単項式の乗法・除法(累乗・係数と文字)
単項式どうしのかけ算・わり算を図でやさしく解説。係数は係数どうし・文字は文字どうしにかける、(2a)²は係数も2乗、わり算は分数にして約分、乗除の混じった計算は左から——つまずきやすい所を面積図でしっかりわかります。
◎このページのゴール
単項式どうしのかけ算・わり算を、係数どうし・文字どうしに分けて、累乗にも注意して正しく計算できるようになる。
3a×4b はいくつ? 答えは 12ab。単項式(数と文字のかけ算だけでできた式)のかけ算・わり算は、係数は係数どうし、文字は文字どうしにまとめるだけです。ここをつかめば、(2a)2 のような累乗や、÷ の混じった計算まで一気に見通せます。つまずきやすい「(2a)2=2a2 にしちゃう」「x×x=2x にしちゃう」も、図で先に片づけましょう。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
単項式のかけ算(乗法)
3a×4b のような単項式どうしのかけ算は、数の部分(係数)どうしと、文字の部分どうしを、それぞれ分けてかけます。
→やり方
- 係数(数の部分)どうしをかける。
- 文字(文字の部分)どうしをかける。
- 同じ文字をかけたら、その数だけ累乗にまとめる(x×x=x2)。
たとえば 3a×4b は、係数 3×4=12、文字は a×b=ab。あわせて答えは 12ab です。
3a×4b=(3×4)×(a×b)=12ab
同じ文字をかけるときは、累乗になります。2x×3x は、係数 2×3=6、文字 x×x=x2。だから答えは 6x2 です。
2x×3x=(2×3)×(x×x)=6x2
なぜそうなるの?(バラして並べかえる)
かけ算は順番を入れかえても答えが変わりません(交換法則)。だから 2x×3x を全部かけ算でバラして、数どうし・文字どうしに並べかえられるのです。
数どうし 2×3=6、文字どうし x×x=x2。バラして並べかえるから、係数は係数どうし・文字は文字どうしにかければよいのです。
✓コツ
x×x は x2(エックスの2乗)です。2x ではありません。「同じ数を2回かける」のが累乗、「同じ数を2回たす」のがふつうのかけ算(x+x=2x)。混同しやすいので要注意です。
✓理解チェック①
累乗の注意(係数も2乗)
(2a)2 は、2a を2回かけるという意味です。2a×2a なので、係数の 2 も2乗されます。
(2a)2=2a×2a=(2×2)×(a×a)=4a2
かっこの中が − でも同じです。(−3x)2 は (−3x)×(−3x)。− どうしのかけ算は + になるので、
(−3x)2=(−3x)×(−3x)=9x2
?どうして?
いちばんの落とし穴は、(2a)2 の係数を2乗し忘れて 2a2 にしてしまうこと。かっこがついていたら、中のもの全部が2乗される(数も文字も)と覚えましょう。
なぜそうなるの?(正方形の面積で見る)
(2a)2 は、たて 2a・よこ 2a の正方形の面積と考えられます。1辺を 2a にすると、面積は 2a×2a。タイルで数えると見えてきます。
a×a=a2 のタイルが、たて2枚・よこ2枚で4枚。だから (2a)2=4a2。係数の 2 が2乗されて 4 になるのが、タイルの枚数として見えますね。
−3x2 と (−3x)2 はまるで別もの
よく似ていますが、答えはまったく違います。かっこの有無で「2乗されるもの」が変わるからです。
(−3x)2 は −3x ぜんぶを2乗するので 9x2。いっぽう −3x2 は x だけを2乗して、−3 はそのまま。だから −3x2 のまま(=−3×x×x)です。
✓理解チェック②
単項式のわり算(除法)
6ab÷2a のような単項式どうしのわり算は、分数の形に書きなおして約分するのがいちばん確実です。
→やり方
- A÷B を BA と分数の形に書きなおす。
- 係数どうしを約分する。
- 同じ文字どうしを約分する(同じ文字は消し合う)。
6ab÷2a を分数にして約分してみましょう。係数は 6÷2=3、文字は a どうしが消えて b が残ります。
6ab÷2a=2a6ab=2×a6×a×b=3b
文字が累乗の場合も同じです。8x2÷4x は、係数 8÷4=2、文字は x2÷x=x。
8x2÷4x=4x8x2=4×x8×x×x=2x
なぜそうなるの?(同じ文字は消し合う)
分数で約分するとは、上と下に同じものがあれば、それを消す(1にする)こと。aa=1 だから、上と下の a は消えてなくなります。
係数 6 と 2 を約分して 3。上と下の a は同じなので消え、b だけが残ります。だから答えは 3b。約分のとき、文字も数とまったく同じように消し合えるのがポイントです。
✓コツ
わり算は「わる数の逆数をかける」とも言いかえられます。6ab÷2a=6ab×2a1。÷ のままだと混乱しやすい人は、分数(逆数のかけ算)に直すと、次の「乗除の混じった計算」がぐっと楽になります。
乗除の混じった計算は「左から順に」
6a2÷3a×2b のように × と ÷ が混じったときは、左から順に計算します。÷ を先に右の × と勝手にまとめてはいけません。
6a2÷3a×2b=3a6a2×2b=2a×2b=4ab
まず左の 6a2÷3a=2a を計算し、それに 2b をかけて 4ab。順番を守れば迷いません。
?どうして?
