文字式の表し方(×と÷を省くルール)

中1「文字と式」の入り口となる、文字式の表し方のルールをやさしく解説。かけ算の×を省いて数を前に書く、1×aの1は省く、わり算は分数の形にする、同じ文字の積は累乗にしてアルファベット順にそろえる、という決まりを図と具体例で確認し、正しく書けるようになります。

先に答え

文字式の表し方のルールは次の4つです。

  1. かけ算の×は省いて数を文字の前に書く(3×a3\times a も a×3a\times3 も 3a3a)
  2. 1×a1\times a は aa、(−1)×a(-1)\times a は −a-a(1は書かない)
  3. わり算は分数の形(a÷3a\div3 は a3\dfrac{a}{3})
  4. 同じ文字の積は累乗にしてアルファベット順(a×aa\times a は a2a^2、b×ab\times a は abab)

×を省けるのはかけ算だけで、÷は省くのではなく分数にします(a3a3 や abaaba と書くのは誤り)。

◎このページのゴール

文字式の表し方のルール(×を省く・数を文字の前・÷は分数の形 など)を使って、式を正しく書けるようになる。

「1個 xx 円のあめを3個買うといくら?」——答えは 3×x3\times x 円ですが、中学では ×\times を省いて 3x3x 円と書きます。文字を使うと、まだわからない数も、いろいろ変わる数も、たった1つの式で表せます。ここでは、その書き方のルールを覚えましょう。むずかしい計算はまだ出てきません。「書き方のお約束」だけです。

なぜ文字を使うの?

文字を使うと、まだわからない数や、場面によって変わる数を、1つの式でまとめて表せます。

たとえば「1個 xx 円のあめを3個」。1個 100100 円でも 120120 円でも、ねだんが変わっても、代金はいつでも 3×x3\times x 円。xx に入れる数を変えるだけで、どんな場合にも対応できます。これが文字のべんりさです。

✓コツ

「わからない数を xx とおく」「変わる数を aa とおく」。文字は“数のかわりに置く箱”だと思えばOK。中身(数)は、あとから自由に入れられます。

✓理解チェック1

1個 xx 円のあめを3個買います。xx が100でも120でも、代金はいつでもどう表せる?
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答え:3×x3\times x 円

代金=1個のねだん×個数なので 3×x3\times x 円(中学では 3x3x 円と書きます)。xx に入れる数を変えるだけで、どんなねだんにも対応できるのが文字のべんりさです。

かけ算の表し方(×を省く)

文字式では、かけ算の記号 ×\times を省いて書きます。やり方は次のとおりです。

→やり方

  1. かけ算の ×\times は書かない(3×a3\times a → 3a3a)
  2. 数は文字の前に書く(a×3a\times3 → 3a3a、3a3a は正しいが a3a3 は×)
  3. 1×a1\times a は aa、(−1)×a(-1)\times a は −a-a(1は書かない)
  4. 文字どうしはアルファベット順に、同じ文字の積は累乗で(b×ab\times a → abab、a×aa\times a → a2a^2)

なぜ「数が前・1は省く」の?

数を前に書くのは、3a3a なのか a3a3(さんじゅう…?)なのか、読みまちがえないため。世界共通で「数が先、文字があと」と決めています。

そして 1×a1\times a は、あめ1個ぶんと同じで aa そのもの。だから前の 11 は書きません。図で見てみましょう。

RULEかけ算を、文字式の形へ消える部分に注目しよう数は前× は省く1 は書かない

✓理解チェック2

a×3a\times3 を、文字式の表し方のルールにしたがって書くと?
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答え:3a3a

かけ算の ×\times は省き、数は文字の前に書くので 3a3a。a3a3 は読みまちがいのもとになるので使いません。

✓理解チェック3

(−1)×a(-1)\times a を、ルールにしたがって書くと?
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答え:−a-a

11 は書かないルールなので、(−1)×a(-1)\times a は −1a-1a ではなく −a-a。符号のマイナスだけを残します。

わり算の表し方(分数の形)

