多項式の加法・減法(同類項のまとめ方)
多項式のたし算・ひき算を図でやさしく解説。単項式・多項式・次数・同類項の意味から、かっこのはずし方(とくにひき算の符号反転)まで、つまずきやすいところを矢印つきの図でしっかりわかります。
◎このページのゴール
単項式・多項式・次数・同類項の意味を理解し、多項式の加法・減法(かっこのはずし方を含む)を正しく計算できるようになる。
(3x+2y)+(x−5y) はいくつ? 答えは 4x−3y。多項式のたし算・ひき算は、仲間の項(同類項)どうしをまとめるだけです。中1の「一次式の計算」と同じ考え方が、x と y が両方ある式でもそのまま使えます。いちばんの落とし穴はひき算のかっこのはずし方。ここを図で先に片づけましょう。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
単項式・多項式・次数
まずことばを整理します。むずかしくありません。
- 3x、−5xy、7 のように、数や文字のかけ算だけでできた式を単項式といいます。
- 3x+2y や x2−4x+1 のように、単項式の和でできた式を多項式といいます。多項式の1つ1つの単項式を項といいます。
iメモ
3x−5 は 3x+(−5) と考えれば「単項式の和」です。だから 3x−5 も多項式。ひき算が混ざっていても、ぜんぶ「たし算の形」とみなせます。
次数は、かけ合わされている文字の個数です。
- 単項式 3x は文字が x で1個だから1次。5xy は x と y で2個だから2次。4x2 は x×x で2個だから2次。
- 多項式の次数は、いちばん次数の高い項の次数。x2−4x+1 は x2(2次)があるので2次式、3x+2y は1次式です。
同類項をまとめる
文字の部分が完全に同じ項を、たがいに同類項といいます。ここが中2のポイント。文字の種類も、その次数も、ぴったり同じでないと同類項ではありません。
- 3x2 と 5x2 … どちらも文字の部分が x2。同類項。
- 3x と 3x2 … 文字は同じ x でも、次数がちがう(x と x2)。同類項ではない。
- 2xy と −7xy … 文字の部分が xy で同じ。同類項。
→やり方
- 文字の部分が完全に同じ項(同類項)をさがす。
- その係数(数の部分)どうしをたす・引く。
- 文字の部分はそのままつける(変えない)。
たとえば 3x2+5x2 は、係数 3 と 5 をたして 8。文字 x2 はそのままなので、答えは 8x2 です。
3x2+5x2=(3+5)x2=8x2
なぜそうなるの?(同じ種類だけ数えられる)
文字の部分を「品物の種類」だと思ってください。x2 と x は別の種類の品物。同じ種類どうしなら個数(係数)を合計できますが、種類がちがうと合計できません。
3x2 と 3x は次数がちがうので、6x2 にも 6x にもできません。そのままが答えです。
多項式の加法(たし算)
多項式どうしのたし算は、そのままかっこを外して、同類項をまとめるだけです。+でつないだかっこは、中の符号を変えずにそのまま外せます。
(3x+2y)+(x−5y)
かっこをそのまま外します。
=3x+2y+x−5y
x の項は 3x と x、y の項は +2y と −5y。それぞれまとめます。
=(3x+x)+(2y−5y)=4x−3y
✓コツ
x の項どうし、y の項どうしを「縦にそろえて」書くと、まとめ忘れを防げます。慣れるまでは x の項を先、y の項を後ろ、と順番をそろえておくのがコツです。
多項式の減法(ひき算)— 最大の注意点
ここが中2でいちばんつまずくところです。ひき算は、ひく式(後ろのかっこ)の中の符号を全部変えてからかっこを外します。
(3x+2y)−(x−5y)
後ろのかっこの前が −。これは −1 をかけるのと同じなので、中の項すべての符号が反対になります。x→−x、−5y→+5y。
=3x+2y−x+5y
あとは同類項をまとめます。
=(3x−x)+(2y+5y)=2x+7y
なぜそうなるの?(−のかっこは中身を全部反転)
−(x−5y) は −1×(x−5y) のこと。−1×x=−x、−1×(−5y)=+5y。だから前にある − は、かっこの中のすべての項にかかるのです。後ろの −5y にもかかって +5y になるのを忘れないこと。
いっしょに解こう
セナ 加法はかっこをそのまま外せばいいんだよね。ひき算もそのまま外しちゃダメなの?
