文字式の利用(偶数・奇数や連続する整数の説明)

「連続する3つの整数の和はいつでも3の倍数」のような性質を、文字式で説明(証明)する方法をやさしく解説。偶数2n・奇数2n+1の表し方から、文字でおく→計算→◯×整数の形にする、という説明の型まで、図と例題でしっかりわかります。

このページのゴール

整数の性質(偶数・奇数、連続する整数、2けたの数など)を文字で表し、文字式を使って「いつでも成り立つ理由」を説明できるようになる。

「連続する3つの整数の和は、いつも3の倍数になる」——これ、本当でしょうか。1+2+3=61+2+3=610+11+12=3310+11+12=33… たしかに全部3の倍数。でも「いくつか試した」だけでは「いつでも」とは言えません。そこで活躍するのが文字式。数を文字でおいてしまえば、たった1本の式で「どんな数でも成り立つ」ことを説明できます。

まず「数を文字で表す」

説明の出発点は、調べたい数を文字で表すこと。いちばん大事なのは「nn は整数とことわる」ことです。

やり方

  1. 偶数2n2n(2でわり切れる=2の倍数だから)。
  2. 奇数2n+12n+1(偶数より1大きい。2n12n-1 でもよい)。
  3. 連続する3つの整数n, n+1, n+2n,\ n+1,\ n+2(1ずつ大きくなる)。
  4. 2けたの自然数10a+b10a+baa が十の位、bb が一の位)。

たとえば n=3n=3 なら、偶数 2n=62n=6、奇数 2n+1=72n+1=7n=10n=10 なら 2n=202n=202n+1=212n+1=21nn にどんな整数を入れても、ちゃんと偶数・奇数になります。

コツ

かならず「nn は整数」とことわること。これを書かないと、n=1.5n=1.5 のとき 2n=32n=3(奇数)になってしまい、「偶数」とは言えなくなります。「nn は整数」と決めるから、2n2n が偶数だと言いきれるのです。

説明(証明)の「型」を覚える

文字式の説明には、いつも同じ**型(流れ)**があります。この4ステップに沿って書けば、論理が飛びません。

やり方

  1. 文字でおく(「nn は整数とする」など、何を文字にしたか宣言)。
  2. 式を作って計算する(たし算・分配法則などで整理)。
  3. 「◯×整数」などの形に変形する(3( )3(\ )2( )2(\ )11( )11(\ ) のように、くくり出す)。
  4. 「だから〜が言える」と結ぶ(◯の倍数・偶数 などの結論)。

ポイントは③です。3n+33n+3 で止めず、3×(整数)3\times(\text{整数}) の形まで変形しきること。3(n+1)3(n+1) まで書いて、はじめて「3の倍数」と言えます。

例題1:連続する3つの整数の和は3の倍数

「連続する3つの整数の和は、いつでも3の倍数になる」ことを説明しましょう。

?どうして?

①文字でおく:いちばん小さい整数を nn とすると、連続する3つの整数は n, n+1, n+2n,\ n+1,\ n+2nn は整数)。

②式を計算:その和は

n+(n+1)+(n+2)=3n+3n+(n+1)+(n+2)=3n+3

③「◯×整数」の形にする3n+33n+333 でくくると、

3n+3=3(n+1)3n+3=3(n+1)

④結論nn は整数だから n+1n+1 も整数。3×(整数)3\times(\text{整数}) なので、この和はいつでも3の倍数です。

なぜ「3×整数」になると3の倍数?(図で見る)

下の図のように、3つの数 n, n+1, n+2n,\ n+1,\ n+2 は、まん中の n+1n+1 を基準にすると「1-1」「ぴったり」「+1+1」。1-1+1+1 が打ち消し合うので、和は (n+1)(n+1) がちょうど3つ分3(n+1)3(n+1) になります。

連続する3つの整数nn+1n+2−1基準+1−1 と +1 が打ち消し合い、和は n+1 が3つ分n+1n+1n+1和 = 3 ×(n+1)→ 3の倍数

コツ

具体的な数で確かめると安心です。n=10n=10 なら 10+11+12=33=3×1110+11+12=33=3\times11n=4n=4 なら 4+5+6=15=3×54+5+6=15=3\times5。たしかにいつも「3×整数」になっています。

理解チェック①

例題2:偶数+偶数、奇数+奇数

つぎは偶数・奇数の和。2つの数は別べつなので、文字も別べつmmnn)にするのがコツです。

偶数+偶数=偶数

?どうして?