わり算 ÷\div は、分数の形で書きます。 わられる数が上、わる数が下です。

たとえば a÷3a\div3 は、aa を3でわるので a3\dfrac{a}{3}。x÷yx\div y は xy\dfrac{x}{y} です。

a÷3→a3上:わられる数下:わる数÷ は分数の形にする

✓コツ

a÷3a\div3 は a3\dfrac{a}{3} でも 13a\dfrac{1}{3}a でも同じ意味(どちらも正解)。まずは a3\dfrac{a}{3} の形をしっかり書けるようにしましょう。

✓理解チェック4

8÷x8\div x を、ルールにしたがって書くと?
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答え:8x\dfrac{8}{x}

わり算は分数の形。わられる数 88 が上、わる数 xx が下で 8x\dfrac{8}{x} です。上下を逆にしないよう注意しましょう。

同じ文字の積・かっこのついた式

同じ文字をかけたら、累乗を使って短く書きます。a×aa\times a は a2a^2(「aa の2乗」)、a×a×aa\times a\times a は a3a^3 です。

文字どうしの積はアルファベット順にそろえます。b×ab\times a は abab、y×xy\times x は xyxy と書きます。

かっこのついた式の前の数も、かけ算なら ×\times を省きます。たとえば「縦 aa、横 bb の長方形のまわりの長さ」は (a+b)×2(a+b)\times2 なので、2(a+b)2(a+b) と書きます。

横 b縦aまわり = (a+b)×2 = 2(a+b)たて+よこ を2回ぶん

iメモ

長方形のまわりは「縦+横+縦+横」。縦+横が2組ぶんなので (a+b)×2=2(a+b)(a+b)\times2=2(a+b) です。++ の前の 22 は省けません(2(a+b)2(a+b) の 22 はかけ算なので省く、という区別に注意)。

いっしょに解こう

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セナ

a×b×aa\times b\times a って、そのまま abaaba じゃダメなの?

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ホクト先生

順番をそろえて、同じ文字はまとめるのがルールなんだ。aa が2つ、bb が1つだから、アルファベット順に a×a×ba\times a\times b → a2ba^2 b と書くよ。abaaba は意味は同じでも、テストでは×になりやすいから気をつけて。

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セナ

x÷5x\div5 は x5x5 じゃなくて…?

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ホクト先生

わり算は分数だよ。x÷5=x5x\div5=\dfrac{x}{5}。×\times を省くのはかけ算だけ。÷\div は「省く」んじゃなくて「分数にする」と覚えよう。

✓理解チェック5

a×b×aa\times b\times a を、ルールにしたがって正しく表すと?
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答え:a2ba^2 b

aa が2つ、bb が1つ。同じ文字の積は累乗にして、アルファベット順にそろえると a2ba^2 b。abaaba は意味は同じでも書き方として不正解です。

✓理解チェック6

x÷5x\div5 を、ルールにしたがって正しく表すと?
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答え:x5\dfrac{x}{5}

わり算は分数の形。わられる数 xx が上、わる数 55 が下で x5\dfrac{x}{5}。×\times を省くのはかけ算だけで、÷\div は分数にします。

✕よくある間違い

文字式の書き方で、とくに多いまちがいです。

❌ 3×a3\times a を 3×a3\times a のまま(×を消し忘れ)
⭕ 3a3a(かけ算の ×は省く)

❌ 1×a1\times a を 1a1a と書く
⭕ aa(前の 1は書かない)

❌ a×3a\times3 を a3a3 と書く
⭕ 3a3a(数は文字の前に書く)

❌ a÷1a\div1 を a1\dfrac{a}{1} のままにする
⭕ aa(1でわっても変わらない)

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:×・÷を省く)

ルールにしたがって、できるだけ簡単に書きましょう。

  1. 4×y4\times y
  2. a÷7a\div7
  3. 1×m1\times m
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  1. 4y4y(確かめ:×を省き、数は前。4×y=4y4\times y=4y ◎)
  2. a7\dfrac{a}{7}(確かめ:わり算は分数。わられる数 aa が上、わる数 77 が下 ◎)
  3. mm(確かめ:1×m1\times m の 11 は書かない。1×m=m1\times m=m ◎)

