中学理科中学1年生生物
花のつくりとはたらき|胚珠と子房のちがい・裸子植物のマツ【中1理科】
花のつくりとは、外側からがく・花弁・おしべ・めしべの順に並んだ組み立てのことです。中1理科の花のつくりとはたらきを図解でやさしく。柱頭・花柱・子房・胚珠・やく・花糸の役割、受粉のあと胚珠が種子・子房が果実になる対応、子房がなく胚珠がむき出しの裸子植物(マツの雌花・雄花・まつかさ)との比較、記述の模範解答まで。
花は外側からがく → 花弁 → おしべ → めしべの順に並び、めしべは上から柱頭・花柱・子房で、子房の中のつぶが胚珠です。受粉のあと胚珠は種子に、子房は果実になります(中は中、外は外)。子房がある被子植物に対し、マツなどの裸子植物は子房がなく胚珠がむき出しなので果実ができません。
◎このページのゴール
花の各部分の名前とはたらきを言え、受粉のあと「胚珠→種子」「子房→果実」になることを説明でき、被子植物と裸子植物を子房の有無で見分けられるようになる。
「胚珠と子房、どっちが種子になるんだっけ?」——中1の花のつくりで、いちばん多いつまずきがここです。 じつはこの2つ、中身と入れ物の関係だと気づくだけで一気に整理できます。 小5の花から実へ(受粉)で習った「めしべのもとがふくらんで実になる」を、中1の言葉に置きかえていきましょう。
どこでつまずいた?
あてはまるものをタップ。そこから読むと近道です。
花のつくりは「外側から中心へ」の順で覚える
→やり方
- いちばん外がわ … がく(つぼみのときに中を守る)
- その内がわ … 花弁(花びら。虫を呼ぶ)
- さらに内がわ … おしべ(何本もある。花粉をつくる)
- いちばん中心 … めしべ(ふつう1本。種子と果実のもと)
順番を覚えるコツは、「外から中へ」の一方向でたどること。 つぼみを外側から1枚ずつはがしていくと、この順に出てきます。
いちばん大事なのは、図のいちばん下のめしべの根もとです。 ふくらんだ部分が子房、その中に入っている小さなつぶが胚珠。 この「入れ物と中身」の関係が、このあとすべての土台になります。
✓理解チェック1
それぞれの部分のはたらき(一覧表)
名前だけ覚えても、テストでは「はたらきを書きなさい」と問われます。 名前とはたらきをセットで入れておきましょう。
| 部分 | くわしい名前 | はたらき |
|---|---|---|
| めしべ | 柱頭(先) | 花粉がつくところ。ねばりけがあり花粉がつきやすい |
| 花柱(中間) | 柱頭と子房をつなぐ細い部分。花粉管が通る道 | |
| 子房(根もと) | 胚珠を包む入れ物。受粉後に果実になる | |
| 胚珠(子房の中) | 小さなつぶ。受粉後に種子になる | |
| おしべ | やく(先) | 花粉をつくるふくろ |
| 花糸(柄) | やくをささえる細い柄 | |
| 花弁(花びら) | — | 色やにおいで虫を呼ぶ。おしべ・めしべを守る |
| がく | — | いちばん外がわ。つぼみのときに中を守る |
写真で実物を確かめておくと、図と結びつきやすくなります。
花の断面を、写真で見てみよう
写真の番号と、下の説明を見くらべよう
12344花びら虫を呼び、中を守る
がくつぼみの中を守る
おしべ(何本も)先の「やく」で花粉をつくる
めしべ(中央に1本)先は柱頭、もとは実になる
小5では「めしべのもと」と習った部分が、中1では子房という名前になります。 呼び名が変わっただけで、指している場所は同じです。
めしべって「柱頭・花柱・子房」で3つも名前があるの…? 多すぎて混ざりそう。
上から順に頭・首・おなかとイメージするといいよ。 柱頭は頭だから花粉を受け止める。花柱は首だから通り道。子房はおなかだから、中に赤ちゃん(=胚珠)が入っている。 「おなかの中の赤ちゃんが種子になる」——このイメージで、胚珠と子房はもう逆転しないはずだよ。
受粉のあと、胚珠は種子に・子房は果実に
ここがこのページで最重要、そして定期テストの最頻出です。
まず受粉とは、おしべのやくでつくられた花粉が、めしべの柱頭につくこと。 受粉が起こると、めしべの根もとで次の2つの変化が同時に進みます。
覚え方はシンプルです。
- 外がわの入れ物(子房)が育って、外がわの果実になる
- 中身のつぶ(胚珠)が育って、中身の種子になる
リンゴをかじったとき、外の食べる部分が果実、中のたねが種子。 もとの位置関係がそのまま残っていると考えれば、逆に覚えることはありません。
✓受粉と受精は別のこと
- 受粉…花粉がめしべの柱頭につくこと。ここまでが中1の学習範囲です。
