中学理科中学3年生生物

食物連鎖と生態系とは|生産者・消費者・分解者のちがいを図解【中3理科】

生態系とは、ある場所の生物どうしと、それを取り巻く空気・水・土・光などの環境を、ひとまとまりとして見たものです。中3理科の食物連鎖と食物網、生産者・消費者・分解者(菌類・細菌類)のちがい、数量のつり合いがくずれてもどる順序、分解者のはたらきを調べる実験、炭素の循環まで図で解説します。

先に答え

生態系の中の生物は生産者・消費者・分解者33 つに分けられます。生産者は光合成で有機物をつくる植物消費者は食べて有機物を得る動物分解者は有機物を無機物に分解する菌類・細菌類です。食べる・食べられるの 11 本の鎖が食物連鎖で、実際には相手が何種類もいるので食物網になります。数量のつり合いは一時的にくずれても、やがてもとにもどります。

このページのゴール

生産者・消費者・分解者のちがいを自分の言葉で説明でき、数量のつり合いがくずれてもどるまでの順序と、炭素が生物と大気をめぐるようすを図で追えるようになる。

「分解者って、結局どういう生物のこと?」「消費者とは別のなかまなの?」——ここでつまずく人はとても多いところです。 このページでは、生態系・食物連鎖・食物網から、生産者/消費者/分解者の見分け方、数量のつり合い、記述で問われる実験、炭素の循環までを図でつなげて整理します。 小学校でやった「食べる・食べられる」の基本は、生物と環境(小6理科)で先に確認しておくとスムーズです。

生態系とは——生物と環境を「ひとまとまり」で見る

生態系とは、ある場所に生きている生物どうしと、それを取り巻く環境(空気・水・土・光など)を、ひとつのまとまりとして見たものです。

森・池・草原・海だけでなく、学校の花だんや水そうも、小さな生態系として見ることができます。

iメモ

生態系=生物(植物・動物・菌類・細菌類)+環境(空気・水・土・光・温度)。

生物は環境から影響を受けるだけでなく、生物自身も環境を変えています。 たとえば植物は空気中の二酸化炭素を減らし、酸素をふやします。 この「たがいに影響し合っているひとまとまり」が生態系です。

結論:生産者・消費者・分解者の見分け方

生態系の中の生物は、有機物をどうやって手に入れるかで3つに分けます。 迷ったら、次の順に考えれば必ず決まります。

やり方

  1. 自分で有機物をつくれる? → つくれるなら生産者(光合成をする植物・植物プランクトン)
  2. ほかの生物を食べて有機物を得ている?消費者(草食動物・肉食動物)
  3. 死がいやふんの有機物を、無機物にまで分解している?分解者(菌類・細菌類・土壌動物)
役わり有機物をどうする
生産者光合成で無機物から有機物をつくる植物、植物プランクトン、藻類
消費者ほかの生物を食べて有機物を得るバッタ、ウサギ、カエル、ヘビ、ワシ
分解者死がい・ふんの有機物を無機物に分解する菌類(カビ・キノコ)、細菌類(乳酸菌・大腸菌)、ミミズ・ダンゴムシ

生産者だけが「無機物 → 有機物」の向きにはたらき、分解者は「有機物 → 無機物」ともどす向きにはたらきます。 この2つが両方そろっているから、生態系の中で物質がぐるぐる回れるのです。

光合成そのものがあやしい人は、光合成と呼吸のちがい(中1理科)に戻ってから読むと理解が早くなります。

セナちゃんのアイコン
セナ

分解者って、消費者とは別のなかまなんだよね?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

じつは、分解者も消費者の一部なんです。 カビもキノコも細菌も、自分で有機物をつくれません。 ほかの生物がつくった有機物を取りこんで生きている——つまり「食べている」からです。

セナちゃんのアイコン
セナ

じゃあ、どうしてわざわざ「分解者」って名前をつけて分けるの?

