単項式の乗法・除法(累乗・係数と文字)

単項式どうしのかけ算・わり算を図でやさしく解説。係数は係数どうし・文字は文字どうしにかける、(2a)²は係数も2乗、わり算は分数にして約分、乗除の混じった計算は左から——つまずきやすい所を面積図でしっかりわかります。

このページのゴール

単項式どうしのかけ算・わり算を、係数どうし・文字どうしに分けて、累乗にも注意して正しく計算できるようになる。

3a×4b3a\times4b はいくつ? 答えは 12ab12ab。単項式(数と文字のかけ算だけでできた式)のかけ算・わり算は、係数は係数どうし、文字は文字どうしにまとめるだけです。ここをつかめば、(2a)2(2a)^2 のような累乗や、÷\div の混じった計算まで一気に見通せます。つまずきやすい「(2a)2=2a2(2a)^2=2a^2 にしちゃう」「x×x=2xx\times x=2x にしちゃう」も、図で先に片づけましょう。

単項式のかけ算(乗法)

3a×4b3a\times4b のような単項式どうしのかけ算は、数の部分(係数)どうしと、文字の部分どうしを、それぞれ分けてかけます。

やり方

  1. 係数(数の部分)どうしをかける。
  2. 文字(文字の部分)どうしをかける。
  3. 同じ文字をかけたら、その数だけ累乗にまとめる(x×x=x2x\times x=x^2)。

たとえば 3a×4b3a\times4b は、係数 3×4=123\times4=12、文字は a×b=aba\times b=ab。あわせて答えは 12ab12ab です。

3a×4b=(3×4)×(a×b)=12ab3a\times4b=(3\times4)\times(a\times b)=12ab

同じ文字をかけるときは、累乗になります。2x×3x2x\times3x は、係数 2×3=62\times3=6、文字 x×x=x2x\times x=x^2。だから答えは 6x26x^2 です。

2x×3x=(2×3)×(x×x)=6x22x\times3x=(2\times3)\times(x\times x)=6x^2

なぜそうなるの?(バラして並べかえる)

かけ算は順番を入れかえても答えが変わりません(交換法則)。だから 2x×3x2x\times3x を全部かけ算でバラして、数どうし・文字どうしに並べかえられるのです。

2x × 3x= 2 × x × 3 × x=(2 × 3)×(x × x数どうし文字どうし6x²

数どうし 2×3=62\times3=6、文字どうし x×x=x2x\times x=x^2。バラして並べかえるから、係数は係数どうし・文字は文字どうしにかければよいのです。

コツ

x×xx\times xx2x^2(エックスの2乗)です。2x2x ではありません。「同じ数を2回かける」のが累乗、「同じ数を2回たす」のがふつうのかけ算(x+x=2xx+x=2x)。混同しやすいので要注意です。

理解チェック①

累乗の注意(係数も2乗)

(2a)2(2a)^2 は、2a2a2回かけるという意味です。2a×2a2a\times2a なので、係数の 22 も2乗されます。

(2a)2=2a×2a=(2×2)×(a×a)=4a2(2a)^2=2a\times2a=(2\times2)\times(a\times a)=4a^2

かっこの中が - でも同じです。(3x)2(-3x)^2(3x)×(3x)(-3x)\times(-3x)- どうしのかけ算は ++ になるので、

(3x)2=(3x)×(3x)=9x2(-3x)^2=(-3x)\times(-3x)=9x^2

?どうして?

いちばんの落とし穴は、(2a)2(2a)^2 の係数を2乗し忘れて 2a22a^2 にしてしまうこと。かっこがついていたら、中のもの全部が2乗される(数も文字も)と覚えましょう。

なぜそうなるの?(正方形の面積で見る)

(2a)2(2a)^2 は、たて 2a2a・よこ 2a2a正方形の面積と考えられます。1辺を 2a2a にすると、面積は 2a×2a2a\times2a。タイルで数えると見えてきます。

aaよこ 2aたて2a4a²

a×a=a2a\times a=a^2 のタイルが、たて2枚・よこ2枚で4枚。だから (2a)2=4a2(2a)^2=4a^2。係数の 22 が2乗されて 44 になるのが、タイルの枚数として見えますね。

3x2-3x^2(3x)2(-3x)^2 はまるで別もの

よく似ていますが、答えはまったく違います。かっこの有無で「2乗されるもの」が変わるからです。

(−3x)²かっこの中ぜんぶを2乗(−3x)×(−3x)= 9x²−3x²x だけを2乗−3 ×(x×x)= −3x²

(3x)2(-3x)^23x-3x ぜんぶを2乗するので 9x29x^2。いっぽう 3x2-3x^2xx だけを2乗して、3-3 はそのまま。だから 3x2-3x^2 のまま(=3×x×x=-3\times x\times x)です。

理解チェック②

単項式のわり算(除法)

