二次方程式の解の公式

中3数学「二次方程式の解の公式」を図でやさしく解説。ax²+bx+c=0の形からa・b・cを符号ごと読み取って公式に当てはめる手順と、分母は2a全体・√の中の符号といったミスが起きやすい点を図で整理し、因数分解との使い分けもふくめてどんな二次方程式でも解けるようになります。

先に答え

二次方程式 ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の解は x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} です。x2+3x+1=0x^2+3x+1=0 なら a=1, b=3, c=1a=1,\ b=3,\ c=1x=3±52x=\dfrac{-3\pm\sqrt5}{2}2x2+3x1=02x^2+3x-1=0 なら a=2, b=3, c=1a=2,\ b=3,\ c=-1x=3±174x=\dfrac{-3\pm\sqrt{17}}{4} になります。分母は aa ではなく 2a2a 全体で、a, b, ca,\ b,\ c を符号つきで書き出してから代入すると符号ミスが減ります。

このページのゴール

解の公式を使って、どんな二次方程式でも解けるようになる。

因数分解できない二次方程式も、解の公式を使えば必ず解けます。最強の切り札。ただし a,b,ca,b,c の読み取りと符号でミスが出やすいので、図で正確に押さえましょう。

解の公式

やり方

ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 のとき、

x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

理解チェック1

なぜこの公式になるの?

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セナ

いきなり出てきたけど、この長い式ってどこから来たの?

覚えるしかないの?

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ホクト先生

天才のひらめきじゃないよ。

前にやった「(x+m)2=k(x+m)^2=k の形にして平方根をとる」を、数字のかわりに a,b,ca,b,c のまま最後までやり切っただけなんだ。

まず数で1回やってみよう。

ステップ1:まず数で試す

x2+6x+4=0x^2+6x+4=0 を、因数分解を使わずに解いてみます。

  1. 定数を右へ移す:x2+6x=4x^2+6x=-4
  2. xx の係数 66半分にして2乗する:(62)2=9\left(\dfrac{6}{2}\right)^2=9
  3. その 99両辺にたすx2+6x+9=4+9x^2+6x+9=-4+9
  4. 左辺が (x+3)2(x+3)^2 にまとまる:(x+3)2=5(x+3)^2=5
  5. 平方根をとる:x+3=±5x+3=\pm\sqrt{5}
  6. 答え:x=3±5x=-3\pm\sqrt{5}

ステップ2:なぜ「半分の2乗」をたすと正方形になるの?

ここが公式のいちばんの正体です。面積の図で見ると一目でわかります。

3x3x9x3x3

x2x^2(1辺 xx の正方形)に、6x6x半分ずつに分けた 3x3x の長方形を右と下にくっつけます。

すると右下に 3×3=93\times3=9 のすきまができます。

このすきまを埋めれば、ちょうど1辺が x+3x+3 の大きな正方形

だから x2+6x+9=(x+3)2x^2+6x+9=(x+3)^2 になります。これを平方完成といいます。

「半分にして2乗」は、6x6x を2つに分けて正方形の角を埋めるための計算だったわけです。

ステップ3:同じことを a・b・c でやる

手順はステップ1とまったく同じです。数字を文字に置きかえるだけ。

?どうして?

ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0a0a\neq0)から出発します。

① 両辺を aa でわるx2x^2 の係数を1にする)

x2+bax+ca=0x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{c}{a}=0

② 定数を右へ移す

x2+bax=cax^2+\dfrac{b}{a}x=-\dfrac{c}{a}

xx の係数 ba\dfrac{b}{a} を半分にして2乗し、両辺にたす

半分は b2a\dfrac{b}{2a}、2乗すると b24a2\dfrac{b^2}{4a^2}

x2+bax+b24a2=ca+b24a2x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{b^2}{4a^2}=-\dfrac{c}{a}+\dfrac{b^2}{4a^2}

④ 左辺を平方完成し、右辺を通分する

(x+b2a)2=b24ac4a2\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2=\dfrac{b^2-4ac}{4a^2}

⑤ 平方根をとる

x+b2a=±b24ac2ax+\dfrac{b}{2a}=\pm\dfrac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

b2a\dfrac{b}{2a} を右へ移して、分母をそろえる

x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

解の公式が出ました。

公式のどこがどこから来たのか

これが分かると、公式のあいまいな部分を自分で直せます。

  • 分母の 2a2a … ③で係数を半分にしたときの 22 と、①で割った aa の名残。
  •  \sqrt{\ } の中の b24acb^2-4ac … ④で右辺を通分してまとめた結果。ca-\dfrac{c}{a} の分母を 4a24a^2 にそろえると 4ac-4ac が現れる。
  • ±\pm … ⑤で平方根をとったから。2乗して同じ数になるものは正と負の2つある。
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セナ