ホクト先生のアイコン
ホクト先生

はたらきが特別だからです。 分解者は有機物を無機物にまでもどして、また生産者が使える形にします。 この「もどす役」がいないと、地面は死がいと落ち葉でうまってしまい、物質は循環できません。

菌類と細菌類のちがい

分解者の代表であるこの2つは、名前が似ているので入試でもよく問われます。

菌類細菌類
カビ、キノコ(シイタケ・アオカビ)乳酸菌、大腸菌、納豆菌
からだ菌糸が集まってできている単細胞(1つの細胞だけ)
ふえ方胞子でふえる分裂してふえる
大きさ細菌類より大きい(目に見えるものもある)とても小さい(顕微鏡でも見えにくい)
共通点どちらも呼吸をし、有機物を無機物に分解する分解者同左

「〜菌」という名前でも、なかまは別です。 酵母菌(コウボ)は菌類乳酸菌・大腸菌・納豆菌は細菌類。 名前の字づらではなく、からだのつくりとふえ方で判断しましょう。

食物連鎖と食物網——鎖が「網の目」になる

食物連鎖とは、「食べる・食べられる」の関係が1本の鎖のようにつながっていることです。

しかし実際の自然では、1つの生物が食べる相手も、食べられる相手も何種類もいます。 そのため鎖が何本も交わり、網の目のように複雑にからみ合います。 これが食物網です。

草原と林の実写。手前の草にバッタ、石の上にカエル、地面にネズミ、木の実(どんぐり)のそばにウサギ、倒木の上にヘビ、枝の上にワシがいて、食べる・食べられるの関係でつながる食物網のようすがわかる
草 → バッタ → カエル → ヘビ → ワシ のような1本の鎖が食物連鎖。実際は木の実 → ネズミ・ウサギ → ヘビ・ワシ のように何本も交わって食物網になる。
① 食物連鎖 = 1本の鎖バッタカエルヘビワシ矢印は「食べられる」→「食べる」の向き海では 植物プランクトン → 動物プランクトン → 小魚 → 大きな魚② 食物網 = 網の目のようにからみ合う木の実バッタネズミウサギカエルヘビワシ食べる相手が何種類もいるから、鎖は網の目のように交わる

矢印の向きは、いつも「食べられる側」から「食べる側」へです。 この向きに、有機物(養分)とエネルギーが受けわたされていきます

理解チェック1

数量のつり合い——なぜピラミッド形になるのか

食物連鎖のつながりで数量を数えると、生産者がいちばん多く、上位の消費者ほど少なくなります。 だから、積み上げるとピラミッド形になります。

ヘビカエルバッタ植物(草)三次消費者二次消費者一次消費者生産者少ない多い生産者がいちばん多く、上の段ほど数が少ない

理由はかんたんです。 食べられる側は、食べる側を養えるだけの数がいなければ生きていけません。 だから下の段ほど数が多くなるのです。

つり合いがくずれても、やがてもどる

ある生物の数が急にふえたり減ったりしても、増減をくり返しながら、やがてもとのつり合いにもどります。 入試ではこの順序を追う問題が頻出です。

① つり合い② くずれる③ 反応が起こる④ もどる植物草食肉食植物草食肉食植物草食肉食植物草食肉食つり合いがとれた状態草食動物が急にふえる植物が減り肉食動物がふえる草食動物が減りもとにもどるふえたり減ったりをくり返しながら、やがてもとのつり合いにもどる

順序をことばで書くと、こうなります。

やり方

  1. 草食動物がふえる
  2. 食べられる植物が減る/えさがふえた肉食動物がふえる
  3. 食べ物が減り、食べられる数もふえたので、草食動物が減る
  4. すると植物がふえ、肉食動物が減って、もとのつり合いにもどる

「ふえた生物の上と下、両方から圧力がかかる」と考えると、順序を丸暗記しなくても書けます。

理解チェック2

分解者のはたらきを調べる実験

「土の中に、本当に分解者がいるのか」を確かめる実験です。 記述問題でねらわれるのは、ほぼ「なぜ加熱するのか」の1点です。

やり方

  1. 校庭などの土を水に入れてよくふり、布でこして「土をしみこませた水」をつくる
  2. A:そのままの土の水/B:同じ土の水を沸騰させて冷ましたもの を用意する
  3. A・Bそれぞれにデンプン溶液を加え、ふたをして2〜3日、暖かい場所に置く
  4. それぞれにヨウ素液を加え、色の変化を調べる
加えた土の水ヨウ素液の色わかること
Aそのまま(加熱なし)変化しないデンプンが分解された = 微生物がはたらいた
B沸騰させて冷ましたもの青紫色になるデンプンが残った = 微生物が死んで分解できなかった

ヨウ素液は、デンプンがあると青紫色になります。 つまり「色が変わらない=デンプンが無くなった=分解された」ということです。

?なぜ、土をしみこませた水を沸騰させるの?

