等式の変形(〜について解く)
等式の変形を図でやさしく解説。「yについて解く」とは何か、中1方程式と同じ「等式の性質」で目的の文字だけを左に残す手順、長方形の周や面積・速さの公式の変形まで、検算つきでしっかりわかります。
◎このページのゴール
等式を、ある文字について解いた形(◯=…)に変形できるようになる。方程式を解くのと同じ「等式の性質」で進める。
2x+3y=12 を「y = …」の形に直してみましょう。これが等式の変形です。やることは中1で習った方程式とまったく同じ。**両辺に同じことをする(等式の性質)**だけで、求めたい文字を左に1人だけ残します。「文字がたくさんあって難しそう」に見えても、道具は1つだけです。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
「◯について解く」ってどういうこと?
「y について解く」とは、その等式を y=(残りの式) の形に直すことです。y だけを左にひとりぼっちにして、ほかの文字や数はぜんぶ右へ移します。
x について解くなら x=… の形に、b について解くなら b=… の形にします。「左に残したい文字を決めて、その文字=…にする」——これがゴールです。
✓コツ
中1の方程式 x+3=8 も、じつは「x について解いた」結果が x=5 でした。等式の変形は、答えが数ではなく文字を含む式になるだけ。やっていることは同じです。
やり方(等式の性質で1文字を残す)
例として 2x+3y=12 を y について解く手順を見ます。
→やり方
- 残したい文字(y)がある項を左に、それ以外を右へ移項する。
- 移項したら符号を反対にする(中1の移項と同じ)。
- y の前の数(係数)で、両辺をわって y=… にする。
実際にやってみます。まず 2x を右へ移項します(符号が変わって −2x)。
2x+3y=12
3y=12−2x
次に、y の係数 3 で両辺をわります。
y=312−2x=4−32x
これで「y=…」の形になりました。y について解けたわけです。
?どうして?
最後の 312−2x は、312−32x=4−32x と項ごとに分けて書いてもOK。どちらも同じ式です(分数のままでも正解)。
なぜそうなるの?(目的の文字だけを左に残す)
図で「移項 → わり算」の流れを見ましょう。やりたいのは、ごちゃ混ぜの式からほしい文字を1人だけ取り出すことです。
「①移項で y の項だけを左に集める」→「②係数でわって y をひとりにする」。この2ステップだけです。両辺に同じことをしているから、等号(つり合い)はくずれません。
係数でわるときの注意(全部の項をわる)
いちばんつまずくのが、係数でわるところです。3y=12−2x の両辺を 3 でわるとき、右辺は 12 も −2x も両方 3 でわります。
312=4、32x=32x なので、答えは y=4−32x。かたっぽだけわって y=4−2x にするのは間違いです(−2x も 3 でわるのを忘れないこと)。
✓コツ
迷ったら 312−2x のように、分子をまとめて1つの分数にして書けば、わり忘れは起きません。分けるのはそのあとでもOKです。
公式を変形する(周・面積・速さ)
身近な公式も、同じやり方で「求めたい値の形」に直せます。
長方形の周 ℓ=2(a+b) を b について解くと——
ℓ=2(a+b) の両辺を 2 でわって 2ℓ=a+b。そのあと a を右から左へ…ではなく、a を移項して b=2ℓ−a。これで「よこ b」を、周と「たて a」から求められます。
速さの公式(道のり = 速さ × 時間)も、L=vt とおいて時間 t について解くと、両辺を v でわって t=vL。つまり「時間 = 道のり ÷ 速さ」。公式を覚え直さなくても、変形すれば必要な形が出てきます。
いっしょに解こう
セナ S=21ah を h について解きたいんだけど、21 がじゃまで進めない…
ホクト先生 いいところに気づいたね。21 をかけてあるから、まず両辺に 2 をかけて分数を消そう。2S=ah になるよ。
セナ そっか、21 の逆で 2 をかけるんだね。そのあとは?