6ab÷2a6ab\div2a のような単項式どうしのわり算は、分数の形に書きなおして約分するのがいちばん確実です。

やり方

  1. A÷BA\div BAB\dfrac{A}{B}分数の形に書きなおす。
  2. 係数どうしを約分する。
  3. 同じ文字どうしを約分する(同じ文字は消し合う)。

6ab÷2a6ab\div2a を分数にして約分してみましょう。係数は 6÷2=36\div2=3、文字は aa どうしが消えて bb が残ります。

6ab÷2a=6ab2a=6×a×b2×a=3b6ab\div2a=\dfrac{6ab}{2a}=\dfrac{6\times a\times b}{2\times a}=3b

文字が累乗の場合も同じです。8x2÷4x8x^2\div4x は、係数 8÷4=28\div4=2、文字は x2÷x=xx^2\div x=x

8x2÷4x=8x24x=8×x×x4×x=2x8x^2\div4x=\dfrac{8x^2}{4x}=\dfrac{8\times x\times x}{4\times x}=2x

なぜそうなるの?(同じ文字は消し合う)

分数で約分するとは、上と下に同じものがあれば、それを消す(1にする)こと。aa=1\dfrac{a}{a}=1 だから、上と下の aa は消えてなくなります。

6ab ÷ 2a =6 a b2 a313b・6 と 2 を約分 → 3 と 1・上と下の a は同じだから消える(a ÷ a = 1)

係数 6622 を約分して 33。上と下の aa は同じなので消え、bb だけが残ります。だから答えは 3b3b約分のとき、文字も数とまったく同じように消し合えるのがポイントです。

コツ

わり算は「わる数の逆数をかける」とも言いかえられます。6ab÷2a=6ab×12a6ab\div2a=6ab\times\dfrac{1}{2a}÷\div のままだと混乱しやすい人は、分数(逆数のかけ算)に直すと、次の「乗除の混じった計算」がぐっと楽になります。

乗除の混じった計算は「左から順に」

6a2÷3a×2b6a^2\div3a\times2b のように ×\times÷\div が混じったときは、左から順に計算します。÷\div を先に右の ×\times と勝手にまとめてはいけません。

6a2÷3a×2b=6a23a×2b=2a×2b=4ab6a^2\div3a\times2b=\dfrac{6a^2}{3a}\times2b=2a\times2b=4ab

まず左の 6a2÷3a=2a6a^2\div3a=2a を計算し、それに 2b2b をかけて 4ab4ab。順番を守れば迷いません。

?どうして?

迷ったら ÷\div を「逆数のかけ算」に直して、ぜんぶ1つの分数にするのが安全です。6a2÷3a×2b=6a2×2b3a=12a2b3a=4ab6a^2\div3a\times2b=\dfrac{6a^2\times2b}{3a}=\dfrac{12a^2b}{3a}=4ab。これなら ×\times だけになり、まとめて約分できます。

いっしょに解こう

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セナ

(2a)2(2a)^2 って、2a22a^2 じゃダメなの? つい aa だけ2乗しちゃう…

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ホクト先生

そこがいちばんの落とし穴だね。(2a)2(2a)^22a2a2回かける意味だから 2a×2a2a\times2a。係数の 22 も2回かかって 44 になる。かっこの中ぜんぶが2乗されるんだ。だから 4a24a^2 だよ。

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セナ

なるほど! じゃあ 6ab÷2a6ab\div2a は? ÷\div があると急にわからなくなる…

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

÷\div は分数の形に直すと一気にラクになるよ。6ab2a\dfrac{6ab}{2a} にして、数の 6÷2=36\div2=3、上と下の aa は同じだから消える。残るのは 3b3b分数にして約分——これが合言葉だね。

よくある間違い

つまずきやすい3つを先回りします。

(2a)2=2a2(2a)^2=2a^2 → 係数 22 を2乗し忘れ。4a24a^22×2=42\times2=4 も2乗される)。

x×x=2xx\times x=2x → かけ算を「たし算」と混同。x2x^2(同じ文字をかけたら累乗)。

8x24x=2\dfrac{8x^2}{4x}=2 → 文字の約分ミス。2x2xx2÷x=xx^2\div x=x が1つ残る)。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:単項式の乗法)

係数は係数どうし、文字は文字どうしにかけましょう。

  1. 4x×3y4x\times3y
  2. 2a×5a2a\times5a
  3. (3x)×4y(-3x)\times4y
答えと解説を見る
  1. 係数 4×3=124\times3=12、文字 x×y=xyx\times y=xy12xy12xy(確かめ:x=2,y=3x=2,y=3 で 元の式 8×9=728\times9=7212×2×3=7212\times2\times3=72 ◎)
  2. 係数 2×5=102\times5=10、文字 a×a=a2a\times a=a^210a210a^2(確かめ:a=3a=3 で 元の式 6×15=906\times15=9010×32=9010\times3^2=90 ◎)
  3. 係数 (3)×4=12(-3)\times4=-12、文字 x×y=xyx\times y=xy12xy-12xy(確かめ:x=2,y=1x=2,y=1 で 元の式 (6)×4=24(-6)\times4=-2412×2×1=24-12\times2\times1=-24 ◎)