4ac-4ac44 がどこから来るのか、ずっと謎だったんだけど、通分だったんだね。

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ホクト先生

そう。公式を忘れても、この6ステップをたどれば自分で作り直せる。

テスト直前に不安になったら、x2+6x+4=0x^2+6x+4=0 のような簡単な数で1回やってみるといいよ。手が思い出してくれる。

理解チェック2

理解チェック3

まず a・b・c を読み取る

公式に入れる前に、x2x^2 の係数 aaxx の係数 bb、定数 cc符号ごと正確に読み取ります。

+3x+1=0a=1b=3c=1x²の係数=a、xの係数=b、定数=c(符号ごと)

x2+3x+1=0x^2+3x+1=0 なら a=1, b=3, c=1a=1,\ b=3,\ c=1。公式に入れて、

x=3±324×1×12×1=3±52x=\dfrac{-3\pm\sqrt{3^2-4\times1\times1}}{2\times1}=\dfrac{-3\pm\sqrt{5}}{2}
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セナ

√の中(b24acb^2-4ac)の計算がこわい…

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ホクト先生

そこは1つずつ。b2b^2 を出して、4ac4ac を引く。符号を間違えないよう、a,b,ca,b,c を先に書き出してから代入するのがコツだよ。

理解チェック4

よくあるミス

よくある間違い

  • 分母を 2a2a ではなく aa にしてしまう → 分母は 2a2a 全体
  • b-b の符号ミス(b=3b=-3 なら b=+3-b=+3)。
  • b24acb^2-4ac4ac-4ac の符号ミス(cc が負なら 4ac-4ac は+になる)。

a,b,ca,b,c符号つきで書き出してから代入すると、これらのミスが激減します。

理解チェック5

理解チェック6

因数分解と公式の使い分け

コツ

  1. まず因数分解を試す(速い)。x2+5x+6x^2+5x+6 のように2数が見つかればこちら。
  2. 見つからない・複雑なら解の公式(必ず解ける)。
  3. 「2乗=数」「(かっこ)2乗=数」の形なら平方根が速い。

迷ったら解の公式でOK。どんな二次方程式でも解けます。

理解チェック7

やってみよう(練習問題)

やってみよう①(基本:a=1の式で公式に慣れる)

a, b, ca,\ b,\ c を符号つきで書き出してから、解の公式に代入しましょう。

  1. x2+5x+2=0x^2+5x+2=0
  2. x23x1=0x^2-3x-1=0
答えと解説を見る
  1. a=1, b=5, c=2a=1,\ b=5,\ c=2b24ac=258=17b^2-4ac=25-8=17、分母 2a=22a=2x=5±172x=\dfrac{-5\pm\sqrt{17}}{2}
  2. a=1, b=3, c=1a=1,\ b=-3,\ c=-1b=3-b=3b24ac=94×1×(1)=9+4=13b^2-4ac=9-4\times1\times(-1)=9+4=13x=3±132x=\dfrac{3\pm\sqrt{13}}{2}cc が負だと 4ac-4ac は+になる点に注意)

やってみよう②(標準:a≠1・√の整理と約分)

aa が1でない式、√を簡単にして約分する式を練習しましょう。

  1. 2x2+3x1=02x^2+3x-1=0
  2. x22x2=0x^2-2x-2=0
答えと解説を見る
  1. a=2, b=3, c=1a=2,\ b=3,\ c=-1b24ac=94×2×(1)=9+8=17b^2-4ac=9-4\times2\times(-1)=9+8=17、分母 2a=42a=4x=3±174x=\dfrac{-3\pm\sqrt{17}}{4}
  2. a=1, b=2, c=2a=1,\ b=-2,\ c=-2b=2-b=2b24ac=44×1×(2)=4+8=12b^2-4ac=4-4\times1\times(-2)=4+8=12x=2±122=2±232=1±3x=\dfrac{2\pm\sqrt{12}}{2}=\dfrac{2\pm2\sqrt3}{2}=1\pm\sqrt312=23\sqrt{12}=2\sqrt3 にして約分)

