数量と関係を式に表す(等式・不等式)
文章で書かれた数量を文字式にして、2つの数量の「等しい・大小」の関係を等式や不等式で表すコツを、図でやさしく解説。単位のつけ方、割合の小数化、不等号の向きまでわかります。
◎このページのゴール
数量を文字式で表し、2つの数量の関係を等式や不等式で表せるようになる。
「1個 円のりんごを 個買うといくら?」——答えは 円。これが数量を文字で表すということです。さらに「ちょうど500円だった」なら (等式)、「500円で足りた」なら (不等式)。文章を“数学のことば”にほんやくする練習をしましょう。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
まず数量を1つずつ文字式にする
文章をいきなり式にしようとすると混乱します。コツは、出てくる数量を1つずつ式にして、単位までつけること。
→やり方
- 何を文字で表すか( など)を決める
- 数量を1つずつ式にする(言われたとおり、かけ算・たし算で組み立てる)
- 単位をつける(円・km・人 など。単位を書くと意味がブレない)
代表的な“ことば→式”の対応を見てみましょう。
| ことば | 式(単位つき) |
|---|---|
| 1個 円のものを 個 | 円 |
| 円で 円のものを買ったおつり | 円 |
| km を 時間で進んだ速さ | km/時 |
| 3人の点数 の平均 | 点 |
なぜ「1つずつ」だと迷わないの?
ことばを式にする作業は、**ことばの部品を、式の部品に置きかえる“ほんやく”**です。下の図のように、左の日本語を、右の記号にそのまま対応させていけば、長い文章でも組み立てられます。
割合・〇割引きは「小数」に直す
割合や百分率は、式にする前に小数へ直すのがコツです。
- → (百分率は でわる)
- 割 → (割は でわる)
「定価 円の2割引き」は、定価の 倍が残るので 円。「 円の 」なら 円です。
等式:「等しい」を = で結ぶ
2つの数量がぴったり等しい関係は、等式(=でつないだ式)で表します。
つくり方はかんたん。「○○ = ●●」の○○と●●をそれぞれ式にして、=で結ぶだけです。
例:「1冊 円のノートを 冊買ったら、合計がちょうど 円だった」
- ノート 冊の代金 … 円
- それがちょうど 円 …
不等式:「大小」を不等号で表す
「以上・以下」「より大きい・未満」のような大小の関係は、不等式で表します。使う記号は4つです。
→やり方
- … は より大きい(等号を含まない)
- … は より小さい・未満(等号を含まない)
- … は 以上( と等しい場合も含む)
- … は 以下( と等しい場合も含む)
ことばの言いかえを、しっかりつかんでおきましょう。
| ことば | 記号 | 等号 |
|---|---|---|
| 以上(〇 をふくむ) | 含む | |
| 以下(〇 をふくむ) | 含む | |
| より大きい・をこえる | 含まない | |
| より小さい・未満 | 含まない |
例:「 円持っていて、 円のものを 個買える」
- 円のもの 個の代金 … 円
- それが買える=持っているお金で足りる(ちょうど240円でも買える)ので、
「以上」と「未満」を数直線で見る
「以上()」は境目をふくむので**●(ぬりつぶし)、「未満()」は境目をふくまないので○(白丸)**で表します。
黒丸はその点を「含む」、白丸は「含まない」の合図です。 は黒丸、 は白丸とおぼえましょう。
「足りる」って、ちょうどぴったりのときも入るの? 入らないの?