ホクト先生 そこが分かれ道だよ。+ のかっこはそのまま外せる。でも − のかっこは、前の − が中身全部にかかるから、中の符号が全部ひっくり返るんだ。−(x−5y) なら、x は −x、−5y は +5y になるよ。
セナ 後ろの −5y がうっかり −5y のままになっちゃう…
ホクト先生 そう、それがいちばん多いミス。−(x−5y)=−x−5y は間違い。後ろの項もちゃんと反対にして −x+5y。「全部かえる」と声に出して確認するといいよ。出た答えは x=1, y=1 を入れて元の式と合うか確かめれば安心だね。
✓理解チェック①(加法)
✓理解チェック②(減法)
✕よくある間違い
つまずきやすい2つを先回りします。
❌ −(x−5y)=−x−5y → 後ろの項の符号を変え忘れ。⭕ −x+5y(−5y も反対になって +5y)。
❌ 3x2+3x=6x2(または 6x) → x2 と x は次数がちがい同類項ではない。⭕ 3x2+3x のまま(これ以上まとまらない)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:同類項をまとめる)
文字の部分が完全に同じ項だけをまとめましょう。次数のちがう項は混ぜません。
- 5x2+3x2−2x
- 4a−7b+a+2b
答えと解説を見る
- x2 の項 5x2+3x2=8x2、x の項は −2x のみ(x2 とは別の種類なのでまとめない) → 8x2−2x(確かめ:x=1 で 元の式 5+3−2=6、8×1−2×1=6 ◎)
- a の項 4a+a=5a、b の項 −7b+2b=−5b → 5a−5b(確かめ:a=1,b=1 で 元の式 4−7+1+2=0、5×1−5×1=0 ◎)
✏️ やってみよう②(標準:加法)
+のかっこは、そのまま外してまとめます。
- (2x+5y)+(3x−2y)
- (a−4b)+(6a+b)
答えと解説を見る
- かっこを外して 2x+5y+3x−2y。x の項 2x+3x=5x、y の項 5y−2y=3y → 5x+3y(確かめ:x=1,y=1 で 元の式 (2+5)+(3−2)=8、5+3=8 ◎)
- かっこを外して a−4b+6a+b。a の項 a+6a=7a、b の項 −4b+b=−3b → 7a−3b(確かめ:a=1,b=1 で 元の式 (1−4)+(6+1)=4、7−3=4 ◎)
✏️ やってみよう③(応用:減法・符号に注意)
ひく式(後ろのかっこ)の符号を全部かえてから外します。後ろの項のかえ忘れに注意。
- (5x+y)−(2x+4y)
- (3a−2b)−(a−6b)
答えと解説を見る
- ひく式の符号をかえて 5x+y−2x−4y。x の項 5x−2x=3x、y の項 y−4y=−3y → 3x−3y(確かめ:x=1,y=1 で 元の式 (5+1)−(2+4)=0、3−3=0 ◎)
- ひく式の符号をかえて 3a−2b−a+6b(−6b が +6b になる) → a の項 3a−a=2a、b の項 −2b+6b=4b → 2a+4b(確かめ:a=1,b=1 で 元の式 (3−2)−(1−6)=6、2+4=6 ◎)
家おうちの方へ
つまずきの大半は2つです。①ひき算で後ろのかっこの符号を変え忘れる(−(x−5y) を −x−5y にしてしまう)、②x2 と x を同類項としてまとめてしまう。どちらも「前の − は中身全部にかかる」「次数がちがう項は別の種類」と図でイメージできると一気に減ります。答えが出たら、x と y に好きな数(たとえば x=1, y=1)を入れて元の式と一致するか確かめる習慣をつけると、自分でミスに気づけるようになります。
同類項をまとめて加法・減法ができるようになったら、次は文字どうしのかけ算・わり算、単項式の乗法・除法へ進みましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 数や文字のかけ算だけの式が単項式、単項式の和が多項式。
- 文字の部分が完全に同じ項が同類項(3x2 と 5x2)。3x と 3x2 は別。
- 同類項は係数どうしをたす・引く。
- 加法はそのままかっこを外す。(3x+2y)+(x−5y)=4x−3y。
- 減法はひく式の符号を全部変えてかっこを外す。(3x+2y)−(x−5y)=2x+7y。
よくある質問
多項式のたし算・ひき算はどうやって計算しますか?
同類項(文字の部分が完全に同じ項)どうしをまとめ、係数だけをたし引きします。たし算はかっこをそのまま外し、ひき算はひく式の符号を全部変えてからかっこを外します。たとえば (3x+2y)+(x−5y)=4x−3y、(3x+2y)−(x−5y)=2x+7y です。
なぜひき算では、かっこの中の符号を全部変えるの?
かっこの前の−は、−1をかけるのと同じ意味だからです。−(x−5y) は −1×(x−5y) のことなので、−1×x=−x、−1×(−5y)=+5y と、中のすべての項の符号が反対になります。後ろの項(−5y)の符号を変え忘れるのが、いちばん多いミスです。
3x と 3xの2乗(3x²)は同類項としてまとめられますか?
まとめられません。同類項は文字の種類も次数もぴったり同じ項のことで、x と x² は次数がちがう別の種類だからです。3x²+3x はこれ以上まとめられず、そのままの形が答えになります。
多項式の計算の答えが合っているか、どうやって確かめますか?
文字に好きな数(たとえば x=1、y=1)を入れて、元の式と答えの式が同じ値になるか確かめます。たとえば (4x−y)−(x−3y)=3x+2y なら、x=1、y=1 で元の式は (4−1)−(1−3)=5、答えの式は 3+2=5 で一致するので正解とわかります。
#式の計算#多項式の加法・減法#中2数学