多項式の加法・減法(同類項のまとめ方)

多項式のたし算・ひき算を図でやさしく解説。単項式・多項式・次数・同類項の意味から、かっこのはずし方(とくにひき算の符号反転)まで、つまずきやすいところを矢印つきの図でしっかりわかります。

このページのゴール

単項式・多項式・次数・同類項の意味を理解し、多項式の加法・減法(かっこのはずし方を含む)を正しく計算できるようになる。

(3x+2y)+(x5y)(3x+2y)+(x-5y) はいくつ? 答えは 4x3y4x-3y。多項式のたし算・ひき算は、仲間の項(同類項)どうしをまとめるだけです。中1の「一次式の計算」と同じ考え方が、xxyy が両方ある式でもそのまま使えます。いちばんの落とし穴はひき算のかっこのはずし方。ここを図で先に片づけましょう。

単項式・多項式・次数

まずことばを整理します。むずかしくありません。

  • 3x3x5xy-5xy77 のように、数や文字のかけ算だけでできた式を単項式といいます。
  • 3x+2y3x+2yx24x+1x^2-4x+1 のように、単項式の和でできた式を多項式といいます。多項式の1つ1つの単項式をといいます。

iメモ

3x53x-53x+(5)3x+(-5) と考えれば「単項式の和」です。だから 3x53x-5 も多項式。ひき算が混ざっていても、ぜんぶ「たし算の形」とみなせます。

次数は、かけ合わされている文字の個数です。

  • 単項式 3x3x は文字が xx で1個だから1次5xy5xyxxyy で2個だから2次4x24x^2x×xx\times x で2個だから2次
  • 多項式の次数は、いちばん次数の高い項の次数。x24x+1x^2-4x+1x2x^2(2次)があるので2次式3x+2y3x+2y1次式です。
次数 = かけてある文字の個数3x1次5xy2次4x²2次x² − 4x + 1 → 2次式最大の項で決まる

同類項をまとめる

文字の部分が完全に同じ項を、たがいに同類項といいます。ここが中2のポイント。文字の種類も、その次数も、ぴったり同じでないと同類項ではありません。

  • 3x23x^25x25x^2 … どちらも文字の部分が x2x^2同類項
  • 3x3x3x23x^2 … 文字は同じ xx でも、次数がちがう(xxx2x^2)。同類項ではない
  • 2xy2xy7xy-7xy … 文字の部分が xyxy で同じ。同類項

やり方

  1. 文字の部分が完全に同じ項(同類項)をさがす。
  2. その係数(数の部分)どうしをたす・引く。
  3. 文字の部分はそのままつける(変えない)。

たとえば 3x2+5x23x^2+5x^2 は、係数 3355 をたして 88。文字 x2x^2 はそのままなので、答えは 8x28x^2 です。

3x2+5x2=(3+5)x2=8x23x^2+5x^2=(3+5)x^2=8x^2

なぜそうなるの?(同じ種類だけ数えられる)

文字の部分を「品物の種類」だと思ってください。x2x^2xx は別の種類の品物。同じ種類どうしなら個数(係数)を合計できますが、種類がちがうと合計できません。

3x² + 5x²8x²同じ → まとまる3x² + 3x3x² + 3x別の種類 →そのままx² と x は次数がちがう=べつの品物。合体できない。

3x23x^23x3x は次数がちがうので、6x26x^2 にも 6x6x にもできません。そのままが答えです。

多項式の加法(たし算)

多項式どうしのたし算は、そのままかっこを外して、同類項をまとめるだけです。+でつないだかっこは、中の符号を変えずにそのまま外せます。

(3x+2y)+(x5y)(3x+2y)+(x-5y)

かっこをそのまま外します。

=3x+2y+x5y=3x+2y+x-5y

xx の項は 3x3xxxyy の項は +2y+2y5y-5y。それぞれまとめます。

=(3x+x)+(2y5y)=4x3y=(3x+x)+(2y-5y)=4x-3y

コツ

xx の項どうし、yy の項どうしを「縦にそろえて」書くと、まとめ忘れを防げます。慣れるまでは xx の項を先、yy の項を後ろ、と順番をそろえておくのがコツです。