①文字でおく:2つの偶数を 2m, 2n2m,\ 2n とする(m, nm,\ n は整数)。

②計算→③くくる

2m+2n=2(m+n)2m+2n=2(m+n)

m+nm+n は整数だから、2×(整数)2\times(\text{整数})だから偶数+偶数は、いつでも偶数です。確かめ:m=3, n=5m=3,\ n=56+10=16=2×86+10=16=2\times8 ◎。

奇数+奇数=偶数

?どうして?

①文字でおく:2つの奇数を 2m+1, 2n+12m+1,\ 2n+1 とする(m, nm,\ n は整数)。

②計算→③くくる

(2m+1)+(2n+1)=2m+2n+2=2(m+n+1)(2m+1)+(2n+1)=2m+2n+2=2(m+n+1)

m+n+1m+n+1 は整数だから、2×(整数)2\times(\text{整数})だから奇数+奇数は、いつでも偶数になります。確かめ:m=2, n=3m=2,\ n=35+7=12=2×65+7=12=2\times6 ◎。

よくある間違い

ここで両方を同じ文字 nn にしてはいけません2n+2n=4n2n+2n=4n だと「同じ偶数どうしの和」になってしまい、「ちがう2つの偶数」を説明したことになりません。ちがう数は、ちがう文字でおきます。

例題3:2けたの数と入れかえた数の和

2けたの自然数は、十の位を aa、一の位を bb として 10a+b10a+b と表します(位ごとに分けるのがコツ)。たとえば 2727 なら a=2, b=7a=2,\ b=710×2+7=2710\times2+7=27 です。

この2けたの数と、十の位と一の位を入れかえた数 10b+a10b+a の和は、いつでも11の倍数になります。

?どうして?

①文字でおく:もとの数を 10a+b10a+b、入れかえた数を 10b+a10b+a とする(a, ba,\ b は1けたの自然数)。

②計算→③くくる

(10a+b)+(10b+a)=11a+11b=11(a+b)(10a+b)+(10b+a)=11a+11b=11(a+b)

a+ba+b は整数だから、11×(整数)11\times(\text{整数})だから、この和はいつでも11の倍数です。確かめ:27+72=99=11×927+72=99=11\times913+31=44=11×413+31=44=11\times4 ◎。

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セナ

例題1〜3って、ぜんぶ似てる気がする…! やってること同じ?

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ホクト先生

いいところに気づいたね。どれも「①文字でおく→②計算→③◯×整数の形にする→④だから〜」の同じ型なんだ。3の倍数なら 3( )3(\ )、偶数なら 2( )2(\ )、11の倍数なら 11( )11(\ )くくり出す数が結論を決めるんだよ。

セナちゃんのアイコン
セナ

なるほど! ③でくくりきるのが大事なんだね。3n+33n+3 で止めたら、まだ「3の倍数」って言えないんだ。

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

そのとおり。3n+33n+3 だと見た目は3の倍数っぽくないでしょ? 3(n+1)3(n+1) まで変形して、はじめて「3が3つ分くくり出せた=3の倍数」とハッキリ言えるんだ。

理解チェック②

よくある間違い

説明問題でよくある3つのミスを先回りします。

nn は整数」と書かない → n=1.5n=1.5 なら 2n=32n=3 で奇数になってしまう。⭕ かならず「nn は整数とする」とことわる

奇数を 2n2n と書く → 2n2n は偶数。⭕ 奇数は 2n+12n+1(または 2n12n-1

3n+33n+3 で答えを止める → これでは3の倍数と言いきれない。3(n+1)3(n+1) まで変形して「3×3\times整数」の形にする

やってみよう(練習問題)

✏️ やってみよう①(基本:数を文字で表す)

nn は整数とします。次の数を文字で表しましょう。

  1. 偶数
  2. 奇数
  3. 連続する3つの整数(いちばん小さい数を nn とする)
  4. 十の位が aa、一の位が bb の2けたの自然数
答えと解説を見る
  1. 2n2n(2の倍数だから。確かめ:n=4n=42n=82n=8 =偶数 ◎)
  2. 2n+12n+1(偶数より1大きい。2n12n-1 でも正解。確かめ:n=4n=42n+1=92n+1=9 =奇数 ◎)
  3. n, n+1, n+2n,\ n+1,\ n+2(1ずつ増える。確かめ:n=4n=44, 5, 64,\ 5,\ 6 =連続 ◎)
  4. 10a+b10a+b(位ごとに分ける。確かめ:a=3, b=6a=3,\ b=63636 ◎)

✏️ やってみよう②(標準:偶数・奇数の和の説明)

