数量と関係を式に表す(等式・不等式)

文章で書かれた数量を文字式にして、2つの数量の「等しい・大小」の関係を等式や不等式で表すコツを、図でやさしく解説。単位のつけ方、割合の小数化、不等号の向きまでわかります。

このページのゴール

数量を文字式で表し、2つの数量の関係を等式や不等式で表せるようになる。

「1個 aa 円のりんごを xx 個買うといくら?」——答えは axax 円。これが数量を文字で表すということです。さらに「ちょうど500円だった」なら ax=500ax=500(等式)、「500円で足りた」なら ax500ax\le500(不等式)。文章を“数学のことば”にほんやくする練習をしましょう。

まず数量を1つずつ文字式にする

文章をいきなり式にしようとすると混乱します。コツは、出てくる数量を1つずつ式にして、単位までつけること。

やり方

  1. 何を文字で表すか(xx など)を決める
  2. 数量を1つずつ式にする(言われたとおり、かけ算・たし算で組み立てる)
  3. 単位をつける(円・km・人 など。単位を書くと意味がブレない)

代表的な“ことば→式”の対応を見てみましょう。

ことば式(単位つき)
1個 aa 円のものを xxaxax
10001000 円で aa 円のものを買ったおつり1000a1000-a
xx km を yy 時間で進んだ速さxy\dfrac{x}{y} km/時
3人の点数 a,b,ca,b,c の平均a+b+c3\dfrac{a+b+c}{3}

なぜ「1つずつ」だと迷わないの?

ことばを式にする作業は、**ことばの部品を、式の部品に置きかえる“ほんやく”**です。下の図のように、左の日本語を、右の記号にそのまま対応させていけば、長い文章でも組み立てられます。

ことば1個 a 円ax 個ぶん× x合計の代金ax 円部品ごとに置きかえる → つなげる

割合・〇割引きは「小数」に直す

割合や百分率は、式にする前に小数へ直すのがコツです。

  • 20%20\%0.20.2(百分率は 100100 でわる)
  • 22 割 → 0.20.2(割は 1010 でわる)

「定価 xx 円の2割引き」は、定価の 10.2=0.81-0.2=0.8 倍が残るので 0.8x0.8x 円。「xx 円の 30%30\%」なら 0.3x0.3x 円です。

定価 x 円(2割ずつ5つに分ける)残り 0.8 倍(代金)2割引2割引きの代金 = 0.8 × x = 0.8x 円

等式:「等しい」を = で結ぶ

2つの数量がぴったり等しい関係は、等式(=でつないだ式)で表します。

つくり方はかんたん。「○○ = ●●」の○○と●●をそれぞれ式にして、=で結ぶだけです。

例:「1冊 aa 円のノートを xx 冊買ったら、合計がちょうど 500500 円だった」

  • ノート xx 冊の代金 … axax
  • それがちょうど 500500 円 … ax=500ax=500

不等式:「大小」を不等号で表す

「以上・以下」「より大きい・未満」のような大小の関係は、不等式で表します。使う記号は4つです。

やり方

  1. a>ba > baabb より大きい(等号を含まない)
  2. a<ba < baabb より小さい・未満(等号を含まない)
  3. aba \ge baabb 以上bb と等しい場合も含む)
  4. aba \le baabb 以下bb と等しい場合も含む)

ことばの言いかえを、しっかりつかんでおきましょう。

ことば記号等号
以上(〇 をふくむ)\ge含む
以下(〇 をふくむ)\le含む
より大きい・をこえる>>含まない
より小さい・未満<<含まない

例:「xx 円持っていて、8080 円のものを 33 個買える」

  • 8080 円のもの 33 個の代金 … 80×3=24080\times3=240
  • それが買える=持っているお金で足りる(ちょうど240円でも買える)ので、240x240\le x

「以上」と「未満」を数直線で見る

「以上(\ge)」は境目をふくむので**●(ぬりつぶし)、「未満(<<)」は境目をふくまないので○(白丸)**で表します。

x ≧ 3(3以上:3をふくむ)3x < 3(3未満:3をふくまない)3

黒丸はその点を「含む」、白丸は「含まない」の合図です。,\ge,\le は黒丸、>,<>,< は白丸とおぼえましょう。

セナちゃんのアイコン
セナ

「足りる」って、ちょうどぴったりのときも入るの? 入らないの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

いい質問! ちょうど 240240 円のときも“足りて買える”よね。だから等号を含む 240x240\le x になる。逆に「240240 円ではダメで、もっと必要」なら等号を含まない 240<x240<x だよ。日本語をていねいに読むのがコツ。

理解チェック①

理解チェック②

よくある間違い

不等式と割合は、3つのミスがとても多いです。

❌ 「240240 円で足りる」を x240x\le240(不等号の向きが逆。持っているお金 xx のほうが代金以上)
240x240\le x(または同じ意味の x240x\ge240