Bだけ沸騰させるのは、土の中の微生物を死滅させるためです。 微生物が生きているA と、死んでいるB を並べれば、ちがいは「微生物がはたらいたかどうか」だけになります。 これで「デンプンが減ったのは微生物のしわざだ」と言い切れます(これを対照実験といいます)。

模範解答:「土の中の微生物を死滅させ、微生物のはたらきがある場合とない場合を比べる(対照実験にする)ため。」

理解チェック3

炭素の循環——光合成・呼吸・分解でめぐる

生態系の中では、炭素が形を変えながら、生物と大気の間をぐるぐるめぐっています。

炭素の循環の実写図。青空に二酸化炭素の分子が浮かび、地上では緑の植物(生産者)が育ち、シカやウサギ(消費者)が草を食べている。地面の断面では、落ち葉や動物の骨のまわりでキノコ・菌糸・ミミズ・細菌(分解者)がはたらき、有機物が土にもどっていくようすがわかる
大気の二酸化炭素は光合成で生産者へ、食べることで消費者へ移る。死がい・ふん・落ち葉は分解者が無機物にもどし、生産者・消費者・分解者の呼吸で二酸化炭素が大気へ返る。
大気中の二酸化炭素石油・石炭などの燃焼でも、ここに加わる光合成呼吸呼吸呼吸(分解)生産者植物・植物プランクトン消費者草食動物・肉食動物分解者菌類・細菌類・土壌動物食べる死がい・ふん落ち葉・かれた植物炭素は 光合成・呼吸・分解 をくり返して、生物と大気をめぐる

ポイントは3つです。

  • 大気 → 生物の向きにはたらくのは、光合成だけ(生産者の役目)。
  • 生物 → 大気の向きは、呼吸。生産者も消費者も分解者も、みんな呼吸をしています。
  • 生物どうしの間では、炭素は有機物のかたちで移動します(食べる・分解する)。

さらに、石油・石炭などの燃焼でも二酸化炭素が大気に加わります。 燃焼のしくみはものの燃え方(小6理科)で確認できます。

算数につなぐ——ピラミッドの数量は「割合・比」

ピラミッドの「上にいくほど少ない」は、じつは割合・比の話です。

たとえば、生産者:一次消費者:二次消費者 = 100 : 10 : 1 のような関係になっているとします。 このとき二次消費者は、生産者全体の 1100\frac{1}{100}1% です。

だから「生産者が半分に減ると、上の段はもっと大きな打撃を受ける」という説明も、比で考えれば納得できます。

理科のグラフや数量の問題は、算数の割合・比がそのまま道具になります。

よくある間違い

よくある間違い

まちがい

分解者は消費者ではない」と覚える。 キノコ・カビは動かないから生産者だと思う。 乳酸菌・大腸菌を菌類に分類する。

正しい

分解者も食べて生きているので、消費者の一部。 菌類は光合成をしないので生産者ではない乳酸菌・大腸菌・納豆菌は細菌類(菌類はカビ・キノコ・酵母菌)。

もう1つ多いのが、矢印の向きの取りちがえです。 食物連鎖の矢印は「食べる → 食べられる」ではなく、「食べられる → 食べる」の向き。 有機物とエネルギーが移動していく向きだ、と覚えておきましょう。

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:3つに分ける)

次のア〜オを、生産者・消費者・分解者に分けましょう。

  • ア:イネ
  • イ:バッタ
  • ウ:シイタケ
  • エ:乳酸菌
  • オ:ワシ
答えと解説を見る
  • 生産者:ア(イネ)——光合成で自分で有機物をつくる。
  • 消費者:イ(バッタ)・オ(ワシ)——ほかの生物を食べて有機物を得る。
  • 分解者:ウ(シイタケ=菌類)・エ(乳酸菌=細菌類)——有機物を無機物に分解する。

ウ・エは分解者ですが、有機物を取りこんで生きているので、広い意味では消費者の一部でもあります。

やってみよう②(標準:つり合いの変化を書く)

ある草原で、草食動物の数が一時的に急にふえました。

  1. このあと、植物肉食動物の数はそれぞれどうなりますか。
  2. さらにそのあと、草食動物の数はどうなりますか。理由もあわせて書きましょう。
答えと解説を見る
  1. 植物は減り、肉食動物はふえる。 (草食動物にたくさん食べられるので植物は減り、えさである草食動物がふえたので肉食動物はふえる)
  2. 草食動物は減る。 模範解答:「えさとなる植物が減り、また食べる肉食動物がふえたため。

その後は植物がふえ、肉食動物が減って、もとのつり合いにもどります。 「ふえた生物は、下(えさ)と上(天敵)の両方からおさえられる」と考えると書きやすくなります。

やってみよう③(応用:分解者の実験)