✏️ やってみよう②(標準:累乗をふくむ)

かっこがあれば、中ぜんぶ(数も文字も)が2乗されます。

  1. (3a)2(3a)^2
  2. 2x×(x)22x\times(-x)^2
  3. (2a)2×3b(-2a)^2\times3b
答えと解説を見る
  1. (3a)2=3a×3a(3a)^2=3a\times3a。係数 3×3=93\times3=9、文字 a×a=a2a\times a=a^29a29a^2(確かめ:a=2a=2(3×2)2=62=36(3\times2)^2=6^2=369×22=369\times2^2=36 ◎)
  2. (x)2=(x)×(x)=x2(-x)^2=(-x)\times(-x)=x^22x×x22x\times x^2 は係数 22、文字 x×x2=x3x\times x^2=x^32x32x^3(確かめ:x=2x=22×2×(2)2=4×4=162\times2\times(-2)^2=4\times4=162×23=162\times2^3=16 ◎)
  3. (2a)2=4a2(-2a)^2=4a^24a2×3b4a^2\times3b は係数 4×3=124\times3=12、文字 a2×b=a2ba^2\times b=a^2b12a2b12a^2b(確かめ:a=1,b=2a=1,b=2(2)2×6=4×6=24(-2)^2\times6=4\times6=2412×1×2=2412\times1\times2=24 ◎)

✏️ やってみよう③(応用:除法・乗除の混合)

わり算は分数にして約分。×\times÷\div が混じったら左から順に計算します。

  1. 15ab÷5a15ab\div5a
  2. 8x2÷2x8x^2\div2x
  3. 12a2÷4a×2b12a^2\div4a\times2b
答えと解説を見る
  1. 15ab5a\dfrac{15ab}{5a}。係数 15÷5=315\div5=3、上下の aa が消えて bb が残る → 3b3b(確かめ:a=2,b=3a=2,b=3 で 元の式 90÷10=990\div10=93×3=93\times3=9 ◎)
  2. 8x22x\dfrac{8x^2}{2x}。係数 8÷2=48\div2=4x2÷x=xx^2\div x=x4x4x(確かめ:x=3x=3 で 元の式 72÷6=1272\div6=124×3=124\times3=12 ◎)
  3. 左から:12a2÷4a=12a24a=3a12a^2\div4a=\dfrac{12a^2}{4a}=3a。つぎに 3a×2b=6ab3a\times2b=6ab6ab6ab(確かめ:a=2,b=1a=2,b=148÷8×2=6×2=1248\div8\times2=6\times2=126×2×1=126\times2\times1=12 ◎)

おうちの方へ

つまずきの大半は2つです。①(2a)2(2a)^2 の係数を2乗し忘れて 2a22a^2 にしてしまう、②x×xx\times x2x2x(たし算)と混同してしまう。どちらも「かっこの中は全部2乗される」「同じ文字をかけたら累乗」と、面積図やタイルでイメージできると一気に減ります。わり算は ÷\div のまま考えず、分数にして約分する習慣をつけると正確になります。答えが出たら、文字に好きな数(たとえば a=2a=2)を入れて元の式と一致するか確かめると、自分でミスに気づけるようになります。

単項式の乗除ができるようになったら、次は文字に実際の数を入れて答えを出す**式の値(代入)**へ進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 乗法は係数は係数どうし・文字は文字どうしにかける(3a×4b=12ab3a\times4b=12ab)。
  • 同じ文字をかけたら累乗(2x×3x=6x22x\times3x=6x^2)。
  • (2a)2(2a)^2係数も2乗して 4a24a^23x2-3x^2(3x)2(-3x)^2 は別もの。
  • 除法は分数の形にして約分6ab÷2a=3b6ab\div2a=3b)。
  • 乗除が混じったら左から順に計算する。

よくある質問

単項式のかけ算はどうやって計算しますか?

係数(数の部分)は係数どうし、文字は文字どうしに分けてかけます。3a×4b なら係数 3×4=12、文字 a×b=ab で、答えは 12ab。同じ文字をかけたときは、x×x=xの2乗(x²)のように累乗にまとめます。

なぜ係数どうし・文字どうしに分けてかけていいの?

かけ算は順番を入れかえても答えが変わらない(交換法則)からです。2x×3x は 2×x×3×x とバラして、数どうし(2×3=6)と文字どうし(x×x=x²)に並べかえられるので、答えは 6x² になります。

(2a)² は 2a² でいいの?

いいえ、正しくは 4a² です。(2a)² は 2a を2回かける意味なので、2a×2a=4a² となり、係数の2も2乗されます。かっこがついていたら、中のもの全部(数も文字も)が2乗される、と覚えましょう。

単項式のわり算はどうやって計算するの?

分数の形に書きなおして約分するのがいちばん確実です。6ab÷2a なら 2a分の6ab(6ab/2a)にして、係数 6÷2=3、上と下の a は同じなので消えて、答えは 3b。文字も数とまったく同じように約分で消し合えます。

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