多項式の減法(ひき算)— 最大の注意点

ここが中2でいちばんつまずくところです。ひき算は、ひく式(後ろのかっこ)の中の符号を全部変えてからかっこを外します。

(3x+2y)(x5y)(3x+2y)-(x-5y)

後ろのかっこの前が -。これは 1-1 をかけるのと同じなので、中の項すべての符号が反対になります。xxx \to -x5y+5y-5y \to +5y

=3x+2yx+5y=3x+2y-x+5y

あとは同類項をまとめます。

=(3xx)+(2y+5y)=2x+7y=(3x-x)+(2y+5y)=2x+7y

なぜそうなるの?(−のかっこは中身を全部反転)

(x5y)-(x-5y)1×(x5y)-1\times(x-5y) のこと。1×x=x-1\times x=-x1×(5y)=+5y-1\times(-5y)=+5y。だから前にある - は、かっこの中のすべての項にかかるのです。後ろの 5y-5y にもかかって +5y+5y になるのを忘れないこと。

−( x − 5y )=− x+ 5y符号は「全部」反対になる(5y にもかかる)

いっしょに解こう

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セナ

加法はかっこをそのまま外せばいいんだよね。ひき算もそのまま外しちゃダメなの?

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ホクト先生

そこが分かれ道だよ。++ のかっこはそのまま外せる。でも - のかっこは、前の - が中身全部にかかるから、中の符号が全部ひっくり返るんだ。(x5y)-(x-5y) なら、xxx-x5y-5y+5y+5y になるよ。

セナちゃんのアイコン
セナ

後ろの 5y-5y がうっかり 5y-5y のままになっちゃう…

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

そう、それがいちばん多いミス。(x5y)=x5y-(x-5y)=-x-5y は間違い。後ろの項もちゃんと反対にして x+5y-x+5y。「全部かえる」と声に出して確認するといいよ。出た答えは x=1, y=1x=1,\ y=1 を入れて元の式と合うか確かめれば安心だね。

理解チェック①(加法)

理解チェック②(減法)

よくある間違い

つまずきやすい2つを先回りします。

(x5y)=x5y-(x-5y)=-x-5y → 後ろの項の符号を変え忘れ。x+5y-x+5y5y-5y も反対になって +5y+5y)。

3x2+3x=6x23x^2+3x=6x^2(または 6x6x) → x2x^2xx は次数がちがい同類項ではない。3x2+3x3x^2+3x のまま(これ以上まとまらない)。

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:同類項をまとめる)

文字の部分が完全に同じ項だけをまとめましょう。次数のちがう項は混ぜません。

  1. 5x2+3x22x5x^2+3x^2-2x
  2. 4a7b+a+2b4a-7b+a+2b
答えと解説を見る
  1. x2x^2 の項 5x2+3x2=8x25x^2+3x^2=8x^2xx の項は 2x-2x のみ(x2x^2 とは別の種類なのでまとめない) → 8x22x8x^2-2x(確かめ:x=1x=1 で 元の式 5+32=65+3-2=68×12×1=68\times1-2\times1=6 ◎)
  2. aa の項 4a+a=5a4a+a=5abb の項 7b+2b=5b-7b+2b=-5b5a5b5a-5b(確かめ:a=1,b=1a=1,b=1 で 元の式 47+1+2=04-7+1+2=05×15×1=05\times1-5\times1=0 ◎)

✏️ やってみよう②(標準:加法)

+のかっこは、そのまま外してまとめます。

  1. (2x+5y)+(3x2y)(2x+5y)+(3x-2y)
  2. (a4b)+(6a+b)(a-4b)+(6a+b)
答えと解説を見る
  1. かっこを外して 2x+5y+3x2y2x+5y+3x-2yxx の項 2x+3x=5x2x+3x=5xyy の項 5y2y=3y5y-2y=3y5x+3y5x+3y(確かめ:x=1,y=1x=1,y=1 で 元の式 (2+5)+(32)=8(2+5)+(3-2)=85+3=85+3=8 ◎)
  2. かっこを外して a4b+6a+ba-4b+6a+baa の項 a+6a=7aa+6a=7abb の項 4b+b=3b-4b+b=-3b7a3b7a-3b(確かめ:a=1,b=1a=1,b=1 で 元の式 (14)+(6+1)=4(1-4)+(6+1)=473=47-3=4 ◎)