「奇数と奇数の和は、いつでも偶数になる」ことを、文字式を使って説明しましょう。型(①文字でおく→②計算→③くくる→④結論)に沿って書いてください。

答えと解説を見る

①文字でおく:2つの奇数を 2m+1, 2n+12m+1,\ 2n+1 とする(m, nm,\ n は整数)。

②計算する

(2m+1)+(2n+1)=2m+2n+2(2m+1)+(2n+1)=2m+2n+2

③くくる

2m+2n+2=2(m+n+1)2m+2n+2=2(m+n+1)

④結論m+n+1m+n+1 は整数だから、和は 2×(整数)2\times(\text{整数})だから奇数と奇数の和は、いつでも偶数である。

確かめ:m=1, n=4m=1,\ n=43+9=12=2×63+9=12=2\times6 ◎/m=0, n=2m=0,\ n=21+5=6=2×31+5=6=2\times3

✏️ やってみよう③(応用:連続する整数・2けたの数の説明)

次の2つを、文字式を使って説明しましょう。

  1. 連続する2つの整数の和は奇数である。
  2. 2けたの自然数と、その十の位・一の位を入れかえた数の和は、11の倍数である。
答えと解説を見る

1. 連続する2つの整数の和は奇数

①連続する2つの整数を n, n+1n,\ n+1 とする(nn は整数)。

②③和は

n+(n+1)=2n+1n+(n+1)=2n+1

2×(整数)+12\times(\text{整数})+1 の形なので、いつでも奇数。確かめ:6+7=136+7=1310+11=2110+11=21 で奇数 ◎

2. 2けたの数と入れかえた数の和は11の倍数

①もとの数を 10a+b10a+b、入れかえた数を 10b+a10b+a とする(a, ba,\ b は1けたの自然数)。

②③和は

(10a+b)+(10b+a)=11a+11b=11(a+b)(10a+b)+(10b+a)=11a+11b=11(a+b)

a+ba+b は整数だから 11×(整数)11\times(\text{整数})だから11の倍数。確かめ:48+84=132=11×1248+84=132=11\times1215+51=66=11×615+51=66=11\times6

おうちの方へ

ここでつまずく一番の原因は「説明の型が身についていない」ことです。3n+33n+3 まで書けても、3(n+1)3(n+1) までくくり出さないと「3の倍数」と言いきれない——この最後のひと押しが抜けがちです。お子さんが説明を書いたら、①「nn は整数と書いたか」②「最後に 3×3\times整数 や 2×2\times整数 の形になっているか」の2点だけチェックしてあげてください。あとは具体的な数(n=5n=5 など)を入れて成り立つか一緒に確かめると、自信を持って書けるようになります。

文字式を使えば「いつでも成り立つ理由」を1本の式で示せます。この「説明する力」を土台に、次は中2のもう一つの大きな単元、連立方程式へ進みましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 偶数は 2n2n、奇数は 2n+12n+1nn は整数)と表す。
  • 連続する3つの整数は n, n+1, n+2n,\ n+1,\ n+2、2けたの自然数は 10a+b10a+b
  • 説明の型は「①文字でおく→②式を計算→③◯×整数の形にする→④だから〜と言える」。
  • 例:連続3整数の和 n+(n+1)+(n+2)=3(n+1)n+(n+1)+(n+2)=3(n+1) なのでいつでも3の倍数

よくある質問

文字式を使った説明(証明)はどうやって書きますか?

「①数を文字でおく → ②式を計算する → ③◯×整数の形にくくり出す → ④だから〜といえる、と結ぶ」の4ステップの型で書きます。たとえば連続する3つの整数を n、n+1、n+2 とおくと、和は 3n+3=3(n+1) となり、3×整数の形なので、いつでも3の倍数だと説明できます。

偶数と奇数は、文字でどう表すの?

n を整数として、偶数は 2n、奇数は 2n+1(2n−1 でもよい)と表します。かならず「n は整数」とことわるのが大切で、これを書かないと n=1.5 のとき 2n=3 となり、偶数といえなくなってしまいます。

なぜ 3(n+1) の形にすると、3の倍数といえるの?

n が整数なら n+1 も整数なので、3(n+1) は「3×整数」の形になっているからです。3n+3 のままでは3の倍数と言いきれないので、3でくくり出すところまで変形するのがポイント。図で見ると、連続する3つの整数は、まん中の n+1 を基準に −1 と +1 が打ち消し合い、和がちょうど n+1 の3つ分になっています。

2つの奇数の和を説明するとき、両方とも 2n+1 とおいていいの?

いけません。同じ文字 n を使うと「同じ奇数どうしの和」の説明になってしまうので、ちがう数はちがう文字で 2m+1、2n+1 とおきます。和は 2m+2n+2=2(m+n+1) で、2×整数の形になるので、いつでも偶数だといえます。

#式の計算#文字式の利用#中2数学