いい質問! ちょうど 円のときも“足りて買える”よね。だから等号を含む になる。逆に「 円ではダメで、もっと必要」なら等号を含まない だよ。日本語をていねいに読むのがコツ。
✓理解チェック①
✓理解チェック②
✕よくある間違い
不等式と割合は、3つのミスがとても多いです。
❌ 「 円で足りる」を (不等号の向きが逆。持っているお金 のほうが代金以上)
⭕ (または同じ意味の )
❌ 「3以上」を (以上は等号をふくむ)/「3未満」を (未満は等号をふくまない)
⭕ 以上は 、未満は
❌ 「引き」を 円(%をそのまま引いている)
⭕ に直して 円
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:数量を式に表す)
数量を1つずつ、単位をつけて式にしましょう。
- 1本 円のジュースを 本買ったときの代金。
- 円の品物を、 円札で買ったときのおつり。
答えと解説を見る
- 円(確かめ: 円を5本ぶん → 円 ◎)
- 円(確かめ:払った1000円から品物の代金 円を引く ◎)
✏️ やってみよう②(標準:等式に表す)
「○○ = ●●」の両がわを式にして、=で結びましょう。
- 1個 円のあめを 個買ったら、ちょうど 円だった。この関係を等式で。
- 定価 円の服を 割引きで買ったら、ちょうど 円だった。この関係を等式で。
答えと解説を見る
- (確かめ:あめ6個の代金は 円。それが 円 ◎。ちなみに なら で成り立つ ◎)
- (確かめ:2割引きは 倍だから代金は 円。それが 円 ◎。 なら ◎)
✏️ やってみよう③(応用:不等式に表す/文章を式に)
大小の関係をていねいに読み取り、不等号の向きと等号の有無に注意しましょう。
- 1個 円のパンを 個買って、 円で足りた。この関係を不等式で。
- クラスの人数 人は、 人以下だった。この関係を不等式で。
- ある乗り物は身長 cm が cm 以上でないと乗れない。乗れる条件を不等式で。
答えと解説を見る
- (確かめ:パン4個の代金は 円。「足りた」はちょうど500円でもOKなので等号を含み、代金は500円以下 → ◎)
- (確かめ:「以下」は等号を含む。 は35人かそれより少ない ◎)
- (確かめ:「以上」は等号を含む。ちょうど120cmでも乗れる ◎。 と書いても同じ意味 ◎)
家おうちの方へ
このレッスンの山場は2つです。1つめは「割合・〇割引きを小数に直す」こと( 割引き 倍)。2つめは「以上・以下は等号を含み、より大きい・未満は含まない」という言いかえです。お子さんがつまずいたら、 円のもの3個を 円と具体的な数で確かめ、「ちょうどの値が入るかどうか」を一緒に音読して判断すると、不等号の向きと等号の有無が定着します。
数量を式にし、関係を等式・不等式で表せるようになりました。次はいよいよ、その等式から の値を求める一元一次方程式へ進みましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- ことばの数量を、まず1つずつ文字式にする(単位もつける)。
- 割合・百分率は小数に直す(20%→0.2、2割引き→0.8倍)。
- 「等しい」関係は等式(=)で表す。
- 「大小」の関係は不等式()で表す。
- 「以上・以下」は等号を含む、「より大きい・未満」は含まない。
よくある質問
数量の関係を等式や不等式で表すには、どうすればいいですか?
まず出てくる数量を1つずつ文字式にし、「等しい」関係なら=で結んで等式に、「大小」の関係なら不等号(>、<、≧、≦)で結んで不等式にします。たとえば1冊a円のノートx冊がちょうど500円なら ax=500、500円で足りたなら ax≦500 です。
なぜ文章題の数量は「1つずつ」式にするといいの?
ことばを式にする作業は、ことばの部品を式の部品に置きかえる「ほんやく」だからです。「1個a円」→a、「x個ぶん」→×x のように部品ごとに置きかえてつなげれば、長い文章でも迷わず式を組み立てられます。円やkmなどの単位までつけると、意味がぶれません。
「以上・以下」と「より大きい・未満」は何がちがいますか?
等号を含むかどうかがちがいます。「以上(≧)」「以下(≦)」はその数自身を含み、「より大きい(>)」「未満(<)」は含みません。たとえば3以上には3も入りますが、3未満に3は入りません。数直線では、含むときは黒丸、含まないときは白丸で表します。
「2割引き」はどうやって式に表しますか?
割合を小数に直してから式にします。2割は0.2なので、2割引きは残りが 1−0.2=0.8倍。定価x円の2割引きの代金は 0.8x円 です。20%引きをそのまま x−20 と引いてしまうのがよくある間違いなので注意しましょう。