❌ 「3以上」を >3>3(以上は等号をふくむ)/「3未満」を 3\le3(未満は等号をふくまない)
⭕ 以上は 3\ge3、未満は <3<3

❌ 「20%20\%引き」を x20x-20 円(%をそのまま引いている)
20%=0.220\%=0.2 に直して 0.8x0.8x

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:数量を式に表す)

数量を1つずつ、単位をつけて式にしましょう。

  1. 1本 aa 円のジュースを 55 本買ったときの代金。
  2. xx 円の品物を、10001000 円札で買ったときのおつり。
答えと解説を見る
  1. 5a5a 円(確かめ:aa 円を5本ぶん → a×5=5aa\times5=5a 円 ◎)
  2. 1000x1000-x 円(確かめ:払った1000円から品物の代金 xx 円を引く ◎)

✏️ やってみよう②(標準:等式に表す)

「○○ = ●●」の両がわを式にして、=で結びましょう。

  1. 1個 aa 円のあめを 66 個買ったら、ちょうど 300300 円だった。この関係を等式で。
  2. 定価 xx 円の服を 22 割引きで買ったら、ちょうど 16001600 円だった。この関係を等式で。
答えと解説を見る
  1. 6a=3006a=300(確かめ:あめ6個の代金は a×6=6aa\times6=6a 円。それが 300300 円 ◎。ちなみに a=50a=50 なら 6×50=3006\times50=300 で成り立つ ◎)
  2. 0.8x=16000.8x=1600(確かめ:2割引きは 10.2=0.81-0.2=0.8 倍だから代金は 0.8x0.8x 円。それが 16001600 円 ◎。x=2000x=2000 なら 0.8×2000=16000.8\times2000=1600 ◎)

✏️ やってみよう③(応用:不等式に表す/文章を式に)

大小の関係をていねいに読み取り、不等号の向きと等号の有無に注意しましょう。

  1. 1個 xx 円のパンを 44 個買って、500500 円で足りた。この関係を不等式で。
  2. クラスの人数 nn 人は、3535以下だった。この関係を不等式で。
  3. ある乗り物は身長 hh cm が 120120 cm 以上でないと乗れない。乗れる条件を不等式で。
答えと解説を見る
  1. 4x5004x\le500(確かめ:パン4個の代金は x×4=4xx\times4=4x 円。「足りた」はちょうど500円でもOKなので等号を含み、代金は500円以下 → 4x5004x\le500 ◎)
  2. n35n\le35(確かめ:「以下」は等号を含む。nn は35人かそれより少ない ◎)
  3. h120h\ge120(確かめ:「以上」は等号を含む。ちょうど120cmでも乗れる ◎。120h120\le h と書いても同じ意味 ◎)

おうちの方へ

このレッスンの山場は2つです。1つめは「割合・〇割引きを小数に直す」こと(22 割引き =0.8=0.8 倍)。2つめは「以上・以下は等号を含み、より大きい・未満は含まない」という言いかえです。お子さんがつまずいたら、8080 円のもの3個を 240240 円と具体的な数で確かめ、「ちょうどの値が入るかどうか」を一緒に音読して判断すると、不等号の向きと等号の有無が定着します。

数量を式にし、関係を等式・不等式で表せるようになりました。次はいよいよ、その等式から xx の値を求める一元一次方程式へ進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • ことばの数量を、まず1つずつ文字式にする(単位もつける)。
  • 割合・百分率は小数に直す(20%→0.2、2割引き→0.8倍)。
  • 「等しい」関係は等式(=)で表す。
  • 「大小」の関係は不等式(<,>,,<,>,\le,\geで表す。
  • 「以上・以下」は等号を含む、「より大きい・未満」は含まない

よくある質問

数量の関係を等式や不等式で表すには、どうすればいいですか?

まず出てくる数量を1つずつ文字式にし、「等しい」関係なら=で結んで等式に、「大小」の関係なら不等号(>、<、≧、≦)で結んで不等式にします。たとえば1冊a円のノートx冊がちょうど500円なら ax=500、500円で足りたなら ax≦500 です。

なぜ文章題の数量は「1つずつ」式にするといいの?

ことばを式にする作業は、ことばの部品を式の部品に置きかえる「ほんやく」だからです。「1個a円」→a、「x個ぶん」→×x のように部品ごとに置きかえてつなげれば、長い文章でも迷わず式を組み立てられます。円やkmなどの単位までつけると、意味がぶれません。

「以上・以下」と「より大きい・未満」は何がちがいますか?

等号を含むかどうかがちがいます。「以上(≧)」「以下(≦)」はその数自身を含み、「より大きい(>)」「未満(<)」は含みません。たとえば3以上には3も入りますが、3未満に3は入りません。数直線では、含むときは黒丸、含まないときは白丸で表します。

「2割引き」はどうやって式に表しますか?

割合を小数に直してから式にします。2割は0.2なので、2割引きは残りが 1−0.2=0.8倍。定価x円の2割引きの代金は 0.8x円 です。20%引きをそのまま x−20 と引いてしまうのがよくある間違いなので注意しましょう。

#文字と式#等式と不等式#中1数学