やってみよう③(応用:売上から価格を決める文章題)

解の公式で解いて、最後は元の式に代入して2つの解の両方を確かめましょう。

  1. ある商品は、1個 xx 円で売ると 1日に (100x)(100-x) 個売れます(0<x<1000<x<100)。売上を 24002400 円にするには、価格を何円にすればよいですか。
答えと解説を見る
  1. 売上は 価格×個数=x(100x)\text{価格}\times\text{個数}=x(100-x)。これを 24002400 にするので x(100x)=2400x(100-x)=2400100xx2=2400100x-x^2=2400 → 整理して x2100x+2400=0x^2-100x+2400=0a=1, b=100, c=2400a=1,\ b=-100,\ c=2400 より b24ac=100009600=400b^2-4ac=10000-9600=400400=20\sqrt{400}=20 だから x=100±202=60x=\dfrac{100\pm20}{2}=60 または 40401個 4040 円、または 6060。(確かめ:x=40x=40 なら 40×(10040)=40×60=240040\times(100-40)=40\times60=2400 ◎、x=60x=60 なら 60×(10060)=60×40=240060\times(100-60)=60\times40=2400 ◎。安い価格でたくさん売っても、高い価格で少なく売っても、同じ売上になります)

i🎓 高校ではこう発展する

解の公式の  \sqrt{\ } の中にある b24acb^2-4ac は、高校で 判別式 DD と呼ばれ、「解がいくつあるか(実数解の個数)」を判定する道具になります(D>0D>0 で2つ、D=0D=0 で1つ、D<0D<0 で0個)。そして公式の導き方で使った 平方完成 は、高校では方程式を解くためだけでなく 二次関数のグラフの頂点・最大最小 を求める主役になります。いま練習した「a, b, ca,\ b,\ c を符号つきで読み取る」力と平方完成が、そのまま高校数学Ⅰ「二次関数」の土台です。

おうちの方へ

解の公式は「a,b,ca,b,c を符号つきで書き出してから代入」を徹底すると、符号ミスが大きく減ります。分母が 2a2a 全体であること、√の中の 4ac-4ac の符号(cc が負なら+)が要注意ポイント。最後に√を簡単にし、約分できるか確認する習慣もつけましょう。

これで中3「二次方程式」は完全攻略です! 因数分解・平方根・解の公式の3つを、問題に応じて使い分けられれば、入試の計算は怖くありません。

📌 1分まとめ(声に出して読もう)

  • ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の解は x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}
  • まず a, b, ca,\ b,\ c符号ごと正しく読み取る
  • 分母は 2a2a 全体。±と√の中(b24acb^2-4ac)に注意。
  • まず因数分解→ダメなら解の公式の順で。

よくある質問

二次方程式の解の公式とは何ですか?

axの2乗+bx+c=0 の解を求める公式で、x=(−b±√(b²−4ac))÷2a(分母は2a全体)です。因数分解できない二次方程式でも、a・b・cを代入すれば必ず解けます。たとえば x²+3x+1=0 なら a=1、b=3、c=1 で、x=(−3±√5)÷2 となります。

なぜ、a・b・cを符号つきで書き出してから代入するの?

解の公式は符号のミスがいちばん起きやすいからです。−bは、bが−3なら+3になりますし、√の中の−4acは、cが負なら+に変わります。先に a=1、b=−3、c=−1 のように符号ごとメモしてから公式に入れると、こうした取りちがえが激減します。

因数分解と解の公式は、どう使い分ければいいですか?

まず因数分解を試して、できなければ解の公式、という順番が基本です。かけて定数・たして真ん中になる2数がすぐ見つかれば因数分解が速く、見つからない・複雑なときは解の公式なら必ず解けます。「2乗=数」の形なら平方根を使うのが最速です。迷ったら解の公式でOKです。

解の公式の分母は、aですか?2aですか?

分母は2a全体です。たとえば x²+3x+1=0(a=1)なら分母は2、2x²+3x−1=0(a=2)なら分母は4になります。分母をaにしてしまうミスがとても多いので注意しましょう。最後に√を簡単にして、約分できるかも確認します。

この単元でつまずいたとき、家庭でできること

  1. 因数分解で解くに戻る
    つまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
  2. 印刷して、手を動かす
    読んでわかっても、手が動くとは限りません。無料のプリントを刷って、量をこなしてください。
  3. 説明役を、外部にまかせる
    教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。
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