小数点は左に1つ動く(232.323\to2.3)。
  • ×100\times100 は右に2つ、÷100\div100 は左に2つ。

だから「10倍を2回して整数にし、÷100\div100 でもどす」は、小数点を右に2つ動かして計算 → 最後に左に2つもどす、ということ。動かした分を必ずもどすのがコツです。

いっしょに解こう

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セナ

10倍して計算するのはわかったけど、最後に「÷10」だけしちゃダメなの?

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ホクト先生

そこが大事なところ! 2.32.31.41.4両方10倍したよね。10倍が2回だから、答えは 10×10=10010\times10=100 倍にふくらんでる。だから ÷10\div10 じゃ足りなくて、÷100\div100 でもどすんだ。

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セナ

なるほど。0.4×0.70.4\times0.7 もやってみる! 4×7=284\times7=28、両方10倍したから ÷100\div100 で…

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ホクト先生

そう、28÷100=0.2828\div100=0.280.4×0.7=0.280.4\times0.7=0.28 で正解だよ。11 より小さい数どうしをかけたから、答えも小さくなったね。

理解チェック①

理解チェック②

よくある間違い

理由を考えるときに、つまずきやすい2つを先回りします。

❌ 両方10倍したのに、最後に ÷10\div10 だけでもどす → 322÷10=32.2322\div10=32.2 になってしまう。⭕ 10倍が2回 = 100倍だから ÷100\div100322÷100=3.22322\div100=3.22

❌ 面積図で「マスの数」をそのまま答えにする → マスは 322322 個だけど、11 マスは 11 ではなく 0.010.010.01×322=3.220.01\times322=3.22。マスの大きさを取りちがえない。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:10倍でもどす考えで説明する)

「10倍して整数にする → 計算 → 何倍ふくらんだ分でわる」の流れで説明しましょう。

  1. 2.3×1.42.3\times1.4 を、10倍でもどす考えで求めてね。
答えと解説を見る
  1. 2.32.3 を10倍で 23231.41.4 を10倍で 141423×14=32223\times14=322。10倍を2回したので 100100 倍ふくらんでいる → 322÷100=322\div100= 3.223.22
    (確かめ:3.22÷1.4=2.33.22\div1.4=2.3 ◎。小数点以下は2けた)

✏️ やってみよう②(標準:面積図から積を読む)

たて 1.21.2・よこ 1.31.3 の長方形を、0.1×0.1=0.010.1\times0.1=0.01 のマスに分けます。

  1. 小さいマスは全部で何個?
  2. 面積(=積)はいくつ?
答えと解説を見る
  1. たては 0.10.11212 こ、よこは 0.10.11313 こ。マスは 12×13=12\times13= 156156
  2. 11 マスは 0.010.01 なので、0.01×156=0.01\times156= 1.561.56。つまり 1.2×1.3=1.561.2\times1.3=1.56
    (確かめ:12×13=15612\times13=156÷100=1.56\div100=1.561.56÷1.3=1.21.56\div1.3=1.2 ◎)

✏️ やってみよう③(応用:なぜ2けたかを言葉で)

  1. 2.3×1.42.3\times1.4 の答えが、なぜ「小数点以下2けた」になるのかを、言葉で説明しましょう。
答えと解説を見る
  1. (例)2.32.31.41.4 をそれぞれ10倍して整数にして計算した。10倍を2回したので、答えは 100100 倍にふくらんでいる。だから最後に ÷100\div100 でもどす。100100 でわると小数点が左に2つ動くので、答えは小数点以下が2けたになる。
    (分数でいうと 2310×1410=322100\dfrac{23}{10}\times\dfrac{14}{10}=\dfrac{322}{100}。分母が 100100 = 小数第二位。確かめ:2.3×1.4=3.222.3\times1.4=3.22 ◎)

おうちの方へ

「小数点以下のけた数をたす」というルールは、丸暗記でも答えは出せます。でも「両方を10倍したから100倍ふくらんでいる → だから÷100」と理由で理解しておくと、けた数が増えても、わり算でも応用がききます。答えが出たら「だいたいいくつになるはず?」と見積もってから確かめる習慣をつけると、けたのまちがいに自分で気づけるようになります。

理由がわかったら、次は小数のかけ算を実際の場面で使う文章題に進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 小数を10倍すると整数になる。2.3×10=232.3\times10=231.4×10=141.4\times10=14
  • 両方を10倍したので、答えは100倍になっている。だから最後に÷100でもどす。
  • 23×14=32223\times14=322÷100\div100 して 3.223.22。だから小数点以下は2けた。
  • 面積図で見ると、0.1×0.1=0.010.1\times0.1=0.01 のマスが 322322 個 → 3.223.22
  • ×10\times10 で小数点は右に1つ、÷10\div10 で左に1つ動く。

よくある質問

小数のかけ算で、なぜ小数点以下のけた数をたした位置に小数点をうつの?

両方の数を10倍して整数にしてから計算し、最後にその分をわり算でもとにもどしているからです。たとえば 2.3×1.4 は、両方を10倍して 23×14=322 と計算します。10倍を2回したので答えは100倍にふくらんでおり、最後に÷100すると小数点が左に2つ動いて 3.22。だから小数点以下は 1けた+1けた=2けた になります。

2.3×1.4 で、最後に÷10ではなく÷100でもどすのはなぜ?

2.3と1.4の両方を10倍したからです。10倍が2回なので、答えは 10×10=100倍 にふくらんでいます。だから÷10では足りず、÷100でもどします。322÷100=3.22 が正しい答えです。

面積の図で考えると、どうして 2.3×1.4=3.22 になるの?

たて2.3・よこ1.4の長方形を、1辺0.1のマス(1マス=0.1×0.1=0.01)に分けて数えます。たては0.1が23こ分、よこは0.1が14こ分なので、マスは全部で 23×14=322個。1マスは0.01だから、面積は 0.01×322=3.22 になります。

「小数点以下のけた数をたす」は丸暗記でもいいの?

答えを出すだけなら丸暗記でも計算できますが、理由とセットで理解するのがおすすめです。「両方を10倍したから100倍ふくらむ、だから÷100でもどす」とわかっていれば、けた数が増えても応用がききます。答えが出たら「だいたいいくつになるはず?」と見積もる習慣をつけると、けたのまちがいに自分で気づけるようになります。

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