やってみよう②(標準:累乗・複数の文字・かっこ)

同じ文字は累乗、文字どうしはアルファベット順にそろえましょう。

  1. y×xy\times x
  2. a×a×aa\times a\times a
  3. (x+y)×3(x+y)\times3
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  1. xyxy(確かめ:アルファベット順にそろえる。y×x=xyy\times x=xy ◎)
  2. a3a^3(確かめ:aa を3回かけるので「aa の3乗」=a3=a^3 ◎)
  3. 3(x+y)3(x+y)(確かめ:かっこの前の数はかけ算なので ×\times を省き、数を前に。(x+y)×3=3(x+y)(x+y)\times3=3(x+y) ◎)

やってみよう③(応用:身近な数量を式で表す)

場面を読んで、代金や長さを文字式で表しましょう。

  1. 1本 xx 円のジュースを5本買ったときの代金は?
  2. aa 円持っていて、bb 円の本を1冊買ったときの残りのお金は?
  3. zz 円を3人で同じ金額ずつ分けたとき、1人ぶんはいくら?
答えと解説を見る
  1. 5x5x 円(確かめ:x×5=5xx\times5=5x。×を省き、数は前 ◎)
  2. a−ba-b 円(確かめ:ひき算には省くルールはない。そのまま a−ba-b ◎)
  3. z3\dfrac{z}{3} 円(確かめ:3人で等分はわり算。z÷3=z3z\div3=\dfrac{z}{3} ◎)

家おうちの方へ

最初のつまずきは「ルールがたくさんあって混乱する」ことです。本質は2つだけ——「かけ算の ×\times は省く(数は前・1は書かない・同じ文字は累乗)」「わり算 ÷\div は分数にする」。abaaba や a3a3 のような書き方は、意味が同じでもテストでは不正解になりやすいので、書いた式を声に出して読み直す習慣をつけると定着します。計算そのものはまだ出てこないので、ここは「お約束を覚えるだけ」と安心して取り組ませてください。

書き方のルールがわかったら、次は式のしくみ——項と係数・一次式を見ていきましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • かけ算の×は省く(3×a3\times a は 3a3a)。
  • 数は文字の前に書く(a×3a\times3 も 3a3a)。
  • 1×a1\times a は aa、(−1)×a(-1)\times a は −a-a(1は書かない)。
  • わり算は分数の形で書く(a÷3a\div3 は a3\dfrac{a}{3})。
  • 同じ文字の積は累乗(a×aa\times a は a2a^2)。

よくある質問

文字式の表し方のルールは何ですか?

かけ算の×は省く、数は文字の前に書く、1×aの1は書かない、わり算は分数の形で書く、の4つが基本です。たとえば 3×a は 3a、a÷3 は 3分のa(a/3)、a×a は累乗を使って aの2乗(a²)と書きます。

なぜ数学では、わざわざ文字を使うの?

まだわからない数や、場面によって変わる数を、1つの式でまとめて表せるからです。たとえば1個x円のあめを3個買う代金は、ねだんが100円でも120円でも、いつでも 3x 円と書けます。文字は「数のかわりに置く箱」で、中身の数はあとから自由に入れられます。

文字式でわり算(÷)はどう書きますか?

分数の形で書きます。わられる数が上、わる数が下で、a÷3 は 3分のa(a/3)です。×を省くのはかけ算だけなので、÷は「省く」のではなく「分数にする」と覚えましょう。x5 のように書くのは間違いです。

a×b×a は、そのまま aba と書いてもいいの?

書きません。同じ文字の積は累乗にまとめ、文字はアルファベット順にそろえるルールがあります。aが2つ、bが1つなので、aの2乗×b(a²b)と書きます。aba は意味は同じでも、テストでは不正解になりやすい書き方です。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 正負の数(計算の土台)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 印刷して、手を動かす
    読んでわかっても、手が動くとは限りません。無料のプリントを刷って、量をこなしてください。
  3. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
#文字と式#文字式の表し方#中1数学