迷ったら ÷ を「逆数のかけ算」に直して、ぜんぶ1つの分数にするのが安全です。6a2÷3a×2b=3a6a2×2b=3a12a2b=4ab。これなら × だけになり、まとめて約分できます。
いっしょに解こう
セナ (2a)2 って、2a2 じゃダメなの? つい a だけ2乗しちゃう…
ホクト先生 そこがいちばんの落とし穴だね。(2a)2 は 2a を2回かける意味だから 2a×2a。係数の 2 も2回かかって 4 になる。かっこの中ぜんぶが2乗されるんだ。だから 4a2 だよ。
セナ なるほど! じゃあ 6ab÷2a は? ÷ があると急にわからなくなる…
ホクト先生 ÷ は分数の形に直すと一気にラクになるよ。2a6ab にして、数の 6÷2=3、上と下の a は同じだから消える。残るのは 3b。分数にして約分——これが合言葉だね。
✕よくある間違い
つまずきやすい3つを先回りします。
❌ (2a)2=2a2 → 係数 2 を2乗し忘れ。⭕ 4a2(2×2=4 も2乗される)。
❌ x×x=2x → かけ算を「たし算」と混同。⭕ x2(同じ文字をかけたら累乗)。
❌ 4x8x2=2 → 文字の約分ミス。⭕ 2x(x2÷x=x が1つ残る)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:単項式の乗法)
係数は係数どうし、文字は文字どうしにかけましょう。
- 4x×3y
- 2a×5a
- (−3x)×4y
答えと解説を見る
- 係数 4×3=12、文字 x×y=xy → 12xy(確かめ:x=2,y=3 で 元の式 8×9=72、12×2×3=72 ◎)
- 係数 2×5=10、文字 a×a=a2 → 10a2(確かめ:a=3 で 元の式 6×15=90、10×32=90 ◎)
- 係数 (−3)×4=−12、文字 x×y=xy → −12xy(確かめ:x=2,y=1 で 元の式 (−6)×4=−24、−12×2×1=−24 ◎)
✏️ やってみよう②(標準:累乗をふくむ)
かっこがあれば、中ぜんぶ(数も文字も)が2乗されます。
- (3a)2
- 2x×(−x)2
- (−2a)2×3b
答えと解説を見る
- (3a)2=3a×3a。係数 3×3=9、文字 a×a=a2 → 9a2(確かめ:a=2 で (3×2)2=62=36、9×22=36 ◎)
- (−x)2=(−x)×(−x)=x2。2x×x2 は係数 2、文字 x×x2=x3 → 2x3(確かめ:x=2 で 2×2×(−2)2=4×4=16、2×23=16 ◎)
- (−2a)2=4a2。4a2×3b は係数 4×3=12、文字 a2×b=a2b → 12a2b(確かめ:a=1,b=2 で (−2)2×6=4×6=24、12×1×2=24 ◎)
✏️ やってみよう③(応用:除法・乗除の混合)
わり算は分数にして約分。× と ÷ が混じったら左から順に計算します。
- 15ab÷5a
- 8x2÷2x
- 12a2÷4a×2b
答えと解説を見る
- 5a15ab。係数 15÷5=3、上下の a が消えて b が残る → 3b(確かめ:a=2,b=3 で 元の式 90÷10=9、3×3=9 ◎)
- 2x8x2。係数 8÷2=4、x2÷x=x → 4x(確かめ:x=3 で 元の式 72÷6=12、4×3=12 ◎)
- 左から:12a2÷4a=4a12a2=3a。つぎに 3a×2b=6ab → 6ab(確かめ:a=2,b=1 で 48÷8×2=6×2=12、6×2×1=12 ◎)
家おうちの方へ
つまずきの大半は2つです。①(2a)2 の係数を2乗し忘れて 2a2 にしてしまう、②x×x を 2x(たし算)と混同してしまう。どちらも「かっこの中は全部2乗される」「同じ文字をかけたら累乗」と、面積図やタイルでイメージできると一気に減ります。わり算は ÷ のまま考えず、分数にして約分する習慣をつけると正確になります。答えが出たら、文字に好きな数(たとえば a=2)を入れて元の式と一致するか確かめると、自分でミスに気づけるようになります。
単項式の乗除ができるようになったら、次は文字に実際の数を入れて答えを出す**式の値(代入)**へ進みましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 乗法は係数は係数どうし・文字は文字どうしにかける(3a×4b=12ab)。
- 同じ文字をかけたら累乗(2x×3x=6x2)。
- (2a)2 は係数も2乗して 4a2。−3x2 と (−3x)2 は別もの。
- 除法は分数の形にして約分(6ab÷2a=3b)。
- 乗除が混じったら左から順に計算する。
よくある質問
単項式のかけ算はどうやって計算しますか?
係数(数の部分)は係数どうし、文字は文字どうしに分けてかけます。3a×4b なら係数 3×4=12、文字 a×b=ab で、答えは 12ab。同じ文字をかけたときは、x×x=xの2乗(x²)のように累乗にまとめます。
なぜ係数どうし・文字どうしに分けてかけていいの?
かけ算は順番を入れかえても答えが変わらない(交換法則)からです。2x×3x は 2×x×3×x とバラして、数どうし(2×3=6)と文字どうし(x×x=x²)に並べかえられるので、答えは 6x² になります。
(2a)² は 2a² でいいの?
いいえ、正しくは 4a² です。(2a)² は 2a を2回かける意味なので、2a×2a=4a² となり、係数の2も2乗されます。かっこがついていたら、中のもの全部(数も文字も)が2乗される、と覚えましょう。
単項式のわり算はどうやって計算するの?
分数の形に書きなおして約分するのがいちばん確実です。6ab÷2a なら 2a分の6ab(6ab/2a)にして、係数 6÷2=3、上と下の a は同じなので消えて、答えは 3b。文字も数とまったく同じように約分で消し合えます。
#式の計算#単項式の乗法除法#中2数学