文字式の表し方(×と÷を省くルール)
中1「文字と式」の出発点。かけ算の×を省く・数を文字の前に書く・わり算は分数で書く——文字式の書き方のルールを、図と具体例でやさしく解説します。
◎このページのゴール
文字式の表し方のルール(×を省く・数を文字の前・÷は分数の形 など)を使って、式を正しく書けるようになる。
「1個 円のあめを3個買うといくら?」——答えは 円ですが、中学では を省いて 円と書きます。文字を使うと、まだわからない数も、いろいろ変わる数も、たった1つの式で表せます。ここでは、その書き方のルールを覚えましょう。むずかしい計算はまだ出てきません。「書き方のお約束」だけです。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
なぜ文字を使うの?
文字を使うと、まだわからない数や、場面によって変わる数を、1つの式でまとめて表せます。
たとえば「1個 円のあめを3個」。1個 円でも 円でも、ねだんが変わっても、代金はいつでも 円。 に入れる数を変えるだけで、どんな場合にも対応できます。これが文字のべんりさです。
✓コツ
「わからない数を とおく」「変わる数を とおく」。文字は“数のかわりに置く箱”だと思えばOK。中身(数)は、あとから自由に入れられます。
かけ算の表し方(×を省く)
文字式では、かけ算の記号 を省いて書きます。やり方は次のとおりです。
→やり方
- かけ算の は書かない( → )
- 数は文字の前に書く( → 、 は正しいが は×)
- は 、 は (1は書かない)
- 文字どうしはアルファベット順に、同じ文字の積は累乗で( → 、 → )
なぜ「数が前・1は省く」の?
数を前に書くのは、 なのか (さんじゅう…?)なのか、読みまちがえないため。世界共通で「数が先、文字があと」と決めています。
そして は、あめ1個ぶんと同じで そのもの。だから前の は書きません。図で見てみましょう。
わり算の表し方(分数の形)
わり算 は、分数の形で書きます。 わられる数が上、わる数が下です。
たとえば は、 を3でわるので 。 は です。
✓コツ
は でも でも同じ意味(どちらも正解)。まずは の形をしっかり書けるようにしましょう。
同じ文字の積・かっこのついた式
同じ文字をかけたら、累乗を使って短く書きます。 は (「 の2乗」)、 は です。
文字どうしの積はアルファベット順にそろえます。 は 、 は と書きます。
かっこのついた式の前の数も、かけ算なら を省きます。たとえば「縦 、横 の長方形のまわりの長さ」は なので、 と書きます。
iメモ
長方形のまわりは「縦+横+縦+横」。縦+横が2組ぶんなので です。 の前の は省けません( の はかけ算なので省く、という区別に注意)。
いっしょに解こう
って、そのまま じゃダメなの?
順番をそろえて、同じ文字はまとめるのがルールなんだ。 が2つ、 が1つだから、アルファベット順に → と書くよ。 は意味は同じでも、テストでは×になりやすいから気をつけて。
は じゃなくて…?
わり算は分数だよ。。 を省くのはかけ算だけ。 は「省く」んじゃなくて「分数にする」と覚えよう。
✓理解チェック①
✓理解チェック②
✕よくある間違い
文字式の書き方で、とくに多いまちがいです。
❌ を のまま(×を消し忘れ)
⭕ (かけ算の ×は省く)
❌ を と書く
⭕ (前の 1は書かない)
❌ を と書く
⭕ (数は文字の前に書く)
❌ を のままにする
⭕ (1でわっても変わらない)
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:×・÷を省く)
ルールにしたがって、できるだけ簡単に書きましょう。
答えと解説を見る
- (確かめ:×を省き、数は前。 ◎)
- (確かめ:わり算は分数。わられる数 が上、わる数 が下 ◎)
- (確かめ: の は書かない。 ◎)
✏️ やってみよう②(標準:累乗・複数の文字・かっこ)
同じ文字は累乗、文字どうしはアルファベット順にそろえましょう。
答えと解説を見る
- (確かめ:アルファベット順にそろえる。 ◎)
- (確かめ: を3回かけるので「 の3乗」 ◎)
- (確かめ:かっこの前の数はかけ算なので を省き、数を前に。 ◎)
✏️ やってみよう③(応用:身近な数量を式で表す)
場面を読んで、代金や長さを文字式で表しましょう。
- 1本 円のジュースを5本買ったときの代金は?
- 円持っていて、 円の本を1冊買ったときの残りのお金は?
- 円を3人で同じ金額ずつ分けたとき、1人ぶんはいくら?
答えと解説を見る
- 円(確かめ:。×を省き、数は前 ◎)
- 円(確かめ:ひき算には省くルールはない。そのまま ◎)
- 円(確かめ:3人で等分はわり算。 ◎)
家おうちの方へ
最初のつまずきは「ルールがたくさんあって混乱する」ことです。本質は2つだけ——「かけ算の は省く(数は前・1は書かない・同じ文字は累乗)」「わり算 は分数にする」。 や のような書き方は、意味が同じでもテストでは不正解になりやすいので、書いた式を声に出して読み直す習慣をつけると定着します。計算そのものはまだ出てこないので、ここは「お約束を覚えるだけ」と安心して取り組ませてください。
書き方のルールがわかったら、次は式のしくみ——項と係数・一次式を見ていきましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- かけ算の×は省く( は )。
- 数は文字の前に書く( も )。
- は 、 は (1は書かない)。
- わり算は分数の形で書く( は )。
- 同じ文字の積は累乗( は )。
よくある質問
文字式の表し方のルールは何ですか?
かけ算の×は省く、数は文字の前に書く、1×aの1は書かない、わり算は分数の形で書く、の4つが基本です。たとえば 3×a は 3a、a÷3 は 3分のa(a/3)、a×a は累乗を使って aの2乗(a²)と書きます。
なぜ数学では、わざわざ文字を使うの?
まだわからない数や、場面によって変わる数を、1つの式でまとめて表せるからです。たとえば1個x円のあめを3個買う代金は、ねだんが100円でも120円でも、いつでも 3x 円と書けます。文字は「数のかわりに置く箱」で、中身の数はあとから自由に入れられます。
文字式でわり算(÷)はどう書きますか?
分数の形で書きます。わられる数が上、わる数が下で、a÷3 は 3分のa(a/3)です。×を省くのはかけ算だけなので、÷は「省く」のではなく「分数にする」と覚えましょう。x5 のように書くのは間違いです。
a×b×a は、そのまま aba と書いてもいいの?
書きません。同じ文字の積は累乗にまとめ、文字はアルファベット順にそろえるルールがあります。aが2つ、bが1つなので、aの2乗×b(a²b)と書きます。aba は意味は同じでも、テストでは不正解になりやすい書き方です。