ホクト先生 2S=ah の両辺を a でわるだけ。h=a2S で完成。残したい h を1人にする、という考え方は最初から最後まで同じだよ。
✓理解チェック①
✓理解チェック②
✕よくある間違い
つまずきやすい3つを先回りします。
❌ 3y=12−2x → y=4−2x → 右辺の −2x をわり忘れ。⭕ y=4−32x(12 も −2x も両方 3 でわる)。
❌ 2x+3y=12 → 3y=12+2x → 移項したのに符号を変えていない。⭕ 3y=12−2x(移項したら符号は反対)。
❌ 2ℓ=a+b → b=2ℓ+a → 移項の符号ミス。⭕ b=2ℓ−a(a を引く形になる)。
やってみよう(練習問題)
✏️ やってみよう①(基本:1文字を移項して解く)
求めたい文字の項を左に残し、ほかを移項しましょう(符号に注意)。
- x+y=7 を y について解く
- a−b=5 を a について解く
答えと解説を見る
- x を移項して y=7−x(確かめ:x=3 なら y=4、元の式 3+4=7 ◎)
- b を移項して a=5+b(確かめ:b=2 なら a=7、元の式 7−2=5 ◎)
✏️ やってみよう②(標準:係数でわって解く)
移項したあと、係数で両辺すべてをわります。わり忘れに注意。
- 2x+y=8 を x について解く
- 4a−3b=12 を a について解く
答えと解説を見る
- y を移項して 2x=8−y、両辺を 2 でわって x=28−y(=4−2y)(確かめ:y=2 なら x=26=3、元の式 2×3+2=8 ◎)
- 3b を移項して 4a=12+3b、両辺を 4 でわって a=412+3b(=3+43b)(確かめ:b=4 なら a=424=6、元の式 4×6−3×4=24−12=12 ◎)
✏️ やってみよう③(応用:公式を変形する)
身近な公式を、求めたい文字の形に直します。
- 台形の面積 S=21(a+b)h を h について解く
- 道のり L=vt(速さ v・時間 t)を v について解く
答えと解説を見る
- 両辺に 2 をかけて 2S=(a+b)h、両辺を (a+b) でわって h=a+b2S(確かめ:a=2,b=4,h=5 なら S=21(6)×5=15、62×15=630=5 ◎)
- 両辺を t でわって v=tL(=速さ = 道のり ÷ 時間)(確かめ:v=4,t=3 なら L=12、312=4 ◎)
家おうちの方へ
等式の変形は、新しい難しい技ではなく、中1の方程式(両辺に同じことをする)の延長です。答えが数ではなく文字を含む式になるだけ、と伝えると安心できます。つまずきの多くは「係数でわるとき一部の項だけわる」「移項の符号を変え忘れる」の2つ。変形できたら、文字に好きな数を入れて元の式と一致するか確かめる習慣をつけると、自分でミスに気づけるようになります。
ある文字について解けるようになったら、次はその力を使って、文字で性質を説明する**文字式の利用(説明)**へ進みましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 「◯について解く」= その文字 = … の形に直すこと。
- 使う道具は中1方程式と同じ等式の性質(両辺に同じ操作)。
- 求めたい文字だけを左に残し、ほかは右へ移項する。
- 係数でわるときはすべての項を同じ数でわる(3y=12−2x なら y=312−2x)。
- 公式 ℓ=2(a+b) も b=2ℓ−a のように変形できる。
よくある質問
等式の変形で「yについて解く」とは、どういうことですか?
等式を y=(残りの式)の形に直すことです。手順は、①yのある項を左に残してほかを移項する(符号は反対にする)、②yの係数で両辺をわる、の2ステップ。たとえば 2x+3y=12 なら、2xを移項して 3y=12−2x、両辺を3でわって y=(12−2x)÷3 になります。
なぜ両辺に同じことをすれば、等式を変形してよいの?
等式はつり合ったてんびんのようなもので、両辺に同じ操作をしても等号(つり合い)がくずれないからです。使っている道具は中1の方程式で習った「等式の性質」とまったく同じで、答えが数ではなく文字を含む式になるだけです。
係数でわるとき、どこまでわればいいですか?
両辺のすべての項を同じ数でわります。3y=12−2x の両辺を3でわるときは、右辺の12も−2xも両方3でわって y=(12−2x)÷3 です。かたほうの項だけわって y=4−2x とするのがよくある間違いで、分子をまとめて1つの分数の形にして書くと、わり忘れを防げます。
公式を変形できると、何の役に立ちますか?
1つの公式から、求めたい値の形を自分で作れるようになります。たとえば道のり=速さ×時間(L=vt)を変形すれば、時間=道のり÷速さ(t=L÷v)が出てくるので、公式を1つずつ覚え直す必要がありません。理科のオームの法則から電流を求めるときなど、他の教科でもそのまま使える力です。
#式の計算#等式の変形#中2数学