- 受精…そのあと花粉から花粉管がのび、精細胞が胚珠の中の卵細胞と結びつくこと。
受粉が先、受精はあと。 受精のくわしいしくみは、中3の生殖と細胞分裂で学びます。
✓理解チェック2
被子植物と裸子植物——分かれ目は「子房があるかどうか」
種子植物は、胚珠が子房に包まれているかどうかで2つのグループに分かれます。
| くらべる点 | 被子植物 | 裸子植物 |
|---|---|---|
| 子房 | ある(胚珠を包む) | ない |
| 胚珠 | 子房の中にある | むき出し(りん片の上) |
| 果実 | できる | できない |
| 種子 | できる(果実の中) | できる(むき出しのまま) |
| 花弁・がく | あるものが多い | ない |
| 例 | アブラナ、サクラ、アサガオ、イネ | マツ、スギ、イチョウ、ソテツ |
漢字の意味で結びつけると、逆転しません。
- 被子植物 … 胚珠が子房に「被(おお)われている」
- 裸子植物 … 胚珠が「裸(はだか)」でむき出し
そして最大のポイントが、果実ができるかどうか。 果実は子房が育ったものなので、子房がない裸子植物には果実そのものができません。
マツの花を見てみよう
マツにも花はありますが、花弁もがくもないので「花らしく」見えません。 雌花と雄花が、それぞれ別の場所につきます。
図のポイントを、言葉でも整理しておきます。
- 雌花は枝の先につく。りん片に胚珠がむき出しでのっている
- 雄花は枝のもとに集まってつく。りん片に花粉のうがあり、ここで花粉ができる
- 風で運ばれた花粉が胚珠につくと受粉。約1年半後、雌花が育ってまつかさ(まつぼっくり)になる
- まつかさは果実ではない。りん片の間にできているのは種子
?なぜ、マツには果実ができないの?
果実は子房が成長してできるもの。 ところがマツは子房そのものを持っていないので、育って果実になる部分が存在しません。 胚珠はりん片の上にむき出しでついているため、受粉しても種子だけができます。
模範解答:「マツは胚珠がむき出しで子房がなく、果実は子房が成長してできるものだから。」
この記述は「子房がないから」だけでは不十分になることがあります。 「果実=子房が育ったもの」という定義まで書き切ると、満点をねらえます。
じゃあ「まつぼっくりの実」って言い方、まちがってるの?
日常会話ならまったく問題ないよ。 でも理科のテストでは、果実=子房が育ったものという決まった意味で使うんだ。 マツには子房がないから、まつかさは果実ではなく、種子をのせたりん片が集まったもの。 イチョウの「ぎんなん」も同じで、あの黄色い外側は果実ではなく、種子を包む皮なんだよ。
✓理解チェック3
よくある間違い
✕よくある間違い
「子房が種子になり、胚珠が果実になる」と、逆に覚える。
胚珠 → 種子(中身)、子房 → 果実(入れ物)。 「おなかの中の赤ちゃんが種子」とイメージする。
もう1つ多いのが、まつかさを果実だと答えてしまうまちがいです。 マツに子房はないので、果実はできません。 まつかさは、種子をのせたりん片が集まったものです。
3つめは、受粉と受精の混同。 「花粉が柱頭につく」までが受粉で、精細胞と卵細胞が結びつくのが受精です。
i算数とつなげると、観察がテストの得点になる
アブラナのさやを何本か割って、中の種子の数を数えてみましょう。 1本ごとにばらつくので、平均を出すと「このアブラナはさや1本あたり約〇個」と言えるようになります。
平均の求め方(合計 ÷ 個数)があいまいなら、小5算数「平均とは?(合計÷個数)」に戻ると5分で復習できます。 さやの数 × 1本あたりの平均で、株全体の種子の数を見積もる——これは理科の観察レポートでそのまま使える考え方です。
やってみよう(練習問題)
やってみよう①(基本:名前とはたらき)
次の問いに答えましょう。
- 花の各部分を、外側から中心に向かって順に並べましょう。
- 花粉をつくるのは、おしべのどの部分ですか。
- めしべの先の、花粉がつく部分を何といいますか。
答えと解説を見る
- がく → 花弁(花びら) → おしべ → めしべ
- やく(花糸はやくをささえる柄)
- 柱頭(ねばりけがあり、花粉がつきやすくなっています)
「外から中へ」の一方向でたどるのがコツ。 めしべは上から柱頭・花柱・子房の3つに分けて答えられるようにしておきましょう。
やってみよう②(標準:受粉後の変化)
アブラナの花が受粉しました。
- 胚珠は、やがて何になりますか。
- 子房は、やがて何になりますか。