校庭の土をしみこませた水を用意し、次のA・Bをつくりました。

  • A:土をしみこませた水(そのまま)
  • B:Aと同じ水を、沸騰させて冷ましたもの

A・Bそれぞれにデンプン溶液を加え、ふたをして2〜3日おいたあと、ヨウ素液を加えました。

  1. ヨウ素液を加えて青紫色になるのはA・Bのどちらですか。
  2. そうなる理由を書きましょう。
  3. Bをつくるとき、沸騰させるのはなぜですか。
答えと解説を見る
  1. B
  2. 沸騰によって土の中の微生物が死に、デンプンが分解されずに残ったから。 (Aは微生物が生きていてデンプンを分解するので、ヨウ素液を加えても色が変わりません)
  3. 土の中の微生物を死滅させ、微生物のはたらきがある場合とない場合を比べる(対照実験にする)ため。

3の記述では、「微生物を死滅させる」と「比べるため(対照実験)」の2点が入っていれば満点がねらえます。

おうちの方へ

この単元でお子さんがつまずくのは、ほぼ用語の混同です。 とくに多いのが「分解者は消費者ではない」という思いこみと、「乳酸菌は菌類」という取りちがえです。 分解者も食べて生きている(=消費者の一部)菌類=カビ・キノコ、細菌類=〜菌と呼ばれる単細胞のなかま、と声に出して確認するだけで正答率が変わります。

記述で差がつくのは、①つり合いがくずれたあとの順序、②実験で加熱する理由(対照実験)の2つです。 どちらも「なぜそうなるか」を口で説明させてみると、理解できているかがすぐわかります。 土台があやしいときは、生物と環境(小6理科)光合成と呼吸のちがい(中1理科)に戻るのが近道です。

生態系は、「つくる人(生産者)・食べる人(消費者)・かたづける人(分解者)」の3役がそろって回っています。 この3役で整理できれば、食物網も炭素の循環も1本の線でつながります。 次は動物の分類(中2理科)で、消費者である動物のなかま分けを整理しておきましょう。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • 生態系=ある場所の生物どうしと、それを取り巻く環境(空気・水・土・光)をひとまとまりで見たもの。
  • 食物連鎖=食べる・食べられるの1本の鎖。実際は相手が何種類もいて食物網になる。
  • 生産者=光合成で有機物をつくる。消費者=食べて有機物を得る。分解者有機物を無機物に分解する。
  • 分解者も消費者の一部。代表は菌類(カビ・キノコ)と細菌類(乳酸菌・大腸菌)。
  • 数量は生産者がいちばん多いピラミッド形。くずれても増減をくり返してもとにもどる

よくある質問

分解者とは何ですか?

分解者とは、生物の死がいやふん、落ち葉などにふくまれる有機物を、無機物(二酸化炭素や水、窒素をふくむ物質)に分解する生物のことです。代表はカビやキノコなどの菌類と、乳酸菌や大腸菌などの細菌類で、ミミズやダンゴムシなどの土壌動物もふくみます。分解者も有機物を食べて生きているので、広い意味では消費者の一部です。

生産者・消費者・分解者のちがいは何ですか?

有機物をどうやって手に入れるかがちがいます。生産者は光合成で自分で有機物をつくる生物(植物・植物プランクトン)です。消費者はほかの生物を食べて有機物を得る生物(草食動物・肉食動物)です。分解者は死がいやふんの有機物を無機物に分解する生物(菌類・細菌類など)で、分解者も食べて生きているため消費者の一部にあたります。

食物連鎖と食物網のちがいは何ですか?

食物連鎖は「食べる・食べられる」の関係が1本の鎖のようにつながったもので、草→バッタ→カエル→ヘビ→ワシのように表します。しかし実際の自然では、1つの生物が何種類もの相手を食べたり食べられたりします。そのため鎖が何本も交わり、網の目のように複雑にからみ合います。この状態を食物網といいます。

分解者のはたらきを調べる実験で、土をしみこませた水を沸騰させるのはなぜですか?

土の中の微生物を死滅させ、微生物のはたらきがある場合とない場合を比べる対照実験にするためです。沸騰させた水ではデンプンが分解されずに残るので、ヨウ素液を加えると青紫色になります。沸騰させていない水では微生物がデンプンを分解するため、ヨウ素液を加えても色は変わりません。この差から、土の中の微生物がはたらいたと判断できます。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 生物と環境(小6理科)に戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
#食物連鎖#生態系#分解者#炭素の循環#中3理科