✏️ やってみよう③(応用:減法・符号に注意)

ひく式(後ろのかっこ)の符号を全部かえてから外します。後ろの項のかえ忘れに注意。

  1. (5x+y)(2x+4y)(5x+y)-(2x+4y)
  2. (3a2b)(a6b)(3a-2b)-(a-6b)
答えと解説を見る
  1. ひく式の符号をかえて 5x+y2x4y5x+y-2x-4yxx の項 5x2x=3x5x-2x=3xyy の項 y4y=3yy-4y=-3y3x3y3x-3y(確かめ:x=1,y=1x=1,y=1 で 元の式 (5+1)(2+4)=0(5+1)-(2+4)=033=03-3=0 ◎)
  2. ひく式の符号をかえて 3a2ba+6b3a-2b-a+6b6b-6b+6b+6b になる) → aa の項 3aa=2a3a-a=2abb の項 2b+6b=4b-2b+6b=4b2a+4b2a+4b(確かめ:a=1,b=1a=1,b=1 で 元の式 (32)(16)=6(3-2)-(1-6)=62+4=62+4=6 ◎)

おうちの方へ

つまずきの大半は2つです。①ひき算で後ろのかっこの符号を変え忘れる((x5y)-(x-5y)x5y-x-5y にしてしまう)、②x2x^2xx を同類項としてまとめてしまう。どちらも「前の - は中身全部にかかる」「次数がちがう項は別の種類」と図でイメージできると一気に減ります。答えが出たら、xxyy に好きな数(たとえば x=1, y=1x=1,\ y=1)を入れて元の式と一致するか確かめる習慣をつけると、自分でミスに気づけるようになります。

同類項をまとめて加法・減法ができるようになったら、次は文字どうしのかけ算・わり算、単項式の乗法・除法へ進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 数や文字のかけ算だけの式が単項式、単項式の和が多項式
  • 文字の部分が完全に同じ項が同類項3x23x^25x25x^2)。3x3x3x23x^2 は別。
  • 同類項は係数どうしをたす・引く。
  • 加法はそのままかっこを外す。(3x+2y)+(x5y)=4x3y(3x+2y)+(x-5y)=4x-3y
  • 減法はひく式の符号を全部変えてかっこを外す。(3x+2y)(x5y)=2x+7y(3x+2y)-(x-5y)=2x+7y

よくある質問

多項式のたし算・ひき算はどうやって計算しますか?

同類項(文字の部分が完全に同じ項)どうしをまとめ、係数だけをたし引きします。たし算はかっこをそのまま外し、ひき算はひく式の符号を全部変えてからかっこを外します。たとえば (3x+2y)+(x−5y)=4x−3y、(3x+2y)−(x−5y)=2x+7y です。

なぜひき算では、かっこの中の符号を全部変えるの?

かっこの前の−は、−1をかけるのと同じ意味だからです。−(x−5y) は −1×(x−5y) のことなので、−1×x=−x、−1×(−5y)=+5y と、中のすべての項の符号が反対になります。後ろの項(−5y)の符号を変え忘れるのが、いちばん多いミスです。

3x と 3xの2乗(3x²)は同類項としてまとめられますか?

まとめられません。同類項は文字の種類も次数もぴったり同じ項のことで、x と x² は次数がちがう別の種類だからです。3x²+3x はこれ以上まとめられず、そのままの形が答えになります。

多項式の計算の答えが合っているか、どうやって確かめますか?

文字に好きな数(たとえば x=1、y=1)を入れて、元の式と答えの式が同じ値になるか確かめます。たとえば (4x−y)−(x−3y)=3x+2y なら、x=1、y=1 で元の式は (4−1)−(1−3)=5、答えの式は 3+2=5 で一致するので正解とわかります。

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