- 胚珠と子房の位置関係を、簡単に説明しましょう。
答えと解説を見る
- 種子
- 果実
- 胚珠は、子房の中に入っている。(子房が入れ物、胚珠が中身)
3の位置関係が書けると、1と2を逆に答えることがなくなります。 「中身の胚珠が中身の種子に、入れ物の子房が入れ物の果実に」と対応させましょう。
やってみよう③(応用:マツと記述)
マツの花について答えましょう。
- 雌花は枝のどこにつきますか。また、雄花はどこにつきますか。
- 雌花のりん片には何がついていますか。雄花のりん片には何がついていますか。
- マツには果実ができません。その理由を書きましょう。
答えと解説を見る
- 雌花は枝の先、雄花は枝のもとにつきます。
- 雌花のりん片には胚珠がむき出しでついています。雄花のりん片には花粉のうがついています。
- マツは胚珠がむき出しで子房がなく、果実は子房が成長してできるものだから。
3は「子房がないから」だけでも部分点になりますが、「果実は子房が育ったもの」という理由まで書くと確実です。 なお、受粉した雌花が育ってまつかさになるまでには約1年半かかります。
家おうちの方へ
この単元でお子さんがつまずくのは、ほぼ**「胚珠と子房、どっちが種子でどっちが果実か」**の1点に集中します。 用語を別々に暗記させるのではなく、リンゴを半分に切って見せるのがいちばん早い近道です。 「外の食べるところが果実(もとは子房)、中のたねが種子(もとは胚珠)」——実物で1回対応させれば、まず逆転しません。
もう1つの山場がマツです。 「まつぼっくりは実じゃないの?」という素朴な疑問は、そのまま記述問題「マツに果実ができない理由」につながります。 果実=子房が育ったもの/マツには子房がない、この2文をセットで言えるかを確認してあげてください。
土台があやしいときは小5「花から実へ(受粉)」へ、 先へ進むなら植物の分類へ。 葉のはたらきとあわせるなら光合成も同じ中1の範囲です。
「外から中へ」の順番と、「中身が種子・入れ物が果実」の対応。 この2つを押さえれば、花のつくりはもう得点源です。 次は植物の分類(種子植物・被子植物・裸子植物)で、子房の有無を出発点に植物全体の樹形図へ広げていきましょう。
📌 1分まとめ(声に出して読もう)
- 花は外側から中心に向かって、がく → 花弁 → おしべ → めしべの順に並ぶ。
- めしべは上から柱頭・花柱・子房。子房の中にあるつぶが胚珠。
- 受粉のあと、胚珠は種子に、子房は果実になる。中と外の関係で覚える。
- 受粉=花粉がめしべの柱頭につくこと。おしべのやくが花粉をつくる。
- 被子植物=胚珠が子房に包まれる→果実ができる。裸子植物=胚珠がむき出し(子房なし)→果実ができない。
よくある質問
胚珠と子房のちがいは何ですか?
子房はめしべの根もとのふくらんだ部分で、胚珠はその子房の中に入っている小さなつぶです。つまり「外側の入れ物が子房、中身が胚珠」という関係です。受粉のあと、中身の胚珠は種子になり、外側の子房は果実になります。「中が種子、外が果実」と対応させて覚えると取りちがえません。
花のつくりは、外側からどんな順に並んでいますか?
外側から中心に向かって、がく → 花弁(花びら) → おしべ → めしべ の順に並んでいます。いちばん外でつぼみを守るのががく、その内側が虫を呼ぶ花弁、さらに内側に花粉をつくるおしべがあり、いちばん中心に1本のめしべが立っています。「外から中へ」の向きで唱えると順番を忘れません。
マツには、なぜ果実ができないのですか?
マツは裸子植物で、胚珠がりん片の上にむき出しについていて、胚珠を包む子房がないからです。果実は子房が成長してできるものなので、子房がないマツでは果実ができません。受粉した胚珠は種子にはなりますが、その種子は果実に包まれず、まつかさ(まつぼっくり)のりん片の間にできます。
受粉と受精は、どうちがいますか?
受粉は、おしべのやくでつくられた花粉が、めしべの柱頭につくことです。受精は、そのあと花粉から伸びた花粉管を通って精細胞が胚珠の中の卵細胞と結びつくことをいいます。受粉が先で、受精はそのあとに起こります。中1では受粉までを学び、受精のくわしいしくみは中3の生殖で学習します。
この単元でつまずいたとき、家庭でできること
- 花から実へ(受粉)|小5理科に戻るつまずきの原因は、たいてい1つ前の単元にあります。まずそこを確かめてください。
- 説明役を、外部にまかせる教える側が説明しきれないときは、無料体験のある外部のサービスで様子を見る方法もあります。